ガラスの村
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初版刊行(参考)
種別
長編
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評判
ガラスの村の評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
ガラスの村の総合評価:
7.13/10点 レビュー 8件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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閉鎖的な村で殺人事件が起こり、あらゆる状況証拠が外部から来た浮浪者に不利な中で、村人が一致団結する様子には、得もいわれぬ怖さがある。このまま放っておくとリンチにされるところを、登場人物の判事の機転で急ごしらえの村内裁判が開かれ、やがて…。
と、ストーリーを紹介しても仕方ないけれど、クイーンの小説の中では最も文学的な雰囲気のある作品だと感じた。いくつか印象に残ったくだりやセリフを挙げてみよう。
●「変わるということは悪いことじゃありません。でも結局、良いものはちゃんと生き残ります――つまり値打のあるものはね」(P42)
●「記憶というものは、あらゆる苦痛のなかで一ばん辛(つら)い苦しみです」(P104~105)
●人間というものは、たとえ民主主義のもとにおいても、暴民に堕落する傾向が多分にある。(P141)
●「彼らはたしかに間違っている。だが彼らは信念をもって、なすべきだと思うことをやっているのだ。しかしなにが正しいかを知りながらそれを守り続けないとすれば――そういう人間は失われた人間ですぞ」(P285)
●「貧しいものだけが与えることのぜいたくさを知るといったのはだれでしたかな?」(P308)
本書は、マッカーシズムが吹き荒れ、公民権運動の機運が高まっていた1950年代に書かれている。アメリカという国に不信感を覚えながらも、それでもクイーンはアメリカを信じていたのだと思う。だからこそ本書のラストシーンには、希望がある。
差別や偏見によって分断が進む今のアメリカも、似たような状況にあるのではないか。クイーンが現代に生きていたら、どんな小説を書くだろうと想像する。やっぱり、法治国家や民主主義には健全な自浄作用があることを期待せずにはいられないのではあるまいか。