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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数336件
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前作「たこ焼きの岸本」でたこ焼き屋を営む十喜子の女子高生時代から進と結婚するまでの「エピソード0」的な第2巻です。
十喜子の病院勤務時代にはある「事件」も起きて、ミステリ要素も込められています。 前作にも増して、大阪人情、大阪の文化が織り交ぜられ、大阪下町の人たちの温かさがしっかり伝わってきます。少しでも大阪に縁のある人なら、これぞザ・大阪を(それも古き良き昭和の)感じることでしょう。 十喜子は進のようなちゃらんぽらんな男とよく結婚しようと思ったものですが、前作を読んでいれば納得はいくでしょうね。 |
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巷では猫ブームとやらで猫番組も多いが、やはり犬好きには犬小説。前作「ソウルメイト」と比して「命」に重きをおいたお話が多いです。
特に障碍をもった犬をテーマにしたものは、かつて私も脚の不自由な犬を飼っていたので感傷に浸っていました。 最後の章では、そんな彼らに逢ってみたくなる作品。あっちの世界で元気に走り回ってるかな。 |
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落語にはサゲが大事。破楽師匠が教えてくれたとおりに、見事に最後が決まっています。創作落語の「千歳飴」や刑務所の慰問など読みどころ満載で、まさに名人芸を堪能した気分。電撃文庫大賞の奨励賞を受賞したのも頷けます。「猫の恩返し」で涙腺崩壊です。
弟子入り志願する願もさることながら、破楽師匠の生き様に拍手! |
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認知症を題材にした前半、テロリストの暗躍の中盤、そして警察組織の闇をえぐった終盤。
この展開はミステリとして迫力あり。乱歩賞作としてはレベル高い。地味な前半から派手な中盤〜後半の様変わりには読み応えがあった。 選考委員が指摘するように、警察組織を勘違いしているには同意するが、フィクションだからいいか。 |
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生産者の立場から見た競馬を、リアリティ豊かに描いた感動作。さすがは元スポーツ紙記者、どこをとっても臨場感豊かに読ませてもらえた。生産者のみならず、調教師、騎手、馬主も実際こういうやり取りをしているんだろうなと思わせるし、結末はわかりながらも、感動に誘ってくれるのは競馬ファンならずとも納得の作品です。
帯に「ダービーのスタンドがファンで埋め尽くされる日が戻りますように」とあるように、1日も早く大勢のファンが生のレース観戦ができるようになるよう心から願っています。 |
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輪廻転生を題材にしたものは数々あれど、本作は著者のセンスのよさと読みやすさで感動的な一作。前世の記憶があるということがこれほどまでに不幸なことなのか、というのが全体に漂い、純愛ミステリといった風合いで、なるほど直木賞を獲ったのも頷けると感じた。輪廻転生は肯定も否定もしないがきっとそういう子供は実際いるのだろう、ただ上手く人に伝えられないまま大人になるにつれて忘れていくんだろうな、と思ったしだいです。
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確かに翻訳モノ独特の言い回しが気にならないこともないが、古典ミステリの名作には違いない。文句のつけようはないし、時代を考えればその時代にこれだけの構成でできることが称賛に値するといえるのでは。「多重解決」という手法も面白いし、「犯罪研究会」の面々も個性的。
貫井徳郎が本作を意識して「プリズム」(既読)を書いたときいて納得。 |
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悲惨な電車事故をベースに、人を愛することとは?を問いかける心温まるファンタジー。幽霊が事故の犠牲になった愛する人に会わせてくれるというのは既視感があるが、良心的な作品となっていると思う。特に第四章の最後はウルウルくるね。どこか自分に重なる部分もあって、十分惹き込まれた。いいお話を読ませてもらいました。
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普段はあまり手にしない類の作品だが、タイトル当てということで閑話休題的に読了。○○○○○○○○は終盤にはわかったし、普通に読んでいれば判明しやすいでしょう。
それにしても気になったのは、嫌悪感をもたせるほどの軽さと下ネタ的情景!やはり結局のところ普段あまり手にしない作品のひとつでありました。おそらく高い確率で吝作品はこれが最初で最後。 |
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「人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない。」本作を読むとそれがよ〜くわかる。いい人間、悪い人間の違いなんか当然わかってるんだろうな。犬を飼っていたことのある私も、これを読んで改めて犬が人間に対してもっている感情がどれだけレベルの高いものかを感じ取ることができました。私も感じたことがあるのですが、やけに飼っていたのと同じ犬種に出くわすな、と思っていたら当の犬が実は亡くなったと聞かされ、きっとありがとうを言いに来てたのでは?なんて言われたことがあります。本作は現実感はイマイチかもしれないが、そんな犬の想像以上の賢さを思い知らされる作品でした。直木賞受賞おめでとうございます^_^
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大河ドラマの影響もあり、12年ぶりに再読。光秀に関する研究も進み、またドラマや小説などの本を読んできたこともあり、より内容が鮮明に理解できた。改めて真保さんの筆力に感服。
小平太を代表する忍びの躍動ぶりも感動的、上下巻に分かれて長いかと思われた大作もあっと言うまに読破。光秀に関する謎はこうだったらいいな、面白いなと思ったことをほぼ網羅してくれていて、文句なしの傑作と言えます。 数年後、また再読したいです。 |
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横溝正史は私がミステリにハマるきっかけになった作家(そうです、乱歩より先!)。そんな横溝ワールドと親族間のトラブルを上手く絡ませてます。作中でもそう言わせてますが、なかなか上手く描かれています。横溝についての薀蓄もさり気なく公開、あぁそういう時期もあったんだなとしみじみする場面も。シリーズの中でも上位にくるおもしろさでしょうね。
でもなぜ2021年(未来!)の設定が? |
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役場の仕事に行き詰まりを感じる主人公・あたりが現実逃避するお話。結局はもとの職場に戻るけど、どこか「およげ!たい焼きくん」に近いものを感じた。あたりはこの経験を通じて成長できたのか?は少々疑問。
現時点で渚さんの著作すべて読了。次回作が今から楽しみ! |
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ワンパターンなのに毎回ほっこりさせられるエピソード。
今回は第1章にあの大道寺茜さん登場。認知症を患う父親を気遣う様子に感涙。 早くも第7弾になる本作も飽きをこさせず、目頭を熱くさせてくれます。 |
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中山七里が生んだオールスターキャストによる豪華版。(そういう意味での「合唱」か。)
一応岬洋介シリーズだろうけど、音楽ミステリというよりは法廷モノといった方がしっくり。音楽が流れるシーンも1ヶ所だけで少々もの足りず。 岬父子対決はなかなかの読みどころだが、結末は予想がついたので、ドンデン返しの帝王による作品としては普通レベルか。 |
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宇恵康彦主人公の「監督の問題」の続編と思いきや、第1章はそうだが、野球界を支える解説者、ウグイス嬢、コーチ陣、審判、果てはダフ屋まで。いわゆる裏方たちの葛藤を描いた短編集となっている。なるほど、実際の世界でもさまざまな葛藤、柵があるんだなぁと感心させられる。グランドの現場のみならず、決して仲良しクラブではないのだから、これはサラリーマン社会も一緒だからね。
新たに追加された書き下ろし「笑えない男」は大学野球界が舞台、短い中にも読み応えあり。 |
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佐藤憲胤時代に描かれた幻のデビュー作。「QJKJQ」「Ank」以前ということで、青臭さもあるものの、その独特な世界観のきざしは見える。純文学のカテゴリに入るようだが、いやそんなはっきりとした所に収まるような単純な世界ではない。ギャンブル小説のようでそっくり嵌っているわけでなく、あえてジャンル分けしているにすぎない。ジャンルを作るとすれば、佐藤究というジャンルで特異なる個性を噴出し続けるだろう。
上の2作以前ということで、点数的な評価では低めだが、他にマネできないであろう、この世界。しっかり見守っていこうと思う。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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深海調査船を舞台にしたスリル満点海洋ミステリ。
さすが真保さん、この手のサスペンスは外しません。閉ざされた空間で繰り広げられる展開は「ホワイトアウト」を彷彿させるが、また違った世界を見せてくれます。そして全編にちりばめられた蘊蓄(こういうと否定的に感じるかも知れないが)も真保さんらしさが活きていて、名手健在を印象づけてくれました。 |
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ガミさん、日岡、そして沖虎彦。3人の個性が光る3部作の完結編。本作の昭和57年編ではやはりガミさん。
そして平成16年編では日岡が捜査の中心にいるわけだが、全体にわたってその存在感を重く漂わせているのが沖虎彦。改めて彼の人生を考えてみると、なんとも言えない世の中の不条理が見えてくる。本作の真の主人公は沖か。 「孤狼の血」シリーズ3部作はとにかく骨太で丁寧かつ重厚な作りが際立っており、本作のラストは掉尾を飾るにふさわしいグサリとくる読後感。 |
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大阪下町の商店街でたこ焼き屋を営む岸本十喜子。
彼女を取り巻く商店街のコテコテの関西人店主たち。 関西人ならどっぷりとなにわ人情にハマれる作品。テーマがテーマだけにどうしても軽いコメディタッチになってしまうが、この人情がわかる人にはわかるのです、大阪人の優しさが。 女子プロレスが題材として出てくるが、著者の作品はスポーツがらみが様になってるようで。 この路線はやはりハマるので、ぜひシリーズ化もしくは続編を希望。 |
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