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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数329件
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悲惨な電車事故をベースに、人を愛することとは?を問いかける心温まるファンタジー。幽霊が事故の犠牲になった愛する人に会わせてくれるというのは既視感があるが、良心的な作品となっていると思う。特に第四章の最後はウルウルくるね。どこか自分に重なる部分もあって、十分惹き込まれた。いいお話を読ませてもらいました。
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普段はあまり手にしない類の作品だが、タイトル当てということで閑話休題的に読了。○○○○○○○○は終盤にはわかったし、普通に読んでいれば判明しやすいでしょう。
それにしても気になったのは、嫌悪感をもたせるほどの軽さと下ネタ的情景!やはり結局のところ普段あまり手にしない作品のひとつでありました。おそらく高い確率で吝作品はこれが最初で最後。 |
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「人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない。」本作を読むとそれがよ〜くわかる。いい人間、悪い人間の違いなんか当然わかってるんだろうな。犬を飼っていたことのある私も、これを読んで改めて犬が人間に対してもっている感情がどれだけレベルの高いものかを感じ取ることができました。私も感じたことがあるのですが、やけに飼っていたのと同じ犬種に出くわすな、と思っていたら当の犬が実は亡くなったと聞かされ、きっとありがとうを言いに来てたのでは?なんて言われたことがあります。本作は現実感はイマイチかもしれないが、そんな犬の想像以上の賢さを思い知らされる作品でした。直木賞受賞おめでとうございます^_^
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大河ドラマの影響もあり、12年ぶりに再読。光秀に関する研究も進み、またドラマや小説などの本を読んできたこともあり、より内容が鮮明に理解できた。改めて真保さんの筆力に感服。
小平太を代表する忍びの躍動ぶりも感動的、上下巻に分かれて長いかと思われた大作もあっと言うまに読破。光秀に関する謎はこうだったらいいな、面白いなと思ったことをほぼ網羅してくれていて、文句なしの傑作と言えます。 数年後、また再読したいです。 |
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横溝正史は私がミステリにハマるきっかけになった作家(そうです、乱歩より先!)。そんな横溝ワールドと親族間のトラブルを上手く絡ませてます。作中でもそう言わせてますが、なかなか上手く描かれています。横溝についての薀蓄もさり気なく公開、あぁそういう時期もあったんだなとしみじみする場面も。シリーズの中でも上位にくるおもしろさでしょうね。
でもなぜ2021年(未来!)の設定が? |
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役場の仕事に行き詰まりを感じる主人公・あたりが現実逃避するお話。結局はもとの職場に戻るけど、どこか「およげ!たい焼きくん」に近いものを感じた。あたりはこの経験を通じて成長できたのか?は少々疑問。
現時点で渚さんの著作すべて読了。次回作が今から楽しみ! |
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ワンパターンなのに毎回ほっこりさせられるエピソード。
今回は第1章にあの大道寺茜さん登場。認知症を患う父親を気遣う様子に感涙。 早くも第7弾になる本作も飽きをこさせず、目頭を熱くさせてくれます。 |
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中山七里が生んだオールスターキャストによる豪華版。(そういう意味での「合唱」か。)
一応岬洋介シリーズだろうけど、音楽ミステリというよりは法廷モノといった方がしっくり。音楽が流れるシーンも1ヶ所だけで少々もの足りず。 岬父子対決はなかなかの読みどころだが、結末は予想がついたので、ドンデン返しの帝王による作品としては普通レベルか。 |
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宇恵康彦主人公の「監督の問題」の続編と思いきや、第1章はそうだが、野球界を支える解説者、ウグイス嬢、コーチ陣、審判、果てはダフ屋まで。いわゆる裏方たちの葛藤を描いた短編集となっている。なるほど、実際の世界でもさまざまな葛藤、柵があるんだなぁと感心させられる。グランドの現場のみならず、決して仲良しクラブではないのだから、これはサラリーマン社会も一緒だからね。
新たに追加された書き下ろし「笑えない男」は大学野球界が舞台、短い中にも読み応えあり。 |
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佐藤憲胤時代に描かれた幻のデビュー作。「QJKJQ」「Ank」以前ということで、青臭さもあるものの、その独特な世界観のきざしは見える。純文学のカテゴリに入るようだが、いやそんなはっきりとした所に収まるような単純な世界ではない。ギャンブル小説のようでそっくり嵌っているわけでなく、あえてジャンル分けしているにすぎない。ジャンルを作るとすれば、佐藤究というジャンルで特異なる個性を噴出し続けるだろう。
上の2作以前ということで、点数的な評価では低めだが、他にマネできないであろう、この世界。しっかり見守っていこうと思う。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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深海調査船を舞台にしたスリル満点海洋ミステリ。
さすが真保さん、この手のサスペンスは外しません。閉ざされた空間で繰り広げられる展開は「ホワイトアウト」を彷彿させるが、また違った世界を見せてくれます。そして全編にちりばめられた蘊蓄(こういうと否定的に感じるかも知れないが)も真保さんらしさが活きていて、名手健在を印象づけてくれました。 |
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ガミさん、日岡、そして沖虎彦。3人の個性が光る3部作の完結編。本作の昭和57年編ではやはりガミさん。
そして平成16年編では日岡が捜査の中心にいるわけだが、全体にわたってその存在感を重く漂わせているのが沖虎彦。改めて彼の人生を考えてみると、なんとも言えない世の中の不条理が見えてくる。本作の真の主人公は沖か。 「孤狼の血」シリーズ3部作はとにかく骨太で丁寧かつ重厚な作りが際立っており、本作のラストは掉尾を飾るにふさわしいグサリとくる読後感。 |
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大阪下町の商店街でたこ焼き屋を営む岸本十喜子。
彼女を取り巻く商店街のコテコテの関西人店主たち。 関西人ならどっぷりとなにわ人情にハマれる作品。テーマがテーマだけにどうしても軽いコメディタッチになってしまうが、この人情がわかる人にはわかるのです、大阪人の優しさが。 女子プロレスが題材として出てくるが、著者の作品はスポーツがらみが様になってるようで。 この路線はやはりハマるので、ぜひシリーズ化もしくは続編を希望。 |
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「超不自然主義」で背中が寒くなり(18禁?)、
「東京回遊」で、胸をジーンとうたれ、 「ぱんぱかぱ〜んとぴーひゃらら」で頭がクラクラ(再び18禁?)。 対物性愛の異常を描く「超不自然主義」は、限定盤CDシングル「解放区への旅」に付録されていた短編小説「やとわれ地蔵」の続編かな。 「ぱんぱかぱ〜ん…」は主人公の男女の状況がやりきれなく、救いようのない姿にタイトル「本性」の意味を知らされる。 読み終わってみると、「東京回遊」はまだ救われるストーリーになっている。一服の清涼剤か。 改めて、黒木さんの曲と併せて読むと彼女の独特の世界に浸れる一冊。他にあるようでない黒さ。余談ですが、ブックカバーに真っ黒なのをつけて読むと、この「黒い」世界にどっぷりとつかれます。 |
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限りなく事実に近いフィクション、「下山事件 最後の証言」と併せて読めば、昭和史最大の未解決事件の真相がわかるかも知れない。同時に戦後史の闇の部分が垣間見える。でも最も感じたことは、数多い未解決事件、この作品と同じようなことがウラで蠢いているのではと勘ぐらされてしまったのも事実。
600頁以上ある分厚い文庫本だが、あっと言う間の一気読みだった。 |
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禁止シリーズの中では普通のミステリに近いような、これまでのシリーズと比べると「らしさ」が感じられなかった。
でも独特の嫌悪感は健在、歪んだ愛情、追い詰められていく焦燥感はしっかりと残っている。シリーズが続くのであれば、またこれまでのリアル感をぜひ。 |
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万年最下位球団を引き受けることになった新米監督の奮闘ぶりがコミカルに感動的に描かれた、野球好きにもってこいの作品。監督と曲者のコーチ陣、選手との葛藤が、実際もこうなんだろうなぁと思わせてくれながら、強豪チームに立ち向かうチームの奮闘が、笑いとともに伝わってくる。私も野球好きなので、現場の泣き笑いがよくわかる。
好きな場面のひとつとして、監督が電話で奥さんと話したチームを率いていくヒントを得るところ。各章に用意されているが、ちょっとしたポイント。 でも第5章の美人広報のエピソードはなくてもよかったかなぁと思った。 野球好き、特に弱い球団のファンなら最後はウルッときますねよ。 |
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某乳酸菌飲料の女性配達員をモデルにしたどこかほのぼのする連作短編集。いつもニコニコと元気な彼女たちもそれぞれに事情を抱えており、それが描かれた作品ですが、そんな彼女たちの息遣いが聴こえてきそうな「呼吸する町」というタイトルは実に秀逸。
特に最後の章「リセット」はミステリ色も濃いが、私自身も経験したエピソードもあり、心に響いてきてジ〜ンとくるお話でした。 うちの職場にも彼女たちがやってきていますが、これまで見向きもしなかったので、これを機に売り上げに少し貢献してあげようかな、とも思えるようになる作品です。 |
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久しぶりの貫井徳郎。罪を犯すとはどういうことか、貫井さんのわかりやすい筆致で淡々と進んでいく。わかりやすいのはいいのだが、貫井作品特有のユーモラスさ(私はそういうイメージをもっている)は影を潜め、重苦しさだけが全体を覆っていて締め付けられる思い。また意外さもないので読後感はイマイチ。確かに巧妙なタッチで貫井ワールドからは逸脱してはいないけれど……要は誘拐ミステリの要素が大半を湿るが、それ自体は普通の誘拐モノ。昭和天皇の大喪の礼とリンクさせたところは社会派ミステリ好きにとってはポイント高いか。
次回作ではもう少し明るく笑いの漏れてくるような、ホッとするのをお願いします。 |
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ミュージシャンであり小説家である黒木さんの処女小説、当初はCDアルバムの付録となっていた連作短篇。しかし、あなどるなかれ、その完成度はハンパない!
鹿の剥製と話ができる主人公たち。それだけ聞くとファンタジーそのものだが、荒唐無稽というなかれ。初めはファンタジーとして読み進めていくが、終盤からミステリー、ホラー色が濃くなり、人生を見つめ直していくストーリー展開。そのポイントポイントで話ができる鹿の剥製が重要な位置を占める。 初めての小説でこれだけの作品が書ける著者。彼女が生み出す音楽とともに小説も大いに期待できる。 |
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