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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数33件
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クラシックには目もくれず、日本馬初の凱旋門賞制覇を夢見る関係者たち。父馬がもう少しのところで届かなかった夢をその仔に託すが、なにせクセの強い仔で……
今年の凱旋門賞が楽しみになる作品でもあり、生産者や馬主をはじめとする関係者の当レースとカムナビにかける想いがしっかり伝わってきた。現実にクラシックより凱旋門賞、という関係者がいるかどうかはともかく、馬を、競馬を愛する者たちの想いを著者はしっかり伝えてくれる。 今年の凱旋門賞は出走馬の血統にも注目!? |
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南部鉄器の工房に補導委託で送られてきた少年と工房を営む親子と職人たち。彼らを通じて感じたのは親子、家族のあり方。工房の親子もそうだし、少年の両親とも、親子とは?家族とは?を著者はうまく感動的に描いてくれました。
これまで重厚なミステリを読ませてくれてきた著者だが、異なる形で胸に残る感動作を与えてくれた。その力量には恐れ入ります。今後もこのような感動への期待度がまたアップしました。 |
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実在した人物を主人公に、史実を織り交ぜながらぐっと引き込まれるミステリを創り上げてくれた。自分好みで乱歩賞の中でもトップクラスの読後感。これまで知らなかった田中古代子・千鳥親子の活躍と行末。作中、二人の存在感が素晴らしいだけに、最後は涙なしでは読めなかった。
それでも、この二人の功績を知ることができたのは大きな収穫。親子揃って夭折したのは残念至極だが、母親の古代子はもちろん、7歳というあまりにも短い人生において、子供とは思えないほどの作品を遺した娘・千鳥の功績はこれからも語り継いで言ってほしいものである。 |
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アートミステリーの名手による感動の歴史青春小説。大半はフィクションだろうが、若き日の宗達や遣欧使節の少年たちが実際にそうだったかもと思わせるほどのリアリティで芸術を求めて命懸けの旅をする。旅の途中もさることながら、ローマにおける現地での絵画との衝撃の出逢い。シーンひとつひとつがまさに絵画的で、読んでいるこちらもそれを共有しているかのよう。
プロローグとエピローグに登場する望月彩。マハさんの分身かも、とも思わせてくれた。 |
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人気馬・ステイゴールドをモデルにした、馬を愛する者たちの感動巨編。競馬用語の解説もさり気なく盛り込まれ、競馬初心者にも優しい小説です。
著者は犬のみならず、馬小説でも感動させてくれることがわかったし、どの場面をとっても情景が今見ているかのようにわかる。競馬に詳しければモデルとなった馬や人がわかって、より楽しめます。 ヤクザとのカラミや濡れ場などがとやかく言われているが、それほど気にはならない。むしろ気分転換、閑話休題的要素。 本作を読んで競馬に、競走馬生産の現状に興味をもってもらえれば最高でしょう。 |
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直木賞受賞作「少年と犬」のステップとなったとも言える作品。犬好きな必読、女子中学生・雨音を取り巻く伯父・道夫や高校生の正樹が彼女の成長に手助けし、そして忘れてはいけないバーニーズマウンテンドッグのワルテルから大切なものを教わり自分自身を見つめて将来の姿を見出していくという、感動的な小説となっている。山岳小説の要素もあるが、犬小説としてのある種のパターンもあって、これはこれでひとつの小説ジャンルととらえる。道夫さんや正樹の言動、きれいな山岳・森のシーン、そしてラストは涙なしでは…
ひとつ気になったのは、ストーリーには関係ないけど、中高生にビールやワインを飲ませるところ。別に変な意図はないんだろうけどね。 |
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現実に起きた事件がもととなった作品であり、時代もあっただろうが協会側の狡猾さと、当時の日本の警察力の弱さを見事に描いた快作。
人物名や団体名は変えられており、多分にフィクションも交えているだろうけど、教会側の巧みな策略には警察のみならず、私も舌を巻かれる思い。 全編にわたり、作者の事件に対する思いが張り巡されている、最後まで気を抜けない物語だった。また、第1部の教会編、第2部の捜査編に分かれて 事件の書き方も作者のうまさが光っていると思う。 これが全くのフィクションだったらよかったのにとも思った。 警察のふがいなさに歯噛みすることしきりだったが、現代の未解決事件も同じようなことが起きているのではないかとも感じさせてくれた。 |
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大河ドラマの影響もあり、12年ぶりに再読。光秀に関する研究も進み、またドラマや小説などの本を読んできたこともあり、より内容が鮮明に理解できた。改めて真保さんの筆力に感服。
小平太を代表する忍びの躍動ぶりも感動的、上下巻に分かれて長いかと思われた大作もあっと言うまに読破。光秀に関する謎はこうだったらいいな、面白いなと思ったことをほぼ網羅してくれていて、文句なしの傑作と言えます。 数年後、また再読したいです。 |
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ガミさん、日岡、そして沖虎彦。3人の個性が光る3部作の完結編。本作の昭和57年編ではやはりガミさん。
そして平成16年編では日岡が捜査の中心にいるわけだが、全体にわたってその存在感を重く漂わせているのが沖虎彦。改めて彼の人生を考えてみると、なんとも言えない世の中の不条理が見えてくる。本作の真の主人公は沖か。 「孤狼の血」シリーズ3部作はとにかく骨太で丁寧かつ重厚な作りが際立っており、本作のラストは掉尾を飾るにふさわしいグサリとくる読後感。 |
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限りなく事実に近いフィクション、「下山事件 最後の証言」と併せて読めば、昭和史最大の未解決事件の真相がわかるかも知れない。同時に戦後史の闇の部分が垣間見える。でも最も感じたことは、数多い未解決事件、この作品と同じようなことがウラで蠢いているのではと勘ぐらされてしまったのも事実。
600頁以上ある分厚い文庫本だが、あっと言う間の一気読みだった。 |
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昭和史に残る最大のナゾ多き事件。その事件に関わっていたかも知れない人物の孫にあたる著者による渾身のドキュメンタリー、語られていることはほぼ真実に近いのでしょう。これを読めば下山総裁は自殺だなんて到底思えない。それで一応片付けられているのは戦後の昭和を動かしていた政府の闇がありありと顔を見せているのです。昭和史の、特に戦後史を学ぶに実に有益なノンフィクション。
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ここまで惹き込まれる作品は久々です。おそらく長江氏ならではのルポルタージュ風の体裁が、まるで実際に起きた事件を扱っているかのように組まれているのも要因のひとつ。
また伏線の張り方が素晴らしく、最後まで一気に読まないと「真実」が見えてこない気持ちにさせる。 最近毎日のように世間を騒がせているニュースを彷彿とさせるストーリーになっているのもひとつのメッセージなのでしょうか。 「真実」の応募期間は終了していたので、サイトで真実のまとめを公開していた人の見解を拝見して納得。最後は感涙ものです。どうか↑の「世間を騒がせているニュース」がなくなりますように、というのが本作を読んで感じた最も大きな私の願いです。 |
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絵画にまつわるミステリのイメージがあったが、今作は陶芸を題材に、感動的な作品を堪能しました。
バーナード・リーチに師事した沖亀之介(架空の人物)の青春物語といったところ。彼のリーチ先生に対する情熱と葛藤。 これは何か一つのことを成し遂げようとする若者に勇気を与えてくれるのでは、とも感じた。 登場してくる実在の人物たちも魅力的です。武者小路実篤や志賀直哉も出てきて思わずニンマリ。 |
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「甘い罠」というタイトルからどっぷりミステリ小説を思い浮かべるが、これはいわば日本人の「食」のあり方を考えた食の文化論小説ともいえる。
女性を中心にブームとなっている糖質制限ダイエットをテーマに、大変勉強になる小説です。間違ったダイエット法に警鐘を鳴らすだけでなく、日本人の「食」の文化史を掘下げた奥の深さもうかがえる。どこか「美味しんぼ」に「料理の鉄人」の要素を加えたようなストーリーでもあります。 タイトルの「甘い罠」の意味が分かったとき、真の「食」のあり方が見えてくるかも知れません。 |
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クラシック音楽を題材にした作品は数多あれど、ここまで「音楽」に浸れる作品はないでしょう。全編に渡って高尚なクラシックを聴いている、あるいは聴こえてくる気持ちよさが本作にはあります。
またコンテスタントの4人(マサル、亜夜、塵、明石)はそれぞれに個性的な「アーティスト」であり、皆が各個の彩で読者を魅了させてくれる、これは著者のしっかりとした力量でしょう。 ピアノコンクールの「聴衆」の一人として、十分に楽しませてもらえました。 |
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’会議’をテーマにした連作短編の体裁をとりながら、その奥底に大きな本題が練り込まれている。池井戸作品ならではの巧みさが見事です。
一番はリアリティ度。丁度同時期に現実に隠蔽が明るみになった事件があっただけに、仮に本当にあった話といわれても違和感がないだけに、ある意味恐ろしさをも感じてしまいました。どこを取っても揺ぎのない世界がここにはあります。 |
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パブロ・ピカソの名画を巡り、戦争・テロをテーマに、フィクション・ノンフィクションを交えたストーリーがむしろ心地よく展開されます。実在の人物・架空の人物のバランスもGood!
ピカソの人間性がよく出ているし、1940年前後の章と21世紀パートの章の両方に出てくる人物(架空の人物ですが)のキャラもいいですね。 絵心のない私ではありますが、表紙にもなっている「ゲルニカ」を、これまではピカソの代表作程度の認識しかなかったのが、作品の裏に刻まれた彼の思いが十分伝わってきました。 原田氏のアートミステリーはお手のものですね。(某TV番組での解説も堂にいってるし。) 第3作目もあるのでしょうか、期待です。 |
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個人的には、警察やヤクザが前面に出てくる小説はニガテなのですが、その考えを覆してくれるほどの内容でした。
ヤクザとの癒着疑惑のある大上刑事やその下で働く日岡刑事もそうですが、ヤクザ側の面々、居酒屋「志乃」の女将も 魅力的です。 そして何よりも、柚月作品の代名詞ともなっている”骨太”が感じられる反面、所々にあぁ、女性作家だな~と思わせる 丁寧な描写も見受けられ、この手の小説では初めてと言っていいくらい感動しました。 もちろん、どんでん返しも忘れてませんしね。 ますます次回作以降が楽しみです。 |
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ドラマ版はストーリーはともかく、キャスティングがメチャクチャ。
その点、原作は思ったとおりのイメージで読み進められるし、ストーリー・人物描写がしっかりしている。 池井戸作品の面白さは、リアリティが十分なのと、ワクワクさせてくれる確かなストーリー展開。 ”ロケット編”も十分楽しめたが、”ガウディ編”もそれに負けず劣らず、今年読んだ作品の代表作といえるほど 文句のつけようがない作品です。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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前作「ロスジェネの逆襲」でやや失速したように思えた”半沢シリーズ”、本作で一気に挽回!
銀行内部のみならず、帝国航空の再生タスクフォースとの攻防あり、政界も絡んできたりで今までになく大きな話になってきた。 再生タスクフォースの辣腕弁護士との”対決”も面白い。そして中野渡頭取が... 読んでいるときが至福のときに思えてしまう”半沢シリーズ”、まだまだ続きがあるのでしょうか。 失速することなく、半沢のあっ!と驚くような活躍を今後も期待します。 |
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