■スポンサードリンク
本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数126件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
佐藤究「トライロバレット」に触発されて本作を読む。
文庫本の解説と併せて読むと、カフカの言いたいこと、伝えたかったことがわかるような気がする。 彼の生涯、置かれていた環境が本作に比喩的に表わされているのでは、と感じた。 ぜひ「トライロバレット」とセットで読んでみることをおススメする。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
インターネットで各章に出てくる絵を検索してから読んでいけば、物語により深く入り込める。それぞれに胸をうたれ、すがすがしい気持ちになるのが読み進めるたびに感じられた。主人公が見た絵によって生きる力をもたらされるのを共有したような気持ち。これだけ気持ちよく読めた作品も少ないのでは。
ところで。文庫版を読んで感じことを。 ○各短編ごとに解説が添えられているが、最後の「さざなみ」だけはなかった。なぜ? ○できれば、各章に出てくる絵をカラーの口絵としてページをつけてもらえるとなおよかった。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
JRA運営審議委員も務める著者の久々の競馬小説。騎手を目指す騎手課程生たちの楽しさ・辛さがよく描かれている。マンガチックではあるが、それがかえって若者の心理がうまく出ているようにも思う。
ミステリな部分も描かれており、彼らの成長ぶりとともに巧みに盛り込まれている。競馬に詳しくなくても楽しく読めるのでは。 今年(2024年)は騎手の不祥事が相次いだ。こんなことを起こそうとして起こしたわけではないだろう。こういった作品を読んで初心に帰り、ファンが感動するレースを繰り広げていってほしいものである。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
乱歩賞史上最軽!?(乱歩賞にこういった作品も悪くない)も、ドーピング疑惑を巡る主人公・新人週刊誌記者のどこかヌケてる行動が笑いを誘い、全編面白く読めた。確かにご都合主義的な箇所はいくつかあるが、許される範囲だし、選考委員も言ってるように今後が大いに期待できる受賞作であることは間違いない。
余談ながら…。単行本では毎回、選考委員による選評が読めるのだが、必ずしも受賞作が称賛されているわけでないところがいい。(今回も1名が面白さがわからないとおっしゃってた…)そんな選評を読むのが楽しみで、毎年必ず単行本で読んでます。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
アートミステリとしては、感動を与えてくれる原田マハ作品に対し、スリリングなコンゲームを味わうなら望月諒子作品、というイメージ。フェルメール絵画が題材になっいるが、その存在自体が謎の多いものであり、アートミステリにもってこいなテーマなのだろう。
新潮文庫版はフェルメール作品の口絵が豊富についており、とても親切(^o^) |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
史実とフィクションを織り交ぜたアートミステリーは著者の得意とするところだが、ゴッホは自殺したことが定説とされている中、他殺説が出てくるところなど、これも真実?と思わせるようなストーリーであった。謎に満ちたゴッホの生涯は著者はもちろん、読者も惹かれていくほど、多くの作品に取り上げられるほど魅力的なものなのだろう。
改めてゴッホ(ゴーギャンも)の作品をじっくり鑑賞することとしよう。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
未完に終わった乱歩の「悪霊」を、芦辺氏が巧みに書き繋いで、みごとな作品に再生。ただ書き繋ぐだけでなく、未完に終わった理由にまで言及しているところが素晴らしい。未完に終わった理由にまで言及しているが、乱歩はあまりにもトリックを大掛かりに展開しようとして行き詰まりを感じたのか、未完に至るまでの部分を読んで、この先どうなる?と期待を抱かせる内容になっていたのに残念至極だった。でも、書き繋がれた内容は読み手側でも納得だし、この辺が妥当な線かもしれない。芦辺氏版悪霊の完結に素直に賛辞。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
著者の作品は初読み。アートミステリーとして読むと、個人的には原田マハ作品の方が好み。強奪計画の場面は迫力あるし、絵画を巡ってあらゆる人物の描かれ方が実に巧み。ただ終盤は登場人物や場面がころころ変わって、ややこしかった。
それでも、個性豊かな作品を多く出されているし、アートミステリーであれば他の作品も読んでみて原田作品と違った面白さを発見したい。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
正直なところ、著者の作品にエロティックなノワールは似合わないと思う。特に前半の4作ほどはそんなシーンはなくても…と思わせられたし、明るめのアートミステリーがしっくりくるのではないか。まぁ、ある意味こういう作品群もたまにはありかな、とも思わせる。
でも、後半3作「キアーラ」「オフィーリア」「向日葵奇譚」はそんな気持ちを取り払うような快作であった。(ややエロな部分はあったけど) 「キアーラ」のような修復師を取り上げた長編を読んでみたいし、「オフィーリア」のようなとある名作を下敷きにした作品は面白いのでまた創作してほしいし、「向日葵奇譚」のような作品も、長編で読んでみたい。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
シルバー川柳をテーマに、面白おかしくも身につまされるお話が7篇。明日は我が身なエピソードが笑いと涙で彩られる。どれも老後に間違いなく味わいそうなことばかりで、人ごととは決して思えない。でも約100歳のおばあちゃんが活躍する最後の「上にサバ」はなかなか感動的。
「これ読めば 老後の自分が 見えてくる」 お粗末っ!!m(_ _)m |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
クラシック音楽の中でも最も好きな「ラプソディー・イン・ブルー」がどのように関わってくるか。楽しみに読んだが、音楽と黒人差別問題、大統領暗殺計画をむりやりくっつけた感は否めない。でも、さすがに演奏シーンは珠玉。岬のキャラも際立って神格化の領域か。最後のシーンも七里さんならではの結び方で終わってみれば全てよし。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
いつもながら著者の史実とフィクションを織り交ぜたアートミステリーはお見事。オスカー・ワイルドとオーブリー、メイベルのビアズリー姉弟の愛憎劇は読み手をワクワクさせてくれる。実際これに近い史実があったのではと思うくらいリアリティがあり、彼らを取り巻く人たちとその時代が至るところから目に見えるように描かれている。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
惜しくも今年(2023年)亡くなった著者の作品を久しぶりに手に取った。限界集落を題材に生命とは?を考えさせてくれる良質のミステリー。
セリフの部分が多く、それによってストーリーを進めていくイメージが少し気になったが、徐々に真相がわかってくるにつれ、どこか現実に起きていても不思議はない気持ちにさせてくれたし、早く続きが読みたい!とわくわくさせてくれもした。事実。著者の作品はともすると(テーマ的に)地味な印象があるが、それはそれで著者の持ち味であると思う。 今後新作が読めないのは残念ではあるが、生命の重さを実感させてくれる作者に巡り合えたのは貴重な経験である。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「本陣殺人事件」と並び称される本作であるが、個性的な金田一耕助と比して、由利麟太郎はその知名度といい、どうしても地味な印象が残る。でも、本作はあらゆるトリックやミステリの要素を取り入れ、鮮やかであった。コントラバスに詰められた死体というシチュエーションもとある作品からのヒントを得ているとのことで、あの時代にこれだけの作品が創れるのはさすがその名を知らぬ者はいない横溝。
しかし、横溝作品を読んだの何年ぶりだろう。読んだことのある横溝作品はいずれも金田一耕助ものであったことに今気づいた。由利麟太郎も忘れずに! |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
11編の趣の異なる短編たち。
「海」で不思議な感覚を覚え、「髪を編む」で笑わせてもらい、 「耳に残るは」で背筋を冷やしてもらった。 「御倉館に収蔵された12のマイクロノベル」で唸らせていただき、 「この本を盗む者は」のスピンオフ「本泥棒を呪う者」は最も感動をくれた編。もう一度「この本を盗む者は」を読んでみようか。 そして「緑の子どもたち」で爽やかさを感じるうちに本作を閉じた。 改めて著者のバラエティ溢れる作品群に没頭できる数日間だった。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
原作者・村上氏によると、実際にあった事件がモチーフになっているらしい。犬好きなら感動的な作品ではあるが、後味はあまりいいとは言えない。亡くなった当人たちの本心も分からずに第三者がきっと幸せだったろう、と考えるのはどうも…
そういったことを美化したような印象も残る。現実的なことを考えると、そんな美しい話ではなさそうだし。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
比較的コミカル系のシリーズ第2弾。わかりやすいストーリーで、重いテーマが多い著者にしてみれば、閑話休題的な軽妙感。できれば重厚感のある作品の方が著者の長所が出ているとは思う。
TVドラマ化されているが、もしこれが、ドラマ化を前提に書かれたものだとすると、個人的には残念ではある。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
命名!「童話ミステリー」
ラストで「まさか!」とまでは言わないけど、どこかホッコリするお話が詰まっています。 なかでも「マスクの笑顔」「片割れ雛」「キミの名は……?」「卒業式の前日」「きみがこぼした花」は思わず笑みがこぼれてきます。癒やされたいときにオススメの25篇。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
爆弾事件といつテーマ自体に目新しさはないものの、なかなかによく練られているし、女性作家ならではの視点で場面、台詞などがきめ細やか。
数学を物語にはめ込んでいくなら、いっそのこと何やらややこしい数式を散りばめて、トリックなり事件解決に繋がる暗号のようなものにしていくと「数学」というものが生きたかも。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
取ってつけたようなストーリーではある。これだけの材料をそろえたぞ、さぁ感動しろと押し付けられている感じはあった。でも、よく考えられた筋書きだし、生きる意味、宮司と男の子と猫がうまいこと配置されていて、ほっこりするシーン満載、本作の特徴ではあると思う。
個人的にも、それぞれの章の主人公にどこか通じるところがあったり、勇気をもらえたりして読んで損はない作品だと思いました。著者のこの路線、いいですよ、次も読みたいと思わせてくれました。 |
||||
|
||||
|