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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数183件
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〈自由律俳句の伝道師〉虚池空白が「野良句」と呼ぶ自由律俳句に秘められた謎を解明していく連作短編。句に秘められた謎解きは、暗号解読ミステリとの融合ともいえる。いつも自由律俳句を投稿している自分としては、楽しみながら参考にさせてもらった。少なからず句創りに役に立つ作品だった。
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乱歩賞史上最高といってもいいほどの完成度。通常殺し屋は敵役で最期はやられるものだが、これはいわば敵役vs敵役、正義の味方が出てこないダークな世界でのダークな展開。リアリティ云々は言いっこなし、プロの営業マンと殺し屋稼業をミックスさせた完全なフィクションだからこそ最後まで楽しくハラハラできた痛快作なのである。鳥井と鴎木の対決が実に痛快!
勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪!? |
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大阪を舞台にした面白い作品を検索して行きついた。心の故郷・大阪の地名がふんだんに出てくるし、弱虫ヒーロー・坂田がヤクザ相手に活躍するし、たった一晩でそこまでできるか?とも思うくらい、いろいろ起こるけど、理屈抜きで楽しい作品でした。
「坂田勇吉シリーズ」、次も読んでみよう。 |
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あまり注目されることの少ない障害レースに命を賭ける2人の障害騎手と2頭の絶対王者。どちらが真の王者か、人間と馬の壮絶なドラマが胸を打つ。
平地以上に危険と隣り合わせのレースシーンもさることながら、レースにかける騎手の心情、クセ強の馬の癖馬っプリがしっかりと伝わる。 最後の2頭と2人の死闘は圧巻。(2人の女性のキャラは可愛げがないのが草(>_<) あの障害王者・オジュウチョウサンを思わせるところもあってリアリティ十分。 |
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大沢作品は初めてかも。大沢氏本人を思わせる「私」が実際にあったかも知れない事件に遭遇するといった8編の短編集。ミステリ度はそれほど濃くないが、どれもレジェンド作家ならではの手腕で読ませてくれる。特に表題作「覆面作家」はなるほど!と膝を打つほど。肩肘張らずに読めるところが良い。
また「イパネマの娘」はぜひ曲を聴きながら読んでみるのもいいかも。 |
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数あるモキュメンタリー作品の中でも、上位にくるくらいのめりこむ感がハンパなかった。
「出版禁止」シリーズの中でもトップクラスだろう。取材者の手記形式がモキュメンタリーの面白さをさらに高めているし、長江氏の手腕が花を添えてもいる。 ほどよくオカルト的要素が盛り込まれ、期待を裏切らない読後感であった。 次回の「出版禁止」、楽しみがまた増えました。 |
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馬主や調教師と騎手の間を取り持つエージェントの仕事とその苦労がよくわかる。騎手同士の駆け引きやお互いに抱いているもの、そんな人間模様がうまく出ていたと思う。勉強になったし、競馬に関わる人たちの苦労と勝ったときの喜び、敗れたときの悔しさなどがよく伝わってきた。
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震災を経験している著者だけに、震災の被害を受けた登場人物や状況の描写はピカイチ。被災者の恐怖感、絶望感がよく出ていたのは著者ならでは。今までの著作からも期待どおり。
ただそれ以外の部分はよくあるミステリのストーリーになっていた感があったのは少々残念。 |
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さすが鬼才と呼ばれるだけあり、最後まで惹き込まれた。高校での銃乱射事件を題材に、主人公は?彼の唯一の友人は?と次の展開が予想できないほど。後を絶たない銃乱射事件に警鐘を鳴らす作品ともいえるか。これまでも他の作家にはない独特の世界を楽しませてくれた著者。今回も打ちのめされた。次回作はどれだけ鬼才ぶりを見せてくれるか?
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ノンフィクションとフィクションを巧みに織り交ぜて、競馬史の勉強ができる、競馬ミステリーとも競馬歴史小説ともいえる作品。終盤は競馬の面白さ・奥深さを感動的に伝えてくれる。
実際にこんなローテーションで走る馬がいたら見てみたいけど、現実には不可能でしょう。フィクションとしては面白く読めた。文庫版の細江純子さんの解説が花を添えてくれている。今後の競馬がどのように発展していくか、楽しみをもたらしてくれた一作。 |
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「名前」というものに大変興味があり、私自身とある人気アーティストと同姓同名ということもあって、犯罪者と同姓同名な人たちがどんな思いをもっているのか?と、面白く読ませてもらった。ともすれば複雑でややこしくなるものをわかりやすく描いているいるのも好感が持てた。
また、少年法や容疑者への対応などの問題点も取り上げられ、日ごろ疑問をもっていることも考えさせられたのは共感。 短編「もうひとりの同姓同名」も短編ならではの内容でGood! |
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大御所作家2名によって厳選された珠玉の短編集。
特に考古学を題材にした作品は、清張氏の真骨頂ともいえるのでは。どの作品も読みやすく、情景が浮かびやすく、まさしく清張作品入門編としても読みやすいと思います。 掉尾を飾る有名な「天城越え」(アンチ伊豆の踊子ともいわれているようだが)は、それにふさわしい作品でした。 当短編集を選択されたお二人に感謝を伝えたいと思います(なんて大げさかな?) |
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カミーユ・ヴェルーン警部シリーズ3部作の最終章。
前2作に比べると、ややソフトではあったが、期待を裏切らない展開で、訳者のうまさも相まって3作読み切って満足感に浸された。 当シリーズは完結とのことだが、何らかの形でまたヴェルーヴェンに会いたいものである。 |
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テーマ的に地味で固いところはあるが、著者の巧妙さで政治家の裏の部分が見えかくれさせてくれる。田舎町のダム建設に係る選挙戦と政治家秘書の監禁事件がどう関わってくるか、読み進むに従って真相が徐々に分かってくるが、そうきたか!と納得の結末。リアリティあふれるストーリーだけに、読後はきっと政治家がさらに信用できなくなること間違いないだろう。
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記憶に新しい安倍晋三元首相銃撃事件がモデル。実在の個人名や団体名が出てきて、事件の経緯も実際に合わせているところもあるが、作品自体はフィクション。真相に近いと思われるところはあるけれども。終盤は全くのフィクション(だろうけど)で、却って安心した。これが全てフィクションだったらよかったのにという読後感。
当事件は、首相と宗教団体との癒着を明らかにすべく、容疑者がその風穴を開けるべく事件を起こした、そして政府が慌てだした、という点ではざまあみろ感さえ覚えたが(もちろんこんな事件など起こしてはならないが)、現実のところ、政府は国民のために、というのは建前で自分たちのことしか考えていないことが改めて明らかになったと感じた事案だった。 |
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P.ルメートルのデビュー作、カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズの1作目であり、「その女アレックス」より遡る作品であるが、「その女〜」より後でも違和感なく読める。
現実に出版されているミステリ小説の犯罪をそのまま実行するという設定がいいし、デビュー作にしてこの展開はまさに脱帽!引用されている現実に出版されている小説は、かなり古めの作品のようだが、できればそちらも読んでみたい。 そして「傷だらけのカミーユ」も大いに期待できる。 |
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上賀茂神社近くに移転した鴨川食堂、懐かしい地名が随所に出てきて、はからずも東本願寺と上賀茂神社周辺には縁がある自分にとっても惹き込まれるエピソードばかり。特に「牡蠣フライ」は自分の過去を思い出させ、優しい気分になる一編でした。
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乱歩と横溝を中心にノンフィクションとフィクションを織り交ぜ、二人の作品の特徴を活かしたようなミステリ作品。2人が現実に起きたかのような事件に巻き込まれるスリリングなストーリー。本作のトリックはまさに両者の作品を足して2で割ったような、1冊で2度美味しい趣向か凝らされたようなものになったような気がした。また、終章は2人の半生と作品の歴史を復習するような内容にもなっており、最後まで楽しめた。
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クラシックには目もくれず、日本馬初の凱旋門賞制覇を夢見る関係者たち。父馬がもう少しのところで届かなかった夢をその仔に託すが、なにせクセの強い仔で……
今年の凱旋門賞が楽しみになる作品でもあり、生産者や馬主をはじめとする関係者の当レースとカムナビにかける想いがしっかり伝わってきた。現実にクラシックより凱旋門賞、という関係者がいるかどうかはともかく、馬を、競馬を愛する者たちの想いを著者はしっかり伝えてくれる。 今年の凱旋門賞は出走馬の血統にも注目!? |
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著者のデビュー作にして、みごとな野球小説とミステリの融合。本作が著者の野球ミステリの原点、さすが元記者だけあり、野球をここまで掘り下げた作品はそうはお目にかかれないだろう。野球小説かと思えばあらぬ方向へ物語が進み、殺伐とした場面が現れ、かと思えば野球の真髄ともいえるセリフが登場、謎の「ジャスティン・キング」なるスター選手の正体を探る記者の動向などサスペンスフルなストーリー。
これが著者の野球小説の原点か、と唸らされた。 |
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