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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数199件
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著者初読み。読み始めて見ると、文体や使う漢字が独特で、物語全体に妙な違和感がある。「小人地獄」と言う毒薬の非現実感もあり、キャラクターも全て作り物めいて見えてしまう。「名探偵を呼びます。」なんてセリフは、ねぇ?第一部を読んだ時点では、割とあっさりしてるな、という印象でした。第二部になると、物語の視点が別の人物に変わります。そしてここからが本番でした。展開は二転三転で、最後は何がどうなって、結局誰が、なぜやったの?何も信じられずに怒涛のラストへ。面白かった。
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わたしは探偵で犯人で被害者で証人なのだ――。The Beatlesのデビューした年でもある、1962年のフランスミステリーです。「わたし」は記憶を失っており、その為冒頭に有る様な大混乱な状況が生まれてしまいました。いやー、何が何だか、とにかく読んで見て欲しい。新訳版は、創元とは思えない大きな活字で、凄く読み易い。翻訳物の読み辛さはまず感じませんが、作風のせいでクラクラします。結局最後はどっちなんだ!って、あとがきに煽られそうですが、私は普通にラスト2ページを受け入れたいと思います。逆じゃないと思うなぁ。
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著者初読み。あんまり分厚いんで3年以上積んでましたが、急に気になって読む事に。タイムスリップして自分の父親に会う、と言う有りがちなSFですが、ジョン・レノンを救いに行くっていうのは面白い設定ですね。サスペンスな部分も有りますが、ハートウォーミングな物語で、楽しかったです。サツバツとした本が続いてたんで、とても癒されました。やさしい気分になりたい方、ぜひおススメします!
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三部作読了。とても重いテーマの社会派ミステリーです。こう言う救いが無い話を読むと、読書とは何の為にしているのか?と考えてしまう。心を揺さぶられるのは間違い無い。しかし、楽しんで読めるストーリーではなく、少年犯罪等の知識欲が満たされた充足感も無く、最後には前2作で馴染みになったメンバーの、それぞれの選択に気持ちは塞ぐ事になるのです。ハッピーエンドの有り得ない設定は、読まん事だな。シリーズこれで終わりではイカンでしょう。「環」って何だったの?どちらとも取れるラストシーン、見間違いじゃ無い方を自分は望んでます。
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シリーズ2作目を続けて読了。前作より断然面白かった。事件は誘拐なので、前作よりもっと卑劣な犯罪です。その割には穏やかだった序盤から急展開して、終盤は一気に盛り上がって行きます。気持ちはどんどん落ちて行きますが。特殊工作チームについては、連携した活躍が見られると言うよりは、各人のキャラが少し見えて来る事が興味深かったですね。しかし「環」は今作で更に謎が深まった気がする。何なんでしょうこの人は。いずれにしてもこのシリーズは、順番通りに読まないと絶対ダメですね。数年置きに発表された作品を、一気に読めるのは幸せ。
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読み終わった感想としては、結構面白かったです。途中までは不満が満載で、嫌になってました。まず設定として、特殊任務チームが地味過ぎ。今野敏「ST」を見習え!って感じでした。普通に淡々と捜査しているだけで、チームのメンバーの個性や能力も良く分からんしね。原田の娘も、高3にもなって拗ねて親に反抗してグレるなよ、中2か(笑)。しかし、ゼックが出て来て、馬橋が出て来たあたりから、終盤まで一気に面白くなって行きました。ただ、元々シリーズ構想だったのか、今作ではメンバー全員の正体が見えない(特に環)。続き読んで確認だ!
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色んな意味ですっかり騙されました。本格推理を、真剣にトリックや犯人を見極めるべく読んではいないので、素直に楽しみましたけど。良く考えられているのは間違い無いんですが、全体的に地味で盛り上がりに欠けるかな?探偵役が父親の後ろに隠れたアドバイザーになっていて、失敗の責任もリスクも苦悩も無いのが、緊張感が出ない理由かも。犯人側の必死感と探偵側の他人事感、特に魅力的な犯人でも無いんですが、そちらを応援したくなる不思議な風味の作品でした。
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著者初読み。別々の国で起きた事件5編が収められた短編集。1話目で驚き、2話目で呆れて2か月放置。気を取り直して再開したが、3話目で目が点になり、4話目はゾッとした。ただ、5話目の必要性があまり理解出来なかった。ミステリーとしては動機を推理するタイプの作品で、全て意外な理由で良かったと思う。クローズドサークル的設定なので容疑者が少なく、犯人当てに良いかな。文章も凝っていて面白いんだけど、美文と言うよりは読み辛い文だと感じた。力作でしたが、自分の好みとは方向性が違ったんでしょう。向きが合う方は痺れると思うよ。
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第9回本格ミステリ大賞受賞作。辻真先と言えば、30年くらい前に「迷犬ルパン・シリーズ」とか、「トラベル・ライター瓜生慎シリーズ」等、随分夢中になって読んだもんです。久しぶりでしたが、老先生の力作に感服でございます。戦中から現代に至るまでの大河ドラマで、主人公は作者の分身の様に各時代を懸命に生きている。そのストーリーを楽しめば良い、そう思います。ミステリーとしては、まあトンデモな感じですが。「作者は読者に嘘をついてはならない。だがすべての事実を明かすこともない」「フェアプレーであればいいんだ」だ、そうです。
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予知能力者が出て来るSF味の連作短編集です。各話の主人公は未来有る若い女性達で、そこに予知能力者が絡んでくると言う訳ですね。軽く読めて、ハートウォーミングなストーリーで、とても面白かったです。たまには、優しい気持ちになれたり、切なくてグッとくる様な話も良いですよ。最後の話は、結構サスペンスの緊張感が有りましたから、ゆるゆるだけでも無いし。エロとかグロとか後ろから殴られた様なトリックとか、そう言うの要らない時におススメします。箸休め的佳作。
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著者初読み。第18回松本清張賞受賞作です。時代小説は普段全く読まないので、本作が有りがちなのか、異端なのかは分かりません。ただ、余りにも重く、余りにも切なく、本当に悲しいお話でした。予備知識無しに読み始めたので、どんな事が起きるか全然知らなかったのですが、青春小説だったんですね。ミステリー要素も有りますが、エンターテイメントとして面白かったとか、楽しめたとは言えず、息が詰まる様な作品でした。秀作。蛇足ですが、文庫で読まれる方は、巻末解説先に読まない方が良いですよ。作品内容が最後まで全部書いてありますから。
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著者初読み。読了後しばらく茫然として、やっと正気に戻った。最初の印象は、面倒くさい、です。一人称ハードボイルドで、高校生が主人公では違和感が有りすぎに感じました。その上友人達も随分個性的で、リアル感が無かったし。しかし人間は何にでも慣れるもので、段々とストーリーに引き込まれて、面白くなって来たな、と思ったんですが。ラス前のシーンでの会話が、何を言ってるのか良く分からなかったんですね。ラストでその理由は理解できましたが、面白かったと言っても良いが、アンフェアじゃないか?と思えて複雑な読後感でした。
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著者初読み。発売当時は新本格ブームをずっと追いかけていましたが、本作は何か違う気がして外してたんですね。「理系」と言うだけでまず自分の圏外に置きますし、何せ新作刊行のスピードが凄くて、コレは付いて行けないなと。それが20年経った今、知り合いに勧められついに手に取る事に。そして感想は、「とても面白かった!」です。ここまで不可能状況を設定されると、そりゃ真相が気になりますよ。数学的な話はほぼ理解出来ませんでしたが、まあ何となく分かったんで良しとします。後、コーヒーに煙草は必須です。超共感。
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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どシリアスに本格物を書く事にテレがあるのかな?特に1話目、3話目ではそう感じましたね。高評価の方が多いですが、やはり2話目が秀逸。メイントリックを考えてから、それが成立する状況を設定したのだろうとは思いますが、とても良く出来たストーリーで面白かったです。最後に鮮やかに一捻り加えてスッキリ終る、短編小説の持ち味を改めて感じた良作。文章も読み易いですし、おススメします。
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第49回江戸川乱歩賞受賞作。ゴールデンタイムでプロレスを毎週観ていた世代には、感慨深い題材です。ミステリーとしては少々隙が多いので、往年のプロレスファン以外は特に読まなくて良いでしょう。まあ、青春小説と言う側面もありますので、青年の成長小説として読むのは有りかも知れませんが。私にとっては結構面白い作品でした。
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冒頭は被害者側一人称の殺人シーンで始まります。その犯行を自分が行ったと言う人物が7人おり、それぞれが全く同じ経験をした記憶を持っています。いったい何があったのか?、この幻想的な雰囲気に論理的な決着が付くのか?終盤までかなり面白く読めました。が、このトリック、動機、そして最終章、全てが私には「腑に落ちず」でした。この作品を傑作として受け入れられる度量が自分には足りない様です。
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面白い設定の探偵ですねぇ。まあ、探偵と言って良いのかどうか難しいですけど。雰囲気は悪くないが、それぞれのトリックが全て強引過ぎる気がしました。真剣に考えず、ユルく楽しめば良いでしょう。変なの読んでみたい方、おススメします。
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少々変わったクローズドサークルミステリー。設定の問題か、キャラクターの問題か、あまり緊張感が無かったのが残念。相変わらず犯人はサッパリ分からなかったので、推理の過程を楽しむ事が出来ました。結構面白かったので、おススメします。ただ、フジはちょっと凄すぎるかな?
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ある中小メーカーの経営がピンチに陥る。業績不振によるリストラが進む中、野球部の存続にも暗雲が立ち込める、と言う話です。しかしまあ次から次へと企業経営にも野球部にも困難が続くもので、憎たらしい敵役を相手にどう決着が付くのか?最後までとても面白く読む事が出来ました。企業小説なので、全くミステリー要素は有りませんが、エンターテイメントとして楽しめる作品ですね。
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殺し屋専門のダイナーを舞台とした作品。不思議な設定と残酷な描写で、読む人を選ぶかも知れません。自分としては嫌悪感が先に立ち、好きにはなれませんでした。主人公に感情移入出来無かったのも原因ですが。
グロく無ければ読み易いのに、と思うが、それでは作品の魅力が薄くなると言う事なのでしょう。 |
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