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梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数681

全681件 601~620 31/35ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.81: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

イニシエーション・ラブの感想

最後の2行でどんでん返しがある叙述トリックものという事を分かった上で読みました。
正直、苦痛でした(年齢的に)
じっくり読んで伏線拾いしようにも、電車の中では厳しかったです。
ブックカバーはしているとはいえ、これ程周りの目が気になった作品は初めてです。
めげずに最後まで読んでよかったとは思いました(面白かったですから)。 でも再読は勘弁です。


▼以下、ネタバレ感想
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イニシエーション・ラブ (文春文庫)
乾くるみイニシエーション・ラブ についてのレビュー
No.80: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

模倣犯の感想

文庫本にして5冊に及ぶ大作、社会派人間ドラマです。

この作品は犯人探しの物語ではない。
この作品における作者の主眼は、凶悪事件被害者遺族の悲しみ、苦痛と、事件が社会に与えた影響かと。
理不尽に傷つけられ人生を狂わされた人達、苦悩する警察、群がるマスコミ。

主犯であるピース、ピースに利用されたヒロミ、ヒロミを救おうとしたカズの同級生3人。
彼らが主要登場人物であるが主役ではない。
作者は、彼ら3人以外にも、事件に関係する数多くの人間を取り上げる。
そして、その人物達も、必要以上と思える程に掘り下げる。
主役級と思えるくらいの膨大な字数、ページを裂き、背景を与える。
それで、このような長編になってしまったように思えるのだが、その効果は絶大。
直接的に描かずとも間接的に、犯人の狡猾さ、卑劣さが浮き彫りにされ読み手に伝わってくる。
そして、犯人側の背景が明らかになっても、遺族の苦悩、悲哀を克明に記述しているからこそ、読み手には犯人に対して同情の余地を感じさせない。
これ以上ない「悪」の描き方だったのではないかと思う。
この作品は映画化もされたが、作者の意図を表現するには、キャスティングのバランスが悪かった。
主役はピースではないのだから。

読み応え十分でお薦めも出来ます。
ただラストに関しては不満です。
知的、狡猾、卑劣、冷酷・・・物語前半で植え付けられたピースに対するイメージと大きく乖離します。
たから「模倣犯」というタイトルも、個人的にいまいちしっくりきていません。
自爆という手段を選んだ映画版の方がピースらしかったように思えるのが何か歯がゆい。

模倣犯1 (新潮文庫)
宮部みゆき模倣犯 についてのレビュー
No.79: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

キングを探せの感想

法月氏が「密室殺人ゲーム」を始めたのかといきなり唖然とさせられました(笑

倒叙っぽく描かれてはいますが、4人による交換殺人であり、警察側では容疑者は本名で記述されますが、お互いニックネームで呼び合っているため、実際誰が誰を殺そうとしているのか、読み手にははっきりしません。
その点で、見方によっては、倒叙モノながらもフーダニット作品と捕らえることも出来、変わった趣向の作品だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
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キングを探せ (講談社文庫)
法月綸太郎キングを探せ についてのレビュー
No.78: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

『ギロチン城』殺人事件の感想

探偵役の二人が、城内に入り込むまでの展開が強引で、「これは期待薄」って感じで読み進めていたのですが、なんのなんの、面白かったです。
北山作品は、「アリス・ミラー城殺人事件」に次いで2作目でしたが、前作が、一撃脳天直撃の大技というイメージでしたので、よもやこんな、緻密に計算しつくされた作品が読めるとは思ってもいませんでした。
「物理の北山」堪能させてもらいました。


▼以下、ネタバレ感想
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『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)
北山猛邦『ギロチン城』殺人事件 についてのレビュー
No.77: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

数奇にして模型の感想

S&Mシリーズラス前の9作目。

萌絵&犀川は無論の事、お馴染みの刑事の面々、世津子、喜多、そして牧野、金子、浜中とオールスターキャスト。
「理系ミステリ」色は鳴りを潜めていますが、今作は、のっけから犀川が事件に興味を示すという、S&Mシリーズ理想形の展開でこれは「F」以来か。


▼以下、ネタバレ感想
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数奇にして模型―NUMERICAL MODELS (講談社文庫)
森博嗣数奇にして模型 についてのレビュー
No.76: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

煙か土か食い物の感想

タイトルはかっこいいんですけどね。
兎に角個性的過ぎです。

多くの方が言うように、句読点は少ない、改行をしない。
客観的な考察などは殆ど省略。
そしてカタカナ言葉連呼でアメリカンな乗り。
で、主人公の「またしても唐突に俺は閃く」が登場して急展開。
何というか、余りにも独りよがりで突飛な閃きで、最早一人ツッコミ一人ボケの世界。
読み手に推理させる暇も与えないというより、読み手を完全に置いてけぼりにしている
作者の計算づくだろうが、これを「圧倒的文圧とスピード感」と取るか、「投げやりなだけ」と取るかは読み手次第だろう。
低俗な暴力描写、言い回し、汚い言葉遣いが多く、学校関係者やPTAからは、間違いなく「有害図書」に認定されるはずだ。


▼以下、ネタバレ感想
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煙か土か食い物 (講談社文庫)
舞城王太郎煙か土か食い物 についてのレビュー
No.75: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ロートレック荘事件の感想

完璧に騙されました。
ネタバレに触れる事なく読めた事はよかった。 面白かったです。


▼以下、ネタバレ感想
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ロートレック荘事件 (新潮文庫)
筒井康隆ロートレック荘事件 についてのレビュー
No.74: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

今はもうないの感想

S&Mシリーズ8作目は、番外編という感じの作品ですね。

このシリーズにこんな叙述モノってあったかなぁ。
森氏ならではの理系ミステリからスタートして8作目。 何か大きく印象が変わってしまったなぁ。
お馴染みの犀川&萌絵の掛け合いも本線の合間にちょこっと挿入されているだけだし、そもそも犀川や萌絵が視点となって現れない事に違和感感じまくりでした。
っていうか、
当方、このシリーズの愛好家で、順番に読んできたから、作品の趣向も理解できるのですが、このシリーズ初めての方とか、数冊読んだだけの方には、理解されない作品ではないですかね。
また、仕掛けに占める比重が大きすぎる故、ミステリとしては、なんともお粗末というか中途半端というか・・・
これまでのこのシリーズには、それぞれ「テーマ」のようなものがあって、動機やらトリックやらに関連づけて話し立てしていたはずだが・・・

今はもうない―SWITCH BACK (講談社文庫)
森博嗣今はもうない についてのレビュー
No.73: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

生ける屍の死の感想

もっと固い感じの作品なのかと思っていたのですが、基本的にはコメディタッチで軽い雰囲気です。
舞台はアメリカ。
日本人とは少々かけ離れた死に対する考え方や薀蓄が展開されますが、軽い語りがそれを退屈させない効果をもたらしている。
ただ、余りに多い横文字の登場人物の把握に苦しみ、また翻訳調の文体にも苦しみと、その世界に入り込むまでのハードルはかなり高目かも。

「死者が蘇る」という荒唐無稽な現象を前提とした舞台設定。
論理が尊重される推理小説において、それを根底から覆さんとする、リアリティのない言わば超常現象ありきで語られる作品。
これを単なるホラーにもSFにも転ぶ事なく読ませるには、生半可な内容では納得してもらえないところだが、この作品は、このナンセンスな現象を、恐怖を煽るためではなく、何とロジックを成立させるための道具として見事に当て嵌めてしまっている。
宗教がらみで多分に哲学チックな殺人動機など、日本人には中々理解しづらいところはあるのですが、「どう回収するつもりなんだろう」という読中の疑問を想定以上の手法で解決してくれた作者のうまさは、そんな事など忘れさせてくれました。
軽いノリから一転、エンディング近くなってからの、切ない雰囲気もいい感じでした。

正直「異端」です。
しかし、スルー出来ない作品の一つなのではないかと。

生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)
山口雅也生ける屍の死 についてのレビュー
No.72: 11人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
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ハサミ男の感想

グロが苦手で、タイトルから読むのを敬遠している方がいるようなら勿体無い作品です。
全くといっていい程グロくありませんし、寧ろ非常に読みやすい作品です。
叙述トリックモノの作品で、非常に評価の高い作品ですが「読んで納得」です。


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ハサミ男 (講談社文庫)
殊能将之ハサミ男 についてのレビュー
No.71: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シャドウの感想

2つの家族に起こる問題に立ち向かい成長していく主人公を物語の軸としています。
主人公である小学校5年生の少年を中心に、複数の視点人物によって多面的に語られます。

他のレビュアーの方々が言われているように、確かに、主人公の歳相応な行動、思考と、視点に転じた際の余りにも大人びた語りとのギャップがかなり気になりましたが、読み手を上手く騙すためにはやむをえないという事でしょう。

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シャドウ (創元推理文庫)
道尾秀介シャドウ についてのレビュー
No.70: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
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陽気なギャングが地球を回すの感想

男3人、女1人の銀行強盗のお話。
コメディータッチでテンポもよく軽妙なストーリーで、まさにルパン三世って感じです。

コミカルでありながら、自閉症やいじめられっ子といった社会的に異端な存在にもスポットを当て、読み手に不快感を与える事なく爽やかに描いており、暗く重くなる事がありません。



▼以下、ネタバレ感想
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陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
伊坂幸太郎陽気なギャングが地球を回す についてのレビュー
No.69: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Rommyの感想

帯には「密室殺人」とありますが、少し誇張表現な気がします。
ミステリーというより、ミュージシャンROMMYの人間ドラマといっていいと思います。

随所に登場する写真やイラストが、読み手に、この作品の世界観を共有させるという点で非常に効果的だと思いました。
ただ、詩に関しては・・・生き物ですからね。
若干、イメージの乖離を感じてしまったかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 ROMMY 越境者の夢 (講談社文庫)
歌野晶午Rommy についてのレビュー
No.68: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

翼ある闇の感想

読み手を選ぶ、好き嫌いが分かれるというレビューが多いようです。
確かに、作中の見立て殺人などは、知っている人と知らない人とではその面白味が違うはずですが、その選ばれし人達は、この作品に数々登場したびっくりトリックとか犯人のトンデモ動機に納得しているんでしょうか。
作者の作品は初めてだったのですが、期待が大きかった分、がっかり・・・というより・・・がっかりする事も忘れるくらいの読後感を味あわせてもらいました。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)
麻耶雄嵩翼ある闇 についてのレビュー
No.67: 19人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
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首無の如き祟るものの感想

完璧。

まず「全ての謎が、実はたった一つのある事実に気付きさえすれば、綺麗に解けてしまう」という構成が秀逸です。
探偵役が、その「事実」を明かす前に、ご親切にも全ての謎が羅列されます。
その数なんと37個。
「見落とすなよ」と言わんばかりの作者の自信。
読者を挑発しているようにすら感じたのですが、兎に角、怒涛の勢いで解明されていく様子は爽快です。

その「事実」を隠蔽するため、冒頭からある人物のある性癖の記述で強烈にミスリードさせておいて、更に怪奇描写を絡めて読み手の視点を逸らせたりと、その技巧も素晴らしい。

また、全ての謎が解明されても、1つの結論に帰結する訳ではなく、犯人を特定するには至りません。
トリックが解明されたら必然的に犯人も明らかになるといった「並の」作品とは違うのです。
この作品は、ラストが物凄い事になっているのですが、これにより、読み手に熟考する暇も与えない、しかし納得のいく、どんでん返しの繰り返しを可能にしています。


▼以下、ネタバレ感想
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首無の如き祟るもの (講談社文庫)
三津田信三首無の如き祟るもの についてのレビュー
No.66:
(4pt)

海のある奈良に死すの感想

この作品に関して言えば、
虚脱感すら覚えたそのメイントリックを含め、全体を通して安物の2時間のサスペンスドラマ風味であるとかは、どうでもいいのだろう・・・多分。


▼以下、ネタバレ感想
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海のある奈良に死す (角川文庫)
有栖川有栖海のある奈良に死す についてのレビュー
No.65: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アクロイド殺しの感想

「叙述トリック」「意外な犯人」ものの代表といえるこの作品。
初読でしたが、犯人は既にわかっていたため、「伏線読み」を楽しむ事にしました。
想像以上に、伏線と思わせる箇所が多く、面白かったです。
「知人の心配」をしているようで実は「自分の心配」だったり、巧みに読者を騙しているような箇所もありましたが、中には、「これ書いたらバレるでしょ」というレベルのものまで多数あり驚きました。
そんな派手な伏線も、犯人を知らないで読んだとして、気付いたという自信は勿論ありませんが・・・
再読しなければ面白さがわからない作品かもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティアクロイド殺し についてのレビュー
No.64: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

悪人の感想

加害者は必ず悪なのか、被害者には本当に落ち度はないのか。
ある殺人事件を通して「悪人とは」を問う作品です。

主人公の清水祐一は、石橋佳乃を殺してしまいます。
作者は読み手に対し、佳乃に関して、被害者ではあるものの「嫌な女」という印象を与え、祐一には、加害者ではあるものの、同情の対象となり得る、不器用で寂しい人間という印象を与えています。
更に九州弁?が彼の素朴さを強調します。

しかし、マスコミは、祐一を凶悪犯として報道します。
また被害者、加害者の周囲の人間の視点から、事件の及び祐一という人間の「虚像」を作り上げていきます。
彼は「悪人」というレッテルを貼られます。

このギャップの大きさに、多くの読み手は祐一に肩入れしてしまうはずです。
作者の印象操作が非常に効果的です。


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悪人
吉田修一悪人 についてのレビュー
No.63: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Anotherの感想

ジュヴナイルっぽい青春ホラー。
綾辻氏のジュヴナイル作品というと「びっくり館の殺人」があります。
作品の持つ気味悪さとか、怖さでは「びっくり館」の方が遥かに上です。
主人公から伝わる緊張感がその差になって現れていると思いますが、その分、ホラーといいながらも明るめの印象で読みやすい作品です。
アニメ化されたようですし、この作品をきっかけにファン層が広がればいいですね。


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Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.62: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オリエント急行の殺人の感想

犯人の意外性が余りにも有名で、第一に語られる作品であるが、
恐らくこのトリックを最初に用い、且つこれほどの完成度の高さで描いた事が作者の偉大さを物語っている。


▼以下、ネタバレ感想
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オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)