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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数681件
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学生アリスシリーズ4作目。
前作双頭の悪魔から何と15年も間が開いていたのですね。 シリーズ1番の長編ですが、前作と比べるとかなりスケール的に劣る印象です。 前置きが長いのはいつもの事ですのでいいとして、 最後江神が全員を集めて推理を披露するという流れもいつも通りで好きなのですが、何か盛り上がりに欠けたなと。 「犯人が小者」だったからと言ってしまえばそれまでなのですが、作品内での扱いも何かあっさりしていた気がしました。 正直印象に残らない犯人という感じです。 犯人の動機は協会に対する恨みでしたが、被害者も協会内においてどちらかと言えば小者といえる人物でしたね。 学生アリスシリーズの長編は後ひとつあるそうです。 今作では、前作までで明らかになった江神の問題がまだ回収されず終わりました。 何か今作は、次回作への布石の章だったような気がしてなりません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズ6作目は、綾辻氏の遊び心満載の、ある意味凄い作品だと思います。
ただその遊び心が理解できるか否かで評価が変わってくるように思います。 遊び心を理解するために「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を未読の方は先に読まれる事をお勧めします。 ・・・まぁ冗談ですが半分本気だったりします。 またクイーンの某名作をモチーフとしているようです。 「人形館の殺人」が変化球ならこの作品も変化球です。 「人形館」は、えぐい変化球で、変化球打ちが苦手な打者にさっぱり・・・という感じ。 「黒猫館」は、視力が悪い上にメガネを忘れてきた打者には打ち返す事は難しい変化球です。 (視力が悪い=経験値が低い メガネ=前知識) 全くタイミングが合わず三振してバットを地面に叩きつけてベンチに帰る打者も多いのでは・・・ 私は1打席目は、メガネを忘れて打席に入ってしまったので、明後日の方向を向いて豪快に三振しました。 2打席目は、ちゃんとメガネをかけて打席に入ったんで、楽しませて頂きましたよ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズ5作目は、「直球勝負」という印象。
「館」そのものがトリックに直結しており、「館」の必然性を感じました。 そこがまず好印象。 そのトリックは「壮大」で「芸術的」とも言えるのですが、 シリーズ最多の犠牲者が出ながら、全ての犯行を、その館の特性という同一トリックの元に成立させており、シンプルで非常に読みやすい作品だと思いました。 「あの人を殺害せざるを得なかった理由」とか「最初にあの人を殺さなければならなかった理由」などなど・・・ 読みやすさ故に、読んでいる最中にも色々気付く事が多く、 その度に、散りばめられたピースが、きれいにパズルにはまっていく感じがして凄く心地よかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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この作品には余談といえる箇所が殆ど無い。
誘拐犯に対する抵抗、妨害、そして犯人側の迷い、躊躇も殆ど無い。 シーケンシャルに一気に進む。 スピード感がある、テンポがいい。 倒叙モノ故推理の必要なし、読み手も犯人の完全犯罪をただただ見届けるだけでスラスラ読める。 400ページ超えの作品だが、通勤電車行き帰りで読めてしまった。(5時間ですが・・・) 慎吾の犯行に関して、技術的に実現可能か否かは野暮なので言いません。( 後書きで西澤先生も触れられてます ) コンピュータ好きの井上氏が、未来の犯行を予見して書かれたとか・・・ 20年以上も前の作品ですが、風化感ゼロ、今読んでも違和感ないです。 これは凄い。 コンピュータ業界の著しい進化を目の当たりにしてきた我々ですから、 当時の最新技術を駆使しての犯行など、今読むと失笑モノでしょうからね。 「パソコンって、あの電器店に売ってるあれ? コンピュータとは違って?」 刑事のこの発言には正直笑えました。 最初から「勝負あり」じゃないですか。 ・・・それでも絶対成功しないと思いますけどね。 慎吾のようなスーパーエンジニアは、世界中のどんな大企業であっても、社内に片手で数えられる程もいませんよ。 手口からリカード社社員もしくは関係者である事は明確です。 慎吾が最強の容疑者になるはずです。 アリバイなど無意味でしょう。 それにしても昭和63年という事なら「ラップトップパソコン」登場直後かと。 相当高価格だったはずで、入社数年の社員が何台も買える訳ないよな。 慎吾は会社のをくすねたのだろうか? まぁ面白かったです。 個人的には、兼介の反撃があっても面白かったと思いましたけど・・・ お薦めできる作品です。 ただ「暇つぶしにいいよ」って余計な事まで言ってしまいそうですが・・・ |
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当方プログラマ故、青木淳氏の「オブジェクト指向システム分析設計入門」を引用されている事に、のっけから仰天させられると同時にふつふつと興味が湧いて来ました。
まぁこの時点で「F」の意味も「あのF」だろうなとほぼ確信しましたが・・・ S&Mシリーズ第1弾。 探偵役となる犀川創平と西之園萌絵のコンビ、特徴は両者ともに天才だという事ですね。 「入力」に対して正確かつ高速に「出力」を弾き出すまさに「CPU女」萌絵。 対して犀川は、コンピュータでは計り知得ない事象担当ってとこでしょうか。 コンピュータが何も万能な訳ではないですからね。 で、やっぱりコンピュータより人間の方が優れている・・・って感じになるのでしょうね。 結局萌絵は一生かませ犬な気がする・・・ そしてそんな二人をも凌駕する天才真賀田四季。 この設定にすごく興味を惹かれました。 続くんですね。 そんな余韻たっぷりの終わり方に次回作以降への期待感満開です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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「作中作」という凝った構成になっています。
綾辻行人作「迷路館の殺人」の中に鹿谷門実作「迷路館の殺人」が掲載されています。 まず鹿谷門実の正体がわかっていては面白みが半減しそうですから、 「人形館の殺人」以降の館シリーズは、この作品より先に読まない事をお薦めします。 凝った構成もさることながら、 部屋にはギリシャ神話に纏わる名前が付けられていたり、 4人の推理作家が「作中作中作」とも言える各人の作品通りに殺されていくという「見立て殺人」であったり、 殆どの登場人物に動機があっても不思議ないという絶妙なキャスティング、 そして「迷路館」という名前通りの有り得ないくらい奇妙な舞台。 ミステリー好きにはたまらない要素満載、綾辻先生詰め込むだけ詰め込みましたねという感じの力作だと思います。 最後の最後の結末に驚き、感動し、この作品を高く評価できる人って「通」なんだろうなと思うのですが、私は正直ダメでした。( 序盤は十分楽しめましたが・・・) ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
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各章、事件関係者の証言という形になっており、断片的ではあるが徐々に部品が集まってきて事件の真相に近づいていく・・・
と思いきや、この作品はどうやらそんな簡単なものではなかったようです。 関係者の証言といっても、実際何十年も前の話で、当時まだ子供であったりしてその信憑性は定かではないし、あくまでその証言者の主観である訳で・・・ 誰の発言が正しく、誰がミスディレクションを誘発しているのか。 正解は記述されていません。 また多数の証言者がいるのですが、フルネームが明確になっているのは青澤緋紗子、雑賀満喜子の2名だけですね。 従って証言の中では、「彼女が」「彼は」などの記述が多くなってしまうのも仕方ないのですが、 ( 特に物語後半 )誰の事を言っているのか、時には誰が語っているのかすら混乱してしまった。 まぎらわしい事この上ないのですが、完全に作者の術中にハマっている気がしましたね。 結局犯人は誰だったんでしょうか? どう解釈するかは読者次第って事なんでしょうね。 他の読者の方がどう解釈されたのか非常に聞きたいです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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仮面の主人、顔が判別不能な焼死体、指だけポロリ、そして登場人物の一人が死体発見後から行方不明。
トリックに関しては、所謂「王道」という感じで、今読むとイージーさは否めないと思います。 多分半分近い読者の方が半ばで( 犯行の全貌までは無理としても )犯人の目星はついたのではないかと思います。 館シリーズの中では、作品が醸し出す雰囲気という意味では一番好みです。 登場人物の不気味さ、動機を持つ人物の多さ、そして不気味な館・・・これぞミステリーだと感じました。( 初心者っぽい意見でスミマセン ) 「金田一少年の事件簿」が好きだった人は絶対この作品好きでしょうね。 館シリーズでは、「十角館」「水車館」までが「入門編」かなと思います。 以降は、構成という面でも嗜好を凝らしていたり、トリックが大掛かりだったりと、好き嫌いが分かれそうです。 唯一の不満は、幽閉された少女を最後まで同情できる対象として描き切って欲しかったなぁと。 ちょっと最後印象が変わってしまったもんで・・・ |
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提示される謎はスケールの大きなものばかりで、序盤は非常に心引かれるものでした。
しかし、著者の真骨頂が「奇想」にあるにしても、さすがにこれは納得がいかない。 非常に興味をそそられる複数の謎で読者の気を引きながら、 回収方法がそのスケールに見合っていないというか、 トリックと言えるのかすら疑問ですし、そもそもこれが何十年も誰も真相を暴けなかった謎だったのかというのが率直な感想です。 また謎解明に至るまでのロジックも不親切な気がしました。 「何故それでわかったの?御手洗さん」 みたいな。 「回収されず放置プレイされたあの章」に関しては、 ミスディレクションを狙ったもののようですが、あとがきを読んでも、その効果の程が理解できませんでした。 |
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凄い作品。
「巻き込まれる」「裏切られる」「利用される」「狙われる」 軌道を外しどんどん深みに嵌っていく主婦たち。 テンポもよくスリリングな展開の連続。 読後「読み終えたぁ」という充足感はこれまで読んできた作品の中でも5指に入ります。 次の展開が気になりドキドキしながらの読書タイムでしたが、純粋に「楽しめながら」読めた訳ではありませんでした。 「気色悪い」 常に頭の中の三分の一くらいはそう感じながら読んでいました。 描写がグロくて「気色悪かった」という訳ではなく、 主婦4人を含む主要登場人物の誰一人にも共感できるものがなかった事が原因かなと。 確かに主婦4人がかかえている問題は暗くて重いものなんですが、自分自身の境遇と余りにかけ離れているため、その思考、発言、態度、もうその存在全てに「怖さ」「気味の悪さ」を感じずにおれませんでした。 クライマックスシーンは、表現は悪いですが、 「熟女モノのAV」を無理矢理見せられているような、それでも目を背けられない自分がいる。 みたいな何とも表現しづらい気分でした。 私は1つの作品を、少し間をおいて2回読む事が多いのですが、 この作品は2回目読む気にはなりませんね。 文句なしの高評価作品で、おすすめもしますけどね。 |
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他のレビュアーの方も言われている通り、主人公である二人の視点からは全く描かれていません。
第3者から見た印象で語られているので彼らの実際の心情は正確には誰にもわかりません。 また物語のラスト近くに、この一連の事件を長年にわたり追い続けてきた老刑事の激白があり、 自分なりに解釈したこの事件の真相を語る場面がありますが、これに関しても物証はない訳で推測の域を出ません。 ここに来て全く見当違いな解釈であるはずありませんが、100%正解している保証はありません。 亮二が歪んだ人格の持ち主である事は多数の読者共有の認識かと思いますが、雪穂に関しては人それぞれでしょう。 「善?」「悪?」あるいは「巨悪?」 従ってラストのあのシーンにしても、みなさん異なった解釈、考えを持たれているのではないかと思います。 かなりの長編の物語ですが、複数回読むべき作品、そして他人と語り合いたい作品だと思いました。 怪作。 ちなみに私はドラマは見ていません。 |
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死体の身体の一部を切断した理由、
そしてその死体をアクロバッティックに数十メートル離れた場所に移動させるトリック。 それが可能である事を証明するために、本当に方程式が出てきます。 計算上可能という事でしょうが、実際やるとしたら非常に危険、計算通りには絶対できないでしょうね。 トリックに関しては、少しでも計算が狂うと破綻するような、がちがちに計算された印象でありながら、 一方ストーリーの展開は「偶然」に大きく左右されている印象で何か全体のバランスが悪いように思いました。 意外な犯人には驚かされましたが・・・ あと「ヒビク」さんと「今日の一本」の人のキャラがかぶっているのも気になりました。 |
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斬新ですが、その斬新さ故賛否両論あって当然の作品かと。
私は「否」かなぁ。 拒絶反応とまではいきませんが、若干不愉快な気分にさせられる発言もありました。 ひきこもりが完全犯罪成し遂げ悦に浸る・・・リアリティゼロっしょ。 ゲーム感覚、洒落で最後まで押し通せば良いのに、あのラストは何だったのか。 強いてあげれば最初の"aXe"の話は面白い。 これを題材にして1つの連続殺人事件モノにした方がよっぽどよかった。 |
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私にも中学生の子供がいるのですが、
怒鳴りつけた後「言い過ぎたか」と自己嫌悪に陥り、翌朝顔を合わした時どう切りだそうかと寝床で考えたり・・・とか、 「仕事で疲れてる」から少し子供と距離を置きたい日もあるものの、結局は子どもに・・・などなど。 7章立てになっていて各章謎解きがありますがおまけみたいなものです。 物足りなさは感じつつも、「父親あるある」に時にほくそ笑んだりしながら楽しく読めました。 自立心の強い双子を見て、私も「いつまでも子供扱いするのもやめなきゃな」と・・・そんな気にもなりました。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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