■スポンサードリンク


梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数681

全681件 501~520 26/35ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.181:
(7pt)

麦の海に沈む果実の感想


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
恩田陸麦の海に沈む果実 についてのレビュー
No.180:
(6pt)

誰彼の感想

綸太郎シリーズの2作目。
前作が、雪に囲まれた密室、そして今作は、首なし死体、双生児と本格の王道を進んでいるって感じですね。

タイトルの読みは「たそがれ」ですが「黄昏」ではなく「誰彼」と書きます。
まず「何故?」と不思議に思うのですが、読んでいる内に(呆れるほど)理解できます。
まさに「(一体全体)彼(首なし死体)は誰?(そろそろいい加減にしろよ)」な作品です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
誰彼(たそがれ) (講談社文庫)
法月綸太郎誰彼 についてのレビュー
No.179: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

理由(わけ)あって冬に出るの感想

高校を舞台にした怪談ミステリ。
雰囲気としては、米澤穂信氏の古典部シリーズに近いですが、登場人物のキャラ設定などには、明らかに有栖川有栖氏の学生アリスシリーズを意識していると思える部分があります。
そのキャラ設定も、探偵役を除いて強烈なキャラこそいないですが、しっかりキャラ立ちして描かれており、互いに領空侵犯する事なく、役割分担がしっかりなされている印象で、非常に読みやすいです。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)
似鳥鶏理由(わけ)あって冬に出る についてのレビュー
No.178: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

解体諸因の感想

西澤保彦氏のデビュー作。
バラバラ殺人事件における何故バラバラにされたかの理由を、事件と全く関係のない第三者視点から安楽椅子探偵よろしく、論理的に解明していくという一風変わった短篇集です。
実はこの短編集「連作」になっているところがミソですので、通勤途中とかにとぎれとぎれ読むのではなく、休みの日などに一気読みする事をお薦めします。
終盤において、序盤の記憶が曖昧になっているようなら、作品全体としての面白味は恐らく半減すると思います。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
解体諸因 (講談社文庫)
西澤保彦解体諸因 についてのレビュー
No.177: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

人形はなぜ殺されるの感想

登場人物の大部分を占めるのが魔術サークルのメンバ達。
そしてのっけからワトソン役・松下研三に対する、魔術サークルメンバからの、人を馬鹿にしたかのような挑発的な発言。
本格の名作である事は重々承知でしたし、かなり期待感が高まったのですが、若干ハードルを上げ過ぎたかも知れません。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
高木彬光人形はなぜ殺される についてのレビュー
No.176:
(4pt)

西の魔女が死んだの感想

周りよりも早く大人になってしまったせいで浮いてしまうという。
登校拒否に陥った中学生の女の子が、おばあちゃんとの「魔女修行」により、固く閉ざされた心を開放していくっていう物語です。
男の子は大人になったもん勝ち的な印象があるのですが、女の子は難しいですね。

「魔女修行」といっても、存在意義というか役割をしっかり与えてやる事であったり、くつろぎの時間、生活のリズムをしっかり持つ事であったりと、まぁ生きていく力を与えるという修行です。
まさにジブリアニメの世界観です。
大人が読むと、正直物足りなさを感じてしまうのではないかと思いますけど、子供には薦めたくなる作品ですね。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木香歩西の魔女が死んだ についてのレビュー
No.175: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

クローズド・ノートの感想

雫井脩介さんの作品は「火の粉」しか読んでいなかったのですが、同じ作者さんの作品とはとても思えませんでした。
引き出しの多さに驚かされました。

万年筆、マンドリン。 派手さはないですが、作品にいい味わいを出していますね。
主人公・香恵の人間性をよく表せているように思えました。(映画の方は人選を誤りましたね(笑))
石飛クンも伊吹先生も、みんな好感度の高い人物です。
脇に軽い男、意地悪な女も登場しますが、所詮は脇。
好感度の高い主人公が、好感度の高い男性に淡い恋心を抱き、好感度の高い女性に共感し、影響を受け成長していく物語。
全編を通して不快感に襲われる事がありません。
その分、起伏がないと言われれば、その通りなんですけど、まぁ読みやすい作品です。

結末は序盤で予想できてしまい、その予想通りに終わるのですが、それでも泣けます。
感動作です。 後何年かしたら、娘、息子にも読ませてみたい作品です。

恋愛のエピソードにおいては、男性と女性の思考や行動のズレを、女性視点から描いているのですが、男からはドキッとさせられるような記述もありましたね。
この程度の事が、女性に「鈍感」とこき下ろされるのか・・・とか。
作者男性だよなぁとか思いつつ・・・勉強になりました。
主人公が、常識的でいい仔だって思って読んでいるので、こちらとしても少々焦りますね。

クローズド・ノート (角川文庫)
雫井脩介クローズド・ノート についてのレビュー
No.174:
(6pt)

モダンタイムスの感想

「魔王」の続編で「ゴールデンスランバー」と同時執筆の作品らしい。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
モダンタイムス(上) 新装版 (講談社文庫)
伊坂幸太郎モダンタイムス についてのレビュー
No.173: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

三月は深き紅の淵をの感想

「言葉の意味はわからんがもの凄い自信だ」
は、キン肉マンに登場するアデランス中野さんの言葉ですが、
この作品、というかこのシリーズは、

「なんだかよくわからんが(恐らく)もの凄い話だ」

な気がしています。
この作品単体の評価は難しいと思います。

因みに、私はこのレビューを書く時点で「麦の海に沈む果実」→「三月は深き紅の淵を」の順に、この2作品のみ読了しています。
この「三月は深き紅の淵を」がシリーズの出版順では1番早く、起点となっている(はず)と思うので、やはり最初に読むべき作品だとは思うのですが、順番云々よりも、このシリーズは他の恩田陸作品と色々関連している作品だという事を知った上で読んだ方がいいと思います。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
恩田陸三月は深き紅の淵を についてのレビュー
No.172: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

私が殺した少女の感想

ハードボイルドと言われると確かにそういう感じもしますが、暴力的なシーンの描写もないし、性描写もありません。
主人公である澤崎が、思索型でなく行動型の探偵なのは間違いないにしても、本来ハードボイルドとして象徴的な、反道徳的、冷酷非情、精神肉体的に強靭等の側面を持っているかと言うとちょっと違うかなと。
そもそも、この作品の最も秀逸なところは、そのタイトルの意味であり、
物語のほぼラストまで、自分(のミス)が少女を殺してしまったのかもしれないという自責の念、苦悩を抱えながら行動する澤崎の心理描写を中心に展開していきます。
それは、非常に人間味に溢れ、冷酷というより暖かみすら感じるものであり、私が抱くハードボイルドの印象とはかなり異っています。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)
原尞私が殺した少女 についてのレビュー
No.171: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

不連続殺人事件の感想

昭和22年の作品。
今読むと、かなり特殊といえる文章、文体で相当に読みづらい。
それに登場人物がやたら多い。
変人揃いで個性的キャラ達と言えるのでしょうが、みんな似たり寄ったりの変人ぶりで区別がつきにくい。
更に、登場人物同士の相関関係が複雑でとても呑み込めない。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
不連続殺人事件
坂口安吾不連続殺人事件 についてのレビュー
No.170:
(7pt)

ツナグの感想

連作短編です。
生者を主人公とした4編と、「ツナグ」役の少年を主人公とした1編の計5編という構成になっています。
生者が死者に会えるのは1度切り、同じく死者が生者に会えるのも1度切り。
そして両者の再会を仲介するのが「ツナグ」です。

辻村氏の作品は、兎に角人物造形が深くページを割くという印象があって、それが辻村氏独特の世界観を産み出していると感じています。
なので、短編では、その威力が発揮できないのではと、読む前は危惧していたのですが、心配無用でした。
でも、やはり読後のカタルシスという意味では、長編作品に軍配を上げたいですね。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
ツナグ (新潮文庫)
辻村深月ツナグ についてのレビュー
No.169: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

蒲生邸事件の感想

主人公が、まさに二・二六事件が起ころうとしている帝都東京へタイムトラベルしてしまい、そこで発生した殺人事件に巻き込まれるという物語です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
蒲生邸事件 上 (文春文庫 み)
宮部みゆき蒲生邸事件 についてのレビュー
No.168: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

『瑠璃城』殺人事件の感想

ミステリとSFを足して2で割りたかったんだけど100で割ってしまった様な作品。
まぁ兎に角、読み手を選ぶ作品だと思います。
選ばれなかった読み手にとっては、この本は間違いなく壁本でしょう。

SFミステリとして読ませたいのであれば、その特殊な設定を読み手にしっかり理解させなければ、単なる自己満足の「読者置いてけぼり」です。

この作品では「生まれ変わり」という現象を前提として話が進められますが、単に「生まれ変わる事が出来る」だけでなく、そこには複雑なルールが存在します。
その特殊ルールに関する事前説明が無く、ある程度話が進んだ後の言ってみれば「後出し」です。
伏線となるような記述はあったようなのですが、不親切といっていいレベルで、普通気づかないと思います。
気付く気付かない以前にこれはフェアじゃないと思うのですが・・・

『瑠璃城』殺人事件 (講談社文庫)
北山猛邦『瑠璃城』殺人事件 についてのレビュー
No.167: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

奇想、天を動かすの感想

消費税が導入された当時の作品で、消費税に対する不満という時代を反映したとも思える動機が、掘り下げて行ったら、実は重い問題がぶら下がっていたというお話。
それを考えると、この作品の主眼は「その問題」にあるのかとも思えますが、今読むと結構デリケートな問題だったりもしますね。
「社会派ミステリ」としての側面も兼ね備え「本格」との融合がなされた作品と捉える事も出来るのでしょうが、個人的にはイマイチかなという印象です。
この作品の社会派の部分から発せられるメッセージは、そもそも題材にも問題がある上に、本格部分の相も変わらぬ豪腕ぶりとがアンバランスで、空振り感が否めませんでした。

吉敷シリーズは初読でしたが、基本御手洗シリーズと同じなんですね。
最早ファンタジーとも思える謎を次から次へと登場させ、読んでいる方がどう回収させるのか不安になります。
それをファンタジーで片付けないのが御大の凄いところですが、中にはそれはちょっと・・・というのもありますね。
手順を踏まなければならない刑事と突飛な発想も許される探偵という立場の違いもあり、過程の面白味という意味では御手洗シリーズの方が上かなと思いました。

奇想、天を動かす (光文社文庫)
島田荘司奇想、天を動かす についてのレビュー

No.166:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.166: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

螢の感想

嵐の山荘における密室殺人というバリバリの本格作品であり、これまで読んできた麻耶氏の作品とは、どこか趣が異なっている印象を受けました。(メルさんも登場しませんし)
しかし、仕掛けられているトリックは「さすが」と思える内容であり、麻耶作品の人気の高さを再認識できた感じがします。
私は以前のレビューで「鴉」を大絶賛したのですが、この作品はそれ以上にお気に入りです。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.165: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの感想

サイトランクでS評価の作品を買いあさった時に出会った作品です。
中学生から高校生を対象にした小説をライトノベルと定義するのなら、この作品は多分そこに分類される作品だろうと思います。
主人公の一人の名前が「海野藻屑(うみのもくず)」だと知った時に、軽い目眩がありましたが、普通に読み終える事ができました。
かと言って、ラノベも面白いんだなぁ、もっと読んでみようって思えた訳ではありませんが・・・
語り手が、淡々として少し大人びたタイプだったのが救いだったかも知れません。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
桜庭一樹砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない についてのレビュー
No.164: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

反乱のボヤージュの感想

大学寮の取り壊しを主張する大学当局と、存続を主張する学生の対立を通して、そこに学生達の成長を描いていますが、作者の真の意図は別のところにあるように思いました。
寮の存続を要求する学生達の主張には、絶対的な信念、確固たる主義主張がある訳ではないと批判しています。
驚くのは、一方で、現代の学生達の父親の世代、即ち大学紛争のあった時代と現代を比較し、当時の学生達も同じだったと批判している点です。
「最近の若い連中は・・・」的色合いの作品ではありません。
寧ろ、現代の学生を引き合いに出して、作者が学生時代に経験した大学紛争、それを扇動していた学生達が、単に社会や権力に反抗しているだけで、現代の軽い学生達と同レベルだったと暴いていきます。
作者の主眼は、こちらにあったのではないかと思います。
寮は周囲から浮いた存在として描かれており、廃寮問題は大多数の学生にとって関心外の事になっています。
この作品の廃寮問題は、大学紛争の縮図的扱いをされているように感じました。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
反乱のボヤージュ (集英社文庫)
野沢尚反乱のボヤージュ についてのレビュー
No.163: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

さよならドビュッシーの感想

音楽を文字だけで表現するのはかなり困難なのではと思っていたのですが、それでも作者の熱意、懸命さは十分伝わりました。
経験者の私にも、その演奏の描写は、素晴らしく、感動すら覚えました。
しかしその分、音楽に関する部分とそれ以外の部分の温度差があり過ぎな気がして、非常にアンバランスな印象を持ちました。
特に物足りなさを感じたのはリハビリの部分ですね。
甘過ぎますよ。
障害者の方々に夢を与える・・・どころか「舐めんなよ」って逆にお叱りを受けるのではないかというくらいの薄さでした。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
さよならドビュッシー (宝島社文庫)
中山七里さよならドビュッシー についてのレビュー
No.162: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

青の炎の感想

倒叙型犯罪小説ですが、追う側、追われる側の攻防が描かれた作品ではありません。
全編通して高校生である犯人目線で、「犯行に至るまでの心理」を詳細に描いています。
主人公は天才ではなく(2番手レベルの高校出身)、機械のような冷酷さを持ち合わせる訳でもなく、人間らしさを感じられる人物造形になっています。
如何にも共感しやすい設定になっているところが秀逸です。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
青の炎 (角川文庫)
貴志祐介青の炎 についてのレビュー