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梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数681

全681件 481~500 25/35ページ

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No.201: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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探偵映画の感想

クランクアップ前に、作品未完成のまま疾走した映画監督の代わりに、スタッフ・役者陣が解決編を推理し、作品を完成させようとする物語。
残り僅か10分程度のシーンなのだが、肝心要の解決編であり、しかも、完成済みの映像及び設定部分には手を加える事は不可と制約が多い。
面白いアイデアだと思ったのですが、提示された解決編のシナリオが何れもお粗末だったのが残念です。
「こうすれば可能」的な推理ばかりで、原作兼監督が「映像に残していてしかるべき結末への伏線」について誰も言及していない点が・・・
冒頭であれだけマニアックな映画薀蓄を披露した面々が、誰一人として、そこに触れないのは、不自然にすら感じました。


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探偵映画 (文春文庫)
我孫子武丸探偵映画 についてのレビュー
No.200:
(7pt)

あいにくの雨での感想

冒頭いきなり第13章から始まり、そこで本編の連続殺人の密室トリックが解明されています。
密室殺人事件を扱う作品において、その冒頭でハウダニットを明らかにしてしまうという暴挙。
そしてフーダニットに関しても「糸くず」という決定的手掛かりを提示しています。
作者が麻耶雄嵩である事を考えると、いかにも「らしい」と言えるのですが、「フェイク」だと思った読者は多かったのではないかと思います。


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あいにくの雨で (集英社文庫)
麻耶雄嵩あいにくの雨で についてのレビュー
No.199: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

脳男の感想

刑事達が連続爆破犯のアジトに潜入するという緊迫感あるシーンからスタートするものの、それ以後は、非常に退屈で肩透かしを食らったような印象です。
主人公が入院している病院に爆弾が仕掛けられるクライマックスにおいても、手に汗握る展開には至りません。


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脳男 (講談社文庫)
首藤瓜於脳男 についてのレビュー
No.198: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

テロリストのパラソルの感想

作者の藤原伊織さんは、1948年生まれで東京大学出身という事ですから、68年の東大紛争、翌69年の 東大安田講堂事件をリアルに体験してきた人物と考えていいのかな。
団塊の世代、全共闘世代、しかもその渦中にいた作者に言わせれば「これが男の生き様」というところだろうか。
正直、素直に受け入れがたいものがあります。

まず突飛な人物設定には苦笑いせずにはおれないです。
東大全共闘、東大中退の元ボクサー(しかもかなり有望)、そして現在はアル中のバーテン、そして二回りも違う上智大学出身の現役女子大生に惚れられるという・・・
当時はこういうタイプが格好いい男の象徴だったのでしょうか。
異端分子として、評価されず排除された自分達の価値観を肯定・美化せんとするコンプレックス裏返し的妄想が作り上げた人物像という印象です。
今は、アル中だったり人情味のあるヤクザだったりを格好いいと思える時代ではないですから、そのギャップには時代を感じずにおれませんし、滑稽だったりしますね。

異端児や落ちこぼれの大活躍というシチュエーションは嫌いではありません。
私から見ると、主人公は全共闘の成れの果ての落ちこぼれ、人生落伍者です。
しかし作者は、(恐らく)格好いいヒーローとして描いています。 少なくとも私にはそう読み取れました。
共感出来ませんでしたね。

そこさえなければ、さすが乱歩賞と直木賞をW受賞した作品という事になったと思うのですが・・・

テロリストのパラソル (講談社文庫)
藤原伊織テロリストのパラソル についてのレビュー
No.197:
(4pt)

フィッシュストーリーの感想

短篇集ですが、各編同士の結び付きは(登場人物が一部被ってはいますが)まるで無い、独立した4編のお話です。
言葉遊びという点では、伊坂幸太郎らしさは健在でしだが、やはり短編という事で、いたるところにばら撒いた伏線を一気に回収というお得意の芸当が出来ていません。
伏線を仕込むだけの空間自体が狭すぎて、出来ていないというより出来ないと言った方がよさそうです。
同じ短篇集でも「死神の精度」は、主人公が共通で、各編を跨いだ伏線が楽しめましたからね。
弱点発見かなぁ。
その分、他作品とのリンクはふんだんに貼られています。
そういう気付きは嬉しいのですが、まず本編ありきで付加価値のようなものだと思っているので・・・

印象に残ったのは「サクリファイス」
伊坂さんらしくないというか、三津田信三っぽい と感じただけですが・・・

無理して1冊にまとめて出す必要のなかった作品だと思いました。
特に表題の「フィッシュストーリー」は1本の長編作品として読みたかったですね。

フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂幸太郎フィッシュストーリー についてのレビュー
No.196: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

セカンド・ラブの感想

イニシエーション・ラブ系の作品です。
最後の2行で世界観をひっくり返すという手法は同じですが、衝撃度、美しさという点でイマイチです。
これは、直前にある程度のネタばらしがされているためですが、果たして、このネタばらしがなければ不親切なのか。
個人的には不要だったのではないかと思っていますが・・・


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セカンド・ラブ (文春文庫)
乾くるみセカンド・ラブ についてのレビュー
No.195: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

ふたたび赤い悪夢の感想

「頼子のために」「一の悲劇」と合わせて三部作と呼ばれる作品です。
作品テーマによる括りのようですが、「一の悲劇」とは、表面的には何の繋がりもありません。
それなら、登場人物が重複する「雪密室」との繋がりの方が強いと思います。
「○○○」を先に読んでおいた方がいい、なんてのは沢山ありますが、この作品について言えば、「頼子のために」だけは(読んでおいた方がいいではなく)読んでおかなければダメです。


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ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)
法月綸太郎ふたたび赤い悪夢 についてのレビュー
No.194: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

愚者のエンドロールの感想

古典部シリーズ2作目。

1作目の「氷菓」を読んでいなくても読めますが、先に読んでおくにこした事はありません。
それよりも、古典ミステリに精通しているかどうかで、作品に対する印象が大きく違うように思います。
個人的には、この手の趣向は好きではありませんが・・・

ミステリ映画の結末を、途中までの原作、映像をヒントに脚本担当の意図を汲みながら推理していくというお話です。
正解を除くと、主人公・奉太郎を含めて4本の推理が提示されます。
(ミステリ好きにはどう見ても)密室殺人という状況を前にして、サスペンスやホラーといった、トリック云々よりドラマ性を重視した推理も含まれていました。
広義の定義では、サスペンスやホラーもミステリに含まれる訳ですし、破綻もしていないように感じました。
寧ろ2番目に登場した、自称ミステリマニアの推理の方が、面白みがなく、最も基本的とも言える見落としを指摘され却下されています。
ミステリマニア気取りの連中(読者含む)に対するアンチテーゼのようにも受け取れましたけど・・・


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愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)
米澤穂信愚者のエンドロール についてのレビュー
No.193: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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果つる底なきの感想

池井戸潤さん初読。

作者は元銀行マンだけあって、業界の内情や、派閥による歪な人間関係をリアルに描けており、読み応えがあります。
主人公は、派閥という枠に拘らず、媚びず、自分の信念の赴くままに突き進むタイプとして描かれています。
組織に受け入れられる人間ではないという事になりますが、巨大な組織に立ち向かう個人という意味で、その資質は十分だと思いますし、この構図自体が日本人が好むところではないでしょうか。

また、驚くのは、当然のように金融専門用語が飛び交うのですが、読み辛さを感じなかった事です。
筆力があるとも言えるのでしょうが、やはり、付け焼刃的な知識によらない造詣の深さが、それを可能にしているのかなと思いました。

ドラマ性のある題材で、しかもそれを深く描き切れる下地があって、更に筆力もあるのですから、高評価も当然かも知れません。


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果つる底なき (講談社文庫)
池井戸潤果つる底なき についてのレビュー
No.192: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

火車の感想

ローンによる多重債務と自己破産がテーマになっています。
92年の作品ですから、丁度バブルが弾けた頃ですね。
自己破産件数が顕著な増加を見せ社会問題となったのが96年ですから、若干時代を先取りした作品だったと言う事になりますか。
あれから20年以上経過しているのですが、10人に1人が消費者金融を利用している計算になるとか・・・
消費者金融云々の話だけでなく、個人的に、日本人には「経済無知」が多い気がしますねぇ。
積極的に学ぶ意志を見せなければ、しっかり学べる場所すらないですし・・・
そういった意味でも、意義のある作品だと評価したいです。


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火車 (新潮文庫)
宮部みゆき火車 についてのレビュー
No.191: 11人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ジェノサイドの感想

アフリカ、アメリカ、日本と3箇所からの視点を切り換えながら進行しますが、3箇所共にスリリングな展開を見せます。
単行本で600頁弱の長編ですが、そのせいで全く中だるみ感がありません。
薬学、創薬、遺伝子学と一般人には馴染みのない専門用語が飛び交いますが、読み手が物語の本筋から外れる事が無いように、丁寧に分かりやすく描きリードしてくれます。
参考文献の多さを見ても分かりますが、その作り込み様は半端無く、作者の途轍もない努力が伺えます。


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ジェノサイド
高野和明ジェノサイド についてのレビュー
No.190: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

頼子のためにの感想

綸太郎シリーズ3作目。

雪に閉ざされた密室、双子・首なし殺人という本格ミステリのド定番のプロットをいじり倒しただけでなく、探偵役の推理を二転三転させて、読み手を混乱させたこれまでの二作。
一方、この作品は、そのプロットに本格ミステリらしさは影を潜めており、派手さもなくかなり地味です。


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頼子のために (講談社文庫)
法月綸太郎頼子のために についてのレビュー
No.189: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

アンダー・ユア・ベッドの感想

DV男VSストーカーという構図。
もう一人、ストーカーである主人公と似た家庭環境に育ち、主人公同様「存在感のない」コンビニ店員が登場します。
彼らの行動は、はっきり異常であり、主人公とコンビニ店員に間しては社会不適合者と言ってもよさそうです。

DV男は、零細企業のサラリーマンとはいえ社内での成績は優秀、周囲からの信頼も厚く、容姿も整っており女性にモテる。
しかし、家庭では豹変し、妻に対して異常なまでの暴力を繰り返します。
そのギャップの激しさと言うよりも、既に行為自体が、一般的に認知されているDVの定義を遥かに超えています。

一方、コンビニ店員はキレて衝動的に殺人を犯してしまいます。
主人公とコンビニ店員の違いは、無視されたり冷遇されたりという不遇な人生を余儀なくされながら、更に報われる保証がないにも関わらず、命をかけて愛する事の出来る対象が存在したか否かなのでしょう。
しかしながら、主人公の愛情表現も常識の範囲をはるかに超えています。


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アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫)
大石圭アンダー・ユア・ベッド についてのレビュー
No.188: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

マークスの山の感想

腐敗した巨大組織の中で、自己を見失いそうになりながらも、圧力に屈しようとする自身への不信感を推進力にして殺人犯を追う刑事・合田雄一郎。
明と暗の人格を交互に繰り返すが故、社会的に底辺に位置する事を余儀なくされているマークスこと殺人犯水沢裕之。
追う側と追われる側の緊張感溢れる追跡劇が描かれる読み応えのある大作です。

そこには、社会的地位、名誉ある人物の圧力が介入してきます。
その圧力に、捜査の最前線にいる合田は怒り、苦しみ、一方マークスも怒り、そして圧倒的な狂気を発動します。

作者が女性とはとても思えないリアルな警察組織の描写、しかもその腐敗っぷりをも、汚らわしく描いています。


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マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)
高村薫マークスの山 についてのレビュー
No.187: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

クライマーズ・ハイの感想

日航ジャンボ墜落事故の全権デスクに任命された一人の新聞記者の物語である。
事故当時まさに地元群馬上毛新聞の記者であった作者にとっては、渾身の作品である事は間違いないし、リアリティの高さも保証付きである。

新聞社内部の喧騒、上層部との衝突、派閥争い、出世を巡る汚い嫉妬・裏工作・足の引っ張り合い。
そして、汗臭く、怒号が飛び交う、そんなまさに男の職場における1分1秒を争うスクープ争い。
その臨場感や半端なしで、終盤まで読み進めた時点で、ここまで僅か1週間しか経過していないと驚かされるその密度の高さも凄い。

ある意味特殊な世界と言えるが、新聞社も、会社という1つの社会である限り、否が応でもそこに存在する大人の事情。
主人公は、40過ぎの仕事人間であるが、衝突で潰されたり、攻め時を間違えたり、駆け引きに負けたりする。
時に怒り、時に迷い、そして傷つき、目の前の高い壁を前にしてもがき苦しみますが、しっかり向き合っています。
そこには高いリアリティを感じますし、同年代の社会人にとって「わかる、わかるぞ」とその人間臭さにシンパシーを感じずにいられません。
仕事のみならず、家族、仲間との関係・苦悩もしっかり描けている点が、更に主人公に対する好感度を上げていますね。
「男の人生」を謳歌している主人公が羨ましかったりもします。

特に男性に読んでもらいたい作品ですね。

クライマーズ・ハイ
横山秀夫クライマーズ・ハイ についてのレビュー
No.186:
(4pt)

凶鳥の如き忌むものの感想

このシリーズにしてはホラー色の薄い作品かなと思います。
難解な漢字使いによる可読性の低さや、ラスト近くの二転三転のドタバタ劇は相変わらずですが・・・


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凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)
三津田信三凶鳥の如き忌むもの についてのレビュー
No.185: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

黄昏の百合の骨の感想

「麦の海に沈む果実」の続編。
「麦の海」のラストで覚醒した理瀬のその後という事で期待は大きかったのですが、少々肩透かしを食らった感じ。
高校生になった理瀬は、「あっち側」=暗黒の人生を生きていく事が運命づけられ、自身もそれを受け入れており、「こっち側」の世界の人間達とは一線を画すというスタンスこそ垣間見えるのですが、まだまだ純粋な少女の一面が残っていて、過渡期という感じでしょうか。
周りには黒い人間(黒いのは何故か女性ばかり)がやたら多いようですが・・・
恩田さんの作品には、性悪な女性が数多く登場する中、前作の黎二といい、今作の雅雪といい、男性陣には好キャラが多いですね。
このシリーズだけでなく「夜のピクニック」も確かそうだった記憶が・・・


▼以下、ネタバレ感想
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黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
恩田陸黄昏の百合の骨 についてのレビュー
No.184:
(7pt)

「北斗の星」殺人事件の感想

タイトルから勘違いする方も多そうだが、この作品は鉄道ミステリではありません。

初吉村達也。
朝比奈耕作という探偵が登場するシリーズ物のようですが、この作品では、その朝比奈耕作さんは探偵として機能していません。
普段ワトソン役の人物が大活躍するという、いわばシリーズの番外編を最初に手に取ったようである(笑)
従って、読後も朝比奈耕作なる人物がどんな探偵かすら不明なままなのだが、これが意外と面白かったのである。


▼以下、ネタバレ感想
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「北斗の星」殺人事件 (徳間文庫)
No.183: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣いの感想

表紙のイラストはブックカバーで隠せるからいいとして、内部にまでイラストをちょくちょく挿入された日には・・・
通勤途中ではとても読む事ができず一時中断、休日に一気読みした作品。


▼以下、ネタバレ感想
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クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)
No.182:
(9pt)

十三番目の陪審員の感想

1998年の作品であり、この作品を読むにあたっては、アメリカなどで導入されている陪審員制度が導入された事を仮定した物語であるという事を念頭に置く必要があります。
日本では2009年に裁判員制度が導入されており、類似した制度である事から、物語にはすんなりに入り込めると思いますが、陪審員制度と裁判員制度の相違点は把握しておいた方がよいと思います。
ただ、裁判員制度が導入される10年以上も前に描かれている事、また冒頭に描かれる原発事故の話と、今読むとどこかタイムリーで、作者の彗眼には驚くばかりです。


▼以下、ネタバレ感想
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十三番目の陪審員 (角川文庫)
芦辺拓十三番目の陪審員 についてのレビュー