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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数681件
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0章をほぼ物語全体の真ん中に配置、44章から始まり、カウントダウンがゼロに達した時に悲劇とも言うべき事件が起こります。
前半に事件が発生するまでの経緯、後半に被害者側の原因追求・糾弾という構成になっています。 事件が発生するまでの経緯は「風が吹けば桶屋が儲かる」テイスト。 そこに、日常誰もが犯しているであろう些細なモラル・マナー違反を、ドミノ倒しの如く絡み合わせています。 まぁ殆どが「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげて出来たこじつけの理論・言いぐさ」なのですが・・・ やや冗長でしょうか。 もう少し登場人物を減らしたところで、作者の言わんとする事は十分伝わったと思いますが・・・ ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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壮絶醜女が整形により絶世美女に変貌を遂げ、ある目的を果たすという物語だと思ったのだが・・・多分違う気がします。
その目的が、復讐にしても恋愛にしても、壮絶な整形手術の繰り返しの描写に比べて、その成就の描写が明らかに中途半端です。 恐らく、そこには作者の主眼はないのではないでしょうか。 中村うさぎさんは、解説において「本書は女の成り上がり物語」などとのたまっておられるが、違うと思うなぁ。 この物語にはおおよそ4種類の人間が登場します。 ブスと美人と、ブスを蔑む連中と美人に媚び諂う連中です。 ブスと美人が核となります。 普通であればブスに肩入れしそうなものですが、この作品では、そのブスと美人が同一人物で主人公になります。 美人の傲慢さやわがままっぷりは当然描かれますが、変身前の人間的醜さもしっかり描かれています。 ブスで可哀想というより、卑屈すぎて同情するに至りません。 正直醜いです。 まぁ何れにせよ結局は同一人物な訳ですから、感情移入できませんし、多分してはいけない存在なんだろうなと思いながら読みました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「ガラスの仮面」のオマージュのようですが、私は「ガラスの仮面」を読んだ事などないし、演劇にも全く興味がありません。
しかし、読んでいる最中は先が気になって一気読みしてしまいました。 天才(飛鳥)と秀才(響子)、または覚醒(飛鳥)と嫉妬(響子)のような構図に対する期待感が高まったからなのですが・・・ まぁそこはこの作者さんですので、覚悟はしていたもののやはり肩透かしだったかと(笑) これで終わりはあんまりだと思いましたが、やはり続編があるようですね。 個人的にはこのパターン、理瀬シリーズでお腹いっぱいなのですが・・・ 同じ題材を複数の人間が順に演じる場面があります。 映像で見せるのはありだと思うのですが、文章でこれをやられてしまうと・・・ まぁ私の想像力が乏しいという事なのでしょうが、個人的にちょっと冗長が過ぎたのではないかという印象です。 この作品単独では、長編な割に中身が薄いと評価せざるを得ません。 続編次第かと思います。 |
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勧善懲悪モノで面白いのですが、私はこの作品の続編である「オレたち花のバブル組」を先に読んでいました。
ネタバレがある訳ではないので、どちらを先に読んでも不都合はないのですが、 もし順序通り、この「入行組」を先に読んでいたなら、「面白かった!!是非続編も読みたい」となったと思います。 やはり続編の方が、敵は巨悪で影響力も広範囲、手口も凝っており、主人公・半沢にとってはより強大な障壁となります。 今作の敵には、多少人間味を感じる事も出来ましたし、この程度なら結構いるレベルの悪だったかなと思います。 それなら、最後の半沢の要求の方がよっぽどえげつないです。 本作単品の評価とは無関係にせねばなりませんが、やはり続編を読んだ後で読むと物足りないですね。 この作品では、入行前の就活風景から描かれています。 その狭き門っぷりはかなりのものなのですが、個人的には、この入行前の熾烈な競争をもっと読みたかったなぁ。 |
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元精神科医である作者が、精神病院の実態を患者の立場から描いた作品です。
精神疾患系の作品にありがちな、読んでいるこちらも息苦しくなるような差別的描写も(殆ど)なく心温まるお話です。 患者達のその独特な思考や心理の描写が精神科医にしか描けないとまでは言いませんが、その描写に患者達を包み込むような優しさや暖かさを感じられたのは、この作者でこそではないでしょうか。 クライマックスで涙腺が緩むのですが、逢坂剛氏の解説がそれに追い打ちをかけます。 是非解説まで読んで下さい。 扱っている内容に若干デリケートな一面もあるためか、作者は問題提起こそしますが、最後少々あやふやに終わらせているところがあります。 そこを逢坂剛氏がズバリ突きます。 泣けます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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作者による青春のエッセイ集であり、それ以上でも以下でもない。
個人的に、アウトローとしての生き方を美化するような作品は好みではありません。 藤原伊織さんの「テロリストのパラソル」を読んだ時にも同じ事を感じたのですが、「テロリスト~」のような意図的な美化と感じ無かった分まだましでした。 確かに世界が大きく変わろうとしていた時代だったろうが、当時の学生が全てそうであったはずはない。 どうも「俺達はお前たちとは違う」「俺達はお前たちより楽しんだ」または「頑張った」的ニュアンスを感じざるを得ない。 「人間的魅力」を感じるなんてレビューが多いのには驚いた。 私の場合、魅力よりも、そこからは「死臭」のようなものしか感じられませんでした。 |
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警察の戦隊もの。
作者を伏せて読んだら、我孫子さんの作品とはまず思えまい。 最早「悪ノリ」だろう。 キャラ設定の面白味だけで成り立っている作品ですが、この作品だけでは一人一人の個性が発揮できているとは言えません。 「悪ノリ」は結構ですが、取り敢えず続編を出さなければ中途半端なままで意味が無いですね。 余り読みたいとは思わないのですが・・・ 解決する事件も「警視庁」というより「公園前派出所」と言った方がしっくりきます。 もう少し謎解き要素を入れてもいいのではと感じます。 |
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作者自身が解説されているように、これまでの伊坂氏の作品と比べると、「機知に富んだ会話」「凝ったプロット」「練られた伏線」「他作品とのリンク」といった持ち味とも言えるレトリックが殆ど見受けられず、でいて、ある意味不思議な世界観がファンタジーで非常に難解という・・・
しかも、シェークスピアの某作品をオマージュしており(多分)、読んでいないとそれが上手いのかすら皆目見当がつかない。 確かに賛否が分かれそうな作品ですね。 ただ、らしくないようでいて「らしい」と思いましたけどね。 伊坂さんにしか描けないような気がします。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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阪急電車今津線を舞台にした連作短編集で、各章のタイトルは駅名になっており、10ページ程度の長さで非常に読みやすくなっています。
誰もが、電車の中で一度は見た事のあるような、また勝手に観察して勝手に想像していそうな、そんな些細な出来事をベースにしていて、それが各章数珠つなぎにリンクしています。 伊坂幸太郎さんの作品によく見る手法ですが、普遍的である分、そこに必然性や共感を感じる事ができました。 物語を動かすのが女性ばかりだなと思っていたら作者は女性なんですね。 まぁ確かに男性は、事なかれ主義というか、見て見ぬふりする人が多そうですもんね。 中々リアリティがあるように思いました。 また、行きの電車で描かれた出来事が、戻りの電車で進行しているのが面白いですね。 主人公達は全て前向きな人物ばかりだったので、それは進展・成長した形で戻ってきます。 ストレスを感じる事なく読めますね。 当然なんですが、乗客一人一人に物語があるんだと実感しました。 ミステリ要素は皆無ですが、たまにはこういう作品もいいですね。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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作者の真骨頂とも言える理系ネタものであり、クローン技術がテーマになっています。
20年も前の作品であり、当時と比べて現在では既に絵空事ではなくなっているのですが、これを賞味期限切れなどと評価するのはおかしいだろう。 この作品は、技術的な部分をどうこう言っているのではなく、進歩する科学・医療に対する、人間の倫理や尊厳といったものを主眼としています。 そして、そのタブーに足を踏み入れてしまった者達の葛藤や苦悩が描かれた作品です。 鞠子と双葉という二人の女性が主人公で、章毎に交互に登場する構成になっています。 視点の切り替わりは、非常に先が気になるタイミングに設定されており、読み手の「読む意欲」を掻き立て非常に効果的です。 二人は、お互いにその存在を知る事なく、それぞれがそれぞれの方法で真相に近づいていきます。 真相に対する近づき度合いもその時時で両者異なるのですが、それだけでなく、ワンステップ先に進めるための手掛かりも二人で異なっているのです。 違った切り口からのトライが、交互に描かれるのです。 おかげで、読み手には全く息をつく暇がありません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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