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脳男
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脳男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 61~80 4/5ページ
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前半の素晴らしさとエンディング付近の残念さのミスマッチは他の方の言われている通りですが、そうなってしまった原因を一言でいうと「伏線が回収しきれてない」じゃないですかね。 例えば登場人物の多くに、たとえば怪異な容姿の医師藍沢とか、両手首のない元ヤクザとか、生きながら腐る難病の国会議員とか、冬山から降りてこない登山家とか、贅沢なばかりのキャラクター的魅力が詰め込まれているのに、その多くがワンシーンのみの登場に終わり、キャラ設定が使い捨てに終わってしまうこと。 ぎゃくに個性的なキャラ設定が過不足なく使い切られたのは、茶屋警部の巨体と、鷲尾女医の経歴くらいではなかったでしょうか。鈴木や緑川はいうまでもなく、空身医師や黒田刑事もあっけない感じがいなめず、要するに消化不良なのです。 あれだけの設定を活かしきるには、今の倍くらいページ数が必要ですし、逆にページ数制限から逆算すると、設定を半分くらいに絞り込むべき。前半に広げた風呂敷を畳みきれない状況に陥っています。まさに「惜しい」というほかありません。 | ||||
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感情がない。痛みを感じない。体のすみずみまで完璧にコントロールできる。一度見たものは忘れない。どんな知識もすぐに身につけることができる。超人。 そんな存在が脳男だ。 精神科医の真梨子と物腰は紳士的だが、人間らしさを感じさせない脳男・鈴木。この関係は、「羊たちの沈黙」のクラリスとレクター博士の関係を彷彿とさせる。 脳男・鈴木はどのようにして生まれたのか。そして感情のない彼を動かすものは何か。悪を、ためらいなく、淡々と殺していく脳男はヒーローなのか、怪物なのか。設定がうまいので、「このような存在もありえるかも」と思えてしまいます。 正義とも悪とも違う存在・脳男。続編も出ているので今後の活躍が楽しみです。 | ||||
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感情を持たないという病気、というか精神状態。 実在する病気です。 感情を持つということは、感情というバイアスによって物事を判断するということ。だから無駄なことは覚えないし、嫌なことはやらない。 この小説では、感情を持たない人物が主人公として登場します。 感情を持たないということはどういうことなのか、自分に当てはめて読んでいくと、結構感情移入できました。 | ||||
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読んで損はありませんが、 残念な点もありました。 面白い小説です。 感情のない男を巡る謎、 連続爆弾テロ、 そし鈴木一郎。 設定は抜群に面白いと思いました。 後半、病院での緑川の爆弾テロのくだりもテンポよく進みます。 黙示録が反抗の背景にあるということもなかなか面白いプロットです。 惜しむらくは、人物描写が物足りなかった点です。 茶屋刑事は感情移入できるほどタフガイでもなく、女医鷲谷はケイのように問題を解決する訳でもない。 更に損をしているのは、緑川の内面が描かれていないこと。鈴木一郎の描写も物足りなかったと思います。 人物やその背景にもっと丁寧に書き込めたら、大傑作でしょう。 脳男Uを購入しました。 面白いということです。 | ||||
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「心を持たない男・鈴木一郎」、彼の誕生や現在に至るまでを探るくだりはぐいぐい引きこまれたが、後半のハードボイルドな展開は、鈴木一郎が「心を持たない」ということとあまりにかけ離れ、別の人間が登場しているかのような錯覚に陥るほど。 着眼点は面白く、もっと別な形で「鈴木一郎」を活躍させたらよかったのに、と思わせた。 こなれたベテラン作家を読み続けていると気づかないが、文章の運び、物語の組み立てが如何に難しいのか解らせてくれた本でもあった。 | ||||
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このタイトルはかなり衝撃的でした。 今、「脳」トレとか、「脳」って言葉にみんな敏感な気がするし。 主人公「脳男」の鈴木一郎は私の中で衝撃的でした。 痛みを感じない、一度見たものは二度と忘れない。 人の言う事を脳の中で理解しているのだがそこには「感情」と言うものがない、「人間」を演じている様にも見えるし、誰にも 手の届かない所に感情と言うものがあるような気がするし。 この人物に関しての模写が凄く絶妙に表現されていて 「悪」と「善」とは記憶の中で育っていくものなのか、 人間の本質なのだろうかと、精神論に近い感じがして、面白かった。 自分の中で「ターミネーター」を思い出した。 主人公ありきな感じで終わってしまいましたが、 サラッと読める文章は良かったです。 | ||||
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着眼点が非常に面白いと思いました。「脳男」と言う奇抜なタイトルも 幸いして一気にストーリーに溶け込めました。特に「心を持たない男・ 鈴木一郎」に魅力を感じました。本格派ミステリーを期待している方に はオススメできませんが、それ以外の方にはオススメできます。やはり 登場人物が魅力的というのは小説に限らずストーリーのあるものでは 必須ですよね。 中盤までは上記に書いた通り非常に楽しめたのですが、ラストに近づく につれて勢いが薄れてしまった印象を受けました。やはり鈴木一郎の 魅力が薄れてしまったのが一番の原因かと…常軌を逸した人物で最後ま で描いて欲しかったです。(非常に残念) 映画の原作としても使えそうなテーマなので是非映画化を。ただ、鈴木 一郎を表現するのは難しそうですね。それ程のキャラクタです。是非。 | ||||
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感情がないってどういうことなのか。考えさせられました。 茶屋警部と脳男である鈴木一郎のキャラクターが魅力的。 とくに脳男、感情がないはずなのに肩入れしたくなってしまいます。 個人的にはそんなに読みづらくは感じませんでした。 クライマックスとかは結構手に汗にぎる感じでした。 ただ、女医さんと脳という共通点からか逢坂剛のさまよえる脳髄を思い出しました。 | ||||
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「脳男」っていう題名に惹かれ、 読んで見ましたが。。。 申し訳ないですが・・・ 「脳男」の生い立ちや人間性も表現されきってないとしか。。。 茶屋警部という登場人物には面白みを感じたものの・・・ 全編から伝わってくるもの特になし。。。 これも乱歩賞受賞作??? | ||||
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評判倒れというか期待外れ。 とにかく文章が下手。 会社員も経験したようだが、人に読んでもらうという文章を書いて来なかったのではないか。一人で自己完結するところは主人公の女医にそっくり。 この主人公と来たら、読み手が感情移入する前に自己完結してしまう。 まるで読者が感情移入するのを許さないかのよう。 そういう感じだから、読み出して60ページほどは死ぬほど退屈。 そのあとも結構退屈なんだけど。 乱歩賞でなかったら読むのをやめていただろう。 これで全審査員が絶賛とは信じられない。 乱歩賞作品を読む時、私は作品よりもどちらかというと作家の将来性に重きを置く。 そういう意味では、著者が作家一本でやっていないのは正解だと思う。 本来なら星一つとしたいところだが、乱歩の名前に免じて星二つ。 乱歩賞はとにかく読むと決めている人以外には薦めない。 | ||||
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正直、もっと「おどろの世界」期待していたら、さほどでした。 なんか地味な話ですよ。 脳の機能が特殊な部分だけとても発達して、読んだ本はすべて記憶。 でも、感情とか体と脳が切り離されていた脳男。 それが、あることをきっかけに思考を始め・・・という感じ。 この、脳男が憎めないキャラなんです。 人間を人間たらしめているのは「脳」なのか?「感情」なのか? 「感情」と「脳」は違うのか? ちと、難しいですね。。。 | ||||
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最近の乱歩賞では出色の出来。ありきたりのサイコ・サスペンス物とは一線を画す着眼点が素晴らしい。作者が脳の構造・機能に詳しい訳ではないと思うし、主人公を分析する精神科医の女医もご都合主義的な役回りだが、主人公の設定・行動で読ませる。 主人公は生まれつき脳と体のスイッチが切れている。言葉も話せない。その代わり、脳の中には本で詰め込んだ情報が図書館並みに入っている。こうした状態が起こり得るかは疑問が残る所だが、ミステリの設定としては面白い。そして、祖父の復讐のための偶発的な殺人をキッカケに彼の世界が鮮明になり、言葉も話せるようになる。体もある程度自由に操れるようになる。そして、彼から見て世の中の害になる人物を殺し続ける。理由は倫理観ではなく、そうする事によって脳と体のスイッチを繋ぎ留めるためである。ここに「脳男」の悲哀を見る。 物語は主人公の真の姿を探求する形で進むので、決してハデな展開ではない。しかし、これを丹念な描写で追って、寒々とした真相へ読者を導く手腕は買える。奇抜な設定を織り込んで、特殊な肉体・心理条件を持った人間の悲哀を描いたサスペンス小説の傑作。 | ||||
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「脳男」というタイトルと江戸川乱歩賞受賞作とのことで 購入したんですが・・・ ん〜自分的にはいまいち! 期待して読んでただけに、 落胆も大きいかな?! 最初は良かったんだけど、途中まったりした展開になってきて、 最後は、もう何かバタバタしてきて、全体的に中途半端って感じかな!? もう途中から眠たくなってきて、就寝前の読書にはいいかも(笑) | ||||
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これはミステリーなのか? それ以前に、この小説面白いのか? 作者は何を言いたいんだ? 頭の悪いあたしには良く判りません。 不思議な小説です。 読むと眠くなって困った。 一応★三つとしましたが、評価不能です。 | ||||
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連続爆破事件容疑者を逮捕する場面にいた怪しい男[脳男] まるで警察や爆破事件容疑者さらには関係者の手の内や心理状態まで見透かしているようで、はたして彼[脳男]は共犯者なのか味方なのか 様々な問いや場面に遭遇しても落ち着き払い動揺の片鱗を見せない彼は一体何者なのか? 逃亡中の爆破事件の容疑者が引き起こす第二第三の事件・逃亡中の容疑者と脳男との関係を疑う刑事・次第に脳男の考え方に引き込まれていく脳男を調べる側の女医 など 事件の時間経過で変わる設定場面での登場人物の心理と脳男の不可思議さなどがスピード感を持ってうまく絡まり面白さに引き込まれ爽快な読後感と江戸川乱歩賞受賞作としての奥行きさも感じる小説です。 | ||||
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連続爆弾犯の捜索現場で捕獲された謎の男と、彼の精神分析を依頼された女性精神科医が主人公の小説です。乱歩賞を受賞している作品ですが、内容的にはミステリーと言うよりサスペンスでしょうかね。女医との面談の中で、謎の男“鈴木一郎”の正体が徐々に明らかになっていく過程がキモと言えるでしょう。感情・情緒が欠落した正義の味方、という発想はなかなか面白く、障害を持つゆえの特殊能力、というのもちょっと新鮮でした。女医と鈴木一郎との会話は、ディスプレイを通してのやり取りで、相手が人間なのか、それともコンピューター上の擬似人格(AI)なのかを見抜くゲームを連想させ、なかなかにスリリングなものでした。同一キャストでの続編が出るようなら読みたい、と思える程度には良い出来の作品です。 | ||||
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つまらないで当たり前、とまで言われた江戸川乱歩賞の概念をひっくり返した話題作。 脳男の人物を探るまでですでにスリリングであり、それは後半の爆弾事件でさらに加速する。読み応えたっぷりの作品。 だけど、ラストがちょっとあっさりしすぎかな。もう一回どんでん返しみたいのがあってもよかったと思うけど。 | ||||
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心や体に障害を持って生まれてくる人がいる。鈴木一郎もその一人だった。一見ほかの人となんら変わるところがないように見えるが、彼の本質は驚くべきものだった。一郎のしだいに明らかになる過去、そして本性を暴こうとする真梨子と一郎の緊迫したやり取りは、読み手を物語の中へのめり込ませる。一郎には卓越した能力もあった。この能力が別の形で生かされたなら、彼にはもっと違う人生もあったのではないだろうか。そう考えると哀れさを感じた。後半の息詰まる展開、そしてラスト・・・。見事にまとめられた、読み応えのある作品だった。 | ||||
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名古屋に次ぐ中部地方の大都市、愛宕(おたぎ)市を揺るがせた連続爆破事件の犯人逮捕の現場に居合わせた鈴木一郎。この、他人の経歴と痛みを感じぬ異常な身体能力をもち、感情と魂を欠き、ただ脳だけで生きている謎の男の過去をめぐって、巨漢の刑事・茶屋と男の鑑定を委ねられた精神科医・鷲谷真梨子といった、それぞれシリーズもののヒーロー、ヒロインになれる魅力的な登場人物がからんでいく。やがて病院中に爆弾が仕掛けられる緊迫した状況の中で、男はついにその本性を露わにする。鮮やかな発端、ストーリー展開の緻密さ、人物造形の見事さ、そのいずれをとっても第一級のミステリーの名にふさわしく、さらにマルクス・アウレリウスの引用や随所に挿入された脳神経科学の知見(「わたしという自我をひとつにまとめている力が感情だ」)、『ヨハネの黙示録』をなぞった謎解きなど細部の魅力にも満ちている。だが、いかんせん贅沢に繰り出されるそれらの素材と趣向が一点に凝縮しない。もう少し切りつめるか、もっと書き込むか。そうすれば、まぎれもない傑作になったろう。 | ||||
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江戸川乱歩賞というのはなぜ本格ミステリを選ばないのだろう?そんなに読んでいるわけではないのだが、どうもハードボイルドとかサスペンスが多いような気がする…。最後に鈴木がとった行動などを見ていると、ある種のヒーローものというか、ミステリ風味のハードボイルドとして書くつもりだったのかな…とも思える。少なくともミステリとしての驚きはあまりない。まあ、この真相を最後に明かされても引っ張りすぎだ、と思うだろうし…。ただこれ、SFとして描いたら面白くなったんじゃないかなぁ…。 | ||||
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