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キングの死
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キングの死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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ある弁護士が殺され親族が疑われ・・・というお話。 新人の処女作だったそうですが、初めて書いた作品の割りには重厚な感じで読み応えがありました。小説が進行する度に一家の意外な素顔が現れ・・・という展開もなかなか読ませる物がありました。 ただ、結末の方で明かされる真相が、今有触れた感じの真相だったので、その辺はやや類型的に思えました。この手の作品は最初は衝撃的でしたが、今はもう沢山書かれ過ぎたので、またかと思ってしまったのも真実でした。 そういう意味で☆はこの評価にしておきました。この後の方が評判がいいし、これから飛躍する可能性をしめした作品だと思うので。 元弁護士だそうで、リーガル・サスペンス等も書いてもらいたい才能だと思いました。そちらも是非手を染めて頂きたいジャンルです。 新人としてはよく出来ているサスペンス。機会があったら是非。 | ||||
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タイトルは、「キング」=主人公の父親で、主人公を「キング」の如く支配していたことによります。 それが、「キングの死」によって、主人公がその呪縛から解き放たれる過程を描いています。 従って、ミステリーではありますが、「心理小説」としても読みごたえがあります。 物語は、1年以上に渡って行方不明だった父親の死体が見つかったところから始まります。 主人公は、父親が姿を消した時のいきさつから妹が犯人だと考えます。 そのために妹を庇う発言で警察を惑わしながら、一方で事件の捜査に着手します。 警察は、妹を庇う主人公の捜査への非協力から、彼を被疑者として特定してゆきます。 そして、ついに逮捕されることになります。 物語は、主人公の視点でのみ書かれていますが、彼に見えない警察の捜査の進行状況などは、彼に協力する新聞記者や探偵の発言などで補います。 そのあたりの巧みさもあって、違和感なく読めるし、主人公への共感も進みます。 後半は、真犯人は彼かな?彼女かな?といろいろ考えさせられ、ミステリーの醍醐味を十分に堪能できます。 素晴らしい作品でした。 | ||||
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かなりのページ数のある小説だが あっという間に読んでしまうほど読ませる | ||||
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弁護士として成功した父の遺産をめぐる殺人がメインの事件なのだが、息子でやはり弁護士のワークの母と妹を思う気持ちが丁寧に書かれていて、文章の上手い作家だと思った。しかし、幼なじみのバネッサの存在は妻のバーバラには、気の毒な気がしてしまった。異様なエピソードが多いのだが、それがかえって、ノンフィクションのようで、気をそらすことなく読めた。 | ||||
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それぞれの人物が、丁寧に描かれ、 それ故に、その家族の歪さ、家族だから こそ抱えてしまう姿というようなものが 伝わってきました。 ミステリとしては、ちょっと弱いですね。 でも、そういう形を取りながら、歪んだ家族関係、 その中での心情を描いた作品として見れば 読み応えのある作品だと思います。 | ||||
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死んでもなお影響力がある人っていてるけど、このエズラほど凄い存在感がある人も珍しいと思う。 はっきり言って最低な人間で殺したいと思った人間も多いやろうなって感じる人物です。 そんな人物が殺されて死体が発見された事から物語がスタートします。 正直前半はワークという人物にもイライラするし展開がスローなんで読みにくいけど、後半はワークが自分自身を見つけ今までの自分から脱皮しようとする展開なんで面白かったです。 子は親を選んで生まれてくる事が出来ないけど、いくら金持ちでもこんな親からは生まれたくないって思いました。 | ||||
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アメリカ人が好きな家族愛と自分探しの物語で、確かに読ませるのだが、帯で各紙が激賞しているほど完成度が高いかは疑問である。主人公の兄が妹を父親殺しの犯人ではないかと疑い、そのために自分を犠牲にしようとする、泣かせる話なのだが、犯人と疑う客観的根拠に乏しく、途中からは兄の思いこみだけになってしまう。また真犯人の動機も最後にネタばらしになっていて、意外感が薄いのも弱点になっている。リーガル・サスペンスとしても法廷ドラマならではの緊迫感はそれほどでもない。それでも、端役に至るまで人物像を丹念に描く、その筆力は相当なもので、主人公に感情移入できるなら、充分読み応えがあるだろう。 | ||||
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一年間図書館にこもって執筆したという、新鋭ジョン・ハートのデビュー作である。本国アメリカでは発売前後から話題沸騰だったという。 本書は、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’07年度ベスト・ファースト・ノベル(最優秀新人賞)にもノミネートされている。 物語の舞台はノース・カロライナ州ソールズベリー市。主人公で弁護士のジャクソン・ワークマン・ピケンズ、通称“ワーク”は、依頼人との接見に訪れた拘置所で、父エズラの死体が見つかったと知らされる。頭部を2発撃たれており、他殺であるのは明らかだった。辣腕弁護士だった父が行方不明になって18ヶ月。すでにこの世の人ではないだろうと覚悟はしていたが、その知らせにワークは動揺する。ワークは父殺しの犯人は、妹のジーンでしかありえないと思っていたからである。 やがて、父の遺言が明らかになると、警察はワークに疑いの目を向ける。一方でワークの独自の調査によって、次々と意外な事実が明らかになっていく過程はさすがにアメリカン・ミステリーらしく、スリリングである。 しかし本書は、単なる犯人当てのサスペンスではない。ピケンズ一家における親子の確執、ワークと妻との夫婦の問題、ワークが子ども時代から抱えている罪の意識の問題、妹ジーンとその同居人の問題、そして、今は亡きエズラ・ピケンズの重々しい人物像。それらが物語に独特の雰囲気をあたえると同時に、濃密な、読み応えのある作品にしている。 | ||||
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前もって言うならば、私の中では早くも今年のベストであるなと思います。これほどの完成度を持ったミステリは近年でも出色ではないか。いい本に巡りあえました。主人公ワークは冷酷で巨大な存在の父を拒否しながらもその影を払拭しきれず、その父を死を巡ってワーク、ワークの妹、その妹のルームメイト、ワークの妻、ワークの昔の恋人、女刑事、その他の人物が圧倒的な存在感をもって迫ってきます。人物造詣が極めて巧みで且つ有機的であり、さらにプロットも上々。単なる読み解きミステリではなく、ワークやその他の登場人物の思惑、希望、哀しみが節度のある文章で綴られていて、硬質だけれど無味乾燥ではなく、切ないけれど情感でベチョベチョした感じがありません。意外な結末も単なるサプライズではなく、きっちり伏線が張られているので納得できるし、抜群の説得力もある。全く文句のつけようがありません。作品の性格上ノンシリーズでしょうが、次作を早く読みたい、そして訳者もそのままでと期待します。 | ||||
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本書は、ジョン・ハートのデビュー作です。 その文章はプロのものであり、彼が、正真正銘本物の文筆家であることは、一読してすぐに分かります。 会話、情景、比喩、何れも鋭く、登場人物の人間像が、明確に浮かび上がります。 最少の言葉で最大の効果を引き出しています。 著者の深い観察力、洞察力、表現力に裏打ちされた、登場人物の葛藤が、訳者、東野さやか氏の巧みな仕事により、見事に結実しています。 今世紀初頭の名作として、永く記憶に留まる筈です。 | ||||
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殺害に疑問をもったのが息子であり 愛する妹が犯人かもしれないと、知り 自分をどんどん追い込めて行く、 このての作品はあっけらかんと犯人がわかる ものがおおいが紆余曲折しながらすすんでいくのは ミステリファンにはたまらない。 ぜひ一読推奨。 | ||||
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あと少しで読了するが、主人公のワークに、傷つき乍らも生きてゆかねばならない都会の男の矜持を見せつけられ、久々のハードボイルド&ミステリに嵌っている。ミルズ刑事や地区検事のダグラスとの息の詰まりそうな遣り取り、愛おしいヴァネッサとの過去の忌まわしい邂逅がどういった展開になってゆくのか、、、。ストーリーの展開も素晴らしいが、東野さやか氏の翻訳が光っている。私はレイモンド チャンドラーはそれほど好きではないのだが、その著作の翻訳を手掛けた清水俊二氏の日本語の使い回しや響きに魅了されている一人であり、海外ミステリーはその翻訳家の巧拙で殆ど良し悪しが決まってしまうと思っている一人である。 東野氏の日本語の使い回しが、その、何とも好きだ。硬質でストイック、文間に労りというか救済が見え隠れしていると感じるのは、著者ジョン ハートのオリジナルストーリーテリングの秀逸さなのか、それとも東野氏の翻訳の妙なのか、、、。ちょっと褒めすぎの感も否めないが、、お勧めの、一冊である。 | ||||
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