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いちばん初めにあった海
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いちばん初めにあった海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
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過去のできごとの描写と現在のできごとの描写のはざまの中、千波という一人の 女性の姿が、一枚一枚ベールをはぐように見えてくる。心に深い傷がある。その ことにさえも気づいていない千波。そんな千波を救おうとしたのは、やはり心に 深い傷を持つ麻子だった。友情がいつしか千波の心を癒していく。そして麻子の 心も・・・。悲しみの底に突き落とされた時、人は自分で自分の心を壊してしまう ことがある。そんな時、やさしく手を差し伸べてくれる人がいたならどんなに 救われることか!千波が再生していく様子を泣きたくなるような気持ちで読んだ。 「いちばん初めにあった海」「化石の樹」の二つで一つの物語は、心温まるもの だった。 | ||||
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過去のできごとの描写と現在のできごとの描写のはざまの中、千波という一人の 女性の姿が、一枚一枚ベールをはぐように見えてくる。心に深い傷がある。その ことにさえも気づいていない千波。そんな千波を救おうとしたのは、やはり心に 深い傷を持つ麻子だった。友情がいつしか千波の心を癒していく。そして麻子の 心も・・・。悲しみの底に突き落とされた時、人は自分で自分の心を壊してしまう ことがある。そんな時、やさしく手を差し伸べてくれる人がいたならどんなに 救われることか!千波が再生していく様子を泣きたくなるような気持ちで読んだ。 「いちばん初めにあった海」「化石の樹」の二つで一つの物語は、心温まるもの だった。 | ||||
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表題作と、その続編の「化石の樹」の二による、文体も構成もそれまでのカラー と違う異色作です。 甘いテイストは消え、より一層文学的で、それが最初は少し残念で「化石の樹」 は読まないで閉じようか…などと思いつつ読み始めると、とんでもない。その完結に こそ、前編の謎を解く鍵が隠されていました。 前編の主人公・千波が唯一心を許した少女、麻子はクールで孤立し、いつも校内の 大樹の下で木漏れ日を浴びていた…そんな彼女の胸に長年秘められいた過去の事件。 少女の生い立ちへと遡り、幼い罪の全貌が明らかにされます。そのとき、罪は裁か れるのではなく、少女を「救った」のでした。 「…あんたは海が還してよこした命だ。勝手に死ぬ権利は、もうないんだよ」 著者の事件に翻弄される主人公たちは、心優しい異性の存在に助けられることが多い。 失ってしまった自らの半身を探しながら生きる少女たち。前編で脇役だった麻子が、 よりいっそう印象的に浮かびあがる後編は、何とも鮮やかです。 | ||||
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表題作と、その続編の「化石の樹」の二による、文体も構成もそれまでのカラー と違う異色作です。 甘いテイストは消え、より一層文学的で、それが最初は少し残念で「化石の樹」 は読まないで閉じようか…などと思いつつ読み始めると、とんでもない。その完結に こそ、前編の謎を解く鍵が隠されていました。 前編の主人公・千波が唯一心を許した少女、麻子はクールで孤立し、いつも校内の 大樹の下で木漏れ日を浴びていた…そんな彼女の胸に長年秘められいた過去の事件。 少女の生い立ちへと遡り、幼い罪の全貌が明らかにされます。そのとき、罪は裁か れるのではなく、少女を「救った」のでした。 「…あんたは海が還してよこした命だ。勝手に死ぬ権利は、もうないんだよ」 著者の事件に翻弄される主人公たちは、心優しい異性の存在に助けられることが多い。 失ってしまった自らの半身を探しながら生きる少女たち。前編で脇役だった麻子が、 よりいっそう印象的に浮かびあがる後編は、何とも鮮やかです。 | ||||
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『ななつのこ』『ささらさや』を読んで以来、しばらく読んでいなかった加納朋子さんの作品。青い背表紙がなぜか「読んで」と呼ぶので、図書館で手に取りました。 アパートで一人暮らしする堀井千波が、引っ越しの最中に見つけた見覚えのない一冊の本。その本の間に挟まれた未開封の手紙。手紙には「あなたのことが好きです」「私も人を殺したことがある」など書かれている…… 心に傷を負った千波が手紙の謎を追いながら、自分を再生していく物語。 『ななつのこ』のような日常の謎といった話ではありませんが、本当に味わい深い作品です。加納朋子さんの作品のどれにも言えるのですが、舞台設定や登場人物、ストーリーが押しつけがましくなくゆったりとした波のように心に染みてきます。心に刺さったトゲを無理矢理引き抜くことなく、気がつくと溶けているようなそういう優しい物語は実に魅力的です。 | ||||
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『ななつのこ』『ささらさや』を読んで以来、しばらく読んでいなかった加納朋子さんの作品。青い背表紙がなぜか「読んで」と呼ぶので、図書館で手に取りました。 アパートで一人暮らしする堀井千波が、引っ越しの最中に見つけた見覚えのない一冊の本。その本の間に挟まれた未開封の手紙。手紙には「あなたのことが好きです」「私も人を殺したことがある」など書かれている…… 心に傷を負った千波が手紙の謎を追いながら、自分を再生していく物語。 『ななつのこ』のような日常の謎といった話ではありませんが、本当に味わい深い作品です。加納朋子さんの作品のどれにも言えるのですが、舞台設定や登場人物、ストーリーが押しつけがましくなくゆったりとした波のように心に染みてきます。心に刺さったトゲを無理矢理引き抜くことなく、気がつくと溶けているようなそういう優しい物語は実に魅力的です。 | ||||
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霧のような薄いベールが全編に立ち込める・・・。 そんな独特の雰囲気のある作品でした。 他の加納さんの作品に比べると雰囲気は暗い。 けど、いつものような「日常のミステリー」よりは深く、“心の再生”を描いています。 なかなか確信がつかめずに半信半疑で読み進めていくしかないのですが、 謎の答えがすべて出そろったときのあたたかな感動はやはり加納作品。 最終的にはファンの期待を裏切らない展開。 どちらかというともう1つの「化石の樹」の方が加納さんらしくて好きです。 最後はじんわりと幸福感に包まれました。 | ||||
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霧のような薄いベールが全編に立ち込める・・・。 そんな独特の雰囲気のある作品でした。 他の加納さんの作品に比べると雰囲気は暗い。 けど、いつものような「日常のミステリー」よりは深く、“心の再生”を描いています。 なかなか確信がつかめずに半信半疑で読み進めていくしかないのですが、 謎の答えがすべて出そろったときのあたたかな感動はやはり加納作品。 最終的にはファンの期待を裏切らない展開。 どちらかというともう1つの「化石の樹」の方が加納さんらしくて好きです。 最後はじんわりと幸福感に包まれました。 | ||||
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「ミステリー」ってあったので、探偵物や推理物をだと思って読みはじめました。でも、違いました。確かに「謎」は徐々に明かされていくけれど、違うんです。ふたりの女性の友情に、ほろりと感動しました。初めて、本を読んで涙が出てきました。 | ||||
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「ミステリー」ってあったので、探偵物や推理物をだと思って読みはじめました。でも、違いました。確かに「謎」は徐々に明かされていくけれど、違うんです。 ふたりの女性の友情に、ほろりと感動しました。初めて、本を読んで涙が出てきました。 | ||||
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ミステリー、とはいっても犯人を捜すための物語ではなく、二人の女性が、自分の人生を取り戻すまでの切ないミステリーです。 加納朋子さんの作品は、『掌の中の小鳥』『月曜日の水玉模様』を読んで、これで3作品めですが、最初の作品二つはとてもこころがあったまるミステリーだったので、この作品はなんだか”異色”なかんじがしました。とても切ないのです。これほどまでに苦しい人生を生きてきた二人の女性が、どうやって過去を乗り越え、自分を見つめ直せるのか。かといって、重苦しく感じさせないのはさすが加納朋子さんです。 千波がやっと「過去」と「自分」を取り戻したとき、なんだか彼女の周りに光のシャワーが降ってきたように感じました。ああ、もうこれでだいじょうぶ、と。看護士さんの「これ以上なにを望みますか」という言葉が印象的でした。千波はすべてを失ったかのように見えるけど、なにより大事なものが残された。だから、彼女はもうちゃんと一人で生きていける、と読んでいる方が納得できるラストでした。 『化石の樹』も、ラストが素敵。そうそう人生って捨てたもんじゃないよ、と思わせられました。長く人生を生きていると、ときに自分がひとりぼっちのような錯覚を起こすこともあるかもしれません。自分が誰からも必要とされていないような。でも、そんなことはない。自分のことをこころの底から大事にしてくれる人って、必ずいるものなんです。たとえその人が、自分を憎んでいるように感じていたとしても。 前に読んだ作品のように、ほのぼのとした雰囲気のものではなかったけれど、読んだあとになんだか清々しくなるというか、こころがあらわれるような作品でした。 | ||||
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ミステリー、とはいっても犯人を捜すための物語ではなく、二人の女性が、自分の人生を取り戻すまでの切ないミステリーです。 加納朋子さんの作品は、『掌の中の小鳥』『月曜日の水玉模様』を読んで、これで3作品めですが、最初の作品二つはとてもこころがあったまるミステリーだったので、この作品はなんだか”異色”なかんじがしました。とても切ないのです。これほどまでに苦しい人生を生きてきた二人の女性が、どうやって過去を乗り越え、自分を見つめ直せるのか。かといって、重苦しく感じさせないのはさすが加納朋子さんです。 千波がやっと「過去」と「自分」を取り戻したとき、なんだか彼女の周りに光のシャワーが降ってきたように感じました。ああ、もうこれでだいじょうぶ、と。看護士さんの「これ以上なにを望みますか」という言葉が印象的でした。千波はすべてを失ったかのように見えるけど、なにより大事なものが残された。だから、彼女はもうちゃんと一人で生きていける、と読んでいる方が納得できるラストでした。 『化石の樹』も、ラストが素敵。そうそう人生って捨てたもんじゃないよ、と思わせられました。長く人生を生きていると、ときに自分がひとりぼっちのような錯覚を起こすこともあるかもしれません。自分が誰からも必要とされていないような。でも、そんなことはない。自分のことをこころの底から大事にしてくれる人って、必ずいるものなんです。たとえその人が、自分を憎んでいるように感じていたとしても。 前に読んだ作品のように、ほのぼのとした雰囲気のものではなかったけれど、読んだあとになんだか清々しくなるというか、こころがあらわれるような作品でした。 | ||||
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また、読んでいる途中から、思わず涙してしまいました。光原さんのストーリーでは、毎回のように涙してしまいます。今回も誰かに助けられる、励まされる、周りの人のあたたかさを感じられる、ホッとできるストーリーで、すばらしい時間を過ごさせてもらいました。 | ||||
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また、読んでいる途中から、思わず涙してしまいました。光原さんのストーリーでは、毎回のように涙してしまいます。今回も誰かに助けられる、励まされる、周りの人のあたたかさを感じられる、ホッとできるストーリーで、すばらしい時間を過ごさせてもらいました。 | ||||
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うつうつと浅い眠りの中で物語が行きつ戻りつする構成に混乱しつつ、主人公・千波の心の咆哮がひしひしと伝わってきた。人の心の弱さと神経の細さと何か薄いヴェールに覆われたような物語の進行。時折現実的な想い出が交錯する。言葉の繊細さと詩的な表現が「海の中にいる」ような錯覚を覚えた。母なる海にどっぷりと浸かったようなフワフワと漂う感覚が最後まで続く。実に不思議な小説。千波の深層心理にあったひとつの幼い命「広海(ひろみ)」との再開で自分を取り戻すくだりに思わず涙。心の中を探りながら彼女の中の8年間の並べ替えが出来たときなぜか安堵する私がいた。 | ||||
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うつうつと浅い眠りの中で物語が行きつ戻りつする構成に混乱しつつ、主人公・千波の心の咆哮がひしひしと伝わってきた。人の心の弱さと神経の細さと何か薄いヴェールに覆われたような物語の進行。時折現実的な想い出が交錯する。言葉の繊細さと詩的な表現が「海の中にいる」ような錯覚を覚えた。母なる海にどっぷりと浸かったようなフワフワと漂う感覚が最後まで続く。実に不思議な小説。千波の深層心理にあったひとつの幼い命「広海(ひろみ)」との再開で自分を取り戻すくだりに思わず涙。心の中を探りながら彼女の中の8年間の並べ替えが出来たときなぜか安堵する私がいた。 | ||||
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ミステリーなんです。でも、ミステリーじゃないんです。ミステリーって普通犯行のトリックをあばき、犯人をあばき、動悸をあばきますよね。これ、違うんです。どう違うかはぜひ読んで欲しいです。女性たちの命と魂と絆の再生。読了後、癒されている自分がそこにいました。 | ||||
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ミステリーなんです。でも、ミステリーじゃないんです。 ミステリーって普通犯行のトリックをあばき、犯人をあばき、動悸をあばきますよね。これ、違うんです。どう違うかはぜひ読んで欲しいです。女性たちの命と魂と絆の再生。読了後、癒されている自分がそこにいました。 | ||||
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~「ななつのこ」「魔法飛行」「掌の中の小鳥」と短編集で世に出た加納さんの、意欲的な中編2編を収めた本。タイトルの「いちばん初めにあった海」のほか、「化石の樹」が収められています。意図的に新しい試みを、この2作でされています。あまり話すとネタバレになってしまうのでこのあたりでやめておきますが、その試みは、見事に成功しています。~~ものがたりはそれぞれ、ふたりの女性の再生を描いています。(もしかしたら三人かも)過去の傷を乗り越えられないでいるふたりの女性が、それぞれ、まわりの人の助けと、そして大樹の助けをかりて再び歩み始めます。陰の主人公はその二本の樹。クスノキと金木犀ですが、まるで傘のように、ゆりかごのように、母の胎内のように、疲れ傷ついた心を静かに受け止~~めて、包みこんでくれているのが印象的でした。~ | ||||
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~「ななつのこ」「魔法飛行」「掌の中の小鳥」と短編集で世に出た加納さんの、意欲的な中編2編を収めた本。タイトルの「いちばん初めにあった海」のほか、「化石の樹」が収められています。意図的に新しい試みを、この2作でされています。あまり話すとネタバレになってしまうのでこのあたりでやめておきますが、その試みは、見事に成功しています。~~ものがたりはそれぞれ、ふたりの女性の再生を描いています。(もしかしたら三人かも)過去の傷を乗り越えられないでいるふたりの女性が、それぞれ、まわりの人の助けと、そして大樹の助けをかりて再び歩み始めます。陰の主人公はその二本の樹。クスノキと金木犀ですが、まるで傘のように、ゆりかごのように、母の胎内のように、疲れ傷ついた心を静かに受け止~~めて、包みこんでくれているのが印象的でした。~ | ||||
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