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対岸の彼女
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対岸の彼女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全290件 81~100 5/15ページ
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この本は女性なら必ずわかるって思う所があると思います。高校生の時の気持ちと主婦の気持ち両方の気持ちに共感できました。 | ||||
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過去:高校生の葵がナナコと毎日何があっても行動を共にし、客観的に見たら同性愛者と間違えられてしまうほど行動を共にしていた。二人でバイトしてお金貯めて、そのお金で家出して。が、そんな二人に別れは突然やってくる… 現在:35歳既婚一人娘持ちの小夜子がベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされハウスクリーニングの仕事を始める。会社事体立ち上げたばかりで紆余曲折し会社存続の危機まで陥り、絶望のまま終わるかと思いきや… 「本当に、心から信用できる女友達が必要なのは、社会に出て、重たい荷物を背負い、現実を直に突きつけられている今なのに」 とかなんとかハードカバーに書いてあるからドロドロな感じかな?と思ったけど読後全然そんなことなく、読後は希望に満ち溢れた終わり方で清々しい気持ちになります。 で、まぁ大体の主軸は他のとこで書かれまくってるんでここは個人的に気になった人物、木原に注目します。 話を聞いているうち、木原の態度に一定の法則があることに小夜子は気づいた。岩淵さんや関根美佐緒が葵をけなすと、彼は必ず葵を持ち上げるようなことを言う。すると二人は躍起になって悪口を言い合う。プライベートな部分に及ぶ葵個人への揶揄など、洒落にならないくらい会話がヒートアップしてくると、わかるわかるとうなずきながら話を元に戻し、彼女たちに仕事の不満を吐き出させる。意識してそうしているのか、それとも彼も気づかずにそうしているのかはわからないが、相手に自己嫌悪や内省をさせず胸の内を暴露させる特技が、どうやら木原には備わっているように小夜子には思えた。 という文章があるのですが、木原自身はバイトでも社員でもない。ただの葵のファン。会社の手伝いや愚痴は聞いたりはするが何の責任もないから別にこの会社がどうなろうが知ったこっちゃない。必要な技術・人脈だけ手に入れてバイバイするという一見いい奴そうにみえて実はクズ野郎というキャラなのですが、角田さんの表現でいいのは、木原のことをまったく悪く表現していないところ。 つまりなんというか、現実にいるんですよ。こういう人。外っ面がよくて聞き上手で人の懐に転がり込んで必要な物を手に入れたらいなくなるというずるい人間。ただ、コミュ力もあって顔もまぁまぁいいから許されてしまうという。だから角田さんは木原に関して悪い表現を全然使わなかったんだと自分なりに解釈しています。 勿論、遅かれ早かれ会社解散の危機に直面はするかもしれないけど、良いことを言えば良いことが、悪い事を言えば悪い事が起こる言霊を信じているので自分は何でもかんでも口に出してスッキリするってのは否定派です。 例えですけど、何かある度に友達に報告してしまう女Aがいるとします。女Aは付き合っている彼氏の悪いところを友達に報告したとします。その報告された友達は「別れちゃいなよ」と言うとしましょう。 勿論、そんなことで別れることはないですけど、別れちゃいなよと女Aがその言葉を聞いた瞬間、1ミリだけ別れる方向へ考えてしまう。 それが積み重なった場合どうか?1ミリが2ミリへ、2ミリが3ミリ…そう。何でもかんでも人に相談してしまう人は遅かれ早かれ別れがきてしまうのです。(相談される人の人格にもよるが) 木原に悪意はないです。明確な悪意があればおそらく角田さんもそう表現していたはずです。だが結果的に、蜜を吸うだけ吸った挙句、自覚もなく会社一つ潰そうとしたんだから、こんな悪い奴いない。 | ||||
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今まで読んだ角田さんの本の中で一番おもしろかったです。 独身女性と既婚子持ち女性の間にある感覚の違いを川に例えているお話かと思いきや、それを超えた最後には背中を押されるような勇気をもらえるような作品でした。 とても面白かったです。 | ||||
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角田光代の作品は、スイスイとひっかかりなく読めるのだけれど、そこに著者ならでは力強さも感じさせる気持ちのいい文体で、とても好感が持てます。 また、登場人物らの姿はリアルで、特に小さな子を持つ小夜子の夫との会話などには、自身に重ね合わせられ、夫側妻側双方の気持ちが手に取るようにわかります。 本書の構成は、そんな小夜子を主人公とした章と小夜子が仕事を始めることとなったベンチャー企業の女社長葵を主人公とした、葵がまだ高校生だったころの章が交互に描かれます。 この構成が非常にうまく、現在の葵がどのような経緯を経て、現在の葵の存在感となったのかがショウを重ねていく内に明らかになっていきます。 葵が小夜子に次のような言葉をかける場面があります。 「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」 「人はみんなわかりあえるとか、人間なんだから同じはずとか、そういうのは嘘っぱちで、みんな違う。みんな違うってことに気づかないと、出会えない。」 「マニュアルがあるとさ、人って考えることを放棄するの。考えないと何も見えない。マニュアルってのは、あれしなさいとか、これが常識だって説明するだけで、違うって感覚的にわかることを邪魔するんだと思うんだ」 葵のこのような発言の裏にある意味は、彼女が経てきた十代の頃の章が進むにつれて明らかになってきます。 この葵の章はドラマティックで、特に高校生の葵とタクシードライバーの父親との会話には鼻がツーンとなります。 文体よし、構成よし、と直木賞も納得の、とても良くできた作品です。 | ||||
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家族、友達、恋人、同僚、先輩、後輩など人間には様々な人付き合いがある。しかし、各々の関係は常に時の流れと共に変化して行くもの。昔は凄く親しかったけど、特に理由もなく今は疎遠になってしまったり、人間関係の距離感というものが、その時々によって変化し、人付き合いをして行く上で距離感が大切だとあらためて思った。以前は頻繁に会って話をしたりして仲が良かったけど、最近、ちょっとご無沙汰で暫く音沙汰がないなぁという友達がいたら、一読すると良いだろう。人間関係には、その時々で濃淡があり、時の流れに従い変化するものだと分かるし、それを是認出来るから。 | ||||
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お掃除の仕事を始めた主人公に対して女社長が言ったこと、「仕事で訪れた家がどんなに汚れていてびっくりしても、決してそれを顔に出してはいけない」という話が強く印象に残っています。 実際ホームヘルパーをしている方や、ハウスクリーニングのお仕事の方にとっては当たり前のことかもしれません。 このあいだテレビ企画で家の中が物で溢れてにっちもさっちもいかなくなって、お片付けのカリスマに来てもらった奥さんが、一緒に片づけながらやっぱり物が捨てられなくてカリスマに怒られているのを見ました。 確かに多少の荒療治が必要なことも多いのでしょうが、子だくさんで頑張っている彼女がかわそうに思えてきました。 学力格差、収入格差、職業格差、いろいろあるけど、家事能力格差も特に現代では激しいかもしれないです。昔のように家で教わる機会も少ないし、家事なんて今にロボットがやってくれるような仕事と軽んじられている節があるし・・・でも厳然とある能力格差、そこを指摘されるのをは何よりいやだと思う人がまだ多いのではないのでしょうか。とっても素直な人ならいいかもしれませんが、そんな人専門にしなきゃならなくなる。 「私の言うとおりにやっていればあなたも幸せになれるし、家庭も円満よ」というメッセージを素直に受け取れない人もいることを頭のすみに置いていてほしいです。 業者さんとして関わるなら、黙って黙々と仕事をこなさなきゃならなくて、指導する人としてだったら厳しこと言えるというのは、ちょっとおかしいような気がします。 経験を生かしてハウスキーピングの仕事に女性たちが参加したいなら、そして社会もそれを望んでいるなら、ここんとこみんなでちゃんと考えて、本当の意味でもっと社会に受け入れられる仕事に成長させて欲しいです。 | ||||
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随分と長い事、欲しいものリストの中に入れたまま購入に至らずにいた1冊。なんとなく、暗いお話なのかと思っていたので。 しかし、読んでみるといい意味で裏切られました。 女性特有の煩わしいグループ人間関係、友人との微妙な距離感・すれ違い、そんな題材を非常に上手く描きあげています。この話を読んでいると、どんな女性でもきっと人生において1度は自分の人間関係の不器用さに悩んだ事が有るのかもしれない、自分だけではきっとないんだ、という気持ちにさせてくれます。一見、人付き合いが上手く、社交性に長けた女性だって恐らく過去には上手く行かずに悩んだ事の1度や2度ある事でしょう。(特に学生のいじめなんかは、本人の性格云々に関わらずほとんどが運で標的にされる印象を受けましたから。) 作中で特に印象に残る台詞がありました。 『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事』 -112ページ この1文に舌を巻きました。人間関係に悩む女子中高生、20代・30代の女性に是非お勧めしたい1冊です。 しかも、この話のいい所は暗い気持ちのままでは終わらない。それでも人と関わって生きていくんだ、という明るい前向きな姿勢で物語が終わるのが非常に良かったです。 偶然にも私は、2人の主人公、小夜子と葵と同じ年齢なのでそう言った部分でも考える所が色々あって読んで良かったです!!作中に出てくる葵の友人ナナコを主人公にした続編(裏ストーリー)を是非とも書いて頂きたい!!!!謎でいっぱい、そして色々と気になり過ぎる。 | ||||
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女同士の複雑な感情が、実に見事に表現されていると思う。 女性なら誰もがこういう経験、一度はしたことがあるんじゃないのかな?角田さんの本は初めて読むけど、すごく惹き込まれて感動した。 じわじわくる考えさせられる作品だと思う。 | ||||
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レビューの高さに惹かれ手に取ったが、とてもよかった。 過去と未来を行き来するような視点で書かれており、学生、そして社会人になってからの女同士の友情についてさりげないタッチで深く書かれている。 女同士の友情についてがメインだが、個人的には物語の間に挟まれる夫婦間の軋轢の描写がなんともリアルで生々しく印象に残った。 総じてなにか大きな事件が起きるでもなく、出来事を羅列してみれば大したことは起きてないのだが、それでも本作は夢中で最後まで読ませる力を持っている。 そういえば学生の頃の友人で社会人になった今でも交友が続いている人は何人いるだろうと読了後ぼんやり思ってしまった。そして社会人になってからの友人の作りにくさといったら。 普段見過ごしてやり過ごしている部分を的確についてくる傑作。女性はもちろん、男性が読んでも楽しめる作品に仕上がっていると思います。 | ||||
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角田光代が、いま、一番、脂ののった、筆力のある作家であることは、異論がないところであろう。この作品においてもそうであるが、彼女が巧いのは、日本語を巧みに駆使して、いかにも銘文を書くからではない。日本語は、あまり上出来ではない。しかし、それをはるかに凌駕して、ニンゲンの深淵をきちんととらえて、文章に起こせる執念がある。ずばり、孤独を描ける作家である。孤独を描く・・となると、たいていの作家は、「孤独」という言葉が似合いそうな、風貌、個性、境涯、背景を創作して、読者に、これでもか、これでもか、と孤独を押し付ける。角田は、それとは、まったく異なる。角田は、ニンゲンすべてが孤独でありつながりは希薄である・・という理解から出発する。この作品も、登場人物はみな孤独である。しかし、いかにも、孤独な境涯でもキャラでもなく、ごく普通の人々である。ごく普通の人間の孤独。を、角田は、作家じみた手慣れた言葉は一切使わずに、周辺を丹念に描き切ることで、各人の孤独を浮き彫りにする。そして、最後に救われるか??というと、そうではなく、孤独は、孤独なままで、背負ったまんま、生き続ける。そういう突き放し方で終わる作家である。こういう周辺の人物像と、出来事だけをつらねて、人物を浮かび上がらせる手法には、よほどの集中力で最後まで矛盾なく書き上げねばならないが、角田の場合、中途で、多少息切れしても、中盤以降で必ず巻き返す。タフでスタミナのある作家である。彼女の作品に流れるテーマは一貫してニンゲンの孤独であるが、それを、作品ごとに、完璧に変える切り札の多さも、タフ、スタミナを現している。 | ||||
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色々な著者の中でも 角田さんは女性の心理を表現する事に、一番長けていると思います。 実際に自分も感じた事、今も感じている精神的な部分 言葉や文字にはできなかったものが、本文の至る所に生息していました。 距離が縮まったかと思えば、本当はそうではなくて 友人の事はほとんど分かっていると思っていたのに、知らなかったところに悲しんだり。 不特定多数の人が、自分の事を書かれていると錯覚するような、とても現実的です。 | ||||
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読後直後だからかもしれないですが、面白かったです。 作者は酒好きの豪快な作家だとばかり思っていましたが、こういう繊細な作品を書くのかぁと感心しました。 他の作品も読もうと思います。 | ||||
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人の顔色を伺わうことなく、自分を信じて生きていこうと思いました。 | ||||
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女ならではのグループ制度、またはカースト制度を経験してきたので、葵の気持ちも小夜子の気持ちもナナコの気持ちもよくよく分かった。 共感できる部分が多くて面白かったし、考えさせられた。 | ||||
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登場人物に共感。 情景が目に浮かぶ。 映像化されたバージョンも 見たいと思った。 | ||||
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一言で言えば対人関係の難しさを描いた小説です。主人公の葵と小夜子は人より繊細な心を持つが故に悩みますが、彼女たちのような人との距離感に関する悩みは大なり小なりみな感じていることです。 葵の親友、ナナコの「大切なものはここには何もない」という言葉は心に響きます。では小夜子のいうように「私たちは何のために歳を重ねるのか?」平凡な主婦の葵は一度背を向けた社会に葵を通してもう一度向き合い、ラストで小さな一歩を踏み出します。 角田光代は女性向けの作家というイメージですが、本書は瑞々しい感覚を失わないために広くいろんな人に読んで欲しい小説です。 | ||||
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読んでいる途中、悲しいとか嬉しいとか感動ではないのだけど、 なぜここで、と思うようなところで急に涙が溢れてしまうことが何度かありました。 例えば小夜子の子が、海を見て驚いて固まってしまったシーン。そこで。 なぜそこで…自分でも驚くほど号泣しました。 自分でもどんな気持ちなのか全く分からなくて、 そういうのは初めてだったのでかなり戸惑いました。 わたしには子供はいませんし、すごく望んでいるわけでもなく どちらかというと葵のように自分の体のことは省みず仕事ばかりしてきました。 でもどこかで、母親としてしっかりやっている女性や、 子供の初々しさ、日々の小さな感動、そういうものに憧れがあったのかもしれません。 学生の頃の繊細で刹那的な感じ、 大人になってからの、簡潔には言い表せない女性同士の感情、 単なる共感だけでは収まらない、心の奥底の、 自分でも気づかずにいるような部分に触れられるような一冊でした。 | ||||
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この作者の作品は2作品目です。 もう1作品は八日目の蝉。 どちらも女性の心情や背景までも痛いほど伝わってきて、まるで自分がその主人公になったかと錯覚してしまうほど。 この作品は2つのオムニバス形式で交互に書かれています。 とてもわかりやすい繋がりです。 結局のところ、人それぞれいろんな苦しみを味わった過去があり、そして現在も今からももがき苦しむんだと。 でもきっとそれは無駄にはなっていないのだと。 私にはそう作者が伝えたいのだと思いました。 読んだ方それぞれが、感じ方が違ってくる作品ではないでしょうか。 きっと数年して、私自身も背景が変わった状況で再読すると、また違った感じ方をするような気がします。 派手ではないけど、後からじわじわくる、そんな作品です。 久しぶりにいい作品に出会えました。 | ||||
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学生時代、社会人、主婦仲間同士。 過去から現在まで色々となやましい関係が 本を通して描かれている。 葵とナナコ、葵と小夜子、 基本的にその2つを軸に話が交互に進んでいって 人間関係が面白くてどんどん読み進めていける。 | ||||
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どんなお話なのかな~?と思いを膨らませながら読み進めていきました。情景が細かく描かれていたので想像しながら読めました。人にはいろんな人生、過去があり現在、未来へと続いていくのだと思いました。こころ温まる作品でした。 | ||||
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