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凍える牙
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凍える牙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全103件 81~100 5/6ページ
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TV界等でも、ベテラン俳優でさえ、「子供と動物には勝てない」そうである。小説でも同じで、主人公に小さな子供や動物を持ってくると、批判ができないムードになり、お涙頂戴のストーリーも書きやすくなる。 本作でも作者は主人公をハッキリと狼に設定しており、不自然な発火事件から始まる刑事達の活動などは添え物くらいにしか考えていない。作者の頭にあったのは、結末の大都会の中の狼の疾走シーンだけだったろう。これをバカらしいと思う人には付いて行けない。狼をこのように自由に操れるのかと言う根本的な疑問もある。滅びかけた(実際には滅んだ)幻の狼の姿に共感が持てる人だけに通用する作品。 | ||||
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ストーリーの展開は良い。音道貴子と滝沢も良い。でも個人的には犬もオートバイにも共感することができないので、本当は盛り上がる後半に個人的思いは失速していきました。前半は登場人物の背景等の描写が非情に優れていて、物語の完成度は高いです。もっとも、犬好き、オートバイ好きにはたまらない小説なのでしょう。後半の追跡劇、ラストの誇り高い疾風の態度等ぐっとくること間違いなしです。 | ||||
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この作品の最大の魅力は夫に捨てられたバツイチ交機女デカ音道と妻に逃げられた皇帝ペンギン体型堅物デカ滝沢の掛け合い漫才のような絶妙なコンビだ。これがとても面白。そして後半に登場する疾風の魅力に尽きる。この登場人物の描写が映画リーサル・ウェポンのように楽しく、事件の結末は気にならなかった。事件自体は犯人の動機や犯罪方法に全くリアリティがなく、非常に薄っぺらな展開で面白味がない。非常に凝った手口ですぐに足がつきそうな犯罪を実行する犯人。今守らなくてはいけない大切な者を不幸にしても過去に制裁を加えようという心理も理解出来ない。ラストの音道と疾風のランデブー走行?も盛り上がる場面(特に湾岸、幕張辺りの読者は必読!)だが現実味は全くない。しかし、そんなことはどうでも良いのだ。音道、滝沢と疾風がいれば。音道、滝沢コンビは続編があるので是非、テレビドラマではなく映画化して欲しい。ハリウッド映画ばりに面白くなるだろう。 | ||||
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深夜のファミリーレストランで、男性客の体が突然、爆発炎上。 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の 音道貴子と中年デカ・滝沢とが捜査にあたる。捜査線上には狼犬が・・・。 乃南さんの作品はすみずみまで神経が配られており、その人物の描きかたの 細やかさに、読み手は安心してのることが出来ます。 バツイチの音道とセクハラ大王の滝沢コンビのやりとり、狼犬疾風の堂々たること。 最後まで飽くことありません。 直木賞選評にもありましたが、狼犬が「ここまで」飼い主の思うように動くかは、 私も疑問に思いますが、それをさしひいても楽しめます。 大型犬好きのかたにおすすめです。 疾風の立派な最後には涙がでました。 | ||||
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女性刑事“音道貴子”を全国区に押し上げたのが、この作品です。 読みどころはなんといっても音道刑事と、「刑事は、女なんかに務まらねえ!」と信じて疑わない滝沢刑事の敵対関係が、事件の経過とともに変化していく様でしょう。 そして、もう1人の彼(?)の出現!ここから先の展開はまるで映像を見ているようで、‘お見事’の一言です。 実は、NHKでドラマ化されていたんです。その時は何気なく見ていたのですが、ビデオに録っていなくて…‥今となっては悔やんでも悔やみきれません。 とにかく、小説でもドラマでも十分に楽しめる作品です。 | ||||
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レビューを読んで何となく狼が出てくる話とは分かっていたけど,狼そのものが「主人公」となるとは想像していなかった。 そんなものを主人公にするとあまりに非現実的でSF的になってしまうのではないかと考えていたから。 だけど読み進うちに,そうなってほしい。ぜひそうであったほしい。と願うようになっていった。 不思議な感覚である。狼(実際には「狼犬」)の荘厳で雄々しく美しい姿がどんどんふくれあがって来る。 音道貴子と中年刑事滝沢のコンビも絶妙である。衝突し合いながら信頼している2人の歩く姿が,これまたはっきりと映像に見える。 音道貴子の誕生とも言える作品。 音道,滝沢とそして狼犬の疾風(はやて)の3人の中に流れる不思議な信頼関係が,この作品を単なる作り物にしていない。 「涙」のどんどん引き込まれていく圧倒感とは少し違うけど,読み始めたら止まらない。ある意味完成された作品だと思えた。 | ||||
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根っからの推理小説ファンには、トリック等も陳腐でいまいち物足りないかもしれません。しかし、男社会の不条理さや30代独身女性への蔑視を日頃感じている女性にとっては、快哉を叫びたいストーリーでは? 相棒のオヤジ刑事との絡みや日常の細々とした描写は乃南ワールドならではのものだし、何と言っても圧巻は彼女がオオカミ犬を追って湾岸をひた走るラストシーン! カッコいいのと切ないのとでホントに泣けました。私と当時小学6年だった長女は、この本以来かかさず音道シリーズを読み続けています。女流作家ならではのミステリーとして、絶対お勧めです。 | ||||
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冴えない風体の中年刑事と,男勝りのスマートな女性刑事のコンビ,TVドラマによく出てくる既にありふれた設定。犯罪や捜査にも新しいものは感じなかった。最後の,犬を追ってオートバイを走らせるシーンのために,この小説があるという感がぬぐえない。彼女が,仕事と家族のトラブルの板挟みになるあたりも,非常に陳腐。 題名とイントロにつられて,期待しすぎてしまったか? | ||||
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犬と人間は友だちだというが、その友だちである犬を犯行の道具に使い、恨みに思う人間を襲わせる・・・。犬は飼い主の命令を忠実に聞く。その行為を犯罪に使うのはとても残酷な気がする。犬は何も分からない。しかし、理由はどうであれ、人を襲った犬はいずれ処分されなければならない。そこにやりきれなさが残る。恨み、復讐・・・。それに利用された犬がたどる運命が切なく心に残った。 | ||||
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読む本が無くなって、家の本棚を何気なく見たら目に付いたのが「凍える牙」でした。誰が買ったんだろう?と、何となく読んで見たら〝女性刑事〟を主人公にした物語は女性の私にとって読みやすく、どんどん読んでしまいました!私的には冒頭の音道刑事がピザを食べるシーンが好きです。女性にオススメです! | ||||
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深夜のファミリーレストランでの人体発火からひきこまれ、物語が終了まで一気に読めた。正直、トリックやら事件の裏側の背景やらは弱い。男社会で働く女性の葛藤、どうしても女性ということで意識してしまう滝沢のシャイさだとか、そういう部分も確かに面白いのだが、結局、最後に残ったのは圧倒的なオオカミ犬の存在感だけだった。でも、それはそれでアリだと思う。私は、乃南アサの作品は、この作品で初めて触れた。純粋にミステリとして見た場合には欠点も多いのだが、評判どおりの心理描写とテンポの良い展開で十分楽しめた。 | ||||
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殺人実行犯が実はこういうことだった、という物語は結構古くからありますが、この大都会で、この実行犯というのは、目を閉じて想像してみただけでも、面白いですし、インパクトがあります。警察という男性社会で女性が働くこと。どんなところでもマイノリティーはつらいですよね。人間というのは、自分が多数派に所属していた場合、自分の考えや少数派に対する態度などをあまり省みないものなのでしょうか?日本だけでしょうか?それとも、元々、男性は男性に生まれただけでやっぱり偉いみたいに思ってしまう性なのでしょうか?でも、今の社会を見ていると「俺達は女より上なんだ」と思わなければ、中々一生家族を養っていく力も出ないだろうなと思うこともあります。女も大変ですが、仕事とか責任という意味で、男は大変です。「結婚が私に訪れた人生最高の幸せ」と思っている女性は読まない方がいいかも。ミステリーというより、物語・文学として、とても面白く、そして、深みを感じる作品でした。 | ||||
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女性を主人公にした警察小説というよりもオオカミ犬を主人公にした話という感じ。 着想の奇抜さ、ストーリーのうまさもあり、終盤のオオカミ犬の追跡シーンなど、一気に読んでしまった。 全体として非常に読みやすい文章だとおもいます。 | ||||
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犯人や動機の設定は少しひねりがなく、途中まで読んだ時点で、実行犯が見えてくるので、ミステリーという観点ではおそまつな小説です。でも等身大の主人公の考え方や感じ方には、なるほどと思うところが多くありました。シリーズがあれば読んでみたい。最後にやはり男女の社会的地位の軋轢が表面化し、コンビの真の誕生がないのが残念ですが、現実的にはそうなんだろうと、あとがきを読んで実感しました。 | ||||
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冒頭部分の書き出し、読者の心を掴む点で、この先どうなるのだろうと読み進みたくなるのですが、ストーリーの展開に徐々に無理が生じてきます。男の世界に生きる女刑事と、それを認めないベテラン男刑事との奥深い心の交流が直木賞に値する描写だったと言うことだと思いますが。サスペンス小説としては普通かな? | ||||
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典型的な男社会である警察組織の中でも、刑事という職域での女性は極立つらしい。音道貴子はレストランで起きた時限発火装置による殺人事件の捜査本部に配属され、男社会の権化のような滝沢とコンビを組むことになる。滝沢は小娘と行動を伴にしなければならない不運を嘆き、貴子を徹底的に無視し自分のペースで捜査を進めていく。貴子はそんな滝沢の態度ややり方に不満や怒りを覚えながらも微塵も表には出さず意地になって滝沢についていく。貴子たち捜査員の地道な捜査により事件の謎は少しずつ解き明かされ、やがて意外なものが実行犯として浮かび上がる。反目しあっていた貴子と滝沢はいつしかお互いを認め合うまでになる。 男性中心の厳しい職場で働くヒロインの心情がリアルで共感できる。女性作家ならではであろう。また30を越えたあたりの年齢の女性が公私にわたり抱える大小様々なトラブルに折り合いをつけながら懸命に生きる姿が読み手に勇気を与えてくれる。仕事に疲れた女性には一服の清涼剤になるであろう。動物好きなら神秘的な疾風にきっと魅せられるであろう。 ただしミステリーとしては犯人側の視点があまりに少なく、動機や実行にいたるまでの過程などの掘り下げに物足りなさも感じた。 | ||||
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主人公の女性刑事と相方のおじさん刑事、おじさん刑事とその家族、そして女性刑事とナゾの獣・・、といった、いろいろな視点から見ることができる人間ドラマ、みたいな感じでした。それと、家族とか信頼というような事についてもしばし考えさせられました。最後は結構涙出ました。 | ||||
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評判がよい作家ということで期待して読んだが、正直にいうと少し期待ハズレだった。女性刑事の心理描写などは、確かにうまさを感じさせる。そういう「文学」として読むなら、価値があるかもしれない。ただ、「謎」の部分がすぐに判明し、主人公の動機もきわめてありがち、おまけにストーリーを複雑にさせるはずの脇役の動機がびっくりするほど単純で、ミステリーとしてのドキドキ感には欠ける。期待が大きかった分、落胆も大きいかったので、辛口で星は2つ。 | ||||
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深夜のレストランで男が炎上するという衝撃的なプロローグから、最後までずっと飽きさせません。犯人を追跡する捜査の過程も面白いのですが、人物の丁寧な描写はさすがです。女性蔑視も甚だしい中年刑事滝沢とバツイチの女性刑事音道貴子のコンビ。普通なら、あからさまに「刑事の職場に女は必要ない」という態度を示す滝沢に女性なら誰しも腹を立てることでしょう。でもどこか憎めない。貴子もただ片意地はって男に負けるもんか、とイキガってる女性じゃない。二人に共通するのは刑事という仕事に対する真剣さでしょうか。最初は反発しあう二人ですが、次第に同士ともいうべき不思議な連帯感を抱いていきます。なんといっても圧巻なのは、貴子がバイクで狼犬を追跡するシーンです。こっちまで深夜の高速を走っているような錯覚に陥りました。余談ですが、私も狼犬を飼ってみたくなりました。これを読んで音道貴子のファンになった方は、「花散る頃の殺人」もあわせて読むことをおすすめします。 | ||||
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犯犬(?)像はものすごく明確に解る。愛犬家に「おもしろいよ」とすすめたら、「犬好きの人間にはすごくおもしろい話だね。」と感想をもらった。私としては、犬よりも、おっさんの方がおもしろい。ウイングフィールド描くところの Frost警部を彷彿とさせる滝沢警部。彼がとにかくお気に入りである。女性蔑視は許せないが、彼にはなんだか愛嬌があるし、まだまだ「勉強」する余地があるように思える。この2人がとにかく自分の譲れないところを頑固に守りながらコンビを組み、事件を追う。甘い恋や、情ではなく、人間の裏の顔を追いかける刑事家業に対する誇りや真剣さでいずれお互いに一目置くようになる、その過程がおもしろかった。後半の山場、バイクの追跡シーンは何度読んでもわくわくする。様々なミリョクがぎっしり詰まった物語。 | ||||
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