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飛蝗の農場



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飛蝗の農場の評価: 3.11/5点 レビュー 37件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(3pt)

読者を選ぶオチ。

帯の煽り文に釣られ刊行と同時に購入しました。スリル満点でグイグイ引き込まれ、その日の深夜まで掛かって一気読みしたのを憶えています。
 ああ、しかし、ラストのどんでん返しには少々脱力させられました。もしも本作を漫画化するのであれば、リアリティを以て描くことが出来るのは、あだち充先生しかいらっしゃらないとしみじみ思いました。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.11:
(3pt)

“ドロンフィールドの世界”に翻弄される

「このミステリーがすごい!」の’02年海外編で第1位、「週刊文春ミステリー・ベスト10」では’02年海外部門で第3位にランクインした話題作。
なにしろ巻末の「訳者あとがき」でも「解説」でも、冒頭の言葉が「----なんだ、これは?」なのである。
私も最後の最後まですっかりこの作品の持つ独特の世界に翻弄されてしまった。
イギリスはヨークシャーの荒れ野の農場主・キャロルのところに自称・記憶喪失の謎めいた男が転がり込む。ふたりの不安定で奇妙な共同生活が始まる。一方で本編と並行するように、一見何の関係もないような数々のショートストーリーが挿入される。
たとえていえば、複数の脈絡のない物語が同時進行する、伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』を思わせるような構成に読者は幻惑される。
やがて終盤の、残り150ページ位から、それらショートストーリーが一連の流れとなって収束し、過去の連続異常殺人事件と関係していることが明らかになり、本編と結びつくのである。ここにいたってようやく物語の全体像が明らかになり、さらにエンディングでもひとひねりが用意されている。
本書の「解説」や「このミス」にはサイコロジカル・スリラーのジャンルにカテゴライズされる作品とあるが、私は、本書はいままでのジャンルには押し込みきれない、不思議な世界観と魅力を持つ、いわば“ドロンフィールド・ワールド”といったミステリーのニューカマーではないかと思う。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.10:
(3pt)

終盤までがまんできれば

何年か前の「このミス」海外部門第1位ジャンルとしては「サイコホラー」にあたるのでしょうか。構成が複雑ではじめの3/5くらいまでは少しつらいかも。後半一気に加速しておもしろくなるが、始めのほうのいろいろなエピソード群はこんなに長々と詳細に描写する必要があるのか。後半のホラーとしての面白さは、作者は意図していないかもしれないけど13日の金曜日のノリ。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.9:
(3pt)

終盤までがまんできれば

何年か前の「このミス」海外部門第1位
ジャンルとしては「サイコホラー」にあたるのでしょうか。
構成が複雑ではじめの3/5くらいまでは少しつらいかも。
後半一気に加速しておもしろくなるが、始めのほうのいろいろなエピソード群はこんなに長々と詳細に描写する必要があるのか。
後半のホラーとしての面白さは、作者は意図していないかもしれないけど13日の金曜日のノリ。
飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)より
4488235107
No.8:
(3pt)

いつのまにか徹夜

まったりとした序盤から、一気に驚愕のクライマックスへと導く手法は、洋の内外を問わず、ここ数年の傾向であるようにみられるが、中でも本書はその王道を行くものである。途中やや読みづらく感じた点はあるが、一気に読んでしまい、気が付けば朝だったと言うドライブ感たっぷりの作品。ただ、本書が『このミス』で1位というのには納得がいかない。ポール・アルテの『第四の扉』を上回っているとは到底思えないからだ。しかしながら1位を獲得したということは除外しても、読む価値は絶対ありの一品である。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.7:
(3pt)

いつのまにか徹夜

まったりとした序盤から、一気に驚愕のクライマックスへと導く手法は、洋の内外を問わず、ここ数年の傾向であるようにみられるが、中でも本書はその王道を行くものである。途中やや読みづらく感じた点はあるが、一気に読んでしまい、気が付けば朝だったと言うドライブ感たっぷりの作品。ただ、本書が『このミス』で1位というのには納得がいかない。ポール・アルテの『第四の扉』を上回っているとは到底思えないからだ。しかしながら1位を獲得したということは除外しても、読む価値は絶対ありの一品である。
飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)より
4488235107
No.6:
(3pt)

うむむ...。

『2003版このミス』海外1位 の作品であるが....。個人的にサイコスリラー的なものはあまり多くを経験してないものでひょっとしたらその経験不足から消化不良的な読後感が残っているのでしょうか?読む人が読めば最高傑作なのでしょうか?? 中盤の様々なプロットも結末部分の一捻りも何かすべてが中途半端という感じです。でもプロが褒めるから傑作なのでしょう....きっと...。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.5:
(3pt)

うむむ...。

『2003版このミス』海外1位 の作品であるが....。個人的にサイコスリラー的なものはあまり多くを経験してないものでひょっとしたらその経験不足から消化不良的な読後感が残っているのでしょうか?
読む人が読めば最高傑作なのでしょうか?? 中盤の様々なプロットも結末部分の一捻りも何かすべてが中途半端という感じです。でもプロが褒めるから傑作なのでしょう....きっと...。
飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)より
4488235107
No.4:
(3pt)

B級トリックを、重厚精緻な鎧で包んだような作品

 確かに面白い。胸のすく面白さではなく、謎が解ã'ない面白さ。つまり推理小説の面白さなのである。æ˜"は推理小説といえば、フーダニットであるとか密室トリックであるとかそういうものだã'で構成されていたのだが、現在はわã-とまぎらわã-い表現ã‚'使うæ-‡ç« ãƒˆãƒªãƒƒã‚¯ã«ã‚ˆã‚‹å¿ƒç†ã‚µã‚¹ãƒšãƒ³ã‚¹ãªã©ã‚‚散見される。 ã"れはかのディーãƒ'ァーや逢坂剛などはæ-¥å¸¸èŒ¶é£¯çš„に使ç"¨ã-ているもの。ただå†'険小説やハードボイルドのç•'の作家のå '合は、それに頼り切るã"とã‚'せず、あくまで人é-"主動で物語のねじã‚'巻いてゆくわã'だが、推理作家のå '合ã"ã"までで良ã-とã-てã-まう傾å'が強いから、ã"のあたりで「リーグが違う」と言われてã-まうã"とが多いのだ。 ã"の作å"ã‚‚トリッキーな構成と表現により、読è€...ã‚'ç...™ã«å·»ã„てã!€!!どうだ、参ったか、というような謎æ-¹é¢ã«ã€ã™ã¹ã¦ã‚'傾注ã-てã-まった作å"ã ã‹ã‚‰ã€å½"然人é-"のリアルな描写部分には無理な負荷があまりにも多く出過ぎたように見える。出会いが偶然に頼りすぎる部分。手ç'™ã®ç½®ãæ-¹ã‚„、威嚇のための仕掛ã'作りにã-ても、あまりにも人智ã‚'è¶...え過ぎているだろうと思われる追跡è€...の能力。すべてç¬'いたくなるようなæ»'稽な仕組みの小説であるにもé-¢ã‚ã‚‰ãšã€ãã‚ŒãŒé‡åŽšãªãƒ ãƒ¼ãƒ‰ã‚„ç·»å¯†ãªæ›¸ãè¾¼ã¿ã¨ã„ã†éŽ§ã‚'纏っているために見え難くなっている。 メインストーリーã‚'敢えて裂æ-­ã™ã‚‹ã‚ˆã†ã«æŒ¿å...¥ã•れたそれぞれの遠いエãƒ"ソードは、神保裕一『トライアル』や、古くは前衛的な作家・福永武彦が使ったような「遡行的」という形で時é-"ã‚'逆行するようにé...ç½®ã•れている。 å...¨ä½"的に謎のためã!®ä!!ººç‰©é...ç½®ã§ã-かなく、å...±æ„Ÿã€æ„Ÿæƒ...ç§»å...¥ãªã©ã¯å...¨ãèµ·ã"らないような作å"ãªã®ã§ã¼ãã¯å¤±æœ›ã-た。確かに面白いのだã'れど、「リーグが違う」のだ。 『ã"のミス』ï¼'位というã"とだが、考えてみれば二å¹'連続ã-て、難解で、æ-¬æ-°ã§ã€ä»Šã¾ã§ãªã‹ã£ãŸã‚ˆã†ãªé¡žã„のアイディア、若き作家の個性の勝利みたいなもの。小説とã-ての優秀さよりも、奇ã‚'è¡'うæ-‡åŒ-に対ã-、『ã"のミス』ではミステリーのé"人たちが評ã‚'投じる傾å'が強いというã"とだろう。ã"ういうのはæ-°äººè³žã¨ã„うã"とにã-て、もっと堂ã€...とã-た作å"ãŒï¼'位å...¥è³žãªã‚‰ä½•もかも丸くおさまると思うのだã'れど。現状ではç'å¾-行かない人が多いでã-ょう。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.3:
(3pt)

B級トリックを、重厚精緻な鎧で包んだような作品

 確かに面白い。胸のすく面白さではなく、謎が解ã'ない面白さ。つまり推理小説の面白さなのである。æ˜"は推理小説といえば、フーダニットであるとか密室トリックであるとかそういうものだã'で構成されていたのだが、現在はわã-とまぎらわã-い表現ã‚'使うæ-‡ç« ãƒˆãƒªãƒƒã‚¯ã«ã‚ˆã‚‹å¿ƒç†ã‚µã‚¹ãƒšãƒ³ã‚¹ãªã©ã‚‚散見される。
 ã"れはかのディーãƒ'ァーや逢坂剛などはæ-¥å¸¸èŒ¶é£¯çš„に使ç"¨ã-ているもの。ただå†'険小説やハードボイルドのç•'の作家のå '合は、それに頼り切るã"とã‚'せず、あくまで人é-"主動で物語のねじã‚'巻いてゆくわã'だが、推理作家のå '合ã"ã"までで良ã-とã-てã-まう傾å'が強いから、ã"のあたりで「リーグが違う」と言われてã-まうã"とが多いのだ。
 ã"の作å"ã‚‚トリッキーな構成と表現により、読è€...ã‚'ç...™ã«å·»ã„てã!€!!どうだ、参ったか、というような謎æ-¹é¢ã«ã€ã™ã¹ã¦ã‚'傾注ã-てã-まった作å"ã ã‹ã‚‰ã€å½"然人é-"のリアルな描写部分には無理な負荷があまりにも多く出過ぎたように見える。出会いが偶然に頼りすぎる部分。手ç'™ã®ç½®ãæ-¹ã‚„、威嚇のための仕掛ã'作りにã-ても、あまりにも人智ã‚'è¶...え過ぎているだろうと思われる追跡è€...の能力。すべてç¬'いたくなるようなæ»'稽な仕組みの小説であるにもé-¢ã‚ã‚‰ãšã€ãã‚ŒãŒé‡åŽšãªãƒ ãƒ¼ãƒ‰ã‚„ç·»å¯†ãªæ›¸ãè¾¼ã¿ã¨ã„ã†éŽ§ã‚'纏っているために見え難くなっている。
 メインストーリーã‚'敢えて裂æ-­ã™ã‚‹ã‚ˆã†ã«æŒ¿å...¥ã•れたそれぞれの遠いエãƒ"ソードは、神保裕一『トライアル』や、古くは前衛的な作家・福永武彦が使ったような「遡行的」という形で時é-"ã‚'逆行するようにé...ç½®ã•れている。
 å...¨ä½"的に謎のためã!®ä!!ººç‰©é...ç½®ã§ã-かなく、å...±æ„Ÿã€æ„Ÿæƒ...ç§»å...¥ãªã©ã¯å...¨ãèµ·ã"らないような作å"ãªã®ã§ã¼ãã¯å¤±æœ›ã-た。確かに面白いのだã'れど、「リーグが違う」のだ。
 『ã"のミス』ï¼'位というã"とだが、考えてみれば二å¹'連続ã-て、難解で、æ-¬æ-°ã§ã€ä»Šã¾ã§ãªã‹ã£ãŸã‚ˆã†ãªé¡žã„のアイディア、若き作家の個性の勝利みたいなもの。小説とã-ての優秀さよりも、奇ã‚'è¡'うæ-‡åŒ-に対ã-、『ã"のミス』ではミステリーのé"人たちが評ã‚'投じる傾å'が強いというã"とだろう。ã"ういうのはæ-°äººè³žã¨ã„うã"とにã-て、もっと堂ã€...とã-た作å"ãŒï¼'位å...¥è³žãªã‚‰ä½•もかも丸くおさまると思うのだã'れど。現状ではç'å¾-行かない人が多いでã-ょう。
飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)より
4488235107
No.2:
(3pt)

露悪的な描写の陰の計算

 この小説では、全て名前(Nomine)がキーポイントとなる。まずタイトルである。和訳では、「飛蝗の農場」であるが、この「飛蝗」はイナゴであろう。イナゴは旧約聖書の時代から災厄の象徴だ。例えば、モーセによる出エジプトの際にもたらされた災いの一つがイナゴによる作物の壊滅である。日本でも同様ではあるが、「いなご(稲子)」としたのでは迫力を欠く(貴重なたんぱく源でもあり、別の情緒を醸し出す)。災厄の象徴としての禍々しさを残すため訳者が講じた苦肉の策は、「飛蝗」という特徴のある漢字を表題に持ってきたことだ(多分?)。 また、ヒロイン「キャロル」、記憶喪失を装った来訪者の「ゴールドクリフ」という名前は、読者にかのキャサリンとヒースクリフの惨劇を予告させる仕掛けのひとつだ。さらに、ネタばれを恐れずに書けば、旧約聖書の兄弟殺しの記事も本書に登場する不幸な兄弟の名前(発音において)に刻印されている。そして、かの有名なスメアゴルから想起させられる闇が小説全体を暗く縁取る。 この小説は英国人が共通に想起できる人名などの記号(Nomine)を通じて、他の物語群を読者の脳裏に蘇らせ、これらを借景としながら巧妙に語りを進めていく手法で計算されつくされているはずだ。読者としては、それらの記号を見落とさずに読めば、謎解きの楽しみを倍加させることになるのだろう(でもマイナーな名前だとフォローしにくいよね?)。
飛蝗の農場 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場 (創元推理文庫)より
4488235069
No.1:
(3pt)

露悪的な描写の陰の計算

この小説では、全て名前(Nomine)がキーポイントとなる。まずタイトルである。和訳では、「飛蝗の農場」であるが、この「飛蝗」はイナゴであろう。イナゴは旧約聖書の時代から災厄の象徴だ。例えば、モーセによる出エジプトの際にもたらされた災いの一つがイナゴによる作物の壊滅である。日本でも同様ではあるが、「いなご(稲子)」としたのでは迫力を欠く(貴重なたんぱく源でもあり、別の情緒を醸し出す)。災厄の象徴としての禍々しさを残すため訳者が講じた苦肉の策は、「飛蝗」という特徴のある漢字を表題に持ってきたことだ(多分?)。
 また、ヒロイン「キャロル」、記憶喪失を装った来訪者の「ゴールドクリフ」という名前は、読者にかのキャサリンとヒースクリフの惨劇を予告させる仕掛けのひとつだ。さらに、ネタばれを恐れずに書けば、旧約聖書の兄弟殺しの記事も本書に登場する不幸な兄弟の名前(発音において)に刻印されている。そして、かの有名なスメアゴルから想起させられる闇が小説全体を暗く縁取る。
 この小説は英国人が共通に想起できる人名などの記号(Nomine)を通じて、他の物語群を読者の脳裏に蘇らせ、これらを借景としながら巧妙に語りを進めていく手法で計算されつくされているはずだ。読者としては、それらの記号を見落とさずに読めば、謎解きの楽しみを倍加させることになるのだろう(でもマイナーな名前だとフォローしにくいよね?)。
飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:飛蝗の農場【新装版】 (創元推理文庫)より
4488235107

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