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倒錯のロンド
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倒錯のロンドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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単純な気持ちよさとか読後感の良さみたいなものは薄い。 問題だと思うのは、基本的に、トリックに関わる部分のキャラクター達の行動が不自然であることだ。 読み返してみても納得感が薄い。 人間を雑に扱って、トリックだけを成立させるのは、(どちらの意味で呼んだとしても人間心理に不自然さがないものと比較すると)容易いだろう。 自分は、後で読み返したときに「なるほど!」と思えるということに気持ちよさを感じるのだが、こういう不自然さがあるとそれができない。 それどころか本作の場合、むしろトリックを知り、すべての意味をわかった状態で読み返しても、「え、それはせんやろ」「んなばかな」という呆れた印象ばかりが出てくる。 初読時に、人間の呆れるような軽薄さに違和感を持ち、「おそらく、あえて違和感として提示されているのだろう」と思って読み進めたが、そういったものもほぼ全て「単なる不出来」である。 例えば自分の読んだ『殺戮に至る病』にしろ『アヒルと鴨のコインロッカー』にしろ、「トリックがめくれたあとに判明する人間の営み」に心が動かされるところがあるが、本作にはそういうものは一切ない。 「興味深い構造とトリックを用いた意欲作」といえば聞こえはいいが、自分はマニアではないので、そういうのは別にいいですという感じ。 | ||||
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途中でオチが読めてしまった。 最後もどんでん返しを盛り込みたかったのかもしれないが蛇足気味でした。 | ||||
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この作品に対する不満というと少し違うかもしれない。大々的に叙述トリックがすごい作品として推されていたので興味を持って購入したが、自分があまりにも叙述トリックを意識して読んでしまったせいでタネ明かしであまり感動できなかった。自分はあまり小説を読む人間では無いので標準的な叙述トリックの作品というものを知らないので比較しようが無いが、期待しすぎたことが裏目に出た。 ただ、単純にストーリーは面白くて惹き込まれながらすぐに読み終わってしまったので名作であることは確かであると思う。エピローグを読んで、凄いことしてるなと感じた。 | ||||
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「盗作」を題材とした、いわゆる叙述トリックのミステリー。終盤まではミステリー感はあまりなくサスペンス寄り。登場人物もステレオタイプというか、比較的分かりやすく文体も平易に読み進められる。 終盤に怒涛の展開で、作品全体の仕掛けなのだとようやく分かる。 トリックに主眼を置いており、登場人物や展開もある意味仕掛けの一部。テーマに、作家側の執着が含まれているのでそこに共感出来るかで好みが分かれる。(トリックを除いた魅力はそこまで…) 個人的な感想としては、感心はするがそこまで感銘はしなかった。ただこれを92年時点で構想していたことがすごい。乱歩賞最終というのも両方の意味でうなずける。 | ||||
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新作翻訳ミステリにめぼしいものが見当たらなかったため、今回はクラシック「倒錯のロンド 完成版」(折原一 講談社文庫)を読み終えました。 折原一を読むのは「行方不明者」以来になりますが、<メタミステリ>の嚆矢として数十年ぶりに再読したことになります。しかしながら、私は作者のいい読者とは言えないため、<完成版>と銘打った意図を深く感じ取ることはありませんでした。 「月刊推理新人賞」を狙う素人作家が苦労の末に脱稿した原稿を友人に託し、友人がその原稿を電車の中に置き忘れ、その原稿を拾った男が現れ、ストーリーがそれぞれの視点を変えて二転三展していきます。もはや評価の定まったクラシックですから、倒叙ミステリのマスターが描く<パズラー>の切れ味を堪能したと述べるに留めたいと思います。ドライで、アーキテクチャが美しい。欲を言えば、そこに乾いたユーモアがのってくればと思ったりもしました。 女性の描き方に「時代」を感じたりもしましたが、数多の大衆小説は意図するしないに関わらず「時代」の鏡だとするならば、これが書かれた1989年当時の空気がそこに反映されているのかもしれません。 | ||||
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この作品には統合失調症の症状の一つが知ってか知らずか病名を出さずに出てくるが、 それを簡単に「ビョーキ」の表現で軽々しく扱うのは当時はよしとしても今の時代にはそぐわないだろう。 主人公がデビュー前の苦悩する作家というのも自身の姿と重なるので安直で、 この作家が書かなくてもいずれ誰かが似たような作品を必然的に書いただろう。 けれども前述のトリックが当時は知らないが現代では単純な叙述トリックだとして見抜けても、 それでも全体の真相までは透徹できない込み入った構成であるし、物語自体の内容も読ませる面白さはある。 このデビュー作の時点では判断しづらいが、いま現在でも書き続けている優れた作家となったのはいうまでもない。 | ||||
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折原一さんは叙述トリックの名作家と聞き、初めて読んだ作品なのですが、なんかスッキリしませんでした。 確かにトリックは凄いんですけど、それを理解するのに、読んだ後、整理しないといけなかったですね。 個人的には十角館の殺人や、アクロイド殺し系統のトリックが好きなのであまり合わなかったです。 でも、読んで良かったとは思います。 | ||||
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読まないと損だというレビューを見たのですぐに買って会社帰りの電車で読み始めました。 そんなに面白い結末が予想できない展開だったので、自宅のある駅についてからもホームのベンチで最後まで読みましたが、予想通り、面白い結末ではなかったのがとても残念です。残念なのはほとんど前に読んだレビューのせいで、本作はふつうレベルだと思うので星3つ。みなさん、過剰な期待はだめです。 | ||||
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新人賞に投稿する予定だったミステリーを紛失した主人公. その傑作が他の作家の手によって公表されたことにより復讐が始まる. 前半は盗作された側,後半は受賞した側の視点で描かれている. 心理描写がなかなか丁寧で双方の視点の描き分けはまずまずといったところ. (ネタバレになるが)後半に入って時点で, この手のトリックになれたこの辺で仕掛けの存在に気づくだろうが, 産みの苦しみや締め切りのプレッシャー,あるいは受賞後の生活の変化を期待への重圧など, この心理描写がないと,このミステリーは成立しない. ただ,犯人の行動に関して,この真相はいかがなものか. 一人称視点でこういうオチを許容してしまうと,なんでもありになってしまう. | ||||
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第三部の直前に、「どんでん返し」しますよという予告が入ります。良心的です(笑)。 これが犯人当て的”読者への挑戦”だったら、少々アンフェアと言われたかもですね。 だって、主人公が狂ってる前提で読まないですもん。 本当の「幻の女」の事を、ベストセラーにも関わらず絡んでくる二人の人物が知らず、 真の白鳥翔も、それっきりで超スランプという”偶然”が重なっていないと成立しない話。 その点だけで、乱歩賞選外も頷ける。 というか、作中人物同様に、受賞してないことがミソとなっているかも。 島田氏にとっては今でも、”驚嘆すべき傑作”の評なのかなぁ? | ||||
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週刊文春1989年 国内部門 第7位 推理小説家を目指す山本安雄は、会社をやめ雑誌の新人賞応募に情熱を傾けていた。遅々として執筆が進まず鬱勃とした日々を過ごしていた安雄は、ある日、天啓を得たかのように自信作『幻の女』を一気に書き上げる。友人 城戸の感想を聞き、受賞間違いなしの確信を持った安雄。ところが、城戸は、ワープロで清書した『幻の女』を原稿とともに電車の中に置き忘れてしまった。 落胆し城戸を絶縁した安雄は、やがて白鳥翔という名の作家が『幻の女』で新人賞獲得したことを知る。その『幻の女』は、安雄が執筆した作品そのものだった。安雄の作品で、新人賞を掠め取ったものは誰か。城戸が殺害されるに至って、白鳥翔への疑いを深めていく。安雄は、激情にとらわれ、白鳥翔への異常な行為を繰り返すようになるのだった ・・・ 安雄が徐々に壊れていく様が、「誰も信じてくれない系」の心理サスペンスを予感させるのだが、さにあらず。語りそのものの巧妙な仕掛けを堪能する類のミステリである。著者自身も述べているとおり、この手の作品は好き嫌いが別れるのだろうな。前半部分の伏線は、なんとなく気がつくのだが、真相にどう絡んでくるのかはわからなかった。 しっくりいかないのが、『幻の女』が誰が読んでも受賞間違いなしと確信してしまうこと。これがないと話しが進まないのだが、電車で拾った原稿を自分名義で応募するだろうか。この部分の説得力が少ないのが残念である。 事件の真相より、本作品が三部作の第一作目であることの方が驚いた。はてさて、どう続いていくのやら。 なお、本作品は、江戸川乱歩賞の最終選考まで残ったとのことだが、新人賞への熱意が込められているようで感慨深いものがあったよ。 | ||||
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週刊文春1989年 国内部門 第7位 推理小説家を目指す山本安雄は、会社をやめ雑誌の新人賞応募に情熱を傾けていた。遅々として執筆が進まず鬱勃とした日々を過ごしていた安雄は、ある日、天啓を得たかのように自信作『幻の女』を一気に書き上げる。友人 城戸の感想を聞き、受賞間違いなしの確信を持った安雄。ところが、城戸は、ワープロで清書した『幻の女』を原稿とともに電車の中に置き忘れてしまった。 落胆し城戸を絶縁した安雄は、やがて白鳥翔という名の作家が『幻の女』で新人賞獲得したことを知る。その『幻の女』は、安雄が執筆した作品そのものだった。安雄の作品で、新人賞を掠め取ったものは誰か。城戸が殺害されるに至って、白鳥翔への疑いを深めていく。安雄は、激情にとらわれ、白鳥翔への異常な行為を繰り返すようになるのだった ・・・ 安雄が徐々に壊れていく様が、「誰も信じてくれない系」の心理サスペンスを予感させるのだが、さにあらず。語りそのものの巧妙な仕掛けを堪能する類のミステリである。著者自身も述べているとおり、この手の作品は好き嫌いが別れるのだろうな。前半部分の伏線は、なんとなく気がつくのだが、真相にどう絡んでくるのかはわからなかった。 しっくりいかないのが、『幻の女』が誰が読んでも受賞間違いなしと確信してしまうこと。これがないと話しが進まないのだが、電車で拾った原稿を自分名義で応募するだろうか。この部分の説得力が少ないのが残念である。 事件の真相より、本作品が三部作の第一作目であることの方が驚いた。はてさて、どう続いていくのやら。 なお、本作品は、江戸川乱歩賞の最終選考まで残ったとのことだが、新人賞への熱意が込められているようで感慨深いものがあったよ。 | ||||
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1989年刊行と、かなり以前の作品だが、有名なので読んでみた。 「本格推理」が好きな人には大別して二種類いるのではないかと思う。パズラー好きとそうでない人。 そのパズラー好きの人の中には、叙述トリックが好きな人もいるだろう。そういう人にとっては、この 作品は最高かも知れない。だが、一般読者の中には、そういう人はあまり多くないと思う。結末で のどんでん返しは、うまくすれば読者に快楽をもたらすが、上滑りになると逆に落胆させることになる。 私は叙述トリックがあまり好きではないので個人的な評価は辛いが、総合的に考え、☆3個とした。 「読者への挑戦状」にも似た「これからどんでん返しが待っています」という宣言も、誇大広告に終わ っていて逆効果に思えた。そのどんでん返し以降も、さらに読者をあざむこうとする試みがあるのは 良いのだが、単にしつこいだけと感じてしまう。しかも、叙述トリック以外の真相も、「精神異常」という ところにその原因を置いていて、ちょっと安直だと感じた。 「叙述トリックの採用」+「安直さ」とふたつ揃うと、幼稚だと感じる人も多いだろう。 ただ、文章が平易だし、終盤のどんでん返し部分を除いては、ストーリー仕立ても単純なので、リー ダビリティーは高い。つまり、すらすら読める。その点は評価して良いだろう。 もう一度言います。「叙述トリックが好きな人にはお勧め。しかし、そうでない人にはお勧めしません」 | ||||
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を聴いてる時のような、めくるめく心地に浸れる一冊であり、そうゆう作家自身ですよネ。 別に譬えれば子供の絵日記みたいなもん。日々進むがテーマはさして変わらず、なのに昨日 と今日ではいちいち描く事が違うというネ?!...... それ故、愛くるしい魅力もあるが、どこまでも歯止めが利かず箍が外れた描写になりがち だったりする訳です。 あ、そおの僕は所謂所の、叙述トリックについて語ってる訳なんですが、これは厄介な代物で 論理的に推理小説を愉しもうと思う人が本作を読むと、あまりの低脳さ加減に怒って本を投げ つけたくなる心境になるって事なんですねツマリ。 だから僕も人にミステリをかしてと云われても、この手のタイプはあまりチョイスしないんで すネ。 つまるところ、どんどん食わず嫌いして好きな人だけが読んだら好いんですネ。 とりあえず、この一品の前後半の加速度と、対比する中盤のねっとり加減や、何だかんだの どんでん返し連荘は実に見事なもので、コレを読んでみて自分自身が叙述トリック系統を好き になれるかどうか試してみたらいかがでしょう? | ||||
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