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二の悲劇
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二の悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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とても面白かったです。 | ||||
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冒頭にビッシリと活字の埋まった「キミ」の独白に、圧倒される。エンタメ作とは思えない、過剰な熱量は、純文学的肌触り。が、「生首に聞いてみろ」でもお目に掛かったペダンティックな文章は、いかにも本格ミステリーの書き手らしい趣味で、悪くない。 綸太郎父子と、マドンナ? 役の容子が登場してからは、一転スラスラと楽しく読む事が出来た。二人の女性が良く似てる事から発した、すれ違いの恋愛が悲劇を起こした経緯は、被害者の日記で明かされるが、読み応え十分で、とても引き込まれた。 ただ本格ミステリーとして読むと、名探偵が見事な推理で事件を解決したわけでなく、物足りなさを覚える。そして真犯人が明かされた時、それはアンフェアじゃないか、と言いたくなる、釈然としない気持ちになった。きちんと読めてれば、犯人は一目瞭然? 簡単に騙される私には、難解だった。 | ||||
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法月綸太郞は本書以前に『一の悲劇』を発表しているので、本書はその構造的な後継作品となる。「構造的な」というのは、物語そのものには繋がりはないのだが、『一の悲劇』が一人称形式で書かれているのに対して、本書は二人称形式の物語である、という理由による。ところが本書『二の悲劇』というタイトルは単に二人称形式のみならず、「一人二役」あるいは「二人一役」という構造を孕み、その上でかろうじて成立している「唯一性」を核心に持つ物語でもある。と同時に二人称で指し示される「あなた」もしくは「君」とは一体「誰」のことなのか? という問いさえ内に含む。しかもその「あなた」または「君」という指示が対象によって反射され、結局は「私とは誰なのか?」という根源的な不安へと凝縮する、その過程が描かれた物語である。表面的にも深層的にもまさに悲劇的なラブストーリーなのだが、しかも極上のラブストーリーなのだが、悲劇の発端があまりにもささやかなことであるだけに一層その悲劇性が強調されて仕方ない物語でありつつしかもその根源に、幻想と現実の実に「リアルな」描写が横たわっているのだ。 ロラン・バルトの「人はつねに、愛するものについて語りそこなう」という切れ味鋭い言葉を小説にしたかのような珠玉の作品。 ただし本文中で言及されている以上、『頼子のために』と『ふたたび赤い悪夢』は読んでおくと物語の作る深みがさらに増すはずだ。 | ||||
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いかにも法月綸太郎らしい、入り組みまくった真相が酩酊を感じさせる。再読の度に細部を忘れている自分を発見できて面白い。といって『誰彼』のような地に足が着かない感じもなく、読了時には人間の薄暗い情念がストレートに伝わってくるあたり、作家としての進化を確かに感じさせる。 で、この作品の最大の特徴である『二人称パート』だが、これは作者がやりたくてやってみましたというだけのもので、残念ながら特に小説としてもミステリとしても効果的ではない。一人称の文章を機械的に《きみ》に置き換えただけのしろもので、別段読みにくくなっているわけではないが面白みが増しているわけでもない。これを法月綸太郎が書くからには二人称でしかできないようなミステリを書いてほしかった。 もちろん一番ありがたいのは三人称で書かれた『三の悲劇』を刊行してくれることだが……。 | ||||
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面白かった | ||||
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「私」でも、「彼」でもなく、行為の主体を「きみ」と表記する珍しい二人称の記述から始まります。 都筑道夫の「やぶにらみの時計」を彷彿とさせますが、なぜそんなややこしい書き方をするのかは、最後に至って納得。数十年前に読んだ「やぶにらみの時計」の内容はもう忘れていますが、作者はこれに挑んで見事な必然性を提示していると思いました。 被害者が顔を焼かれた理由もすごく納得。都筑道夫のいう、「論理のアクロバット」が上手く決まっています。 日記の部分は、切ない恋愛小説的な効果を産むだけでなく、この内容だからこそ、この悲劇が起きたことを納得させるもので、ミステリとしても必然性あるものだと思います。 最後のどんでん返しの連続は、「キドリントンから消えた娘」を思わせる、と言ったら褒めすぎでしょうか。堪能させてもらいました。 | ||||
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読んでいて切なさにいたたまれませんでした。 ユーミンの曲とマッチして、カタルシス満点です。 | ||||
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今回、レギュラーたる法月親子は第三者的に事件を解明する立場にあって、事件に直接影響を及ぼしません。 そのぶん他の登場人物に尺が割かれていて、読者は当事者の立場から、本当に「悲劇」としか言いようのない悲しい事件に引きこまれていきます。 最後の一ページを読み終えた時の何とも言えない切なさは、今まで味わったことのないものでした。 お勧めです。 | ||||
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一の悲劇に続く祥伝社からのノンシリーズレーベルからの法月シリーズ2作目だが、例によって一の悲劇とは話の繋がりはなく、講談社ノベルズからの「再び赤い悪夢」からの繋がりとなる本作。 本作も長尺の大作だが、プロットやトリックは今回はシンプルで、本格推理的な要素よりも恋愛関係からの悲劇をモチーフにした異色作となっている。 日記文や二人称を駆使した文体で書かれており、慣れていないとやや読みにくい印象を与えるかもしれない。 前作の「再び赤い悪夢」よりは構成がまとまっていて印象はいいが、法月シリーズとしては標準的な出来だろうか。 法月氏の学生時代の短編を長編化した作品であるが、実はこの後出版された短編集の「しらみつぶしの時計」の最後に収録されているトゥーオブアスがそれに当たる。 私はこの短編を先に読んでしまってから本作の「二の悲劇」を読むという流れになってしまったが、はっきり言って話の展開はそのままである。 なので二の悲劇を読んでからトゥーオブアスを読むのは被害は少ないが、逆だと完全にネタバレ状態で読むことになるため本作を読みたい人は留意されたい。 手っとり早く本作を知りたいと思う場合はトゥーオブアスを読めば本作の10分の1程度のページ数で把握できるが・・・・・。 | ||||
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この作品の法月綸太郎は果たして名探偵なのか?と考えてみると、ちょっと微妙な気がする…。余り活躍してる感じがないし…。 兎に角、名探偵と共に、読者までが引きずりまわされた感がしてならない。面白いと言えば確かに面白いんだけど…。少しばかり本格とは異なるような気がするなぁ。法月作品は好きなんだけど…。この作品には最後まで振り回されて終わった。途中、何度も「えーっ」と叫んでしまったなぁ。余りフェアに手持ちの札が開かれなかった感がある。ちょっとノイローゼになりそうだった。あとがきに当時の作者が精神的にややこしい旨のことが書かれていて…何か納得。だって登場人物が何かしら病んでいた感があったからねー。作品にはその時の作者の状態が現れると私は思ってるので。 エラリー・クイーン好みの双子も出て来て。正に定番。しかし、綸太郎さんじゃないけど、ちょっと苛つく人物たちの性格設定でしたねー。という訳で、★4個となりました。 | ||||
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この作品の法月綸太郎は果たして名探偵なのか?と考えてみると、ちょっと微妙な気がする…。余り活躍してる感じがないし…。 兎に角、名探偵と共に、読者までが引きずりまわされた感がしてならない。面白いと言えば確かに面白いんだけど…。少しばかり本格とは異なるような気がするなぁ。法月作品は好きなんだけど…。この作品には最後まで振り回されて終わった。途中、何度も「えーっ」と叫んでしまったなぁ。余りフェアに手持ちの札が開かれなかった感がある。ちょっとノイローゼになりそうだった。あとがきに当時の作者が精神的にややこしい旨のことが書かれていて…何か納得。だって登場人物が何かしら病んでいた感があったからねー。作品にはその時の作者の状態が現れると私は思ってるので。 エラリー・クイーン好みの双子も出て来て。正に定番。しかし、綸太郎さんじゃないけど、ちょっと苛つく人物たちの性格設定でしたねー。という訳で、★4個となりました。 | ||||
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京都で思いがけず再会した高校時代の同級生、葛見百合子と二宮良明。 しかし、それが悲劇の幕開けだった――。 世田谷のマンションで、OLの清原奈津美が顔を焼かれて殺される。 重要参考人として手配されたのは、高校からの親友で同居人である 葛見百合子。 被害者の胃から摘出された鍵が、彼女の日記のものだと判明したため、 その日記の探索が行われるが、今度は、容疑者である百合子が京都の 浄水場で死体となって発見され……。 本作では時折、「きみ」という珍しい二人称の語りが挿入されます。 しかし、それはけっして奇を衒ったものではなく、ミステリのトリックや 作品のテーマと緊密に連関した、必然性のある趣向となっています。 「きみ」と呼びかけている語り手の正体にはタイトルの『二』に基づく、 いかにもミステリ的なガジェットが用いられているわけですが、その 仕掛けに読者の意識を向けないように提示される、百合子と奈津美の 卒業写真が校正ミスのため入れ替わっていたという設定が素晴らしい。 この『二』つのトリックの相乗効果により、読者は事件の全貌を把握できず、 宙吊りにされたままの状態で、結末を迎えざるを得なくなっているのです。 荒井由美「卒業写真」を通奏低音に展開される本作は、切ない純愛小説である と同時に、本当の自分を希求しながらも、虚構の仮面を被って物語を演じること でしか、他者と向き合えない、ある『二』人の人間の悲劇でもあるといえます。 | ||||
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法月綸太郎シリーズ。『君』という第二人称の語法と『嘘』と女性心理をユーミンの卒業写真に乗せて見事なプロットで描いて行くのはさすがである。中心にあるのは『日記』なのだが、それを巡る人間模様の描き方が実に鋭い。あわせて京都の風景が随所にちりばめられていてより作品を引き立てている。法月綸太郎はエラリー・クイーンのように作者の大学時代のおもいでの地を思考し動く。ただし残念ながら最後がイマイチだと思う(●^o^●)。 | ||||
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ちょっとしたウソが後に大きなこととなってしまうことってあるような気がします。好意を持っている故に、相手の人違いを指摘できず、相手に説明もできないもどかしさ。切ないラブストーリーでもあるミステリーです。 | ||||
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ちょっとしたウソが後に大きなこととなってしまうことって あるような気がします。好意を持っている故に、相手の人違い を指摘できず、相手に説明もできないもどかしさ。切ないラブ ストーリーでもあるミステリーです。 | ||||
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