■スポンサードリンク
野球の国のアリス
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
野球の国のアリスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ちょっとだけオマージュになっていたので満足です。鏡の国のほうのアリスのオマージュですね。 ありそうでない設定なので、楽しめました。たんたんとした、むかしの児童書のような優しい語り口が、かえって新鮮です。 野球好きの知り合いのお子さんに勧めてみましたが、カバーが女の子なので、読んでくれませんでした、残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーランドシリーズの本作。 子供向けのようで、なかなかどうして大人ももちろん楽しめる作品でした。 北村薫作品を読むといつも「よい大人が登場する」と感じます。 今回は語り手のわたしがそうでした。 子供や自分よりも若い世代を「子ども扱い」しないできちんと尊重している。 簡単なようで、実は難しいことなんじゃないかと思っています。 なんでも簡単に、簡単にと道をつけてしまう世の中を是としないで、悩んだり転んだり恥をかいたりして大人になることが大事だと教えてくれるよい作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アリスという名の主人公が、どこか別の世界に迷い込み冒険等をする。『不思議の国のアリス』を筆頭にそのような物語は多く見られる。 ここに、物語の基本構造は「行って帰る」ことだとする説がある。そうすると、アリスという名のヒロインは「現実世界と虚構世界との往還者」として、「行って帰る」という物語の基本構造に親和的であるが故に、様々な作品の題材とされるのかもしれない。 本作品の主人公であるアリスは、野球の大好きな小学6年生の女の子。ある日たまたま、不思議な鏡を通じて左右反対の世界に迷い込んでしまう。そこでは、中学生の野球大会が行われているのだが、それが理不尽とも思えるルールで運営されていた。 その理不尽なルールを覆すため、アリスたちは戦いを挑んでいくのだ。 本作品の醍醐味のひとつは、登場人物の凛々しさにあると僕は感じた。アリスは野球に対する真摯な想いで仲間たちを率いていく存在であるとともに、どこかコミカルな言動で作品を明るくしてくれる存在だ。また、アリスと一緒に戦う五堂は、おちゃらけていながらもアリスの真摯な想いを気遣うことのできる心の優しい少年でもあり、同じく兵頭は、キャッチャーとしてアリスと強い信頼関係で結ばれている。 そんなアリスたちは物語終盤で、野球大会の理不尽なルールを覆すため、ある強豪チームと戦う。だがその戦いは、何よりもアリスのためのものだったのだろうと僕は感じた。アリスは女の子だから、中学校に行ったら野球部にはおそらく入部できない。体格も男女ではかなり異なってくる。自由に野球ができるのは、おそらく今がラストチャンス。だから僕には、この戦いがアリスの卒業試験のように思えた。 本作品は、アリスたちの凛々しさや真剣さと諧謔に満ちた台詞回しが光る、かなりの良作だったと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫化されてはじめて読みました。 子ども向けに書かれた作品のようですが、どうしてどうして。 むしろ正しい大人になるために大人が読むべきお話だと感じました。 パラレルワールドの世界をうまく行き来させ、また野球のシーンもしつこすぎず、楽しく読めました。 大人にも子どもにも、その間の人たちにもお勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ミステリーランド」の一冊タイトルの通り、野球小説ですミステリではないのが、ミステリファンとしては少し残念ですが中途半端にミステリ要素が投入されていないのでこれはこれで、潔くて良かった少年野球でエースだった少女・アリス彼女もいよいよ中学への入学を目前に控え、野球を続けることを断念してたそんな彼女は、ひょんなことから鏡の国に迷い込んでしまったこの世界では左右が反転し時も4ヶ月程進んでいたその為、この世界ではアリスは中学1年生の夏をむかえていたまた、この世界ではいたいけな中学生に挫折感を与えるのは良く無いとの建前から勝ったチーム同士がトーナメントを進んでいくのと同様に負けたチーム同士も戦い、負け進んだチーム同士の最終戦も行われていたしかも、建前とは裏腹に半ばお笑いの娯楽とされているそのような世界でのアリスの奮闘を描いた作品社会の不条理を問うとともに、野球小説としても、読み応えがある良作だった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランドの第14回配本。 ミステリ好きならおぉ!と思える陣容が、子どもたちのために、読書の入り口を提供するためのレーベルで、どの作品も読んでいて楽しい。 北村薫さんのこの作品は、ミステリというよりもファンタジー。 不思議の国のアリスをモチーフに、鏡を通り抜けて裏の世界に迷い込んだ野球の好きな中学生少女の奮闘を描きます。 負け続ける人をあざ笑うための野球トーナメントが開催されていて、それに憤慨するなど哲学的な示唆にも富んだ作品で、語り口も柔らか。 直木賞作家の作品に小学生から触れてもらうためにも、ぜひ図書室において欲しいなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やはり私に北村薫は合わない 内容はルイスキャロルの例のあれのパロディ的な 北村さん野球好きなのでしょうか? 野球のうまい女の子が、人を追っていくうちに反対の世界に来ちゃって、野球を頑張る話 子供向けでしょうね なんか昔の子供時代を描いた素晴らしい作品だと思うよ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
鏡の国で繰り広げられている野球の負け残り戦をやめさせるべく奮闘するアリスの姿が丁寧に描かれていて読みやすかった。特にアリスと五堂くんの言い争いや、五堂くんがアリスを侮辱されて怒るシーンがよかったと思う。ただ、ミステリというよりファンタジーに近い作品だったため、ミステリを期待していた私には物足りなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
野球少女のアリスは鏡の向こうへと迷い込む。そこは何もかもが左右逆の世界。そして中学野球にも少女が参加できる世界だった。彼女の学校は全国一の弱小チーム。アリスの参加で全国一の強豪校との試合に臨むことになるのだが…。 北村薫の新作と聞いただけで迷うことなく手にしましたが、これは小中学生向きに書かれたファンタジー小説でした。すべての漢字にルビが振られ、おそらく小学3年生くらいから十分に楽しめるでしょう。 北村薫はベッキーさんシリーズ『瑠璃の天』で時代を過去に移しかえつつも現代に対する疑問に直球をぶつける取り組みをしていました。 この『野球の国のアリス』は、浮世離れした世界を舞台に、やはり同じく現代社会のうさんくささを斬り出そうとしているようです。 「世の中の仕組みっていうのは、なかなか動かせない。参加を拒否すると、もう社会に対する反逆者扱いです。」(163頁) 「世の中の流れは大きすぎるから、動き出したら一人でどうにかするのは難しい。」(278頁) こうした言葉から浮かび上がるのは、人間が主体的に生きることの大切さと難しさです。傷つくことを恐れるがあまり、他人と意見をたがえることを回避する日々。そこに安寧はあるかもしれないけれど、その安寧の中に本当の自分はいない。そのことを北村はかなり直截な表現で私たちに提示してみせます。 アリスに投げつけられた誹謗の言葉に五堂が憤りを感じて反論をする場面は、中学生の言動としては成熟しすぎていて、北村の筆は少々書き込みすぎではないかと思わないでもありませんが、振り返ると小説の冒頭に「最近の若い子にはね、悲しい時は悲しい、嬉しい時は嬉しい、と書かないと通じにくいんだよ」(10頁)という言葉がありました。 このことからも、この小説は最近の若い子のために、親切すぎるくらいに分かりやすく編まれた物語であるということが分かります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宇山日出臣氏の遺したレーベル、ミステリーランドの新刊(第14回配本)です。 ミステリーランドは執筆人が豪華で、かつ曲者も少なくないので、麻耶雄嵩氏の「神様ゲーム」など、少年少女へのジュブナイルに見せかけた大人向けの本が結構ありますが、 この「野球の国のアリス」は純粋に、児童向けのジュブナイルでした。 ウサギさんが鏡の中に入っていくのを見てそのあとを追った野球少女アリス。 鏡の中の国では、中学生たちによる裏の大会――負けたチームが次の試合へ進み、最弱のチームを決定する戦い――が行われており、野球は下手な選手たちのエラーや酷いプレーを嘲笑して楽しむスポーツになっていた。 こんな状況を許せないと感じたアリスは、最弱チームのメンバーとなって、最強チームに戦いを挑み、裏の大会を消滅させるために戦う……というお話です。 このレーベルが箱入りのハードカバーであるせいで、結構なお値段なのが難点ですが、内容は十分に楽しむことができました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!