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ガダラの豚
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ガダラの豚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全155件 121~140 7/8ページ
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酒に溺れる。新興宗教にのめり込む…と聞くと、暗い暗い悲惨な状況なのだが、まるで喜劇のように描かれているのがこの本。次々登場してくる奇術師、セラピストなどなど、怪しげで興味をそそる人々ばかり。 底なし沼のような人の心の闇を、老若男女問わず楽に読める物語に仕立てる中島らもは、奇才だとしか言いようがない。おそらく人の弱さやもろさをとことん知り尽くしてしまったのだろう。その病的な鋭敏さゆえ、現世では長く生きられなかったのかもしれない。 もっともらしくの給う評論家や学者より、人間を深く理解している。アフリカについて、呪術についての知識も半端でない。 自称中島らもファン、ますますファン度を増しました。 | ||||
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生前の中島らも氏のこと、なんか、うさんくさい人だなあと 思ってました。無知も甚だしかった、天国のらもさん、ゴメンナサイっ! あなたはほんとの天才でした。であるがゆえに、お酒やクスリの力を 借りないと、この世を渡っていくことができなかったのですね。。。 この「ガダラの豚」は空前絶後の面白さであること請け合います。 小説の愉しみ=この本といってもいいぐらい、ハラハラ、ドキドキ、クスクス、 ニヤリ、ホロリ、ジーン、ワクワク、のすべてが詰まってます。 宗教的・民俗学的知識もすごい。 小説が好きっていう人なら、これを「読まずに死ねるか!」ぐらいな本だと 思います。読者に迎合した、中味なしのカッコだけのかるーい小説を書く 「エセ作家」が多い中、らもさんこそ本当の「小説家」だった。 本当に本当に惜しい人を早くなくしました。。。 | ||||
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テーマは超能力と呪術とトリック。 といってもうさんくさい本ではない。 むしろ先進国での超能力ブームや後進国での呪術の役割について、 科学的、論理的な分析を、ストーリー仕立てにし、 おもしろおかしく、しかしなるほどと思わせて読んでいける。 1巻は日本の超能力とそれを使った新興宗教。 超能力はすべてトリックであるとあばきたてる種明かし師が登場。 主人公の奥さんが超能力的現象を見せられた新興宗教にはまっていくのを、 見事にその種明かしと心理分析をして、そのトリックをあばきたてるのは痛快だ。 読んでいてなるほどなーと感心してしまうところが多く、 しかもそれを難解な理論・理屈でいっているのではなく、 うまいことフィクショナルなストーリーの中にいれこんだことがこのおもしろさ・すごさだな。 絶対に読んでいてはまりますよ。 | ||||
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※ 第3巻まで紹介致しますので、未読の方ご注意下さい。ごめんなさい。 1. 舞台は日本。 アル中の民俗学者、マジシャン、サイコセラピスト、(元)超能力少年など主要人物が登場。 胡散臭い「超能力」のペテンを次々に暴きます。 凡そあらゆる「超常現象」はマジックの基本ネタ程度の技術に過ぎない、という。 中でもエセ新興宗教の教祖が用いる「奇跡」のトリック解明は見所。 然し、科学的実証が終わっても尚残る「闇」。 導入部といったところですが、既にその飄々とした筆致と相まって読者は知的迷宮の中へ。 2. 因縁の地、ケニアに飛びます。 この作品の本領発揮といったところで、呪術の総合百貨店アフリカ大陸を舞台に、 主人公一行の奇想天外な冒険行。人外魔境スペクタクル! ミステリ的なプロットも読み所。 そして「バキリ」が姿を現します。 3. 再び日本。 大呪術師との直接対決です。 ばたばたと人が死にます。なんか『ハレンチ学園』の最終話を思い出してしまいました。 かなりとんでもない大破局〈カタストロフィ〉が展開するのですが、 でも矢張りスラップスティックなユーモアが全編を包みます。「躁」状態のグルーヴ。 最後の展開が唐突だろうが無問題! 長さも時間も忘れて没入できること請け合いの大冒険活劇絵巻。お薦めです。 | ||||
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文庫で全3巻。だが読み始めたら止まらない。前半の舞台は日本。新興宗教団体が使う超能力のトリックを主人公たちが暴き出す。そして舞台はアフリカへ。呪術によって支配されている村に立ち向かう。 展開はめちゃくちゃ速く、次々に襲い掛かる危機とそれを乗り越えていく主人公たちの息もつかせぬドラマがスピーディに展開する。長編だがあっという間に読めてしまうほどの面白さ。 | ||||
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ず〜っと前から読もう読もうと思いつつなかなか読めていなかった、中島らもさんの長編小説第一章。何しろ文庫3冊分にわたる小説は、らもさんとしては異例の長さだ。しかも、冒頭(を立ち読みしたところ)宗教的な描写が続く。この長さで宗教の話か、これは重いなぁと思っていた。なかなか読めていなかったのも無理はない。 が、3冊まとめて購入し、本を開いてみたら・・・貪るように読み終えてしまった。宗教的な重い話ではなく、らもさんの軽妙なタッチと魅力的なキャラクターが紡ぎだす、非常に読みやすい娯楽小説でした。 第一章は、壮大な物語の導入部。ストーリーとキャラクターの紹介といった内容にとどまっている。これから二章、三章と展開されていくであろう物語にとにかく胸が高鳴る。 いわゆる「序章」とでも言うべき段階で全体の三分の一を費やしてしまうわけで、若干冗長な感もある(早くアフリカに行ってクレーと思う)が、じらされた分、第二章ではより一層エクスタシーも増すというもの。第一章はこうあるべきだ。 | ||||
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シリーズの完結編。舞台は東京に戻り、物語はクライマックスに向けて加速度的なスピードで展開していきます。テレビ局での死闘と決着が、荒唐無稽なハリウッドのアクション映画を思わせてしまうのはちょっと残念。 登場人物は詳細な設定がきちんとされているのでしょう、みな魅力的に生き生きと描かれています。その上で残酷な死に方をしてしまうところなんかは結構ホラーです、怖いです。 現実や史実との接点を多分に持たせたリアリティー、宗教・呪術を絡めたオカルト性、関西的お笑いサービス精神あり、まさにエンターテイメント小説だと思います。 ところでこの物語、呪いをテーマにしているせいか全体として鬱々とした雰囲気があり、読了後もなんとなく暗い気持が残りました。なるほど調べてみると、作者のらもさんはこの時期かなりの鬱状態だったようで、物語はこの巻でそれなりのエンディングを迎えますが、本当はもっと別のストーリーを考えていたような気がします。もっと怖い結末を... | ||||
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テレビでたまに見たことがあった、中島らも。 何を言っているのかよくわからず、何をする人かもよく知らなかった。 アマゾンの書評で作家だったと知り、評判のよかった「ガダラの豚」三巻まとめて注文した。 一巻目、どんなジャンルの小説かわからない、しかし読み進めるうちにどんどん引き込まれてゆく。オカルト小説?サスペンス物? 登場人物に味があっていい。文章になぞがあっていい。 よいよ! | ||||
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こんな奇妙でかつエキサイティングな本はない。3冊という長さがまた良い。読後感はなんとも充実した気分。内容は新興宗教、アフリカの呪術、超能力と現実離れしたものばかりなのに、自分の周りに起こっていることのように身近に読ませてしまう作者の力量はおどろくばかり。つい声に出して笑ってしまうような場面も多いのだが、その次の瞬間に怖がらせたり、ビックリさせたり、その小気味いい展開とタイミングは恐ろしいばかり。変人ぞろいのキャラクターなのに、血が通っていて無理がない。すばらしい長編小説。 | ||||
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先日、ガダラの豚を読んだ。読みはじめたら止まらなかった。小説を読む楽しみを久々に感じた。いろいろなことを調べて書かれていて内容としても濃く面白かった。らもさんが亡くなられたのがとても悔やまれる。 | ||||
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研究費を捻出する為に低俗なオカルト番組に出演していた民俗学者・大生部教授の元に「13」の意味を持つアフリカの呪術村、「クミナタトゥ」を訪れる特番の話が持ち上がる。しかし、この特番に関わりのある者達、アフリカで愛娘を失い新興宗教に入信しかけていた大生部の妻・逸美、その逸美を狂信から救った「超能力の暴き屋」島袋、大生部とオカルト番組で同席した超能力青年・清川は、それぞれに「クミナタトゥへ行ってはならない」という不吉な予兆を見ていた。現実的な面と超常的な部分のバランスが絶妙。長編であり、全体を通して見ると前半の新興宗教のくだりは丁寧に描き過ぎている感もあるが、それぞれのエピソードに上手く区切りがつけてあるので飽きさせない。盛上りを見せた展開の後、読者がフッと肩の力を抜いたところを見計らったように、「呪い」の黒い影が現れ、ドキッと(あるいはゾッと)させられる。一連の怪異は本当に超常的な現象なのか、それとも全ては巧妙なトリックか、物語がどこへ向かって転がっていくのか予想する間もなく頁をめくらせる、「引っ張り力」のあるストーリー。個性の強い魅力的なキャラクターが、それぞれの力(異能力・戦闘力・知力・意志力etc)で物語の鍵となる強力な呪術師・バキリと対峙するシーンは映画を見ているように視覚的だ。全体的にとても面白いエンターテイメント作品だが、ただ、後半のサブリミナルによる暗示についてのくだり、その展開、これだけはどうも強引な気がしてならない。にしても面白かったので1日半で読了。 | ||||
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三巻もあるからちょっと読む前は手に取りにくかったのですが、読み始めると、ノンストップ。もう止まらない。あっという間に全部読みました。ネタ満載で、小説のエンターテインメント性をサイコーに出した快作。くだらん映画を三本見るくらいなら、これを三冊読んで楽しみましょう。マジ最高に満足できますよ。 | ||||
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前半から中盤にかけては見事という他ありません(前編を通して)。素晴らしい描写、まぁよく考えたなと思えるストーリー。勿体ないのは後半の日本帰国後です。物語自体がオカルトだからそうなっちゃたのかもしれませんが、その道に走りすぎです。盛り上がりに欠けました。しかし、総合的に評価すると、やっぱり最高です。ここまで書ける人を見ると、作家って凄いなぁと思ったりします。 | ||||
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中島らもがこんなに面白い本を書く人だと思いませんでした!一巻は新興宗教とマジック、二巻はアフリカの呪術、三巻は大スペクタル?ミステリー?と大まかにテーマが分かれ、ティストも変えながら一気読みさせます。とにかく面白かった。エンターティメント十分ながら、その背景には膨大な下調べがあることを思わせます。最後の終わり方は、ちょっと納得がいかなかったけれど、そこまで一気に読ませるパワーは大したもの。新興宗教とマジック、アフリカの呪術についての共通する種明かしと、アフリカにおける呪術については、人々の規律として存在していることについても理解が出来ました。 | ||||
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鬼才中島らもが僕等に遺した長編ミステリー小説。主人公・大生部教授は専門の文化人類学のフィールドワークの費用捻出のため、矜持を捨て、タレント教授の役割を超能力番組のコメンテーターの日々を送る。番組の中で共演するマジシャン、ミラクルは超能力者のトリック性を次々と明かしていく。番組の演出の描写が構成作家が書いた台本のようにリアルだ。一方主人公の妻はなくした娘の傷が癒えぬ事がトラウマとなっていて、友人に誘われた事を契機に自己開発セミナーと超能力を売り物にした新興宗教団体にはまっていく。セミナーの描写もリアリティがあって読みふけってしまう。大生部はミラクルの助けを得て、宗教団体教祖の超能力のいんちきをあばいて、妻の救出を図る。前編は”魔術はない”という一貫した論理でスト-リーが展開するが、後編はそれが一転。逆の論理で急展開していく。さて、その続きは後編で。 | ||||
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これぞ娯楽小説と言えます。中島らもの最高傑作ではないでしょうか。分厚い本なのに、読むのをやめられません。胡散臭いものがてんこ盛りで、いい感じです。読んだのはもう3年も前になるでしょうか。まさか、あんな急に亡くなられるとは。公式HPには奥様のメッセージが掲載されており、じーんとしてしまいました。ぜひ見てください。 | ||||
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後世に残る名作である。多くの人に読まれたい本である。中島らもは天才である。努力家である。シャイである。優しい人である。単なるエンタテインメントの域を超え、怪し気なものにひっかからないハウトゥー本でもあり、昭和30-40年代の日本の市井を伝える記録本でもあり、アフリカの生態を伝える本であり、宗教・哲学の入門書でもある。この本を読んだ人は「しりとりえっせい」を改めて読んでみるといい。中島らもの素敵で泥臭い人間像が見えてくる。 | ||||
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今までの自分の短い人生の中では、一番面白い娯楽小説でした。ストーリーが面白いのは言うまでもないのですが、私にとっては視野を広げさせてくれた本でした。「呪い」についての考察、新興宗教の手口、後半はすこしSFチックすぎると感じましたが、前半から中盤までの話は、現代の日本の文化や現代人の心の脆さなどを考えさせられました。かなり厚い本でしたが、あっという間に読み終えてしまいました。御託を抜きにして言うと、ただ一言、面白いです。 | ||||
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私はこの本を「新興宗教撃退マニュアル」として友人たちに薦めまくってきた。この本がハードカバーで発売された10年前からずっと。当時私は、某仏教系大学で哲学を学んでいた。卒論では「宗教と哲学」の比較研究をやった。自己啓発セミナーや新・新興宗教の信者集めの手口などは、まさにここに書いてあるとおりだ。宗教を知らない人間は、とかく宗教に「神秘」を見る。そこが奴らのツケ目なのだ。悪いことは言わない。宗教を知らない人…自分の家の仏壇のご本尊を知らない人、宗派がわからない人…は、一度この本を読んでみるべきだ。そうそう……最近自分のハマってる宗教が「ちょっと違う方向に行ってんじゃない?」と感じている信者の方も。もっとも、そんな人にはもっと本格的な洗脳解除が必要か(苦笑)? | ||||
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この作品を読んだのは恐らく5年以上も前になりますが、今でも内容をはっきり覚えています。(何回も読みましたから)そして、私の中でこれを超える作品は今のところありません。月並みながら、究極のエンターテイメントという形容が最も相応しい作品であり、読書の悦びを私に教えてくれたバイブルです。超能力対マジック、新興宗教の闇、科学で割り切れぬ不思議な力、メディアへの風刺、雄大なアフリカ大陸での冒険、家族愛、等々、これだけのエッセンスを盛り込みながら、息もつかせぬスピーディな展開に、読者は中島らもの魔力に絡め取られます。笑いあり、涙あり、ドキドキあり、夢あり、薀蓄あり、これ以上一体何を求めることがありましょう。周囲の人間に布教活動さながら勧めてきましたが、老若男女問わず好まれるようですので、安心して読んで下さい。睡眠不足を覚悟の上で。 | ||||
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