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ファミリーポートレイト
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ファミリーポートレイトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 41~58 3/3ページ
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暗くて、光が見えなくて、気が滅入ります。 母に連れられ、日本中を点々と逃げるように生きてきた駒子。 学校にも通わせてもらえず、普通や常識とは何かを知らずに大きくなってしまった。 しかし、母との突然の別れにより、普通の世界で生きていくことになります。 前半の逃亡生活の部分は老人だらけの村、葬式婚礼、目の見えない大家さん・・・など幻想的な雰囲気も漂う。 でも後半は社会からはみ出して生きる苦痛がにじみ出ていて、より暗さも増す。 虐待されても、きっと駒子にはそれがひどいことだとは思えなかった。 ママと駒子、お互いだけがすべてでつながっていた2人。 ママと駒子の距離感は、「私の男」の親子のそれと似てるなぁ。 あまりにも濃い血、どす黒いどす黒い粘り気すらするような血の深さを感じました。 | ||||
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第1部はとにかく読むのがつらくなるような内容でした。 これは「私の男」に近いように思います。 読んでいる間は周りの空気が淀んでいるようにすら感じるほど、 非・現実的でした。 でもだんだんと「実際にこんな親子もいるだろうな」と思えてきたのが不思議でした。 それは主人公・駒子の、ひたすら母・眞子を思う気持ちが伝わってきたんだと思います。 逃避行を続ける、何も持っていない親子には、 お互いが一番大事なものだったのではないでしょうか。 そう考えると、切なくなりました。 この本を駒子の成長記録と考えると、 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」に共通しているし、 母・眞子の物語と考えると「赤朽葉家の伝説」と同じ匂いもします。 その判断は、読んだ人それぞれで違うかと思いますが、 わたしはいろいろな要素が詰まった、”これぞ桜庭一樹の世界!”と思いました。 ラストはきれいにまとまったというか、 ちょっとグッときました。私は好きです。 | ||||
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第1部はとにかく読むのがつらくなるような内容でした。 これは「私の男」に近いように思います。 読んでいる間は周りの空気が淀んでいるようにすら感じるほど、 非・現実的でした。 でもだんだんと「実際にこんな親子もいるだろうな」と思えてきたのが不思議でした。 それは主人公・駒子の、ひたすら母・眞子を思う気持ちが伝わってきたんだと思います。 逃避行を続ける、何も持っていない親子には、 お互いが一番大事なものだったのではないでしょうか。 そう考えると、切なくなりました。 この本を駒子の成長記録と考えると、 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」に共通しているし、 母・眞子の物語と考えると「赤朽葉家の伝説」と同じ匂いもします。 その判断は、読んだ人それぞれで違うかと思いますが、 わたしはいろいろな要素が詰まった、”これぞ桜庭一樹の世界!”と思いました。 ラストはきれいにまとまったというか、 ちょっとグッときました。私は好きです。 | ||||
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総て読めというわけではないけれど あまりにも「私の男」と今作を重ねている人が多いと思ったから。 私は文章を書かないし眞子や駒子のような生き方もしていない それでも駒子に共感できない? 駒子は私だ。 真宮寺眞子のサイン会で涙を流す人の気持ちも理解できよう。 私は著者の女の描き方がとても好き。 少女、女子、女性、母、どの女にも私が居る。 | ||||
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総て読めというわけではないけれど あまりにも「私の男」と今作を重ねている人が多いと思ったから。 私は文章を書かないし眞子や駒子のような生き方もしていない それでも駒子に共感できない? 駒子は私だ。 真宮寺眞子のサイン会で涙を流す人の気持ちも理解できよう。 私は著者の女の描き方がとても好き。 少女、女子、女性、母、どの女にも私が居る。 | ||||
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作者には母親から虐待された経験などないに違いないから仕方ないのだろうけれど、まったくリアリティを感じない。かつて虐待を受けた経験者から言わせてもらえば、自分に危害を与える母親をそもそも愛せない。愛したい、愛されたいとは望むけれど、絶望や憎悪の方が勝るから。それでも母親への愛が全てで、まるで死んだように現実味なく生きてきた駒子が、最後どうなるのか確認したくて読み進めたが、最後は強引な帰結に終わった気がする。これを読んで良かったと思える人は、きっと本当の地獄を知らない幸せな人なのだろう。 | ||||
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作者には母親から虐待された経験などないに違いないから仕方ないのだろうけれど、まったくリアリティを感じない。 かつて虐待を受けた経験者から言わせてもらえば、自分に危害を与える母親をそもそも愛せない。愛したい、愛されたいとは望むけれど、絶望や憎悪の方が勝るから。 それでも母親への愛が全てで、まるで死んだように現実味なく生きてきた駒子が、最後どうなるのか確認したくて読み進めたが、最後は強引な帰結に終わった気がする。 これを読んで良かったと思える人は、きっと本当の地獄を知らない幸せな人なのだろう。 | ||||
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少し前に読みました。とはいえ、1ヶ月かそこらしか経っていないのですが、印象的なシーンが特に思い出せず・・・あれ?っと、思っている次第です。 この本は、桜庭一樹2冊目になります。前回、「私の男」を読んでいるので、シチュエーションに変化を感じることができませんでした。幼児期の虐待についてはリアリティに欠けているように思え、違和感を覚えた記憶があります。私の中において登場人物の性格・設定がフィクションの域をでなかったところが残念です。 ただの娯楽として、毎日流しているテレビのように、あってもなくても良いものとして読むには良い本だとは思います。でも、これでは同じ作者のものを2冊読む意味はないと感じてしまいます。とはいえ、「私の男」の流氷のシーンは好きだったので、あっちの方が良いかなあ。題材やシチュエーションは似ていても、違う面が見たかったと思ってしまう次第です。 | ||||
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少し前に読みました。とはいえ、1ヶ月かそこらしか経っていないのですが、印象的なシーンが特に思い出せず・・・あれ?っと、思っている次第です。 この本は、桜庭一樹2冊目になります。前回、「私の男」を読んでいるので、シチュエーションに変化を感じることができませんでした。幼児期の虐待についてはリアリティに欠けているように思え、違和感を覚えた記憶があります。私の中において登場人物の性格・設定がフィクションの域をでなかったところが残念です。 ただの娯楽として、毎日流しているテレビのように、あってもなくても良いものとして読むには良い本だとは思います。でも、これでは同じ作者のものを2冊読む意味はないと感じてしまいます。とはいえ、「私の男」の流氷のシーンは好きだったので、あっちの方が良いかなあ。題材やシチュエーションは似ていても、違う面が見たかったと思ってしまう次第です。 | ||||
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直木賞受賞『私の男』を連想させるような粘りつくような母と娘の関係が、私が作品の設定に納得できないからか最初から面白くない。 後半に進んできて改めて気付くのは、重松清『疾走』角田光代『八月の蝉』などみたいな、作者の気負いからくるうっとおしさだった。 一生懸命書いた気配が物語を勝って、本というものを愉しませてくれない。 眞子と駒子の物語は、駒子が作家になり、有名な大衆文学の文学賞を受賞して、昔眞子が出てた映画のスクリーンでやっと終わる。 517頁の作品を読み終えた感想は「押し付けやがって」だった。 作品の中で作者が自分の言いたいことを、引くこともせず押しつけてくる作品など、読者からすれば押し売りでしかない。 | ||||
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直木賞受賞『私の男』を連想させるような粘りつくような母と娘の関係が、私が作品の設定に納得できないからか最初から面白くない。 後半に進んできて改めて気付くのは、重松清『疾走』角田光代『八月の蝉』などみたいな、作者の気負いからくるうっとおしさだった。 一生懸命書いた気配が物語を勝って、本というものを愉しませてくれない。 眞子と駒子の物語は、駒子が作家になり、有名な大衆文学の文学賞を受賞して、昔眞子が出てた映画のスクリーンでやっと終わる。 517頁の作品を読み終えた感想は「押し付けやがって」だった。 作品の中で作者が自分の言いたいことを、引くこともせず押しつけてくる作品など、読者からすれば押し売りでしかない。 | ||||
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二部構成の物語。第一部では、母と子の10年に及ぶ破滅的な日々と「別れ」が描かれる。前作同様に性描写もあり、一種異様な雰囲気が充満!残酷で、哀れで、優しく、美 しい。そんな母との辛く、空虚で、暖かく、切ない日々。娘をかろうじて支えるのは母への「愛」と「本」と「物語」。救いのない日常でありながら母とともに懸命に「生きる」少女の姿は鮮烈である。 第二部は、母を失い、漂うように生きる娘のその後、である。「文字」と「物語」の世界を唯一の拠り所とし、母の幻を求めて日々を送り、やがて作家としての 道を歩み始める娘。様々な出会いを経て自分の居場所を見つけた娘は、母が夢見て遂に得られなかった「家族」を得る。ここで描かれる作家としての日々は、まるで作者の自叙伝の如し!???そして、危うい雰囲気を漂わせながらも、少しずつ「失われた」人生を取り戻す娘の姿は結末に近づくに従って人間的で等身大のものになっていく・・・。 二部に分けられた作品であるが、第一部の幻想的とも荒唐無稽とも言える描写に比べ、第二部のそれは随分と現実的。その理由は最後の場面に、いかにも桜庭一樹らしく、劇的に描かれる! 過去と現在が一瞬のうちに一つとなる、奇跡とも思える情景!薄幸だった母を思って泣き崩れる娘の姿に・・・打たれます。ああ・・・母よ!私は・・・永遠に・・・あなたの・・・子供・・・。そんな言葉がふと浮かぶ桜庭一樹の集大成とも思える作品だ。 | ||||
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二部構成の物語。第一部では、母と子の10年に及ぶ破滅的な日々と「別れ」が描かれる。前作同様に性描写もあり、一種異様な雰囲気が充満!残酷で、哀れで、優しく、美 しい。そんな母との辛く、空虚で、暖かく、切ない日々。娘をかろうじて支えるのは母への「愛」と「本」と「物語」・・・救いのない日常でありながら母とともに懸命に「生きる」少女の姿は鮮烈! 第二部は、母を失い、漂うように生きる娘のその後、です。「文字」と「物語」の世界を唯一の拠り所とし、母の幻を求めて日々を送り、やがて作家としての 道を歩み始める娘は、様々な出会いを経て自分の居場所を見つけ、母が夢見て遂に得られなかった「家族」を得る。ここで描かれる作家としての日々は、まるで作者の自叙伝の如し!???そして、危うい雰囲気を漂わせながらも、少しずつ「失われた」人生を取り戻す娘の姿は結末に近づくに従って人間的で等身大のものになっていきます・・・。 二部に分けられた作品ですが、第一部の幻想的とも荒唐無稽とも言える描写に比べ、第二部のそれは随分と現実的。その理由は最後の場面に、いかにも桜庭一樹らしく、劇的に描かれます! 過去と現在が一瞬のうちに一つとなる、奇跡とも思える情景!薄幸だった母を思って泣き崩れる娘の姿に打たれます。 ああ・・・母よ!私は・・・永遠に・・・あなたの・・・子供・・・。 そんな言葉がふと浮かぶ、桜庭一樹の集大成とも思える作品です。 | ||||
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「私の男」は、いろんな意味で私的には認められなかったが、この作家自体は、赤朽葉や七竈もいいと思うし、嫌いじゃない。 で、本作だが、まず、第一章の最後で本を思わず駅のホームに叩きつけたいくらい、その安直さに怒りすら覚えたが、 これもある意味、うそ、幻覚、現実、コマコにとっては区別を付ける必要すらない心的現実の出来事だったのかと言う解釈も可能かと思うと、分からないではなかった。 書いてる桜庭氏とコマコの夜な夜な語るうそ話とが溶け合って、必死でうそをひねり出す作家の業というものに、今風の意味ではない痛々しさを感じた。 つまり、「うそ」を編み出すことにかなり身を削っているのだろうということは作中のコマコと同様、想像に難くない。それだけに、この作家の「うそ」の自伝的小説の様相も呈している本作も、読んでいて、「うそ」で通し続けることに限界をきたして、最後になんかあられもない真実をぶちまけてちまったか?と、思わざるを得なかった。 というかそう思わせることも作家の技かもしれないが、それならば、見事かもしれない。 最後はなんだか説教臭くなった気もして青臭いが、ニヤニヤしながらも好感は持てた。 まあ、傑作というほど、つまり七竈ほどは評価しないが、これは読んでもよかったとは、 思えたわけです。 | ||||
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「私の男」は、いろんな意味で私的には認められなかったが、この作家自体は、赤朽葉や七竈もいいと思うし、嫌いじゃない。 で、本作だが、まず、第一章の最後で本を思わず駅のホームに叩きつけたいくらい、その安直さに怒りすら覚えたが、 これもある意味、うそ、幻覚、現実、コマコにとっては区別を付ける必要すらない心的現実の出来事だったのかと言う解釈も可能かと思うと、分からないではなかった。 書いてる桜庭氏とコマコの夜な夜な語るうそ話とが溶け合って、必死でうそをひねり出す作家の業というものに、今風の意味ではない痛々しさを感じた。 つまり、「うそ」を編み出すことにかなり身を削っているのだろうということは作中のコマコと同様、想像に難くない。それだけに、この作家の「うそ」の自伝的小説の様相も呈している本作も、読んでいて、「うそ」で通し続けることに限界をきたして、最後になんかあられもない真実をぶちまけてちまったか?と、思わざるを得なかった。 というかそう思わせることも作家の技かもしれないが、それならば、見事かもしれない。 最後はなんだか説教臭くなった気もして青臭いが、ニヤニヤしながらも好感は持てた。 まあ、傑作というほど、つまり七竈ほどは評価しないが、これは読んでもよかったとは、 思えたわけです。 | ||||
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『家族とは?愛とは?性とは?』がテーマだと思います。★母娘で生活していたマコとコマコ。逃亡生活の中で普通の生活とは懸け離れてしまったために「何が普通であるのか」分からずに育って行くコマコ。そして、マコによる虐待の末に情緒の発達に遅れがある。母を守る事を心に誓い行きて行くが…!☆訴え掛ける事がとても大きい1冊。『私の男』よりもその点ではかなり上回っていると思った。普通の生活から懸け離れたまま成長して行くコマコが、30代になり得る家族。ラストの真田のセリフがこの物語がいいたい事を伝えている。「生きている限りは、素晴らしかったことも、辛くってたまらなかったことも、なにかもどんどん変わっていくし。生きていくって、なにかを得ていくだけの旅じゃなくって、失っていくことだってさいきん思う。誰もが、過去の不幸な出来事だけじゃなくって、幸福からでさえ、立ち直りながら、なんとかして前に進んでいくんだ。みんないっしょに」この言葉がとても重くって考えさせられたし同感する。 | ||||
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『家族とは?愛とは?性とは?』がテーマだと思います。★母娘で生活していたマコとコマコ。逃亡生活の中で普通の生活とは懸け離れてしまったために「何が普通であるのか」分からずに育って行くコマコ。そして、マコによる虐待の末に情緒の発達に遅れがある。母を守る事を心に誓い行きて行くが…!☆訴え掛ける事がとても大きい1冊。『私の男』よりもその点ではかなり上回っていると思った。普通の生活から懸け離れたまま成長して行くコマコが、30代になり得る家族。ラストの真田のセリフがこの物語がいいたい事を伝えている。「生きている限りは、素晴らしかったことも、辛くってたまらなかったことも、なにかもどんどん変わっていくし。生きていくって、なにかを得ていくだけの旅じゃなくって、失っていくことだってさいきん思う。誰もが、過去の不幸な出来事だけじゃなくって、幸福からでさえ、立ち直りながら、なんとかして前に進んでいくんだ。みんないっしょに」この言葉がとても重くって考えさせられたし同感する。 | ||||
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講談社の案内によると、「赤朽葉家・・・」「私の男」に続く集大成とあるが、何もこの順番に読まなければ筋がわからないものでは全くない、私は今回はじめて桜庭の作品に接したが、十分に楽しむ事が出来た。今後、彼女の作品を気分の赴くままに遡及して行こうかなと思う。 さて、この「ファミリー・ポートレイト」。第一部はマコとコマコの「逃避行」である。何から逃げるのか、なぜ逃げるのかは第一部では読者には一切明らかにされない。 ママが逃げるときの(コマコもくる?)という言葉の恐ろしさ、悲しさ、ついてゆかざるを得ないコマコの悲しさ! 「真紅を売る」「真紅をささげる」「真紅を奪われる」という嬉し・恥ずかしキー・ワード「真紅」とは? さらに「漣」「狼煙」「交尾」という一連の漢字言葉を好きな言葉として何度も使い、使い、使い倒す。 直木賞受賞後初の小説という事で、出版社ともども桜庭本人もやる気マンマンで、この本のサイン会の模様を本書の中に既に小説化しているくらいである。 機会があればこのサイン会に行ってみることをお薦めする。 ピンクムード一杯のサインにかわいいシールを添付してくれる。 「真紅」はなかったぞなもし。 | ||||
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