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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全166件 121~140 7/9ページ
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稚拙で複雑な愛である。そしてタブーでもある。 だがこのような愛も存在することがありえることもあるのだと。 これは筆者の筆力によるものであろう。 ふたりきりの世界で愛し信頼し合い、自分たちの関係を補い高めあいことで、親子であることも、家族環境も、とりまく周囲の人たちをも全てそれはふたりの世界観の中ではどうでもいいことであった。 ふたりの世界を継続していくためには、そのどうでもいいものたちが立ち入っていくことは許されない。そう考えると彼らが犯していく罪は必至のことなのかもしれない。 どのような葛藤があったのか、また、愛が複雑に変化し、離れようと決心するまでどのような気持ちを持っていたのか。このあたりの描写が欠損しており、想像するしかない。後半の4章、5章が内面の気持ちに迫っていただけに残念である。 共感は難しい。 生理的にも受け入れ難い。ってか、嫌。 が、いろいろな受け止め方ができる、複雑な作品である。 | ||||
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私が描いた淳悟のイメージは阿部ちゃんです! 皆さんはどうでしょう… | ||||
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最初は嫌やったんよ。話題にしようと思って奇抜な設定で作りやがって。みたいなね。でもこりゃ違う。 なんつーか。今までに読んだことのないようなお話だった。病的だな、とは思いながらもこんなに激しく愛されたいし、愛してもらいたいって思った。実際そのような環境にいたら、花(娘)のように、平凡な人生を歩まなきゃって飛び出したくなっちゃうのかもしれないし、実生活にも害及びっぱなしで無理なんだけどさ。 この世であなたしか必要ない、なんて一瞬思うならともかく、普通日常では味わえないこと。でもって、そこまできた心中カップルとか、周りから見れば不憫だし、滑稽にさえみえることもある。誰か責任ある大人が無理やりにでも引き離し、目を覚まさせなければ。って思うのも普通だと思う。いつもはそんな外側から見てるんだけど、この本を読んでるってことで、思いっきり中側から見てしまった。 本人が幸せならいいじゃん。それで済む場面と済まない場面がある。淳悟(父)は、お母さんに求めていた愛情を娘に求めた。そして癒された時期は確かにあった。もちろんその代償は社会的にも人間としても、大きなものを失ったけれど。では花は。花は前の家族でも浮いていた。別れは感動だった。そこから本当の心の通じ合う家族となれない可能性もないけれど、花の唯一の理解者は淳悟だけでしょ。その二人が暮らしていく上で、あの過程は仕方なかったのかな。と。まぁあくまでもフィクションとしてですけどね。モラルとか倫理観とか、この本に関していえば、もうどうでもいい。人間として越えてはいけない線がある、うんそれが通用する世界はものすごく広いだろうけどね。 「父と娘、してはいけないことは何もない。」「本当の親子ならそんなことしなくていい。」どっちもきた。 理解が消化不良。きっとここ一週間くらい様々な場面、会話、背景を考え続けるに違いない。 最終章とその前の章の、花と淳悟のやりとりは可愛かった。 | ||||
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読んで驚きました。嫌いな人もいるかもしれないですが、私は共感しました。これほど深い愛憎を生きる人間がこの世にどれだけいるか。どんなに苦しくても悲しくても浮かばれなくても、それだけで生まれてきた価値があると思いました。私としてはむせるほどの血の匂いを感じる小説でありながら、これは父と娘の物語ではないと思いました。 | ||||
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この小説はミステリでもなく、恋愛小説でもない。親と子の絆にまつわる家族小説だと思う。近親相姦というものに対し嫌悪感を感じる前に、登場人物の身勝手さに嫌悪感を感じる前に、安っぽい共感なぞ求めずにこの小説を冷静な目で読んでみてほしい。彼等がなぜあの様な生き方しかできなかったのかを。確かに拙い文章かもしれない。暗く重くねっとりとして受け付けない人はいるだろう。しかし作者の桜庭一樹氏は年間400冊以上は読むかなりの読書遍歴を持つ人で、ガルシア・マルケスの血族の物語に深く影響を受けている。安易に禁断だとか倒錯だとかのテーマを用いたかったのではなく、家族の『血』に纏わる因縁めいたものを書こうとしたのだろうと思うこれは親に対して愛憎入り交じるアンビバレンツな感情を持った事がある人ならわかると思うが、血の繋がりというものはとても不思議なものだ。幼少期にどのような環境で育ったかによって人は大きく変わるが、その前に親とどのような関わりを持つかによって少なからずその後の人生を決定づけられることもある。親に対してコンプレックスの様なトラウマを持ち続けている人は少なくない。その様な抗いきれない鎖に囚われているのがこの小説の花と惇悟であり、二人は血の結びつきで他者では決して埋められない孤独感を埋めあっている。時に父と娘であり時に母と息子であり、恋人同士にもなれる、まさに完璧な関係。幼少の頃から花を縛り続けてきた惇悟と、そんな惇悟に答えながら、彼の人生から結局は抜け出していきたいと願う花。お互いが傷つけあって癒しあって、それでも互いに血に結ばれているという強烈な意識。二人の関係を通じて、こんなにも家族としての血の有り様を見せつけられるとは思わなかった。彼等が正しいとか正しくないかを考える前に、それ程の結び付きを羨ましく感じてしまう自分がいて、そら恐ろしい気分になる。安易なカタルシスや共感なんて求めてはいけない。読後考えこんでしまう小説を読みたい方は、是非読んでみてください。 | ||||
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複雑な生い立ちと人間関係に近親相姦、殺人、出自が絡む… そんなあらすじを並べれば、ドロドロの昼メロ劇になりそう。 それでも小説として読ませる作家の力量を感じました。 根底に流れている、一見ありふれた人生に誰もが抱える闇が わかりやすく描かれています。 個人的にシンパシーを感じる小説であり、とても気に入っています。 山田詠美の「風葬の教室」以来です。 目立たないように、世の中に紛れるように生きたい。 人生に意味など求めない。 ただひっそりと生きたい。 自分だけが知る甘美なものに浸る喜びを抱いて…。 ここのレビューでそうでない人の方が多いことが意外でした。 直木賞を受賞して多くの人に読まれることは良いことなのでしょうが…。 | ||||
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最初の章を読み始めたときに、足が震え、本を持つ手も震えました。 これは絶対最後まで読まなくては、と強く思いました。 読み進むうち、目を背けたくなるような描写もありましたが、 物語の世界観をとらえるために、1本の映画を見るように、耐えて読み進めました。 物語の終わりに近づくにつれて涙が溢れてきました。 最初の章にもう一度戻って読み返すと、やりきれなさでいっぱいになりました。 この作品が受賞して話題に上っていたとき、タイトルや広告の宣伝からは、 嫌悪感しか持てませんでした。しかし、たまたま「桜庭一樹 読書日記」を知人に薦められ、 作者の読書傾向や創作の様子などを知り、「私の男」も読んでみたいと思いました。 読んで良かったと思います。 桜庭一樹のファンになりそうです。 おそらく過去の作品も遡って読破したら、ファンと名乗っていると思います。 | ||||
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常識的に、モラルを第一に考えて読み進めると、主人公たちの心理状態にシンクロできなくなってしまいます。二人の境遇、それぞれがお互いに何を求め合っているのか、結果としての殺人は何を意味したのかーー。共感はできないけれど、一歩現実の世界から逸脱してこの世界観に入り込んで読むと、得られるものは十分にある。 感情移入の仕方に工夫をしないと嫌悪感を抱くだけかもしれませんが、感じ方は多種多様にできるであろう作品。一読の価値はあると思います。 私はこれから、2度目、3度目を読みたいと思いました。 | ||||
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重い内容ですが、「そうか」という肯定ではないが 納得する部分もありで、愛という概念、カタチというものを 考え、感じるものでもありました。 時が後戻りしていく文章は、背景をひもとくので また、この物語には、興味深さを増していると思いました。 「淳吾。」印象に残る名前となりました。 | ||||
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4部構成になっているこの本は、読み進めるごとに時代をさかのぼり、 視点を変えながら真実へと近づいていく。 数少ない登場人物それぞれの視点から語られる花と淳悟(父)の関係は、 決して美しいものでも切ないものでもなくて、 ただ淡々と互いが互いの存在をどうしようもなく求めている、非常に自己中心的なもの。 私は、その関係が非常におもしろく感じられた。 共感なんかできなくてもいい。二人さえよければいいと言わんばかりの関係が、 この話の「毒」となって読み手をひきつけるのだと思う。 綺麗なだけな恋愛話よりも、そこに人の弱さとかずるさとか、 そういうマイナスの感情が入って初めて話が生きてくる気がします。 人はそんなに綺麗な感情だけでは生きていないし、絶対に許されない関係だからこその盛り上がりが 絶妙な「毒」になるのだと思うから。毒の無い話なんてつまらないし。 意味の無い話といえばものすごく意味の無い話でしたが、私はとっても面白く読みました。 花と淳悟2人の愛情は、お互いの育ちの仲に起因する、親への歪んだ愛情。 渇望していたものを、お互いの存在で埋めていたのだろうと思う。 それを守るためなら、人を殺すこともいとわない。 ラストには「そこまで深い想いがあったのか」と驚かされました。 | ||||
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父と娘の 禁断の愛的な 内容を 知っていたので まったく初めは興味が なく 読む気がしませんでした。 ただ テレビ番組でこの作者桜庭一樹さんが出ていらして、この作品を書くにあたり、「食事も喉を通らなくなりながら、完成させた重い重いテーマ」と おっしゃっていたので、怖い物見たさに読んでしまいました。結論から 言うと、わたしは すばらしい作品だと 思いました。確かに 共感できる内容では ありません。が 人間の きれいさだけではない 生々しい汚れた部分が 匂いだったり、海だったり、寒さ だったり 流氷だったり… いろいろな 視点から 表現されていて、 さらにぐいぐい引き込まれてしまいました。 わたし自身、流氷のそばに住んでいるせいで、手に取るように、景色が目に浮んでしまいます。あんな 愛のカタチ… ありえません。 でも 人は 愛を知らずに 大人になることはできないんだなぁと 読み終えて 強く感じました。 そして、すごい体力消耗…疲れました。ほんとに重かったー…みんなに 簡単に 薦められるような作品ではないということで ☆4つ にします。 | ||||
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直木賞を取ったのは知っていたけど 友人からサプライズで貰ったので 「大賞を取った本」というフィルターなしで 読めたのが良かったと思う。 私(花)と養父(淳悟)の強くゆがんだ関係。 お互いにはお互いだけしかいない。 とても孤独だけどお互いの絆が全て。 書き方なのか分からないけど 思ったほど近親相姦的な印象は少なかった。 2人に罪悪感がなかったからなのかもしれない。 個人的に時間が行ったり来たりしたり、 章によって視点が違う書き方が好き。 でも小中学生時代の花が妙に大人っぽく、 それには違和感を感じた。 好き嫌いがはっきりしそうな話だと思う。 | ||||
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息苦しくなるような、湿度の高い物語。 私の男であり、俺の女である二人。 面白いんだけど、でも、なんだか入り込めない話でした。 淳悟のキャラクター、もっと魅力的になりそうなのにな。 何ゆえだらしない風貌なのに優雅なのか? そもそも作者の考える優雅ってどんなものなのか理解できず、 もしかすると作者すら優雅をわかっていないのかも知れず、 いまひとつ淳悟がつかめない。 おかあさんを貪り食いたいほどの熱を持っているけれど、 その理由も読めない。 その定まらない感じをわざと表現してたのかもしれないけど。 そして、地味で息を潜めて生きてきたのに、今風に着飾っているという花。 よくわかりません。 湿度があるけど、服も地味なんだけど、なんだか色気があるといわれたほうが、 私としてはまだしっくりくるんですが。 結婚相手がなぜ花に惹かれたかもよくわからない。 登場人物の魅力は表現しきれていないと思うけれど、 テレビのワイドショーにあるような、人間ドラマのつもりで読むと、 面白く読めると思います。 | ||||
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度肝を抜く。 読んでもなんだか愛というものをそれほどまでに身近にもとめなくても、 というわたしの心から反論がでる。 平均的家族には起こりえないフィクションならではの世界観なのか?? まずは読む事はたのしい。しかし、悲しい。 装丁表紙イラスト、目立ちたいへんに良い。 まー読んでみて彼女の作品はこれなのかな、ここがポイントなのかなと思う。 それを探すのも一つの読み方だろう。 推薦いたします。ぜひお買い求めください。 | ||||
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花と淳悟、二人のやりとりが恐ろしくもあり、美しくもある。 家族の愛とは何かとか近親相姦とか、そういう言葉じゃなくて 花と淳悟はただ愛し合っている。 それだけがストレートに伝わってきた。 読んでいて嫌な気分にはならず、むしろ変にすっきりした 気分になった。 こういうのも、ありなんだろうなと、ただ思った。 | ||||
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たぶん、過去に遡ったり、登場人物ごとに章でくくる 小説は枚挙にいとわないが、桜庭一樹は、ワザとなのか 判らないが、下手な文が、とてもこの手法で生きている。 まるで手動のカメラのようにピンぼけになったり、ぐっ と近くに迫ったりする。 父と娘の関係は、単純化すれば男女になるのだろう。 男はマザコンであり、女はファザコンということが、 この本のテーマであった。 父と娘と言えば、遠藤周作の作品を思い浮かべる人 が多いだろうが、養子にした娘との親子の話しをここ まで深めるところはすごいな。 ほとんどの登場人物の容姿や服装の表現がでて来な い、シルエットのようだ。でもこのことが、かえって、 自分なりのイメージを作れた。 桜庭とは、あるいは類い希な才能があるのかもしれな い。もう少し推敲をすればと誰もが思うことだろうが、 この粗さも良さではないだろうか。 次作に期待し、星一つ落とした。 | ||||
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このくらいの愛情は、ありそうであるし、実の父ではなく、何となく遠い親戚のおじさんと両親を失った女の子との恋愛小説で、お互いが必要としているのであれば、こんな恋愛はありではないのかと思いますが、どうなのでしょうか?読んでいて、人をあやめるのはいけないと思いますが、それほどの問題作でもないような気がしました。 | ||||
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現実にはない話だが、感情移入して読むことができたし、内容が過去に向かっている形が個人的に新鮮で飽きなくてよかった。作者の他の作品も読んでみたいと思う。 | ||||
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とてもおもしろい小説だと聞いていたので、ちょっとがっかりするところも多かった。特に過去に遡って行く形式は、おもしろいんだけど、過去に行けばいくほど作者のキャラへの入り込みが深くなってしまい、結婚式の日の花より九歳の花ちゃんのほうがおとうさんへの思い入れ強くなってる。ま、連載時はいいとして、本にする時は手直ししたほうがいいよね。63ページで「人に暴力を振るったのはこれが初めて」と言ってるけど213ページで8年前暴力振るってるよ、花。ここ、呼応しあう場面になるのだから、直したほうがよかった。 ……とかはもうどうでもいいや。腐野淳悟というキャラが凄いのよ。だらしなくて、時に狂気を孕んだ目つきになる、それでいてどこか高貴な感じを漂わせるモテる男。このキャラと、紋別の流氷と東京拘置所のそばのぼろいアパート、というふたつの舞台を設定した段階で、もう細かいところはどうでもいい。……美郎くんの両親みたいな人は、そんなアパートに住んでる女の子と美郎くんを結婚させてくれないし、興信所とかつけそうだよね……とかはもうどうでもいい。……てゆうか、悔しいなあ。せっかくこんなにいいキャラなんだから、もっとじっくり練ればよかったのに! | ||||
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取り上げてるテーマの是非はともかく、読書が娯楽だということを思い出させてくれた本です。胸が揺さぶられるストーリーと文章表現です。読んでおいて損は無し。 | ||||
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