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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全166件 101~120 6/9ページ
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久しぶりにどうしても自分のレビューを書きたくなってしまいました。それほどすごい作品です。評価が低い皆さんの意見も、確かに納得できます。しかし構成や描写云々よりも、つまりは「私の男」である淳悟を好きになれるかどうか、それがこの小説を好きになれるかどうかの境界線なのではないでしょうか。 私は桜庭さんの作品を読んだのはこれが初めてで、彼女が女性だという事も他の方のレビューを通してたった今知ったのですが、それでいくつか納得できる点がありました。たとえば淳悟と花の関係は、いかにも女性が憧れる設定の下に築かれている気がするのです。 絶対に結ばれてはいけない二人 退廃的だが魅力的な男 お互いがお互いしか見えなくなってしまうような中毒性 そういったもののせいで、少女コミック的な雰囲気が拭いきれないことは紛れもない事実だと思います。(だからこそ、男性読者がこの作品をどう捉えるのか気になります) しかし、絡み合いながら朽ちていく二人の姿はどうにも美しく感じられ、私はふと『白夜行』の二人を思い出してしまいました。第一章の時点で不覚にも涙を流してしまったのですが、すべてを読み終わった後に再び第一章へと戻ると、やはり号泣でした。その後の二人について一切描かなかったのは正解だと思います。彼らの行方に思いを馳せるとき、はじめて物語は読者の中で一つにつながり、家族とは何か、血のつながりとは何か、男女とは何か、人間とは何か、不定な愛の形について考えるようになるのではないでしょうか。 読み終わった後しばらくは何にも手をつけられず、ぼんやりした状態になると思います。 | ||||
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直木賞受賞作との事で、手に取りました。 いや、引き込まれました。 最初から「まさか、それはないよね。」を裏切り続けられる展開。 最後の方には、「きっと、こうなのかな。」を裏付けられる筋書き。 なんともはや、すごい小説でした。 小説は、こうではなくては。 ただ、「二層式」の洗濯機には納得がいきませんでした。 「二槽式」ではないですかねぇ。 | ||||
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電車の中で読んでいたのですが、 物語の中に『音』というものを感じませんでした。 人々の鼓動、呼吸、街の喧騒・・ そういったものが一切聞こえてこないストーリーです。 それも、第1章から6章を読み続けていくにつれて、 音がどんどんなくなっていきます。 ただその中にあるのは、花と淳吾のみ。 本の中で動いているという事実のみ。 彼ら感情も感じないし、彼らの温かみも感じない。 それは、花と淳吾だけで感じているからかもしれません。 読み手には絶対感じさせない何かが、彼ら二人にはあるように思いました。 同じくして、自分の周りの音も消えてなくなります。 それぐらい引き込まれていました。 | ||||
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直木賞受賞ということで、FIGAROにも紹介されていたので、読みました。 だいたいの設定は事前にわたっていたものの、読んでて驚愕しました。 こういう愛の形は、わりとフィクションでは聞きますが、この小説の中では、その 事実が衝撃なのではなく、その心理が驚愕なのではないでしょうか。 読むうちに当事者の心理が理解できて、 なるほど。と思った。自分の中にそういう価値観がないだけで、実際にはこういう人達も存在し得ると思う。 小説は自分の知らない考え方、思考回路を知るいい機会だと思います。 考え方の可能性の広さを実感。 日本人は、一定のものの考え方をするように教育等がなされているけれど、 少数のマイノリティーの考え方を知ることも大事だと思う。 また、一線を越えるか、越えないか。という海、陸、犯罪。など 「境界」がテーマになっているのもおもしろい。 ただ、残念な点。 語り手と時代設定がかわる手法は数多くありますが、 9歳の花の観点でかかれたプロットは、 9歳がこんな発想しない。こんな熟語知ってるはずない。こんな感想は抱かない。 と違和感を感じました。所々、9歳を装っているものの、 作者の世代の視点で書かれたものにすぎなく、残念でした。 9歳の当時を振り返って、という設定なのでしょうか? また読めば推測できるけど、はっきり断言しない事実もありました。 そういう書き方も、余韻が残る方法で、好きです。 きっと、淳治の父親も。。なんて想像します。 読書は想像力を養うものですね。 | ||||
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一言で言うと変態小説。 倫理上のあたりまえと主人公の父と娘のあたりまえ、後者を無くさないために繰り返される罪。 物語は結末から展開され、章を追うごとにすべての始まりへと逆再生で進んでゆきます。 読み進めるほどに解けてゆく父と娘の謎。 官能小説という言い方では安っぽいけど文学と表現するには賛否両論ある。 恋人にもなれず普通の親子にもなれず、父と娘の苦悩はひたすら陰鬱でもどかしく切ない。 ぼんやりとした後味の悪い結末が何とも言えない。 この本を気に入ったら(もしくは読む前に)同じ作者の前作『少女七竃と七人の可愛そう大人』も読んでみる事をお勧めします。似たような題材ですがこちらの方が入りやすいかと思います。 | ||||
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だけど最後の1ページを読んだ後は純粋に面白いと感じた。物語は近親相姦、殺人と二重の罪を犯した親子についてで、全体的にじっとりと暗く、それでいてどこか胡散臭いような雰囲気をまとっている。個人的にダークな話が好きだからかもしれないが何より腐野淳悟に相当強い魅力を感じてやまない。 雨匂いがしてくたびれた風貌だが優雅な雰囲気を纏っている影のような男。 今までいろいろな作品を読んできたがここまで魅力を感じた登場人物は稀だ。すごく個人的な好みの問題だけれども。だから「私の男」とまで言っていた花が最終的に淳悟ではなく美朗を選んだ理由がはっきりとわからない。そこまで美朗に魅力を感じられないし、むしろキャラ設定も曖昧でいまいちな気が。だけど「おかぁさん」はどんびきだったな。 近親相姦、2人の絡みの場面はリアルで生々しく正直気持ち悪い。花だけに限らず女特有の欲深い、男に対する執念や執着は恐ろしいほどぞっとする。こうゆう話は嫌いじゃないけど。すごくねっとりしている、と表現するのが適切なのかもしれない。 | ||||
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躊躇していた、この本を手に取るコト。なんだか、表紙の絵からいってぬめっとしているではないか。だから避けていたのだけど、以前桜庭一樹のインタビュー記事を読んで “家族”が彼女の一貫したテーマだと知ってから“ぬめり”と家族をどう絡ませ、どのように描いているのか興味を抱き読むことを決意しました。 物語は、家族を事故で失った少女、花と彼女の唯一の身内である男、淳悟の緊密な関係を描いたモノ。まるで恋人同士のような肌と肌との触れ合いや、お互いの存在の奥の奥まで食い込み、許容する二人の深い深い関係。それはもはや、家族の域を超えている。いや、一個人としての領域さえも。でも、禁断の家族愛、近親相姦、といったモノとは違う気がします。 第6章に分かれており、時代を遡る構成。 花の婚約相手の美朗や、淳悟に恋心を抱いていた小町といった 第三者からみた淳悟と花の関係が描かれているのも読んでいて面白い部分である。 読了してわかるのだが、衝撃の結末は、なんとも唐突。そして、救いがない。 まるで、黒い冬の海の真ん中に、独り、 放り出された気分。 やり場のなく、消化しきれない高揚感を如何に消化していいものか、戸惑ってしまうほど。 すごい作品です。 | ||||
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★の低いレビューにも共感し、納得もできましたが、僕はこの作品、すごい好きです。先ず話の筋が独特で彼女ならではのグロテスクな感じもよく現れていて大変良いと感じました。 | ||||
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誰もが絶賛する内容だと思っていたが、ここを見て好みが別れる小説だと知った。 初めて読んだ桜庭一樹だ。好きになった。 凄く巧い。登場人物の心理や動きに不自然なところはなくて、父娘の心が歪にからみあっていく様は、なんともリアルだ。また登場人物周辺の人物の行動や、心理状態もとてもリアル。(主人公の男の恋人とか)こういう女の子は存在しそうに思える。過去にさかのぼっていく構成もいい。こんな硬質なおぞましさは、なかなか他の小説では味わえない。 | ||||
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批判を招きやすい禁忌の題材を巧く料理したなぁ、という感想です。余り長々と書いていないんですね。場面を絞って、何枚かの絵を重ね合わせて全体を想像させるような構成にしています。スリル感が高まると作者は考えたのかな、と思いました。精神の歪み、と言いますか、壊れた精神を持つ男性である父がその場面毎に違ったイメージで登場します。父の変貌してゆく精神世界を垣間見せようとしたのかもしれません。近親相姦、ロリコン性癖、ファザコン性癖といったものは、家族の愛情のある部分が完全に欠けていて、その埋め合わせを行おうとしている、と受け止めました。この作品は、たくさんの謎の説明をしないまま終わってしまいます。心地悪さもあるのですが、余白を随分広めにとって、韻文のような雰囲気を狙ったのかな、と思います。文章の上手さで補っている面も大きいかと思います。 | ||||
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近親相姦という題材を使いながらも大きく取り上げる程表現が「稚拙」「気持ち悪い」わけでは無いと思います。気持ち悪いと思うのは近親相姦自体をそう思う人が大多数だろうし、桜庭一樹の文章表現は高く評価出来ます。この手の小説にしては題材や内容は重くても読みやすい方だと思います。ラノベから入ってきた作家さんだから余計に評価が厳しくなる点もあるかと思います。実際この作品に関してもリアリティがない→元ラノベ作家だから…という意識があるように思えますがそもそも「ライトノベル」という定義はとても曖昧なものでリアリティがない=ラノベではないと思います。確かに文学としてはまだ発展途上な感じも所々見受けられますが作家の経歴見てラノベがうんたらいうのは短絡的すぎると思います。 | ||||
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直木賞取ったということで読んでみました。 最初のほうは「養父と娘で!?」と 娘がいる身としては、衝撃的な内容に うえええ、と思いながら読みました。 この本を生理的に受け付けない人も きっといるだろうなぁと思いつつも、 過去にどんどんさかのぼっていって 過去に何があったかわかってくると、 いけないこととわかっていても 親子がなんとか幸せに暮らしていけばいいのにな とか思ってしまっている自分がいました。 自分の子供は愛情いっぱいで 育ててあげようと 思わずにはいられませんでした。 その後どうなったかとか もうちょっと知りたかったです。 | ||||
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吉井和哉がモデルなんですよね? ピッタリ(笑)。 女子は萌えるシチュエーションだし、 男子も萌える。 桜庭先生の至高なる粘着っぷりが、 見事に昇華された快作です。 | ||||
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星が低い方たちのレビューを読み、納得もでき、こんなレビューを書けるなんてすごいなぁと思うんですが、文才がどうとか内容が暗いとか云々より、なんだか、私は好きなんですよね。本は、人の肌に合う合わないは必ずあって、タイミングみたいなものも絶対あって。今の私の肌や波長にどうしようもなく合ってしまったのですね。淳悟を愛しいと思ってしまいました。抜け出すべきなのに、抜け出せない。そんな恋愛をしているからかも知れません。話は変わりますが、章の構成の仕方とか、おもしろいと思いました。アルバムを逆からみるみたいで。最後の話が好きですね。 | ||||
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確かに、特殊な状況、心情、それに人としてのタブーなのに、 冒頭から感情移入できてしまいました。 そして、つらくて涙がでました。 人間の嫌な部分を見た事がある人ならば、 あるいは自分の中に、 少なからずあるかもしれない恐ろしい感情に気付いたことのある人ならば・・・ 私は、それぞれの主観で読めました。 間違いなく、楽な気持ちでは読めません。 重くて、暗くて、つらくて、悲しくて・・・愛おしくて。 読み終えた今でも、私の男が頭から離れません。 | ||||
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陰鬱で淫靡な世界の描写と過去に遡りながら登場人物の生い立ちを振り返っていく構成には、巧みさを感じる。途中、中だるみすることもなく、最後まで読み手を引き込む力もあるし、登場人物のキャラ設定も分かりやすく、筆者の筆力には感心。 評価できない点は、淳吾と花がどうして、このようなアブノーマルな関係になってしまったのか、性格形成の原因や過程があまりにも単純というか、省略されている点。 それと、淳吾の喫煙シーンが多過ぎ。ちょっとしつこい。 粘着系のセックスシーンの描写も好きになれないし、子供には読ませられない。 でも、全体としてはおもしろいし、直木賞受賞というのは頷ける。 | ||||
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読み始めてすぐに分かる。危ないな〜・・・と言う感覚・・・。桜庭一樹の作品では、今までにも時々見られた「雰囲気」、じっとりと、濃密な、「淫靡」な雰 囲気が冒頭から溢れかえっている。章ごとに語り手が変り、時間は過去に遡っていくが、次第に濃さを増すその雰囲気に息が詰まりそうに・・・徹底的に過激な 「性描写」も現れる・・・。(18歳未満はちょっとやめた方が良い?)余りの徹底ぶりに投げ出したくもなったが、真正面から「タブー」に切り込む姿には作者の「本気」が感じられた・・・。 描かれるのは、父と娘の「救いのない日々」であり、やがて罪人として「破滅」を予感させる・・・。しかし、結末に向かうに従って見えてくるのは、「家族」 を知らずに育った二人の切ない思い・・・。そして、それまでの「救いのない日々」も納得させられる・・・。この「どうしようもない」、だから 「切ない」という描き方は桜庭作品の「王道」だと思うけれど、この作品は、その「どうしようもなさ」が並外れているな・・・。 最後に描かれるのは、ようやく巡り会った父と子の無垢なる姿・・・思わず泣けます・・・。 確かに、全体の構成や描写にこれで良いのか?とも思う。「未完」?とも感じるのだけれど、この終わり方によって、私は「救われた」としか言いようがない事を正直に認めましょう。 桜庭一樹・・・切ない物語を書かせたら最高であるが、成熟した女性としても、ここまで踏み込むとは思っても見なかった。これからどこへ向かうのか?末恐ろしい人物である。 | ||||
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がずっと頭に残るはなしだなぁと思います。嫌悪感がない人よりある人が多いでしょうが、私はさほど感じませんでした(^_^;)ここまで癒着?執着できる相手がいるなら、それはそれでいいのでは?自己完結に等しく、話としてはあれかもしれないけれど、周りを気にせず生きていける二人は弱すぎて強いのだなと思った。偏りきって狭い灰色の愛の話…。 | ||||
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正面から書いてはいけない物語だった。目をそらして話題から避けるのが妥当なテーマであった。目新しさや衝撃はないが、挑戦的な作品である。どこまでもほの暗く、悪夢のような物語だった。 人間の意志より深いところにある、例えば扁桃体がつかさどる生理的な部分に働きかけてくるようだった。 これまでの桜庭の、揶揄や皮肉やパロディの気配が、文体からきれいに消えている。相当な覚悟で書き上げた作品だという読後感だ。 | ||||
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読み終えて四日経つけど、私はまだ『この事』を考えています。近親相姦でもく殺人者でもない私だけれど共感してしまう部分が多々あり、誰もかもどうでもいい、このひとさえいればと想うことができ、しかも実際このひとのためならと何でもしてしまう二人が羨ましいです、正直。誰にも入れない二人だけの世界、どうにもならない二人の関係…。熱く、おもく、せつなく、苦しい気持ちになりました。たしかにほかのレビューにあるように『気持ちが悪い』と思ってしまえばもうそこで辞めた方がいいと思います。なぜかそう思わなかった私も、また、人間ではないのでしょうか笑 | ||||
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