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私の男



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【この小説が収録されている参考書籍】
私の男
私の男 (文春文庫)

私の男の評価: 3.33/5点 レビュー 303件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全166件 41~60 3/9ページ
No.126:
(4pt)

濃密な読書時間に浸れる。

桜庭作品の中で一番エロティックかつミステリアスな雰囲気です。主人公たち親子の設定がいい。時間軸の構成も効果的。濃密な大人の時間に浸りたくなったときに、読み返したくなる傑作です!
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
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No.125:
(4pt)

共依存、虐待

第1章から読み始めました。
感想は「淳悟が消えたことで、花は大変な恐怖と焦りを感じている」ということでした。
依存しあって暮らしてきた花と淳悟、その淳悟が消えてしまったことで、依存する相手が誰もいなくなってしまうのです。
結婚相手など初めから依存する・頼る相手ではないと花は思っていたでしょう。
彼女は一生不安を抱えて生きていくのだと思いました。

途中のことは書きませんが、最後の章で、皆さんが言う「性的虐待」という言葉に疑問を感じました。
9歳女児が、大人の男に体を舐められることを「虐待・被害者」と感じていたか解りません。
しかし少なくとも「嫌がってはいない」のです。
一方的に強要された行為、なのか、これは「虐待に相当するのか」、「虐待とは何か」というのが私の感想・疑問です。
しかも花は、淳悟が自分に「母親・血を求めている」ことにはちゃんと気づいています。
だからこそ最後に強く手を握りあい、「この手を、わたしは、ずっと離さないだろう。」というのでしょう。

よって、二人の関係は、「花が主導権を握っている」と思いました。
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No.124:
(4pt)

この世にあって良否を問われる世界

この作品については、発表されて直木賞を受賞した時、もろもろ議論があったものと想像する。
インモラルな世界。それが基軸であり、そこをもって淳悟と花の二人は、この作品中で時間を遡りつつ、その本姿を読者の前にさらす。
確かに、非現実な関係、不道徳な関係を精緻に描写し、その臭気や触感を読者に体験させようという作者の試みは、恐らく成功しているのであろうと思う。
それは、エロチックでありながら、やはり、何か性(せいではなく、さが)に基づいた倒錯であろうと想像され、更に遡った、淳悟の世界のことも、実は想定されるのだろうと思うが、そこは描かれない。むしろ、その想像される世界に、この作品の本源があることは容易に想定され、それが、「私の男」を生み出し、花を生み出したのだと作者は語っている。
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No.123:
(4pt)

もやもやが取れた

映画を観た時のもやもやがとれた。映画では、ずいぶん重要な部分もカットされているがいいのかなと。
「血」についてのこだわりがよく出ていた。
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No.122:
(4pt)

過去にさかのぼって

2007年に出た単行本の文庫化。
 第138回直木賞受賞作。
 著者の分厚い作品群のなかでは、例外的にストーリーがしっかりとまとまっており、脱線が少ない。そのため、わりあいと読みやすく、結末にも納得がいった。
 じょじょに過去へとさかのぼっていくタイプの物語なのだが、主人公というよりは、「私の男」の変貌ぶりが印象的だった。
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No.121:
(4pt)

話題の映画の原作ということで

章ごとに、一人称が変化する文体が上手く活かされている。
けど、結論は、やっぱり藪の中?なのかな。
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No.120:
(4pt)

感情移入はできなかったけど面白かったです

私自身にはありえない世界だと思いましたが
本当にわかり合えるには血のつながりが
必要なのかな、と思わされました。

でも苦しいだろうなぁ。
二人のこの先が知りたくなりました。
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No.119:
(4pt)

内容は重いけど

内容はとても重いけど・・・唯一無二のお互いを求める姿に引き込まれてしまった。
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No.118:
(4pt)

面白かった

禁断分野の中で、上手にまとめられ、大変好奇心を持って読みおえた。   微細な部分に深く、入り込んでいないので、案外抵抗なく読み終えた。
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No.117:
(4pt)

グロテスクな物語・・・良くも悪くも読後考えさせられます

「チェイン・ギャング」鎖に繋がれてお互い身動きのとれない2人の囚人。彼らがとらわれているのは、共有している過去の秘密であり、失った「家族」なるもの・・・。近親相姦という非常にショッキングな内容を扱っていますが、この物語の根底にあるのはもっと深い人間の依存する本能や、失われた家族に対する飢えにも似た本能だと思います。

チャプターごとに語り手と時代が変わって、色んな方面からストーリーを追う構成がおもしろい。

「七竈」といい、北海道の田舎が舞台の近親ものですね^^;
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No.116:
(5pt)

自分、が帰る場所

小説「私の男」を読みました(ネタバレ注意)。

このまま逃げられない、という安心感と、
ここから逃げ出せるという、絶望と。

家族の絆って、自然にあるものではなく、誰もが、注意深く、
当たり前であるかのように、作り出しているのだ、ということを、
裏からあぶり出しているような、そんな作品でした。

親からの愛を与えられてこなかったら、
その愛があるべき場所を、どうやって埋めるのか。

そういえば、花を抱きしめる相手に、母性、を持った
存在がいない。それなのに、誰より、母性、を渇望する
相手と過ごすこと。

愛にもいろいろ種類があって、そのバランスをとる必要がある、
でも、与えられなければ、与えられない。

それを疑わずに享受してきた自分の幸せを、
思いがけず認識した作品でした。
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No.115:
(5pt)

女性にオススメ!

近親相姦ものと片付けるにはあまりにも余韻が残る深い作品でした。家族とは何か、男と女とは何か、いろいろ考えながらもあっという間に読み終えました。また文章の美しさが作中の登場人物や場所をより魅力的にしていて特に女性にオススメの作品でした。
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No.114:
(5pt)

よく書けている

余計なおせっかいで人が死んでしまう。放っておけばよかったのに、なぜ放っておけなかったのだろうか。そんな気になる話でした。
時間を遡るように書かれていく物語、最後の章で、ああなるほど、だからなのか、と納得するようなシーンが有り、全体がストンと落ちてくる感じ。映画がどんな風に作られているのか、ちょっと気になります。
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No.113:
(4pt)

「腐った男と腐った女の穢らわしい共依存関係」がスゴイ!

社会的には犯罪者で、お互いは近親相姦者という、「腐った男と腐った女の穢らわしい共依存関係」を、凄みを利かせて描いている。
読んで感動・感激する小説も、読んで嫌悪・憎悪を感じる小説も、読者を小説の世界に引き込む力量という点では同じだと思う。この小説は、後者に属する優れたものだ。
ただ、残念なのは、「結婚」という通俗的な幸せで終った(始まった?)ことだ。ここまで書くのなら、結末は思い切り気持ちの悪いものにしてほしかった。
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No.112:
(5pt)

男と女

初めて男と女をこんなにも生々しく書かれた作品を読んだのは初めてでした。
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No.111:
(4pt)

秀逸

もともと桜庭さんの小説が好きで、今回、直木賞を受賞されたとのことで購入しました
思いテーマを扱い、凄味のある小説だと思いました
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No.110:
(5pt)

圧倒されました!

桜庭一樹が女性だということも知らずにいた頃、たまたま短編を読む機会があり、この作家は凄い!と思ったのがきっかけで直木賞受賞のこの作品を読みました。
見事に期待を裏切らず、圧倒的な作者の筆力の高さに最後まで引き込まれました。
アルバムを最後から遡って見るような構成にも斬新さがあり、大変おもしろかった。
時間の流れの最後が最初に来た為、その結末を知っているはずが、過去を遡って行けば行くほど、新たな発見と理由が明白になっていく。主人公二人の常識を超えた行動も、知らず知らずのうちに共感させてしまう不思議な力がありました。
主人公、花は非常に美人だとか可愛いとかいうのではなく、でもどこか魅力があったり、また見る者によっては不吉な存在であったり。
またもう一人の主人公、父親の淳吾はおちぶれた貴族のようだという表現のように、魅力的だけど、浮世離れし、世間とは馴染めず生気を無くしたような存在に描かれています。
二人とも深い影を背負って生きる姿は、哀愁などという次元を飛び越えて、腐った匂いにむせ返るような暑苦しいさ、または極寒の冷たさを感じずにはいられません。
しかし、だからといって暗く辛い感じしかしないか、というと決してそうではなく、どこか温かい静寂に包まれていて、それでいて愛情という情念がとことん深い場所に達した場合、人間はどういう道を選ぶのか、ということを考えさせられた作品でした。
確かに、内容的には好き嫌いが分かれる作品でしょう。また、近親相姦も話題になっていますが、二人は実際には遠縁の親類なので、戸籍上は親子でも、実質的な血の濃さ、繋がりはそこまで問題にすることではないように思えますし、何よりその事が読んでいて救いだったように感じます。
殺人事件も絡んできますが、最後は必ず犯罪者は捕まるか死ぬ、というお決まりのパターンではないのも良かった。こんな作品があってもいいかな、と思います。
主人公が若い娘で、小学生まで遡りますが、子供向け小説ではありません。大人の読み物です。かと言ってアダルトに走り過ぎることもなく、小説ならではの独特の世界感を堪能したいという方にはお勧めです。
今年、映画化されるとかで、とても驚きました。到底、映画やドラマ化は無理だろうと思っていたからです。それでも、どこまで表現してくれるのか楽しみです。
桜庭一樹・・・現在、進化の途中とのことで、とても侮れません。
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No.109:
(5pt)

私の男とは

「その、光ってるのが、わたし。わたしという女そのもの。血の、人形よ。ねぇ、おとうさん、忘れないでね」。章を追う毎に年月を遡っていく構成には感心。高村薫の『照柿』を思い出したという感想があったが高村ミステリーとは毛色が全く異なる。桜庭一樹先生というと少女の成長物語を連想するが、構図は一連の作品群と同じである。
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No.108:
(5pt)

内容について

私が上京するまで住んでいた故郷が舞台だけに興味がありとてもよかったです。
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No.107:
(4pt)

貪り合う

淳悟は、花の父親ではなかったのです。

出産も、育児も経ず、写真は目にするものの会った事すら無く。出会った瞬間には既に9歳で初潮を迎えた少女でした。
花には物心ついた頃から父と母がいました。淳悟は突然現れた、自分を愛してくれる初めての男でした。
子供を生んだ瞬間に親になるのではなく、子供を育てながら親になっていくのだとすれば
淳悟と花が出会った時、そこにいたのは父と娘ではなく、男と少女だったのです。
近親相姦、インセスト・タブーを前提として見るからこそ顔をしかめるようなインモラルな物語ですが
その実、装飾を剥がしてしまえばお互いにお互いを貪るだけの男と女の物語です。

満たされなかった愛情を収める穴を埋める為、擬似的にでも家族を欲した男は
”人に求められたい”という欲求を満たしてくれる人を求めます。
しかし、普通の、家族の愛情を知る女はいつしか満たされてしまいます。満足を知っているからです。
満たされてしまったが最後、器には何も注ぎ込めません。男は求められなくなってしまいます。
満たされることを知らない底の抜けた器の男は注がれ続けていなければ渇いてしまいます。
男が求めているのは愛情という名の執着であり庇護欲であり独占欲です。男は誰かを満たす事でしか満たされません。
男が生きていくには決して溢れる事のなく、注ぎ続ける事が出来る愛情の矛先が必要でした。
愛された事がなく、愛するに足る十分な理由と愛されるに足る十全な体裁があり、愛されなければ精神的にも社会的にも生きることの出来ない少女は
男にとって救いの女神であり、尽きる事の無いオアシスであり、賽の河原の石だったのでしょう。

実は血の繋がった娘だとか、実は親戚を中学生の頃に孕ませた結果だとか
地震で血の殆ど繋がらない家族が押し流されて天涯孤独だとか実は母親に愛されていなかっただとか
そういった要素は全て”結ばれてはならない禁断の愛”や
”優しく、魅力的だがどこか影を帯びた男”を修飾する為に用意された舞台装置でしかなく
その結果として演劇的、更に言えば漫画的に感じてしまう事は否定できません。
登場人物も必要な役割の為に作られた設定、ギミックとしてのキャラクターが目立っているように感じます。
読書中、どうしても、頭のなかで実写、映像として描けず、漫画のコマ割と構図を紙面で見ているように感じました。

読後に作家さんの情報を調べ、女性作家と聞いて腑に落ちる点が多々ありました。
また、この作家さんの作品は親を悪として描き、少女を囲われた無力な存在として描き
ある日突然現れ、停滞した泥濘から救い出してくれる救世主のような存在が描かれている事が印象的です。
お伽話の時代から続くシンデレラの類型というだけではなく、作家本人が無力だった頃の救済願望の投影なのでしょうか。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302

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