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赤朽葉家の伝説
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赤朽葉家の伝説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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始め勘違いしてた。てっきり本書が直木賞本だと。それにしては結構荒唐無稽だなー…と 一部の遠野物語的不穏さがかなり楽しかった。それと共に、理不尽だが何となく人として健全な気がするのはどういう郷愁なんだろう 1部の雰囲気がかなり好み的中だったから2部3部と現代の享楽感が出始めるとどうもうまく切替え出来ずに戸惑ったが、全般楽しく読みました 高校時に「ノストラダムスの大予言」話をバスの中で大声で交わし「その頃二十〇歳だから、それでいいや~。それ以上生きてもおばちゃんじゃん」とか言ってた赤っ恥記憶が蘇った… | ||||
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桜庭一樹さんの本です。ずいぶん昔に読んだのですが、久しぶりですね。¥ 思いのほか面白かったです。とくに、話のドライブ感が良いですね。 物語としては、山陰地方で製鉄業を営む名家「青朽葉家」が、山の民の末裔である万葉をなぜか見初め、長男と結婚させる。 万葉は「千里眼」の持ち主で、思わぬことから未来を予見できたりする。 子どもをたくさん産むも、長男の泪は夭折するだろうことを「千里眼」で見てしまう。 次女の毛鞠はヤンキーで、地元でぶいぶい言わせるものの、高校卒業の年にレディースを卒業。なぜか少女漫画家としてデビューし、大ヒットをとばす。 長男の泪は大学生時代に夭折、製鉄業を継ぐ男が絶えてしまう、ということで、この毛鞠は結婚を求められ、結婚。製鉄業はこの婿でなんとか持つ。 毛鞠は瞳子を生み、漫画の最終回を書き上げ、死んでしまう。 赤朽葉瞳子は、万葉が死の際に「わしはむかし、人を一人殺した」という告白をずっとひきずっており、この謎を解こうとするが…。 万葉、毛鞠、瞳子という、現代に連なる三代の話ですが、それぞれの時代背景がきちんと踏まえられていて、さらにその時代認識が鋭いんですね。 話としては現実感はないように思われるのですが、この作者さんの筆力がその批判を跳ね飛ばしているように思います。 キャラもたっていて、それぞれの思惑が事件を生むということで、とても面白いです。 とりあえず、長い本でしたが、読んでしまいました。爽やかな読後感があります。良い作家さんだと思います。 | ||||
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大河小説・伝奇小説として読んだので、第3部のミステリーの部分が蛇足だと感じました。ここまで詰め込む必要が果たしてあったのかどうか疑問です。 | ||||
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このミス国内編2位。日本推理作家協会賞受賞作。 そりゃ、面白いにきまってるでしょうという気持ちで読み進めたのですが・・・。 う〜ん。 最後まで、読めました。でも、思わせぶりな設定や、時代時代のエピソードが派手なわりには、あまり必然性がないというか。(泪の性癖や死、毛毬の異母兄弟寝とりの百夜が見えないこと等)次々といろいろなことはおこるけど、登場人物の考え方や生き方に共感できないため、泣いたり笑ったりができない作品だった。 最近のこのミス上位はたいしたことないな。。残念だけど。 | ||||
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2006年に出た単行本の文庫化。 山陰のとある町の、製鉄業を営む赤朽葉家の「昭和」を描いた壮大な物語である。戦争、公害、不良、少女漫画の流行、バブルと時代を彩ってきた要素が詰め込まれ、そのなかで多くの人々が死んでいく。 小説としては、展開が早すぎておもしろくなかった。この著者はもっとじっくり書いたほうが味が出ると思う。 ミステリとしては、設定に驚かされた。終盤になっていきなり謎が突きつけられ、それまでのストーリー展開はこれのためにあったのかとワクワクさせられた。しかし、結局は肩すかしに終わっていてガッカリ。もう少しちゃんとした謎解きにすれば、傑作になったかもしれないのに。 | ||||
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うーむ、ストーリー勝負と言うより、登場人物の魅力で勝負の小説です。 すなわちキャラ立ちしているかどうか。 三章からなる小説なんですけど、一章は面白い。 出てくるキャラが皆特徴がある。 この小説は面白い!という予感をさせます。 第二章。 ここから怪しくなります。 赤朽葉毛毬のキャラは立っています。 ただ少女漫画家になる必要があるか???? 作者がただ単に自分のフィールドに引っ張り込みたかっただけのように思えてなりません。 そこがものすごく不自然。 第三章。 帯にもありますが、赤朽葉瞳子のキャラは全然立っていません。 この章で謎解きがあるんですが、あまりにもキャラが立っていないので、謎解きもなんだかなぁ、となってしまいます。 キャラを立たせずに謎解きさせる、と言うのが狙いなのかもしれないですが、尻つぼみだなぁ・・・・と思ったのは僕だけでしょうか? 四回転を見せられた後に、二回転ジャンプで転倒、と言うイメージです。 前半は良かったんだけどなぁ。 あとこの作家、漫画化、映画化を意識しすぎじゃないのかなぁ? 「七竈」でも思ったけど。 「私の男」は間違い無く星五つだったので、ちょっと残念。 星3.5だけど、後半の印象が悪く星3つとします。 | ||||
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ミステリーの体を成している部分は終盤100ページぐらいで、後は語り手による人物紹介とその人物の出来事が主だった内容です。ですのでそういった部分は期待せずに読むことをオススメします。 語り手のパートになるまでは心情がどうこうという事はなく、ただ淡々と物語が進みます。 最後は少しだけ無理矢理感がありますが、それで後味が悪くなるだとかそういうことはないので、これでいいのかな。と思います。 なので主人公に感情を重ねて読みたい方、もしくは歴史小説が苦手な方は読んでいて少し苦しくなる部分があるかもしれません。 ただ文章に硬さがあるわけではないので、同氏の他作品が読める方であれば、きっと楽しめるはずです。 | ||||
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ビミョー…。 変な話として面白い部分と、 ひねりのないただのヤンキー列伝の部分とがあり、 章によっては面白かったり、面白くなかったりするかなぁ…。 個人的には「七竃〜」の方が面白かったです。 | ||||
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最初にはっきりと言っておきたいのだが、この「赤朽葉家の伝説」は、いわゆる推理小説の範疇に属するような作品ではないと思う。こうした類いの作品に、生粋の推理小説ファンにあらぬ期待を抱かせるような「日本推理作家協会賞」などという冠を被せてしまう選考委員の見識は、私はどうかと思う。 と、ここまで純粋な推理小説としての評価としては厳しいことを書いたのだが、この作品を一般小説として割り切って読んでしまえば、決して面白くない作品ではないと思う。 この作品は、三部構成となっており、赤朽葉家の三代の女性を中心に描いた物語だ。物語の構成としては、終戦後から現代に至る日本の世相の移ろいに、登場人物の設定を投影させるという手法を取っており、決して深さを感じる物語でもないのだが、不思議に、それなりに面白く読めるのだ。おそらく、特に、万葉、みどり、タツ、真砂、毛毬、百夜、蝶子といった女性の登場人物のキャラクターの作り方が非常に上手いのが、この物語を面白くさせている大きな要因になっているのだろう。 この作品は、全三部のうち、第二部までには全くミステリ色はなく、全体の75%以上が経過した第三部に至ってようやく過去に起こったという殺人事件が明らかにされ、やっと推理小説らしくなってくる。ところが、皮肉なことに、物語としては、逆に、ここからパワーがガクッと落ちて、凡庸になってくるのだ。その原因は、現代日本の世相を反映させた瞳子のキャラが、万葉や毛毬と比べると、あまりに平凡で魅力に乏しいことと、推理小説としての内容の乏しさの両方にあると思う。 推理小説として見た場合、素人探偵役の探偵振りは、探偵のレベルにも達していないものだし、真相をミスリードしているある出来事も、そのままストレートに描いたのでは推理小説にもならないということから、読者を惑わすために無理矢理仕込んだとしか思えない苦しいものだ。厳しいことを言うようだが、推理小説としては、見るべきものは全くない作品だと思う。 | ||||
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私個人的には、推理小説として購入し、その思い込みのまま読んだので、殺人事件、犯人そして、謎解き、期待を裏切るどんでん返しといったお決まりのパターンでなく、どちらかというと時代物を読みきった後の満足感に近いものを得た感じです。そういった点では、面白くファンタジー溢れる作品で、決して嫌いではないですし、とても面白く一気に読みきりました。ただトリックにはめられたという「やられた感」を求めていたので、ちょっぴり不完全燃焼。 | ||||
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このミス2位で、第60回日本推理作家協会賞の作品だが、読了して、ミステリ小説ではなく女三代にわたる大河小説であると感じた。鳥取県の赤朽葉家の祖母、母、孫の生涯を日本の昭和史と重ねて描写している。作品は1部、2部、3部と分かれていて、3部だけミステリの要素があるが、その内容も結末もミステリ小説としてみると大したものではないので、ミステリ小説を期待しては読まないほうが良い。当然どんでん返しの結末があるわけでもない。一応3部の最後のほうで、祖母の残した言葉の謎が解かれるが、インパクトが薄く正直そんなことはどうでもよいと感じた。話としてつまらないわけではないが、私の好みの内容ではなかったので評価は普通である。 | ||||
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祖母万葉が山の神の娘、とするとレディースの頭で伝説の漫画家になった母:毛毬は巫女、そして語り手:瞳子は可能性を秘めた主人公とか。 物語は昭和の歴史と並行してるけど、『浮世離れ』と言う感じがします。 最後のなぞ解き、読者への瞳子の呼びかけは期待倒れなこともありファンタジーとして読むのが妥当と思います。 | ||||
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桜庭作品の中では、推理作家賞をとったということで、直木賞受賞作とともに有名な作品。ミステリかとおもいきや、山陰地方につたわるサンカという謎の人々をモチーフに、主人公が自分のルーツをかたるというスタイルをとっている.祖母・母・主人公の時代背景は戦中戦後から復興、高度成長期、バブル期そしてその崩壊後、斜陽化してゆく現在の日本へと流れていゆく。その中で変わりゆく人々の、特に若者の価値観、人生観を考察した論文のような作品。もちろん、推理小説でもミステリでもなく、伝説というより、歴史程度だろう。サンカの末裔である万葉の千里眼、未来予知能力で激動の昭和をのりきってゆく赤朽葉家だが、千里眼の視点が作者の都合のいいように設定されていて、違和感を感じた.どの未来視もどこの誰の視点で見たのかわからないもので、だれも見ていないものがなんでも見えるのであれば、何でもありになってしまう.その時点で話は論理破綻をきたして嘘、作り話になる.主人公の彼氏が言うように、結局は万葉の作話だと言われても反論できない.昭和の人間なので、ああこういうこともあったなとおもいながら読めたが、初期の作品に比べるとレベルが落ちていると思う. | ||||
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題名とテーマからしてもっと暗いそして民俗学的な作品かと思った。 祖母の万葉の時代には少しはそんな重さがあったし、そのように進んでいくのだと思ったら、全く異なり、テンポも早く、あっという間に山奥の町が現代に飲み込まれていく様を軽妙にテンポよく描いている。 作者が山陰の出身だからかえって日常の生活をそれほどミステリアスに描くのは難しかったのかもしれない。 万葉の時代の「千里眼」や嫁入りそのほか、古き時代の不思議な出来事、民族的な小説がが途中からまったく別物になってしまった。 しかし作者は十分力量がある。テーマとして「山の民」など民俗学的な伝説の方が面白いかもしれないが、むしろその娘毛鞠や瞳子の物語の方がイキイキと描かれていた。 そういった感性的な文学を今の作者に、若くて様々な事を吸収しているこの時期に描いてもらいたい、と思った。 題名からすれば祖母の物語がもっとウエイトを占めるのを期待してしまうが、むしろそれよりもその後に続く二代の物語の方が作者の良さが出ていた。 特に行き場のない瞳子のつぶやきや地方の就職事情など、世代が違う若者の心の中が垣間見れた。 | ||||
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「このミス」第2位ということで、桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)を読む。やけに鳥取に詳しいな、と思ったら鳥取出身らしい。年はいくつなんだろう? 千里眼の祖母万葉、漫画家の母毛鞠、そしてニートの書き手である瞳子の鳥取の旧家に生きる3代の女たちを描く大河小説。毛鞠はぼくの一コ上なので、時代背景は懐かしかった。 読み応えはあったが、これってミステリなの? | ||||
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桜庭一樹の新作ということで期待して読んだのですが、感想は当たりだったような気もするし、外れだったような気もします。 雰囲気自体は良いんですよ。 私は20代で高度成長期やバブル、ましてや戦前の時代の空気など想像の上でしか知りませんから特に問題なく楽しめました。 むしろこんな時代だったのかなぁとおおざっぱな想像ができて楽しかったです。 ただ瞳子の時代がねぇ・・・。 あんなまとめ方をされて涙を流しちゃう瞳子は相当乙女と見えてちょっとついていけなかったです。 どうせなら万葉の波瀾万丈人生期にした方がすっきり纏まったような気がします。 時代が下るにつれて知っていることが増えて粗が見えてくるというか。 いっそのこと架空世界の家系の物語にしてしまえば粗も見えなかったんでしょうけれども・・・。 | ||||
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横溝以来、私が「山陰」に持つ勝手なイメージそのままに、旧家に纏わる不思議で怖い話が進んで行くのかな、と思いましたがどうやらそういう重厚な感じではなく。途中で、あぁしかしこれは自分も知っているずいぶん最近のことなのだ、と何か不思議な思いに駆られました。私の知っている20世紀末とは違うように。 この作者の持つ「湿度」感がちょうどよい具合であったのでは。 同じ50年の年代記なら、私は作者の別の作品の方が楽しめた。しかし、彼女のホームはこっち?とも感じた。 | ||||
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万葉、毛毬、瞳子三代の赤朽葉家の女性を、文字数多く丹念に書き上げた物語。瞳子が語り手となって、主人公3名の人物像を昭和史を交え、表現する辺りには好感を持てました。しかし、ミステリーとしては結末があまりにもお粗末で、赤朽葉家の伝説?を空想し、緊張感が高まった部分に水を差していると思います。本来ミステリーと呼ぶべき小説ではないと思うし、伝奇小説としても結末が少し弱い。でも実力ある小説家とは思いますが。 | ||||
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これはミステリーではない気がします。ミステリーと言ってしまうには、 あまりにも最後のオチがお粗末でした。 女性の半生記としては興味深かったです。 もう少し、最初の万葉を、その時代と心情を深く掘り下げて丁寧に書いていたら、 もっと読み応えのあるものになったのではないかと思います。 少し気になったのは、古い時代に急に現代の言葉遣いや感覚が入るので、 古い時代の雰囲気から急に目を覚まされる時があり、それが残念でした。 不良から少女漫画家…二代目の話は、コメディかと思いました。 この話はリアリティか、それともフィクションでいきたいのか、頭が混乱しました。 | ||||
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1953年(昭和28年)から現代にかけて、鳥取県西部の旧家である赤朽葉家(あかくちばけ)をめぐる栄枯盛衰、因縁のドラマが、三代にわたる女の視点で語り紡がれていくストーリー。 最初は、未来を視る千里眼の力を持った祖母・万葉(まんよう)の物語。次は、万葉の四人の子供のひとり、長女の毛毬(けまり)の物語。最後は、わたしこと、毛毬の娘である瞳子(とうこ)の物語。ミステリー小説の素顔を覗かせるまでの件りが長く、話のかなり先のほうまで、これのどこがミステリー小説なんだろうと、やきもきしながら頁をめくっていました。 で、ある人物が、死の直前に言い残した「むかし、人を一人、殺したんよ」の言葉をきっかけに、俄然、ミステリー小説の謎と謎解きの展開が始まるんですね。それまでに語られた話のどこかに真相が隠されているはずと、わたしこと瞳子は、謎の言葉の正体を探っていきます。 ぶっちゃけて言ってしまうと、この終盤の謎解きの箇所が、あんまり面白くなかった。その前の二代にまたがる赤朽葉家年代記の件り、殊に数奇で破天荒な「毛毬の物語」に引き込まれたのに比べて、割と早い段階で推測がついてしまった謎解きの部分は、いまいち面白味に欠けました。 移り変わる時代の中、宿命の縁で結ばれた女たちの人生を綴っていくドラマ、これはかなり面白かったです。でも、期待した終盤の展開が思ったほどでなく、ぱん!と弾けるものがなかった。そこが残念。 | ||||
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