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陰摩羅鬼の瑕
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【この小説が収録されている参考書籍】
陰摩羅鬼の瑕の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全115件 81~100 5/6ページ
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| 何と言うか、待った割には・・・、という作品である。冒頭にクライマックスの一部を持ってくる点で「絡新婦の理」の構成に似た感じであるが、その効果、読後の感想はあまりにも違いすぎる。これまでの京極氏が出してきたものとの比較をするのがあまりにも酷な作品である。「死」について繰り返されるやり取りや鳥の説明などまどろっこしい事この上ない。京極氏の特徴といえばその通りであるが、程度問題だと本作に関しては感じた。個人的には多々良先生主役の「今昔続百鬼―雲」以来の「駄作」である。 | ||||
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| 全巻読んできたファンには、しょぼすぎたのでは?とにかく、誰が、どんな動機で犯罪を犯したのか、すぐわかる。そして、今まで、その予想が裏切られたのが京極堂シリーズの真骨頂なのだが、今作はそのまんまだ。かつ、このシリーズにおいて、トリックなんてのはどうでもいい。ただ、こんな考え方で、人は犯罪というものをしでかしてしまう、そしてそれは、誰にでもありうる、それを実感させるのが京極作品のすごいところだと思っていたのだが。しかし、これはちょっとおそまつだ。また、今回は、知識の披露も効果的でない。この人は、民俗学など、文系的な知識の大家というイメージがあるが、実は、テーマは理系的な素養であることが多く、それが私にとって新鮮だった(「うぶめ」は量子力学、!「もうりょう」は大脳生理学、など)。この「おんもらき」はややそれっぽく「ハイデガー」が出てくるが、消化不良。かつ、文系的伏線である「うぶめ」の形状が土地によって異なる(=伯爵は死の概念がちがう)なんてのも、あまり感銘を受けなかった。京極夏彦が、このシリーズを上梓することを長く休んでいた理由がわかった。彼は、当シリーズを書き続けることに苦しんでいるのではないだろうか。それでも、800ページ弱の作品を読ませる筆力には敬意を表するものである(だから★3つ)。 | ||||
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| 実存主義、儒学、朱子学、仏教、民俗学とあらゆる情報量を提供されながら、この話はどこに向かっていくのかと思ったら、それらを見事に収斂させた驚天動地の結末には、思わずのけぞり返りました。京極夏彦、恐るべし。 | ||||
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| 前回の宴が華やかだったので、今回はページ数も減り、すぐ読めてしまって少し淋しい感じ。でも内容はおもしろかった。どういう展開になるかは途中で想像がついたのにも関わらず、そこにたどり着くまでの関口の独白、伯爵の独白、京極道の憑き物落としの語りが、いつものとおり興味深いものがあった。また脇役の伊庭元刑事もいい味を出していたような気がする。読んだ後に不思議な印象を残す作品だった。言葉で語りつくされているので、わかっている気になっている観念も、突き詰めていくと、まるで蒸発していくように形がない。規則は嫌いだけれど、言葉という記号の持つ意味が、規則として成立しているからこそ、私たちは普通に生きていくことができるのかもしれない。そう考えると、本当に世界とはも㡊??いものかもしれないなと思った。 | ||||
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| いつもの年とは違う、じめじめ退屈な夏休みに一気に読んでしまいました。京極氏の今までの作品の登場人物や時期の設定が複雑に絡み合っていてもう一度それらを確認するのがまた楽しい。先に発売されている百器徒然草-雨での榎木津氏の設定が「なるほどコッチが先の事件だったのね~」と納得!それにしても京極氏の書く犯人像はいつも切ない気持ちにさせてくれます。読んで損はない一冊だと思います。 | ||||
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| 「姑獲鳥の夏」を読んだときに一番感心したのが、この人の作品には傍若無人な探偵・榎木津や、鬱を抱えた小心な関口が登場するわけですが、このアクの強いキャラ設定が、小説に彩りを添えるためにではなくて、作品の成り立ちになくてはならないものとなっている、ということでした。そういう意味でこの作品は、一読して最初の作品に還ったと思ったのです。関口の壊れかたは一層進んでいるのですが。前作を読んで京極堂はどこへ行くんだ、と不安に思っていた人には、やっぱり鮮やかに憑き物落しをしてくれなくては、とすっきりする読後感です。反面、こんなにすっきりしていいのか?という気もします。マンネリを通すことで人気を維持しているシリーズ作品は他にいくらもあるのに、変わってほしくな!い、でも意表をついてほしい、読者とはわがままなものです。謎も過去の作品に較べると、ちょっとわかりやすかったかな。 | ||||
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| 常人の認識の隙間を鮮やかに突いてくる手法は相変わらず。さすが、としか言いようがありません。今回はシリーズの中でも特にわかりやすかった(主題や構図が)ように思われますが、それだけに“考えさせられる”内容でした。京極堂シリーズは順を追って読まないと理解できない部分があるのですが、この作品は初めて読んでもそれなりに愉しめるのではないでしょうか(もちろん、京極ワールドを満喫するには、全作読むに越したことはありません)。ファンには待った甲斐のある、京極作品に初めて触れる方にもお薦めしたい、そんな一冊です。 | ||||
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| 久々に、京極堂・関口・榎木津・木場と初期メンバーだけのシンプルな登場人物。(今までに出てきた人と言う意味で。)1巻のように関口視点が多いかな~。物語もとてもシンプル。犯人は誰だか分かっているが。あちら側である犯人の心の論理を暴くのがストーリー。といっても、これでもかという伏線のおかげで事件のオチは途中で分かります。でも、京極作品はトリックを求めて読む本ではないので全く問題ありません。今回のテーマは「儒教」。いったいいつまでネタがもつのだろうか?こっちが心配になってしまいます。ちょっとこの作品はシンプルすぎるので京極夏彦の作品の中でも傑作とはいえない気がする。とはいえ、京極堂を初めとした主要4人のキャラが立!っているので、面白く安心して読めます。このシリーズをず~っと続けてくれないかなぁ? | ||||
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| お久しぶりの京極堂シリーズ新刊。読み進めていくうちにじわりと体に浸透してくる怖さと面白さ心地よい。本の中で起こる事件の全容は半分ほど読めば大体察しがついてくるものではあった。それでも最後まで読まなければこの話の真理をわからないと感じさせ、そしてそれは間違いではなかった。重厚な雰囲気とは違い、読後感はどこかすっきりしている。察しがついたものを良い意味で裏切っていないからなのか。話として素晴らしいものだが私個人の趣味からいって、宴や理よりも劣るため星は4つに。 素晴らしく面白く、しかし哀しい。そんな話だ。そして自分を振り返る。我が人生に誤謬はないか。 | ||||
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| ネタバレとか、そういう事はこの際あまり気にせずとも良いだろう。本作に限っては、普通のミステリファンなら比較的簡単に真相にたどり着く事が可能だ。むしろここで問題になるのは「動機」である。犯人はなぜこんなことを仕出かしたのか。そして、京極堂はこの事件にどう収拾をつけるのか。いかにして、「憑き物」を「落とす」のか。読者の興味はそこにこそ集中する。そうした意味では、「覗き小平次」の山本周五郎賞受賞で興味を持ったという新来のファンには少々不親切。「姑獲鳥の夏」以来の京極堂シリーズの愛読者にのみ理解できる世界であると言えるかも知れない。むしろここは、彼独特の圧倒的な文章を味わって読みたい。涙もろい読者はラストの一行に「う」、となる事請け合いである。舞台は昭和!20年代だが、命の重さがどんどん軽くなり、「死」を実感できない若者が増えている現代を憂える作品でもある。 | ||||
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| ついに「京極堂」の新刊が!!あの厚みすら楽しみで手に取った作品ですが、妖怪ミステリー(?)らしいどこか禍々しいモノや妖しさがトーンダウンとていたような。犯人についてはなんとなく「あの人」と予想ができるところもあって読みごたえに欠けるかもしれません。何よりいつものメンバーが登場しきっていないのもがっかり?というわけで☆☆☆でした。 | ||||
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| いつもの饒舌があだになって、これではヒントの与え過ぎ。初読ならともかく、辛抱強くシリーズに付き合っているファンの多くは作者の思考パターンというかロジックの組み立て方が身に染みてるはず。あまりに「推察したとおり」の展開なのでちょっとがっかりです。「認識のずれ」一本勝負もそろそろ正念場でしょうか。いずれにしても今回はちょっとシンプル過ぎた気がします。 | ||||
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| 面白いです。読み応え十分でした!厚みがうれしい一冊で。なんとなく、今までになくさっぱりした分かりやすい話だったなあという気もいたしましたが。このシリーズをご存じない方、いきなりこの本から読まれても大丈夫かもしれませんよ?オールドファンは当然読みますよね。ね。 | ||||
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| 待ちに待ったと言う感じですね。勿論お勧めできます!今回は今までのシリーズのような多くの伏線が見られなく、物足りない方もいるのではないかと思います。けれど、あらかじめ読者が真相を予測してしまうと言うのが作者の意図なのでしょう。それを踏まえてのラストはあなたの目で確かめてください。瑕つけられます。 | ||||
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| ~Who done it? ではない。Why done it? でも How done it?でもない。すべては最初から分かり切っていること。「世の中には、不思議なことなど何もないのです」すべての京極小説は、言葉の力で不思議を不思議でなくす醍醐味が魅力であったが、この陰摩羅鬼に関しては、最初から不思議なことがない。全くない。~~ものすごくシンプルな、長い話を、それでも読ませる京極の筆力には驚嘆するが、このシリーズの中で傑作かといわれると疑問が残る。とはいえ、一夜にして読んでしまったことには変わりがないが。~ | ||||
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| なんとなくトリック?はわかってしまうのですが、その後読んでいくとああ、と思わされます。読後は、余韻が素敵に残りました。美しい日本語と、京極堂の語りは変わらず、真実を明らかに。でも、かなしいですね。 | ||||
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| 生きて居るコトの意味。生きて居るコトに果して意味はあるのか。生きる事=不安=不安とは何か。最初の21ページまでに全てが語られている。京極作品に通奏低音のように共通するテーマ。「人の存在とは」「脳と心の関係」日常に埋没する存在者としての不安。そこから解き放たれるべき本来的な存在。モノとしての人、物質的な存在は世界との交渉関係の中にある。それは本質的。しかし存在そのものは世界との関係性とは無縁の絶対的な意識。意識とはなにか。心とはなにか。無自覚な人間は存在を外に求め、寧ろモノとして強く在りたいと願う。呪を自らかけることで安心する。伯爵は、逆説的にモノとしての存在がある事で、人は死なないと自ら思い込んでいたのです!ね。確かに、死んだ人間を思う事と、数年間会っていない友人を思う事に、差異はないと考えられます。死んでいると認識できなければ人は、誰かの意識の中で永遠に生き続けるのですから。 | ||||
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| もう肩が凝るわ筋が張るわ。久しぶりに京極作品の重さを実感。(言葉通り、肉体的な意味合いでですが)★の数が3つというのはこのシリーズの前作達に照らし合わせて、というところ。からくりは様々な人が言われるようにこれまでと比べ容易にわかりますが、著者としてもそこは承知の上でしょう。それに気づいたとしても面白いというのが京極作品の魅力だと思いますが、今回は私の中では3つ、です。まあそんなことを言いつつも、あの小説家の哀れなことやらあの探偵の相変わらずなことやらあの刑事の出番の少ないことやらあの古書肆のうんちくの長いことを存分に楽しめ、ついつい京極の掌の上で踊らされてしまうのです。 | ||||
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| 今にも倒れそうな関口、傍若無人の榎木津、突っ走る木場、渋面の京極堂とやっと揃った面々を前に言う事なし。 更には路上で朦朧となった関口に語りかける謎の作家の登場や姑獲鳥の新解釈など楽しい趣向が満載である。 京極ファンなら、是非とも購読されたい。読み進む内にゾクゾクとした恐さが、行間から溢れ出て来る。 「姑獲鳥の夏」から京極作品に邂逅した私としては、それぞれのソロ活動も、それなりに嬉しいが、 このカルテットの織り成す、複雑なリズムとハーモニーのぶつかり合いこそ待ち望んだものだ。 そして、ソロを取る主旋律の憑物落としが、哀しくも不可思議な世界を解き明かし鎮める。 出来れば今後も彼らの演奏を一作でも多く聴かせ賜えと、かしこみかしこみもまをす。 | ||||
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| かなり早い段階でネタはわかってしまいますが、それでも最後まで一気に読ませるのは流石です。今回はネタそのものよりも、そこに到る哀しさというかせつなさが胸に迫ります。2回、3回と憑き物落としのパートを読み返していると涙が...。 | ||||
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