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陰摩羅鬼の瑕



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陰摩羅鬼の瑕の評価: 3.71/5点 レビュー 121件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.71pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全121件 21~40 2/7ページ
No.101:
(5pt)

私も鳥が怖い

これまでのシリーズの中でもっとも登場人物が少なく物語の構成がシンプルでした。
またかなり前半で犯人や物語の展開が読めてきますが、このシリーズは犯人が途中で解っても
つまらなくなることはありません。 
謎解きや犯人探しがメインのミステリではないと思います。
読み手がいろいろと面白いところを探してハマってゆくのですねえ。
 今回は関口と榎木津の躁鬱コンビ(失礼!)で話が進んでゆきます。
この組み合わせ、実に不安定、関口の語りにもそれが多く表れて、読者はさらに不安が増します。
関ちゃんの心理状態が読み手に伝染してきます。
ああ、私も鳥が苦手だから余計そうなったのかもしれないな。
 由良伯爵との会話がすごく印象的でした。
クライマックスの関口と榎木津の行動が奇妙奇天烈でありながら、結構くるものがありました。
林の中を植物に足を取られながら必死に駆ける関ちゃん、間に合わないのがお約束でも
読後はやり切れない気持ちになります。
 しかし、私はこのシリーズの登場人物では関口巽に一番肩入れしてしまうので、
この物語は彼が結構活躍できてカッコいいところもちょっとみれて良いっ!

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.100:
(3pt)

物足りない

かなり序盤でオチが見えてしまった。が、如何にして京極が落とすのか、エノさんは何を仕出かすのかを楽しみに読み進めていましたが、特にどうという事もなく、また姑獲鳥〜羅山の辺りはくど過ぎて眠くなり、今までの作品と比べると、すっきり読めませんでした。読み進めながら謎が深まっていき、登場人物たちと共に「何だ? 何が起きているんだ??」と思わせる展開、それがこのいつもブ厚い(笑)小説を苦もなく読ませる持ち味だと思うので、ちょっとこれは品質が落ちてるかなと。塗仏の次の話という事で、メリハリを付けたのかな? 次作にも期待してます。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.99:
(4pt)

京極流哲学書

今回のお話は元華族の豪邸でおこる連続花嫁殺人事件。謎は序盤でわかってしまいますが、このお話の主題は儒教思想、生と死、日本における仏教と儒教の関係のウンチクです。陽明学、朱子学、論語、孔子など名前は知っていますが、全くの無知の私はその一端に触れ、しきりに感心した次第です。今回は久しぶりに関口くんが登場しますが、どうにも鬱が悪化しますね。榎木津の破天荒さで吹き飛ばしてくれるので、なんとか読み終えられました。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.98:
(5pt)

関口君大活躍。

前作の超長編を体験していたので覚悟していたのですが、今回は京極堂の歴史解説うんちくが少ないせいか、大変読みやすくなっていると思います。
今までの百鬼夜行シリーズは飛ばし読みは厳禁でしたが、今回は多少飛ばしても、理解できます。(私はもともと本を読むほうではないにも関わらず、本シリーズにハマってしまったので、気が抜ける感じで、なんとなくほっとしました。京極氏はこんなこと意図していないと思いますが…。)
推理小説ではなくても推理をしてしまうミステリー小説。今回は生死観、儒教を主に取り扱っています。ほとんどの読者は最初の段階で犯人の察しがつくと思いますが、京極堂の憑き物落しでは、やるせなさを感じます。しかし、思ったよりも切ない気持ちが残らなかったのは、ラストシーンでのやり取りがあるからだと思います。
前作で完全に「壊れた」関口君ですが、今回はちょっと逞しくなった気がします。今後の彼の活躍に期待。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.97:
(5pt)

2巡目の「姑獲鳥の夏」

 ノベルズ版で読みました、4回ほど。
他の方と少し見方の違う話をします、初回物語の内容が少々物足りませんでした、しかし2回3回と儒教の解説に惹かれ読んでおりますと。「これは「姑獲鳥の夏」の創り直しではないのか?」と思えてきました。
 前作「塗仏の宴」でおそらく今後宿敵となって現れると思われる「堂島静軒」が登場しているのですが、その堂島大佐が登場せず、またお話のスケールがとても小さく創られているように思いました、「姑獲鳥」以降徐々に物語の持つ空間が広がってきたことを考えれば不思議でした。
 そこで思ったのは「塗仏」で物語の第1幕が終わりこの「陰摩羅鬼」で物語の第2幕が始まったのではと思いました、それほどこの物語の骨格は「姑獲鳥の夏」に似ています。
 果たせるかな次の「邪魅の雫」は「絡新婦の理」の人が人を操る姿の組直しに読めました。
「邪魅の雫」の次「鵺の碑」はどうゆう物語になるのか期待しております、第1幕の外側に第2幕の物語を数編組み上げ、そこで再び法の外に居る絶対悪意「堂島大佐」と対決する。
そのような構成になっていると思えてなりません。
 京極先生は水木しげる先生から「妖怪」のみならず「先の戦争」への怨嗟をも引き継いでおられる様に思います、水木しげるという人物が戦争で受けた心と体の傷を京極先生は我が物として物語は広がってゆくのではと思います。
 
 思い過ごしでしょうか?
 京極堂シリーズは是非とも出版順に読まれることをお薦めします。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.96:
(5pt)

悲し過ぎる

駄目だという評価が多いが、それは今までのシリーズと比較するからだろう。今までと比べてと考えるのもアリかとは思うがそういう先入観を持ってこの作品を読むのは余りに勿体ない。今までの話を一度頭からとっぱらって、0にして読んでみて欲しい。少なくとも私は泣いた。余りにも切なくて悲しくて、そして遣る瀬ない。これはミステリであって、推理小説では無い。そこだけは念頭に置いて読んで欲しい。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.95:
(4pt)

京極夏彦初体験の方はご遠慮ください。

第一作から京極堂シリーズを順番に読んでいる京極夏彦ファンにはうんちく、トリックおよびロジッ
クともに納得の一冊。本作のうんちくの主テーマは鳥と儒学。懐かしい姑獲鳥についても議論される。
私は「姑獲鳥の夏」読了後、不覚にも本を壁に投げつけてしまった(笑)。(今では京極堂シリーズ
における一二を争う秀逸なトリックであると考えているが)
で、本作は「姑獲鳥の夏」に劣らないまさに驚愕の京極夏彦ならではのトリックおよびロジックを堪
能できる(京極夏彦だからできるor京極夏彦しか使えない)
だが、評価は実質3.5としたい。理由は
語り手が4人いて次々変わってゆくのだが、物語上の時間は進まず同じ時間が何度も繰り返される。
また、長いうんちくのため読んでも読んでも物語が進まない。(少しくどい)
京極堂の憑物落としも控えめで迫力に欠ける。
京極夏彦の長大な小説を読むには覚悟がいるのだが、覚悟して読んでも読了後は疲れた。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.94:
(3pt)

期待しすぎたかなぁ

ほかの方も書いてらっしゃるように、すぐに犯人やらなにやらが分かってしまいました。途中で出てくる人物達に「何で分かんないのさ!」と突っ込みながら読んでました。あまりにも簡単に分かったので「まさかなぁ。きっと何かどんでん返しがあるはず」と思ってたのにそんなものなく…。
世界に一気に引きこむ強さみたいなものは顕在なだけに拍子ぬけした感じです。今までの作品は推理小説として読んでもすばらしいと思っていたので、また、読者自身が登場人物達と一緒に憑物落としされているように感じられる物語を期待したいと思います。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.93:
(3pt)

個人的にはそれなりに楽しめました。
他の方々同様、推理小説としてというより小説として。
ただし規模(本の分厚さではない・よみごたえ的なもの)でいうなら、
『夏』『理』等を長編、『百器』等を短編として
これは中編くらい。
結局のところ『宴』からの
沈黙の期間(巷説その他番外編はカウントせず)の割りに合わない。
(タイトルから当然)長編クラスを期待した方々が、
待ちに待った挙句これかよと思っても仕方がない。
発売直後の書評が手厳しいのは、そこら辺にあるのでは?
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.92:
(3pt)

シリーズ中最も

シリーズ中最も早くにトリック(?)がわかってしまいました。そこに行き着くまでのプロセスが楽しめるので問題ないのですが。殆ど事件とは関係ないかの大作家と関口の邂逅シーンがよかった。★3つにしましたがこれは京極堂シリーズでの相対評価です。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.91:
(5pt)

碩学ミステリーの代表格

2003年8月リリース。京極堂第8弾、1,203ページ。読んでいてだんだんミステリーの種明かしなんてどうでも良くなってくる。というのは既に碩学披露の部分で充分に内容が濃く、十二分に読むに値するからだ。本作も途中の儒教と林羅山に対する考察とハイデッガーとの比較の部分には唸ってしまった。最早この段階で読む価値は充分だった。よって種明かしなんて重要でもないな、と思うのだ。不思議なミステリーである。
何しろ日本人の根底にある考え方、というモノ自体が実際は羅山らによって見事に書き換えられ、勝手に修正されたモノである、というのは確かにその通りだと思う。だれも京極のように宗教世界に幅広い見識を持っていないので、仏教も神道も儒教も混ざろうが消されようが認識できないのだろう。そこが実は付け目で、不勉強な脳に誤った認識、あるいは原典とはかけ離れた認識を刷り込んでしまう。かくて中国や韓国の大陸の原典とは遙かにかけ離れた、それこそ宗教性すら逸したモノができあがる。それが井の中の蛙である僕らには全く意識されない。
それらはハイデッガーとナチス・ドイツの関係のように、例えば林羅山であれば徳川四代と結びつき、庶民のコントロールに最適なツールとなってしまう。それは既に学問ではなく、マインド・コントロールだ。閉じられた世界の統率のされ方、それが本作のテーマにも思える。凄い作品だ。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.90:
(4pt)

死とはなんなのでしょう?

京極堂シリーズの第八弾です。
今回のテーマは「死」と「存在」ということで話は進んでいきますが、
なんとも、少し物足りない気がしてしまいました。
というのも、京極堂シリーズといえば絡まった糸を一気に解してくれるような
京極堂の憑き物落としが冴えません。
しかし、私のようなライトユーザーというか単純なヒトには解決時に、
「あー、なるほど、そういうことか」
という気持ちにはなりました。
欲を言えば、以前の作品に出てきた人物や事柄をもっと絡めて
「塗仏」とまではいかなくともスケールの大きい話にして欲しかったです。
好きなだけに期待も大きくなってしまうのです。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.89:
(2pt)

ミステリーとして読むと肩透かし

冒頭で犯人と動機をあっけらかんと提示しているのは、どう考えてもわざとですよね……。
種明かしをするまでもなく、犯人の成育歴や思想等を延々と読まされるわけですから……。
すると、これは犯人当てミステリーではない。
動機や殺害方法を推理するものでもない。
心理小説?
幻想小説?
いやいやもしかして同調者にして弁護人たる関口による変形倒叙ミステリー?
最初からそう思って読めばもしかしたら面白いのかもしれないけど、序盤で横溝が出てきたりしたので、旧家のドロドロとした人間関係の陰惨なミステリー、意外性のある犯人や動機を期待して読んだ分、肩透かしを食らい、ラストでは「ええー、そりゃないよー」と、思わず情けない悲鳴を ^^;
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.88:
(3pt)

選択肢

京極夏彦氏の作品が、単行本・文庫本などいろいろな形で出版されているのは嬉しいが、どうせ出すなら、価格帯は統一して、その形態を、読者の目的に応じて選べるような形にしてもらいたいというのが本音。
高くなると判っていて分冊版を買っている人間が言うのも何ですが・・・。
分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(中) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕(中) (講談社文庫)より
4062755017
No.87:
(5pt)

再読、入ります。

今、読み終わりました。
正直な感想は、「何だか、わかったようなわからんような。」
皆さんの感想を読むと、途中から先が読めたなんていうのがありますが、
私の頭では最後の京極堂の説明が始まるまで誰が誰だか。
アノ人がコノ人を殺して、コノ人がアノ人を殺して、アノ人がソノ人でって、
ソノ人って誰!?。
途中から深く考えることを放棄しました。
とにかく3年ぶりの、この雰囲気に浸ることに喜びを感じて。
まあ、私の頭でも2、3回読めば理解できるでしょう。
何しろ次までまだ数年あるんでしょうから。
星の数はこのシリーズ五つ以外ありません。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.86:
(5pt)

再読、入ります。

今、読み終わりました。

正直な感想は、「何だか、わかったようなわからんような。」

皆さんの感想を読むと、途中から先が読めたなんていうのがありますが、

私の頭では最後の京極堂の説明が始まるまで誰が誰だか。

アノ人がコノ人を殺して、コノ人がアノ人を殺して、アノ人がソノ人でって、

ソノ人って誰!?。

途中から深く考えることを放棄しました。

とにかく3年ぶりの、この雰囲気に浸ることに喜びを感じて。

まあ、私の頭でも2、3回読めば理解できるでしょう。

何しろ次までまだ数年あるんでしょうから。

星の数はこのシリーズ五つ以外ありません。
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4061822934
No.85:
(3pt)

何か、物足りない。。。。

今回の内容は、一言で言ってしまえば死生観・死への認識の違いが引き起こした悲劇という感じですかねぇ。
今回の犯人(こちら側の世界の言い方で言うところの)は、そんなバカな!!と言いたくなる程家族や死の考え方が一般とはかなり違っているのですが、そこは流石このシリーズ、うまーくまとめてオチをつけています。
ただ、いつものような2つ3つの一見無関係な事件が同時進行し、最後に一つの根を持っていた事が京極堂によって解き明かされるような面白さ・テンポの良さが全くありません。
また、神様・榎木津大明神のあばれっぷりもスケールが小さい為、物足りなさが残りました。
次回作に期待です!!!
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.84:
(3pt)

文庫版を買ってしまいました。

本作から発売は文庫版と分冊版と同時になるようですね。わたしは迷わず文庫版を買ってしまいました。今までずっと文庫版だったから―というのが理由ですね。こだわっているわけではなく、単に慣性です。
文庫版のメリットとしては、まず表紙を飾るあの妖怪のグラビアですね。表紙を開けると同じ模型の、アングルを変えた写真がもう一枚出てくる。アングルを変えただけで随分と表情や雰囲気が変わってくるんですね。わたしあれ、結構好きなんですよ。それに、カバーの表紙にひっかかる部分、あれなんていうのかなぁ、表紙をめくると大抵は著者の紹介が書いてある部分ですね、あそこに文庫版は著者の紹介の代わりに本編を連想させる一葉の写真が刷ってあるんですね。あれがまた良い。あと、読ませる作家の作品を一気に読むことができるところも文庫版のいいところ。ただ、ひっくり返して言うと、読み出すとなかなか区切りがつかない。余暇向きの造りなんですな。通勤通学に読もうという人は、携帯の利便性も考えて分冊版の方をおもとめになる方がいいでしょう。
内容の方は、といいますと、不思議な、つまり一般的社会人が通有する(していると思い込んでいる)常識が機能停止してしまったような事件を、ある個人の宇宙観から演繹して解き明かしてゆくというスタイルは本作でも健在! こざっぱりとまとまった作品になっていると思います。ただこざっぱりとしている分だけ、京極堂シリーズ独特の読み進めるうちに湧きあがってくるような構成の広がり、けれんみ溢れる演出の妙は影を潜めている気がします。
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.83:
(5pt)

意欲作

京極堂シリーズは探偵推理小説をベースとした、筆者の論文である。
文学、歴史学、哲学、宗教学、民俗学、・・・そして妖怪学(?)に通じ一家言のある筆者が、その私見を発表する場である。
もちろんエンターテインメントたらんとすることにも重点をおいているが。
本作のテーマは死。
死生観についての論文である。
また一小説家として、探偵推理小説とは何かも問うている。
死とは、殺人とは、犯罪とは、そしてそれを扱っている探偵小説とは?
多くの読者はすぐに犯人は誰か判ってしまう。
しばし読むうちに仕掛けも判ってしまう。
しかし、本作においてもともと謎解き・犯人探しなどはどうでもよいのだ。
犯人のいない、
罪のない、
トリックのない、
連続殺人事件を取り扱っている、
探偵推理小説。
冒頭のシーンは我々に問うている。
死とは何か?
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
4062754991
No.82:
(3pt)

陰摩羅鬼が見た悪意のなき悲劇

鳥屋敷と呼ばれる館に、無数の鳥の剥製と住む伯爵。
死をも恐れず、呪われた館に嫁ごうとする花嫁。
そして、護衛代わりに結婚式に列席する我らが榎木津と下僕の関くん。
館の図書館にある巨大な鳥・陰摩羅鬼(おんもらき)の剥製は、
呪いの正体を知っている。
京極堂シリーズでは珍しく、憑物落としを待つまでもなく、
先の展開が比較的早い段階からわかる内容だった。
とはいえ、予定調和のように悲劇がおき、
蓋をあければ何の不思議もないという、
京極夏彦ならではの展開は健在!
ひとかけらの悪意もないからこそ、
やりきれなさが残るのだということを教えてくれる。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934

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