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陰摩羅鬼の瑕



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陰摩羅鬼の瑕の評価: 3.71/5点 レビュー 121件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.71pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全121件 41~60 3/7ページ
No.81:
(4pt)

水彩画の「本陣」

京極堂が出てくる作品は、発表順に時系列で書かれているから、本書を手に取る読者は、順当ならかなり多くの京極作品をすでに読んでいるはずである。そういった人々の評判は、どうもあまり芳しくないようであるが、私はこの作品を評価する。
毎度のごとく、最初が関門である。理解困難な内面の吐露や、登場人物の会話としてなされる講釈が辛い。しかしこれは、作品世界に入りこむための通過儀礼であり基礎知識であるから、がんばって前に進むしかない。そのあとはどんなに長くとも退屈しない物語が待っている。本書の場合、設定にかなりの無理があり、榎木津が本当の意味で何ら活躍しないことも、京極堂がほとんど何もせずに真相に至る理由がわからないことも、瑕瑾といえば瑕瑾である。しかし、過去の作品にみられた陰惨さは稀薄であり、哀しい結末であるのに後味は悪くない。これまでが血みどろの油絵であったとしたら、これは淡い水彩画といったところか。
なお、作者は本作品によって、横溝正史を超克しようと試みたようにみえる。いわゆる「推理小説」のあり方といった意味で。しかし、理念としては超えられても、実作となるとまだ難しそうである。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.80:
(4pt)

加筆に期待です

京極堂シリーズ本編最新刊の文庫版です(今月下旬に新書版で次回作が発表されますが)。
ここ最近、同氏の文庫版では先行している新書版の原稿に対し、書き下ろしの加筆増補がなされるようになっているので、今回も期待したいところです(先に新書版を読んでしまった方は損した気分になってしまいますが・・・)。
手軽に持ち運べる分冊文庫版との比較にも悩みますが、同一原稿と思いますので、あとは装丁の好みとご予算で選べますね。携帯性を気にしない方、極厚文庫用のカバーをお持ちの方は一気に読めるこちらがお薦めだと思います♪
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)より
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No.79:
(3pt)

我慢比べですか

「京極堂」シリーズの第7作。本作は「死の概念」について作者と読者とが対話する趣向。作中、興味を惹かれるのは、作中作である関口の小説だけで、後は作者と読者の我慢比べである(関口は前作から半分くらい立ち直っているのですね)。
本シリーズは本格ミステリを目指したものではないと言っても、冒頭で犯人も動機も明白になっており、後はひたすら京極堂が話を落とすのを待つというのは、さすがに辛い。前述した関口の作中作で動機がより明快になるのが唯一の趣向と言って良く、後はひたすら我慢である。
次作はもう少し起伏に富んだものを期待したい。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.78:
(4pt)

あれ?

いつも京極さんの作品を見させてもらっているのですが、ようやく出た新刊で、期待をしすぎたのか、少し拍子抜けしてしまいました。いつもの、読者を作品の中に引きずり込むような魅力が薄れていたような感じがします。ただ淡々と話しが進んでいくような感じでした。ネタが尽きたのでしょうかと一瞬思いましたが、やはり二度読むとそれなりに引き込まれました。この作品は、今までの作品とは少し違っているので、今までの作品よりこの作品のほうがいいという人はかならずいるでしょう。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.77:
(4pt)

関君お帰り〜

 伊豆の事件で人間崩壊の瀬戸際まで追いやられた関口君が、やっと語り部として復活します。まだちょっと調子はずれなところはあるけれど、彼独特の内省的な描写は健在です。
 おまけに彼のものした掌編まで読める。
 殺人犯についてはほとんど隠されていないので、犯人探しよりももっと細かい部分を楽しんでみてはどうかと。
 なお、キャラとしては、番外編で出てきた伊庭という元刑事の老人がいい味だしてます。今作では一番立ってたのでは。
 主役が榎木津だと思うとがっかりするかもしれません。エノさんはそんなに活躍しませんから。つーか、京極堂も地味めな印象で、「絡新婦」での圧倒的な美しさは見せていません。
 伊庭元刑事にしろ関口君にしろ、一旦は人生を投げ出した人々だけど、今回の事件に対する京極堂の憑き物落しがもう一度生き直すきっかけになるでしょう。
 最後に、伊庭の家の軒先で、関君と二人で笑みを交わすのはいいシーンでした。
 哀しい物語ですが残虐さや猟奇性はなく、最後は二人の新しい人生を予感させるように幕を閉じるのは気持がいいものです。
 「絡新婦」や「宴」のような名作に比べると少々小粒に見えますが、関君と伊庭刑事のために素直に祝福してもいいかと思います。
 なにしろ、「宴」で出てきた大物が、まだ登場していないんだし、ますます期待の京極堂シリーズです。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.76:
(4pt)

関君お帰り〜

伊豆の事件で人間崩壊の瀬戸際まで追いやられた関口君が、やっと語り部として復活します。まだちょっと調子はずれなところはあるけれど、彼独特の内省的な描写は健在です。

 おまけに彼のものした掌編まで読める。

 殺人犯についてはほとんど隠されていないので、犯人探しよりももっと細かい部分を楽しんでみてはどうかと。

 なお、キャラとしては、番外編で出てきた伊庭という元刑事の老人がいい味だしてます。今作では一番立ってたのでは。

 主役が榎木津だと思うとがっかりするかもしれません。エノさんはそんなに活躍しませんから。つーか、京極堂も地味めな印象で、「絡新婦」での圧倒的な美しさは見せていません。

 伊庭元刑事にしろ関口君にしろ、一旦は人生を投げ出した人々だけど、今回の事件に対する京極堂の憑き物落しがもう一度生き直すきっかけになるでしょう。

 最後に、伊庭の家の軒先で、関君と二人で笑みを交わすのはいいシーンでした。

 哀しい物語ですが残虐さや猟奇性はなく、最後は二人の新しい人生を予感させるように幕を閉じるのは気持がいいものです。

 「絡新婦」や「宴」のような名作に比べると少々小粒に見えますが、関君と伊庭刑事のために素直に祝福してもいいかと思います。

 なにしろ、「宴」で出てきた大物が、まだ登場していないんだし、ますます期待の京極堂シリーズです。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.75:
(3pt)

いつものキレがない。

期待していただけに、ちょっと残念でした。というのも、読みやすい反面、その分物足りない感が読んでいる最中から読後まで続いたからです。京極作品らしくない・・・あの独特の『怪しさ』がないんですね、この作品には。その辺の小説と変わらないんじゃ・・・と一時思ったりもしました。次作『邪魅の雫』に期待します。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.74:
(3pt)

随分と酷い事を書いてしまいました。不愉快な気分になると思いますのであえて読まないで下

個人的には、シリーズ中 完成度では「絡新婦」が頂点で「塗仏」が総括的作品と認識しているので次のステップとなる本作に対して期待感も大きければ心配もありました。やはり、他のレビューにも書かれているように多くの方が事の真相に辿り着く事は容易だと思います。過去の作品で度々あった京極堂のみしか知りえない情報も本作では以外という感も無く。(勘の良い方は見抜いてしまったと思います)中途より読者は自分のヨミが間違っていなかったかどうかの確認作業になりかねない。批判めいた文になってしまったが、果たしてこれほどの枚数を要するほどの作品であったのか疑問を感じ得ない作品。(必要性もあったのは解りますが、関口、由良、伊庭の3人の視点に於ける1人称形式で語られるので重複する場面が多かったのが枚数増とテンポの悪さに繋がってしまったのでは)残念だったのは、折角 榎木津が現場に早々参加していたのにペダンティックな発言と暴れっぷりがこじんまりしていた様に思う点です。認識をあらたにしたのは関口氏がこれほどぶっ壊れたキャラだったのかという点です。他者の視点に映る彼はコミュニケーション力の欠落した落伍者の様に描かれていた点です。随分酷い事を書いてしまって恥ずかしい限りですが、ファン故の苦言とお許し下さい。次回作に大いに期待します。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.73:
(2pt)

終わりかな?

シリーズ外伝、冒頭のエンディング。今までの作品では総て緻密な計算のうえでの種明かしだと思っていましたが、それらが説明不足の補いや、後付の補足だったのではないか?と感じ兼ねない作品で、老人の火を思い出したりしました。私は京極の言霊が好きなので、楽しめました。新シリーズに期待します!
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.72:
(4pt)

何時もながら

毎度の事ながら、オチ明かされてしまえば何ともスッキリと読める京極小説。この作品も典型的なので小難しい事は考えずに雰囲気を楽しむのが一番ですね。
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4061822934
No.71:
(2pt)

うっそぉ・・・。

最初のページをチラッと見ただけで犯人判っちゃいますよね。最後まで読み通すのは結構しんどいです。これが他の凡百の小説家の作品なら、「あー結構おもしろかったね」で済みますが、京極作品に対する期待値の高さゆえ、正直がっかりでした。次作に期待。
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4061822934
No.70:
(4pt)

シンプルさの中に…

前作、宴から待ちに待ちました!長かった…今作の『謎』は、皆様仰る通り、シンプル且つストレートだったと思います。…ですが!私が良かったと思うのは、登場人物…彼等の中の『想い』の変化。まるで自分の思い出のように、一年前の『あの夏』からの出来事を感じずには、いられませんでした。関口君も、少ぉぉし進歩したのかな?(^_^;)探偵小説シリーズで、暴れ倒してるせいか、榎さんの持ち前の破天荒っぷりが本編にも出てきて、とても良いと思います。事件の『からくり』には、次回作『邪魅の雫』に期待します☆
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.69:
(3pt)

一貫したストーリー展開

 京極堂シリーズの中では一番ストレートでシンプルなお話でした。 京極堂シリーズを読んできた人ならば、途中で犯人はもう分かるのではないか、と思います。 今までの話のような凄惨さや重苦しさの代わりに、後に残るのは何とも言えないせつなさです。読者の視点からは途中で真相に至ってしまうのだけれども、さて、この真相をいったいどうやって犯人や警察に説明するというのか。京極堂はいったいどう引導を渡すのだろう。そういった視点で今回は楽しむ事ができました。 いくら憑き物落としを生業にしているとはいえ、おそらく今までの事件に比べたらそれ程重苦しいものではないのかもしれないけれども、分かってしまった者からみるとこの憑き物落としという作業はなんとも酷な所業です。それを常に冷静に装いつつ行う京極堂はひとつ落とす度にひとつ傷を負っているのではないでしょうか。 それと今回嬉しかったのはなんといっても関口君の無事な姿が確認できた事です。塗仏の宴では散々でしたし。 榎木津は別にいいが・・・と暗に関口を心配するかのような京極堂を見て、やっぱりなんだかんだ言っても気にかけているんじゃないか、と思ってみたり。 前回の事件の後ですから、今回は「死」というテーマを優しいオブラートに包んたお話になってます。  
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.68:
(4pt)

白樺湖鳥伯爵の呪い

長野、白樺湖畔に聳える洋館が舞台の、妖怪シリーズ第11弾。関口の「獨弔」という作品が読めるのが嬉しい。目を患った榎木津の介添人として、依頼人の元へ同行することになった関口だが、再び奇怪な事件に巻き込まれる。そこでは婚礼の晩に4度妻を無くした男が家族と共に待っていた。5度目の殺害を食い止めるべく、関口が奔走する。百器徒然袋を読んでいれば、東京でどんなことが起きて、事件後、どんなことがおきたかという時間軸も整理できて、面白い。元警部補、伊庭も再び登場し、眩暈坂を登る。大学院生、柴と京極堂の林羅山に纏わる会話は興味深い。今回、関口がある巨匠と邂逅する場面があるのも、面白い。
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No.67:
(4pt)

挑戦的な手法の読み物

これまでほとんどの京極作品を読んできましたが、この作品には驚きました。深読みしなければ気が付かない手法が隠されていたと思います。デビュー作から圧倒的な文章力で読み手を京極ワールドに引き込んでいた彼が今回挑んだのは・・・・なんと、読者を登場人物にしてしまうという手法でした。そう、私達は関口君になっていたのです。彼と一緒に悩んで、どぎまぎして、なんとか理解して・・・一緒にこの事件を解決しましょう、と、(暴れまくる榎木津に一緒に振り回されながら)呼びかけられている気がしました。今までの作品に比べれば筋は簡単だし、犯人はすぐに解るし、そうなるとどこを楽しめばいいのかしら・・・?と、最初は思いましたが、関口君になったつもりで筋道をたどって行くと・・・・これまでに無い楽しみ方ができたのではないかと思います。最後の憑き物落としはさすがに圧巻でした。すっきりきれいに落ちました。読者の憑き物もきれいに落としてもらいました。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.66:
(3pt)

仕掛けは単純

 今までの京極堂シリーズと比べると、仕掛けは単純です。『姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴』までに見える非常に壮大な仕掛けと比べると、最初の方に仕掛けをほのめかすシーンもあり、そういう意味でのファンにはあまり楽しめない内容ではないでしょうか。 ただ、関口・榎木津の迷脇役ぶりや、京極堂の薀蓄は今まで以上に元気ですし、また登場人物それぞれの心理描写は今までの作品の中でも最も深いものがある、と感じています。特に京極堂の林羅山談義は、私としては特に面白かったのですが…小説の味付けとしては逃すことのできない箇所ながら、筋として評価するのは如何とも。 まあ、好みの分かれる小説だと思います。何よりも大変なのは、この『陰摩羅鬼の瑕』を読むために、今までの分厚い京極堂シリーズを10冊も読まなきゃダメなことでしょうが(笑)
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.65:
(2pt)

期待外れ

京極夏彦という作家に何を期待しているのか・・・によって評価は真っ二つの作品です。京極道シリーズではもっとも読みやすい作品なのですが、シンプルなだけに衒学的な魅力は薄れています。また、最初の数ページでほとんどの人に真犯人とカラクリがわかってしまうはず。少なからず残念でした。今回は儒学がテーマなのですが、禅や哲学よりは”理解しやすい”面があったのかもしれないです。いつもの薀蓄に凄みを感じなかったので。読んでいる最中に感じたのは・・・ネタが切れたのかな?というもの。私自身ミステリとしての楽しみは京極作品には期待していません。それよりは妖怪という道具立て、妖怪を「言葉」で説明し尽くしてしまう理論を楽しみにしています。この作品、その理論が弱い。そしてミステリとしてもやはり弱いのですね。まあ・・・後を引くようなこれまでのエンディングよりはエンタテイメントしているのでしょうが、私は極北のような尖った作品を期待していたのでしょうね。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
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No.64:
(4pt)

京極小説の完成形。

京極小説の中で最も読みやすく、かつ面白い作品です。中禅寺の登場シーンは少ない代わりに榎津の不可思議な活躍が目を引くので、その意味では単純に娯楽小説として堪能出来ます。又、登場人物の心理描写が過去の作品以上に詳細に為されているので、自分の思考回路と平行して読み進める事が容易く、一級の探偵小説としての位置づけも可能だと思います。内容の緻密さでは「魍魎の匣」には劣りますが、いつの間にか登場人物に共感してしまう京極小説の醍醐味を体感するに相応しい作品と言えるのではないでしょうか。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.63:
(3pt)

憑物が落ちた

今までのシリーズに比べると、薄い印象だったのは確かだ。読んでる途中から、結末が予想ついてしまって、ちょっとだるい気分だった。別に推理をするような、そういう作品ではないと分かっているんだど、そんな調子で最後の方まで行ってしまった。しかし、やはり京極さん。読み終わった後は「ああ、憑物が落ちた」みたいな気分に・・・。なんだかんだ文句言っても、やっぱり京極ワールドはたまらんね。すでに読み返しもしてしまいました。早く次の作品出ないかなあ。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934
No.62:
(3pt)

1999年11月

 本作を読んで、「リアリティがない」などという本格ファンはいるまい。あるいはむしろ、1999年11月に現実に起こった事件を思い出す向きもあるかもしれない。この世で起こることは、しばしば、我々の常識を逸脱する。我々は、あまりの格差に「なぜ?」と訝りがちだ。しかし、そうしたことどもは、決して不思議なものなのではない、ということだろう。 社会派の貧しい想像力を超える、本格の透徹した超リアリティの世界。シリーズの再始動を祝い、続刊の速やかなる発表を心待ちにしたい。
陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)より
4061822934

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