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ベルカ、吠えないのか?



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【この小説が収録されている参考書籍】
ベルカ、吠えないのか?
ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか?の評価: 4.06/5点 レビュー 68件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全53件 21~40 2/3ページ
No.33:
(5pt)

犬だけでなく

読んでいる途中で、これは「犬」についてだけの話ではない、と思ってしまった。いくつかの血統をもった犬たちが、世界に散りながらも、人間がつくった歴史の流れのなかで、また出会い、また離れていく……。まあ、言ってみれば、人間だって同じようなものだ。歴史に名を残すのは、ごく一部の人間のみ。それ以外の人は、どこで何をしようが、誰とめぐりあって、子を残そうが、数世代のちには、ほとんど知られなくなる。そう思い始めると、「犬」がただたんに犬には思えなくなって、なんとも感慨が増してしまった。いぬどしだからかもしれない。
ベルカ、吠えないのか?Amazon書評・レビュー:ベルカ、吠えないのか?より
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No.32:
(4pt)

吠えないのか?

文体が独特.慣れるまでは非常に読みにくく,言葉使いも特徴的.これらを「野性味溢れる」「力強い」と好意的に解釈できれば良作,「下品だ」「浸りすぎ」と断じてしまえば駄作.そういう本だ.
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No.31:
(5pt)

さてさて

相変わらずジャンル分け不能である。人に薦め難くてしょうがない。勿論べらぼうに面白いのだけど。犬達の話である。第二次世界大戦終戦前夜、日本の遥か北方で四頭の軍用犬から始まった物語。20世紀を駆け抜けた全ての犬達が生きることに健気であった。人間共は犬達につられるように走り、去っていった。生きろ。繁殖しろ。ときに本能のままに。ときにメロドラマのように。舞台は東へ西へ、地中へ宇宙へ。 そして21世紀。ベルカとストレルカは戦いを仕掛けるのだろうか。それとも、再びアダムとイブになるのだろうか。
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No.30:
(5pt)

読み切るには気力も体力も要ります

ラジオの紹介が気になって購入しました。大満足。ガツンと来ました。犬たちが20世紀を、戦争の歴史を駆け抜けます。人の傍で生きることを運命づけられた犬たちは、時には美術品に、時には怪物に姿を変えます。けれど、自分たちの運命を切り開いていきます。終幕はまるで神話のように混沌としています。 荒々しい物語が、飾ることのない猛々しい文章で書きなぐられていました。気合いを入れて読まないと、噛みつかれるかも知れません。 読み終えた夜、“犬のベルカ”と“犬になったストレルカ”が、ボクたちの平穏な生活を食い破る夢を見ました。 犬よ犬よ、今お前たちは、どこにいるんだ。 
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No.29:
(4pt)

疾走する言葉,時代の奔流をいく

始まりは数頭の犬。それが世界に散らばる。「お前は今どこにいる?」人間の戦争によって,人間の利害によって,出会っては別れる血。交錯する血。生まれては名づけられる。しかし,決して翻弄されているのではない。彼らは生きている。見失ってはいない。何処に行っても,何処にいても,生きている。犬からみた20世紀。従順な人を「犬」と蔑称することがある。犬は従順か。違う。いや,そうか。いや違う。彼らは「何か」に対して常に忠実なのだ。時には飼い主の命令に忠実なのかもしれない。しかし,常に動物の「犬」としての使命に忠実なのだ。「生きる」ということ。「子孫を残し,生きなければならない」ということ。「生きる」という動物の本能。文体は,とても個性がある。古川「節」がある。好き嫌いがあるだろう。自問自答。語りが進む。物語が進む。アクセルとブレーキ。その使い分けが激しい。急発進。急制動。と,文体をまねてみたつもりです。最後の「20世紀を殺す」「21世紀に宣戦布告をするだろう」という言葉が印象に残った。登場する犬の系統図を書いておいた方がわかりやすいかも。
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No.28:
(4pt)

力強く美しい、犬達の大叙事詩

一節一文が爆竹のような小気味良さと瞬間の熱を放つ古川日出男節全開の作品。切れ味鋭い動的な描写とシャッター音が聞こえるような情景描写のジャンプ率がすばらしい傑作。 激動の二十世紀を軍用犬の世紀と位置づけ、犬達の血の系譜で物語を展開させる構想はさすがとしか言いようがない。 本来ならば人間で展開される「血族」の物語を犬に落とし込んだことで歴史が拡張され(世代交代が早いので)、より血の物語を濃密に感じることができる。 特に感動を呼ぶのは、アイスからシュメールへ受け継がれる下りにカブロンからグッドニュースへという相似形をかぶせたこと。喚起されるイメージの美しさには涙せずにはいられない。オススメ・大叙事詩が好きな方・戦争史などが好きな方
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No.27:
(4pt)

犬になるには

戦後の歴史のなかで翻弄される犬たちの歴史。犬に「お前」と呼びかけつつ犬の内面も代弁する作者=神の視点からの小説。「うぉん」に籠められた犬たちの思いの多層性。人の歴史と犬の歴史の交錯を描き、人でも犬でもないものが生まれるのがすばらしい。犬と気脈を通じる三人の人間(日本人の少女、メキシコ人のマフィア、ロシア軍特殊部隊の軍人)を通じて「犬になる」ことが描かれます。時期的に松浦理英子さんの「犬身」と較べてみたくなりますが、あちらが幻想的にだとしても現実の犬になるのとは異なり、こちらは人間の姿のままで「犬になる」ことを描いているのが面白いところです。犬になる二つの道。古川さんの「偽史的想像力」(byスガ秀実)も楽しみたい。
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No.26:
(5pt)

映像がスパークした

大傑作ベルカ!シブイ!ちょーシブイ!クール!えらいクール!読みながら映像と音楽が炸裂しました。ハリウッドで映画化していただきたいものです。プロデューサ兼監督そしてロシアの老将軍はC・イーストウッド。メキシコの怪犬仮面はジョー・ペシ。そしてイヌはイヌは・・と妄想が・・・。ベルカ強力推薦太鼓判!
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No.25:
(5pt)

映像がスパークした

大傑作ベルカ!
シブイ!ちょーシブイ!
クール!えらいクール!
読みながら映像と音楽が炸裂しました。
ハリウッドで映画化していただきたいものです。
プロデューサ兼監督そしてロシアの老将軍はC・イーストウッド。
メキシコの怪犬仮面はジョー・ペシ。
そしてイヌはイヌは・・と妄想が・・・。
ベルカ強力推薦太鼓判!
ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)より
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No.24:
(4pt)

女子にはオススメいたしません。

イヌを題材としたから、というわけでもないのでしょうが、言い回しがかなり下品な箇所もあるので、女子にはオススメいたしません。歴史、軍隊、戦争、マフィアなどに興味がある女子で(イヌに興味がある・・・というと誤解を招きそう)多少下品な言い回しにも我慢ができる方にならオススメします。作者自身が内容に酔ったようにも見える文章が、読書欲を多少妨げるところはありますが、上記のテーマに興味がある人ならば、作品の背景となる壮大な世界と、まさしくイヌが疾走するかのようなスピードのある展開をかなり楽しめると思います。ただ、他の方が書かれているように間違いなく読者を選ぶ作品です。それこそ、口を開けて涎を飛ばしながら疾走するイヌのような作品で、その野性味に惹かれる人ならば楽しく読めるし、その剣幕に引いてしまう人ならばすぐにリタイヤしてしまうことでしょう。美しいイヌは出てきますが、美しい人間は全く登場しません。とはいえ、イヌ好きの方にオススメする作品でもありません。歴史と戦争に興味のある方ならば、わりと楽しく読めると思います。
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No.23:
(5pt)

文庫本化で良かったこと

私は実は単行本で読んだのですが、内容は他の方が文庫でも単行本でも書いているので軽くだけですが、この本は読み手を選ぶと思います。何を訴えているのか、と言う点を聞かれると何も訴えていないと思います。しかし得手不得手はあるものの第二次世界大戦から刻々と変わる米ロ情勢など興味深く読めましたし、私は結構はまりました。で、単行本を読んだのに、文庫本のレビューを書いている理由は、単行本に載っていない犬の系譜図がついていることです!先に読まれた方に、犬がどれがどれか分からなくなるぞと忠告されたものの、な〜にそんな風になるものか!と思って読んだのですが、結局後半はこの犬はどの犬の子孫かさっぱり分からなくなってきました。本自体は内容が4つ星にしようと思いますが、この系譜図があることでもう1つ星を加えた満点の星です。
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No.22:
(5pt)

誰かにオススメはしない本

私は、かなり面白いと思いましたが、読み手を選ぶような本だと思います。そのため、私は読むことを誰かに勧めたりはしないかなと。ストーリーは犬の話を縦糸に、ソ連に裏切られた男の復讐の話を横糸に編まれています。最終的には一本につながるのですが。犬の話は、壮大さに心を奪われ、男の話では、その強さ、ハードボイルドな気分に心が奪われました。
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No.21:
(5pt)

犬言葉にはまります。

かっこよい、犬がたくさん出て、「俺がか?」など犬の言葉や思考が、リアルです。よくある、喋る動物のように、まるで、人間の思考に置き換えちゃってはいません。美少年や美人がでてくる、ありきたりな部分が、なく気持ちよく読めます。
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No.20:
(5pt)

好きな作品です。

星5つの理由としては、すぐに飽きてしまって小説を読めない自分が「最後まで一気に読めた!」という面白さ。犬たちの壮絶な人生(犬生?)に、読んでるこっちがつらくなってしまう事もたびたびありましたが、何より、犬たちは自分の目の前にある「過酷な運命」を黙って受け入れ、与えられた一生の中で懸命に生きていく・・・その「犬の心意気」みたいなものに、勇気をもらった気がします。なぜか、「よし、自分も頑張ろう」という気持ちになった本です。
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No.19:
(5pt)

なんなんだこの凄さ。

一体何をどうすればこんな物語が思いつくのか、不思議でしょうがない。4頭の犬から始まる、犬の現代叙事詩。複雑な世界情勢も、歴史を動かす人間たちの情念も犬は感知しない。歴史に利用され、時に歴史を動かしながら逞しく生きる犬たち。人間のそれより感動してしまうのが凄い。4頭の犬から始まった血統に、どう始末をつけるのかに期待したけど、意外にあっさり終わってしまった。物語りも斬新だけど、それよりも目を惹くのが、独特すぎる文体。個人的な話で申し訳ないけど、物語り抜きで文体だけで酔えるのはチャック・パラニュークの作品を読んで以来だった。でも破壊力ではこちらの方が上かな?続編(?)である「ロックンロール七部作」もあわせてオススメ。
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No.18:
(5pt)

直木賞、取れないのか?

さて、古川日出男というのは、現在の日本のエンターテイメント小説のトップ選手だと思うのですが、いかがでしょう。 19世紀。いろいろありました。戦争の世紀です。その20世紀を、イヌの世紀としてまるごと、つまり、一匹の軍用犬から派生するイヌたちを視点とした歴史にまるごと書き換えてしまうという行い。 こんなことを何故思いつくのか? 作者は何がやりたいのか? もはや、まったくわからない。 しかし、面白すぎる。あるイヌなんか、一匹の牝イヌと交尾したいがために、大麻を嗅ぎわける技術をがんばって習得したりして、健気すぎる。文体もひたすら硬派。二人称のお前、という呼びかけががっちりはまっている。 ただ、あまりに一般的でなさすぎる。ラストもなんなんだ?と思うかたもいっぱいると思う。この人の作品のラストはみんなこうですから。 だから直木賞も取れないのか。大衆に媚びすぎているよ。
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No.17:
(5pt)

神話だろ?これ

こんな本、初めてだ。これが読後感。読んでいる間も、ため息をつきっぱなし。というか、この人、何でこういう本を書こうと思ったんだろう?この本を薦めてくれた知人とも「どうしたら、こんなもん、書こうと思うんですかね」としばらく盛り上がった。うーん。すごい。最初、イヌの視点で描く20世紀、と聞いたときは、「ガンバの大冒険」みたいに、イヌがしゃべる荒唐無稽な話かと思ったんだけど、あくまでもイヌはイヌなのに、そのイヌたちのエピソードを辿っていくと、20世紀の戦争の歴史になる。イヌよ、イヌ。おまえたちはどこにいる?繰り返すが、何で、こんなもん、書こうと思ったんだろう?これ読んでると、ギリシャの詩人ホメロスの『イリアス』を思い出した。骨太な描写とか、語り口とか、場面転換の手法とか、かなり似ていると思った。(だから、神話だろ?これ、と思った次第)ある評論家が、常に新しい文学を創り出す人、としてこの作者を紹介していたが、そのとおり。気になって、この人の「ロックンロール七部作」も読んだけど、これもまた、すごかった。うーん、なかなかです。
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No.16:
(5pt)

疾駆する犬たちと時代

ここ数年間読んだ中で1番感動したと言っても過言ではない本。太平洋戦争末期から現代までの政治・紛争史を、軍用犬の血統と東西陣営の冷戦構造を重ね合わせて描いている。特異なのはそのは文体にある。犬に語りかける話者とそれに答える犬たちとの応答が大半を占める。人間に見放された軍用犬は、数奇な運命に翻弄されながら、自らの生物としての本能に従い、子孫を残そうとする。オス犬もメス犬も。雑種も純血種も。ちょっと愉快なのは、人類史上初めて宇宙を飛んだ生命体である犬、ライカ犬が犬たちから崇められ、1つのラインとして血統に連なっていくことだ。20世紀になって初めて品種改良により作出された「シェパード」と犬たちの英雄(宇宙に行ったから!)が交わることによって産み落とされた犬たちの行く末は?作中、犬たちは常に疾走している。余談だが、ついこの間見た「南極物語」で雪原を走っていた犬たちを見たが、それと同じ類の疾走感がこの作品にえもいわれぬ躍動感を与えている。読み始めるとそのスピード感に一気に引きずられる。その疾走感を味わうに、読んでみて損のない作品。
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No.15:
(4pt)

凄い凄い凄い!でも・・・。

犬の視点から歴史を再構築し、描ききった作者の力量には感嘆するのみ。ただし、人間(というかヤクザ)の会話が(たぶんわざと筒井康隆的に)うわっつべりしているあたり、人間=文具、犬=イタチという構図で「虚構船団」と勝負したかったのかな?とも。だとしたら、残念ながら負けてます。とは言え本作の価値が減じることは全くないので、迷っているなら是非読むべし!
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No.14:
(4pt)

大作

軍用犬の歴史を二十世紀、戦争の歴史・世界の戦後史に沿って描いた超スタイリッシュでハードボイルドな小説です。 僕は高校の時日本史を選択していたせいか世界史には非常に疎かったのですが、この本のお陰で数々の戦争(例えばベトナム戦争やアフガン戦争や冷戦、諸国における内紛など)の背景や世界情勢に少しは詳しくなれたような気がします。軍用犬の歴史を語るに至るためには戦争の歴史を語ることが不可欠となるため、その記述が延々と記されていることによって「冗長だ・説明的だ」と感じるひともいるかもしれません。僕は少し脱落しかけましたが何とか読めました。しかしその記述があることによってこそ軍用犬「それぞれの人生」が際立って読者に迫ります。 少し難しい作品だったので、これを「面白い!」と賞賛できる人間には憧れます。作者さんの力量は素晴らしいです。書ききった!と言う感じがします。終焉へ向かう数ページなどはまさに映画を見ているようでした。非常に質の高い作品です。
ベルカ、吠えないのか?Amazon書評・レビュー:ベルカ、吠えないのか?より
4163239103

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