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ベルカ、吠えないのか?
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ベルカ、吠えないのか?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 1~20 1/4ページ
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発想、構想、小説的想像力、文章、凄い良いのだが、他の人も書いているように長い。作者は20世紀という歴史に挑んだというのだが、その20世紀の説明が、教科書通りで不要にさえ感じてしまう。イヌとヤクザの娘の話はよかった。それだけで構成できるのではと思えた。この作家の他の作品もそうなのだが、未だ通読できず。。自分が未熟なのか。もっと長い阿部和重は読めるのだが、相性の問題か。 | ||||
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ストーリー展開は面白いが、中味がハチャメチャ過ぎる。 | ||||
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ミステリー読みの私はこのミスに入っていたので読んだのだけれど通読するのがきつかった。 エンターテインメント性は低く、歴史上の物事の記述が多く、退屈になる。 文章に力があるのはわかるのだが、正直ミステリー読みとしてはどうでもいい(失礼ながら)。 犬のショートエピソードで歴史をつないでいくような構成なのだが、犬のエピソードにあまり面白味がない。 読み始めたら必ず最後まで読み通すことにしているので、最後まで読むのが苦しかった。 | ||||
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"与圧服を着用した雄犬と、雌犬が。宙から地球を見下ろして、ふたたび地上に帰った。イヌ族の生誕した大地に。それは二頭のイヌだった。それぞれの名前は、雄犬がベルカで、雌犬がストレルカだった。"20世紀を軍用犬という視点で切り込んで紹介した意欲作の本書は、その熱量が素晴らしい。 個人的には猫好きなのですが。そう言えば【犬が活躍する本】あまり読んでないな。と前情報なしに本書を気軽に手にとったわけですが、よくある人と犬の【心温まる交流話】なんかでは全然なく、本書が旧日本軍に残された四頭を始祖としたスケールの大きな20世紀サバイバル叙事詩である事にびっくりしました。そして、イヌ(たち)が執筆中の著者にまるで憑いていたかの様に、各時代の人間たちの都合に振り回されつつも、それぞれの犬生?を【漢として全うしていく姿】が凄みのある独特な文体で描かれていて印象に残りました。 軍用犬の視点から20世紀を振り返りたい誰かに。また可愛らしい犬が好きな愛犬家。。というよりは【犬好きな誰か】にはオススメ。 | ||||
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読んでみましたが、私とは相性が合いませんでした。 | ||||
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たぶん良い作品なのでしょうけれども、私には読む力がありませんでした。 | ||||
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犬が主役の話なんだけど、犬好きの人に勧められるような話ではなく、生生しい描写に逆に嫌悪を覚える犬好きもいるのではなかろうか。恐らく普通の人はまず読んだことのないような種類の小説で、熱量が高いカオスな内容をクセのある独特の文章で畳み掛ける、古川日出夫らしい作品。 軍用犬と言う視点で米ソの冷戦時代に切り込んだ意欲作で、虚実混じった内容は迫力があり、非常に面白かった。歴史の表には登場せず「見えない」アウトロー達と犬の活躍が見どころで、駆除された筈の犬とアウトローな少女が現代世界の転覆を狙うラストが感慨深い。 | ||||
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異色の小説だと思う。 今までにも動物を主人公にした小説は読んだことがあったが、犬の一族の年代記などは読んだことが無い。 この小説の主人公は犬達である。 第二次大戦中日本軍がキスカ島に残していった三頭の軍用犬(四頭いたが一頭は米軍上陸の際、戦死)の血筋に連なる犬たちが本小説の主人公たちである。 戦争の世紀と呼ばれた20世紀の世界を舞台にしてアメリカ、ソビエトをはじめとして様々な国で生きてゆく犬達、主に軍用犬として、またその他多くの役割を担いながらその血筋は広がり、いかなる環境でも生き抜き続け、血を次世代に繋いでゆく。様々なエピソードが混然一体となり、20世紀という人類史上特筆すべき時代を一つの壮大な叙事詩の様に紡いでゆく。 壮大なストーリーの物語である。 所々で作者が文中に入れる犬達の鳴き声”うぉん”がいい味を出していて気に入ってしまった。 | ||||
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「アラビアの夜の種族」で知った作家で、本書も手に取ったが、あまりの面白さ、筆力に引き込まれ一気に読破。 犬サーガ。どうしてこんな面白い小説が書けるのか。全編に滾る熱量が凄い。まるでロックンロールのグルーヴだ。 | ||||
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こんな小説読んだ事ない! 過去のどの小説にも似てないし、将来も同タイプの小説は出ないだろう。 まさにオンリーワン。 日本軍によってキスカ島に残された四頭の軍用犬たち。 彼らを始祖として世界中に散らばった子孫の犬たちの物語。 ある犬は軍用犬として戦い続け、ある犬は美を競うドッグショー用の犬となり、ある犬は狼と交わり野生を生きる。 それぞれの人生(犬生?)を時代を下りながら描いていく。 特にソビエト連邦のスターリン、フルシチョフ、ブレジネフ、アンドロポフ、チェルネンコ、ゴルバチョフといった指導者ごとの時代によって翻弄されてきた犬たちの物語は面白い。 こういう形式の小説もあるんだと、その斬新な手法に感動した。 ただ、もう少し個々のエピソードを詳しく読みたかったなという思いはある。 戦争の世紀を駆け抜けた犬たちとそれに関わった人達を描いているのだが、スピード感、疾走感を重視しているため個々のエピソードの掘り下げは弱い。 プロレスラーとマフィアの2つの顔を持つ怪犬仮面の物語は面白かっただけに、もうちょっと読んでいたかった。 今までにない小説だけに戸惑いもあり評価は難しい。 面白かったの半分、戸惑い半分というところで★3個にしておく。 独自性、オリジナリティはずば抜けてる。 | ||||
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1942年アメリカの領土である太平洋の北部アリューシャン列島のキスカ島を占領した日本軍。 その島には4頭の犬がいた。 寒さに強いアイヌ犬の「北」。 ジャーマンシェパード犬の「正勇」と「勝」。 アメリカ軍捕虜のシェパード犬「エクスプロージョン」。 1943年,日本軍は密かに島から撤退し,4頭の犬だけが残される。 本書は,この残された犬たちの血を引くものを巡る約50年間に渡る犬のクロニクルである。 ある犬は犬橇用の優秀な能力を発揮し北極圏で活躍し,ある犬はベトナム戦争の軍用犬になり,ある犬はアフガニスタンでの軍用犬になる。 ロシア籍になる犬,中国籍になる犬,アメリカ籍になる犬,メキシコ籍になる犬。 本書は,実にユニークでクールな小説だ。 「イヌよ,イヌよ,お前たちはどこにいる」と筆者がイヌたちに語りかける形で物語は進行する。 そしてイヌの思考は 「オレハ生キテイルンダ」 「アタシタチハ,疾走スルヨ」 「アタシタチハ,ツカマラナイヨ」 とカタカナで表記される。 そして,このイヌたちのクロニクルの章と交互に,ロシアで捕らわれたヤクザの娘の物語が展開する。 この娘が囚われの身でありながら,なんとも図太く生き抜く力を持っている。 そして娘はいつしか,ロシアの軍用犬との間に徐々に信頼関係を築きあげていく。 20世紀は戦争の世紀であり,軍用犬の世紀でもあった。 そしてその戦争が終わった今,イヌたちはどこへ向かうのか。 さて,本書の格好良さは冒頭の献辞に表れている。 「ボリス・エリツィンに捧げる。おれはあんたの秘密を知っている。」 うーん,クールだ。 | ||||
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2006年 このミステリがすごい! 国内編第7位 2005年 闘うベストテン 国内編第5位 古川日出男さん『ベルカ、吠えないのか?』は犬三昧の小説である。 ミステリってことと、タイトル、そしてカバーイラストから勝手に警察犬の物語と思っていたらば、全く違っていた。 本作品では、1943年 キスカ島(日本領としての鳴神島)に取り残された4頭の軍用犬 北、正勇、勝、エクスプロージョンの系譜が50年にわたってつづられていく。アメリカへ、ロシアへ、中国へ。犬たちの子々孫々がどのような運命をたどるのかを追っていくのだ。 「イヌよ、イヌよ、お前たちはどこにいる?」 離れ離れになった兄弟、子らが、国境を超えて交差するというドラマを折込みながらストーリーは展開する。 本作品のあらすじを書きあらわすのは難しい。犬たちの生きざまの周辺に、それに関わる人々のエピソードが絡みついている印象だ。本作品の主軸というか方向性がどこにあるのかよくかわからないのが正直なところ。僕にはどうにも読みづらかった。ちょっと読むのに時間を空けちゃうと、どれがどの犬のことだったかわからなったりする。 古川日出男さんの文章はお気に入りなんだけど、本作品には戸惑いを覚えてしまったな。 | ||||
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2006年 このミステリがすごい! 国内編第7位 2005年 闘うベストテン 国内編第5位 古川日出男さん『ベルカ、吠えないのか?』は犬三昧の小説である。 ミステリってことと、タイトル、そしてカバーイラストから勝手に警察犬の物語と思っていたらば、全く違っていた。 本作品では、1943年 キスカ島(日本領としての鳴神島)に取り残された4頭の軍用犬 北、正勇、勝、エクスプロージョンの系譜が50年にわたってつづられていく。アメリカへ、ロシアへ、中国へ。犬たちの子々孫々がどのような運命をたどるのかを追っていくのだ。 「イヌよ、イヌよ、お前たちはどこにいる?」 離れ離れになった兄弟、子らが、国境を超えて交差するというドラマを折込みながらストーリーは展開する。 本作品のあらすじを書きあらわすのは難しい。犬たちの生きざまの周辺に、それに関わる人々のエピソードが絡みついている印象だ。本作品の主軸というか方向性がどこにあるのかよくかわからないのが正直なところ。僕にはどうにも読みづらかった。ちょっと読むのに時間を空けちゃうと、どれがどの犬のことだったかわからなったりする。 古川日出男さんの文章はお気に入りなんだけど、本作品には戸惑いを覚えてしまったな。 | ||||
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犬はかわいい。その仕草が、垂れたりとがったりした耳が、裏切りを知らない面持ちが、振れる尻尾が、速く浅い息のリズムで揺れる舌が、とにかくかわいい。 でもちょっと考えてみると、犬はオオカミであるということに気付く。犬の本質は恐ろしくて、そして強いのだ。古川日出男の小説、『ベルカ、吠えないのか?』は、そう教える。そこには、第二次大戦後からの犬の歴史が、人に最も近い獣であるが故に人に翻弄されて、それでも拙く続いた歴史が描かれている。そり犬や軍用犬、麻薬犬として人に訓練される「犬」がいる。犬達はひたすらそりを引き、東西に分かれ、ベトナムやアフガンでのど笛を噛みちぎる。あるいは麻薬犬として鼻をしめらせる。しかしひとたび捨てられ見放されれば、野生に回帰し「イヌ」となる。イヌは生命体として自分の遺伝子を刻もうともがき、生きる。猛々しく吠え、交配し、子孫を増やす。そして一部のイヌ達は、またもや人に拾われ、再び犬となる。 短いセンテンスを積み重ねた文体は、斬鉄剣の切れ味を思わせる。冷戦、毛沢東、フルシチョフ、ケネディ、アポロ、スプートニク、ペレストロイカ、固有名詞によって語り尽くされてきた二十世紀を解体し、壮大で痛快な犬のフィクションに摩り替える。古川が匠の鍛冶でこしらえた「ベルカ」は、教科書に書かれ、語り尽くされた冗長な歴史をばっさりと斬り捨てるのにうってつけだ。 | ||||
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とにかく面白い。 チワワなんてクソ食らえ、イヌは強くてこそナンボのもんだ、 と思っているイヌ好きなら一生読んでいたいほどハマリます。 どのイヌも漢(おとこ)です。雌イヌも、漢(おとこ)です。 可愛くいじらしいイヌを描いた名作は幾らもありますが、 人間をして「かくありたい」と思わせるイヌを描いた物語など、 見たこともありません。 星4つにしたのは、政治情勢を説明する部分のできがあまり良くないこと、 人間の描写がイヌほど深く描けていないこと、 ラスト部分で、えっイヌこんなに弱かったの?と思えてしまうことです。 代々のイヌたちの物語部分は、星10個です。 | ||||
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ベルカやストレルカはライカ犬だけど、 「北」「正勇」「勝」「エクスプロージョン」はシェパードとか日本犬だっただろう? | ||||
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数世代に渡る犬たちの数奇な運命を描く、ありそうにも無さそうな、まさしく犬仁義伝。これは面白かった。読む、というより紡ぐイメージで、ストーリーが目新しいわけじゃ無いですが、極めて独特で、脳髄に働きかける本といった印象。 本書のイメージを決定づけるのは、その特異なストーリーだけでなく、(文庫本だけかもしれませんが、)冒頭に出てくる家系図ならぬ犬系図でしょうか。当初はさっぱり理解出来なかったその犬系図が頭の中で解きほぐされていく瞬間、物語は加速度的に面白さを増していきます。 犬系のレイヤーが頭の中で縦横無尽に積み重なるイメージは古川さん独特のスピード感ある文体あってこそと思われます。 ハッピーエンドを求めるわけじゃないですが、ラストの終わり方があまりに物悲しいのが残念。とは言え、この独特の読み応え、一読の価値はあります。 | ||||
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壮大な叙事詩のようなハードボイルド軍用犬ファンタジー歴史小説。明確な主人公の設定がないタイプの小説は初めて読みました。1人のキャラクターに小説を通して感情移入することもないままに、何か凶暴なエネルギーに飲み込まれるように読まされてしまったのが不思議。人間の傲慢さに翻弄され世界に散らばった犬達の血脈が、やがて因果な運命に吸い寄せられるように再び収束される物語展開は少々荒唐無稽というか乱暴なのに、理屈を超えて、官能的な感動を覚えました。犬の思考を表現するぶつ切り文体が面白かった。○○犬の子供は○○でその子供の○○はどこどこに広がった…みたいな犬の血統と戦争歴史の事象を語った数ページは創世記を読んでいるかのよう。そこらへん叙事詩的な印象を色濃くさせていたような…。やくざの娘である少女がいい!あの子の物語をもっと読みたかった。 | ||||
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こういうタイプのエンタメ小説もあるのかと、勉強になります。いろんな種類の本は読んでみるモノです。 作者が語り部となったり、出てくる犬が読者を誘導したり、ハードボイルド調の物語になったりと、3つのタイプの小説がひとつに纏まっています。 私は、様々な視点がシームレスに、作品の中で縦横無尽に移り変わるのが好きですから、この本が誘導するままに任せて読み始めたら、超ノリノリで読めましたね。 この作者の他の本も読んでみたくなりました。 | ||||
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二十世紀の地球上を駆けめぐる犬たちの血統史。 「お前」という二人称で語られる本作は、マジックリアリズムを思い起こさせる。時に宇宙にまで行く犬たち。それらはまるで神話のように壮大である。二人称で語られることの生み出す緊張感と力が、他にない小説世界を作り出している。 全体的に、着眼点も取材も表現も構成も文句なしだと思う。多くの人におすすめしたい本だ。だが終盤で少々書き急いだ感があるのが惜しい。 | ||||
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