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ベルカ、吠えないのか?
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ベルカ、吠えないのか?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 41~60 3/4ページ
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題材はおもしろそうなのに文体が不愉快。そして品性のない台詞ばかり。やっぱり三島由紀夫賞作家は読者を選びますね。 | ||||
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私は、かなり面白いと思いましたが、読み手を選ぶような本だと思います。そのため、私は読むことを誰かに勧めたりはしないかなと。ストーリーは犬の話を縦糸に、ソ連に裏切られた男の復讐の話を横糸に編まれています。最終的には一本につながるのですが。犬の話は、壮大さに心を奪われ、男の話では、その強さ、ハードボイルドな気分に心が奪われました。 | ||||
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かっこよい、犬がたくさん出て、「俺がか?」など犬の言葉や思考が、リアルです。よくある、喋る動物のように、まるで、人間の思考に置き換えちゃってはいません。美少年や美人がでてくる、ありきたりな部分が、なく気持ちよく読めます。 | ||||
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星5つの理由としては、すぐに飽きてしまって小説を読めない自分が「最後まで一気に読めた!」という面白さ。犬たちの壮絶な人生(犬生?)に、読んでるこっちがつらくなってしまう事もたびたびありましたが、何より、犬たちは自分の目の前にある「過酷な運命」を黙って受け入れ、与えられた一生の中で懸命に生きていく・・・その「犬の心意気」みたいなものに、勇気をもらった気がします。なぜか、「よし、自分も頑張ろう」という気持ちになった本です。 | ||||
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あるテレビ番組で取り上げられていたので買って読んでみた。その番組では大絶賛していたが…。まず感想は読みにくいなあと思った。時折、文章が乱雑になったり、犬の視点からの言葉がでたりとなかなか入りにくい内容だったかなと思った。ストーリー的にはいいが、犬の系譜図なんかをどこか付録でつけてくれると読みやすかったと…。ただし、発想や着眼点は良かったかと思う。犬の視点から歴史をみるというのは大いに参考になった。でも、結構絶賛されるほど内容の面白いものではないことだけは言えると思う。 | ||||
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一体何をどうすればこんな物語が思いつくのか、不思議でしょうがない。4頭の犬から始まる、犬の現代叙事詩。複雑な世界情勢も、歴史を動かす人間たちの情念も犬は感知しない。歴史に利用され、時に歴史を動かしながら逞しく生きる犬たち。人間のそれより感動してしまうのが凄い。4頭の犬から始まった血統に、どう始末をつけるのかに期待したけど、意外にあっさり終わってしまった。物語りも斬新だけど、それよりも目を惹くのが、独特すぎる文体。個人的な話で申し訳ないけど、物語り抜きで文体だけで酔えるのはチャック・パラニュークの作品を読んで以来だった。でも破壊力ではこちらの方が上かな?続編(?)である「ロックンロール七部作」もあわせてオススメ。 | ||||
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今までに無い、新しいスタイルを作る事は難しい事ですし、その取り組む姿勢は素晴らしいのですが、だからといって完成したものが無条件に良いモノではありませんよね。 書評者として豊崎 由美さんという方が私は結構好きなので、その方のおススメだったので読んでみたのですが、ちょっと残念な読後感でした。 しかし、新しい事は間違いありません。しかも読みやすい。読みやすい事は素晴らしい事です、ホントに。読みやすいから馬鹿にされやすいという事がありますけれど、(たとえば村上 春樹さんとか)それは間違っていると思っています。まず、読んでもらえなければ始まりませんし。読ませる力の何割かは読みやすい事が担っているはずです。 しかし、犬 に代弁させ、説得力を持たせるのは難しい事です。犬じゃなく作者の語りたい事を犬に代弁させている事がにじんできます。 物語の説得力、あるいは現実味、世界観といったものがちょっと薄いのでは?と。ただ、「物語を理屈抜きに楽しみたい」、という方にはオススメできます。しかし、最後に ダカラドウシタノ? という疑問には答える力は無いのではないかと。読後に何も残らない感じがしてしまったのです。新しいのですけど。 | ||||
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たまに文章が雑になったり下品になったりする。 大いなる歴史が横たわっていて犬が縦横無尽に駆け回り、解説もあるので勉強になる。 何度も繰り返し読めば、だが。 | ||||
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さて、古川日出男というのは、現在の日本のエンターテイメント小説のトップ選手だと思うのですが、いかがでしょう。 19世紀。いろいろありました。戦争の世紀です。その20世紀を、イヌの世紀としてまるごと、つまり、一匹の軍用犬から派生するイヌたちを視点とした歴史にまるごと書き換えてしまうという行い。 こんなことを何故思いつくのか? 作者は何がやりたいのか? もはや、まったくわからない。 しかし、面白すぎる。あるイヌなんか、一匹の牝イヌと交尾したいがために、大麻を嗅ぎわける技術をがんばって習得したりして、健気すぎる。文体もひたすら硬派。二人称のお前、という呼びかけががっちりはまっている。 ただ、あまりに一般的でなさすぎる。ラストもなんなんだ?と思うかたもいっぱいると思う。この人の作品のラストはみんなこうですから。 だから直木賞も取れないのか。大衆に媚びすぎているよ。 | ||||
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このミステリーがすごい!でトップ10に入ってたので買ってみたのだが、昔の週刊少年ジャンプ「銀牙」なみの犬のストーリーで、面白い部分もあったのだが、もっと一匹の犬に焦点をあてて深く描いてもらいたかった。また、ラストへの繋がりがなかったように思えた。パーツパーツは面白かったので、犬だけの冒険劇とか、犬を使った復讐劇とか、もっとスマートな展開でもよかったような。素人がぬかしてゴメン。 | ||||
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こんな本、初めてだ。これが読後感。読んでいる間も、ため息をつきっぱなし。というか、この人、何でこういう本を書こうと思ったんだろう?この本を薦めてくれた知人とも「どうしたら、こんなもん、書こうと思うんですかね」としばらく盛り上がった。うーん。すごい。最初、イヌの視点で描く20世紀、と聞いたときは、「ガンバの大冒険」みたいに、イヌがしゃべる荒唐無稽な話かと思ったんだけど、あくまでもイヌはイヌなのに、そのイヌたちのエピソードを辿っていくと、20世紀の戦争の歴史になる。イヌよ、イヌ。おまえたちはどこにいる?繰り返すが、何で、こんなもん、書こうと思ったんだろう?これ読んでると、ギリシャの詩人ホメロスの『イリアス』を思い出した。骨太な描写とか、語り口とか、場面転換の手法とか、かなり似ていると思った。(だから、神話だろ?これ、と思った次第)ある評論家が、常に新しい文学を創り出す人、としてこの作者を紹介していたが、そのとおり。気になって、この人の「ロックンロール七部作」も読んだけど、これもまた、すごかった。うーん、なかなかです。 | ||||
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ここ数年間読んだ中で1番感動したと言っても過言ではない本。太平洋戦争末期から現代までの政治・紛争史を、軍用犬の血統と東西陣営の冷戦構造を重ね合わせて描いている。特異なのはそのは文体にある。犬に語りかける話者とそれに答える犬たちとの応答が大半を占める。人間に見放された軍用犬は、数奇な運命に翻弄されながら、自らの生物としての本能に従い、子孫を残そうとする。オス犬もメス犬も。雑種も純血種も。ちょっと愉快なのは、人類史上初めて宇宙を飛んだ生命体である犬、ライカ犬が犬たちから崇められ、1つのラインとして血統に連なっていくことだ。20世紀になって初めて品種改良により作出された「シェパード」と犬たちの英雄(宇宙に行ったから!)が交わることによって産み落とされた犬たちの行く末は?作中、犬たちは常に疾走している。余談だが、ついこの間見た「南極物語」で雪原を走っていた犬たちを見たが、それと同じ類の疾走感がこの作品にえもいわれぬ躍動感を与えている。読み始めるとそのスピード感に一気に引きずられる。その疾走感を味わうに、読んでみて損のない作品。 | ||||
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犬の視点から歴史を再構築し、描ききった作者の力量には感嘆するのみ。ただし、人間(というかヤクザ)の会話が(たぶんわざと筒井康隆的に)うわっつべりしているあたり、人間=文具、犬=イタチという構図で「虚構船団」と勝負したかったのかな?とも。だとしたら、残念ながら負けてます。とは言え本作の価値が減じることは全くないので、迷っているなら是非読むべし! | ||||
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「これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。 おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、 この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?」この挑発的な前口上。虚構小説ほぼ手に取らぬが受けて立たん。さて。 一九四三年。キスカ島を撤収した日本軍が四頭の軍用犬、つまり、 北、正勇、勝、エクスプロージョンを置き去りにした事から始まる 二十世紀=戦争の世紀を壮大に描いたクロニクルが幕を開ける。 交配、性交、暴行に拠り綿綿縷縷と連なる犬の相関図。 アリューシャン、アラスカ、ハワイ、サモア、米国本土、メキシコ、 日本、朝鮮、中国、ヴェトナム、アフガン、ソ連〜ロシアと、 広範点在と拡がる舞台にあるのは必ずや人間戦争。 人間は? 噛殺される者、喰らわれる者、屍と化す者に。犬に拠って。 KGB、米軍、マフィア、ヤクザ、ゲリア、コマンドが暗躍するも、 名を持つ人間は無し。今際に発すは。声にもならぬ呻きのみ。 犬は? 軍用、種犬用、麻薬探知用、往路なき宇宙用に。人に拠って。 DED(dog eat dog)、ストレルカ、そしてベルカ、 名を持たぬ犬は無し。殺めの際は。決して吠えず。 そして。名を持たぬ人間も。名を持つ犬も。 地球の方方で殺戮、虐殺、仇討、一掃、共喰いを重ね、 果たして物語りは終いに向うに従い誠巧みに収斂。 さて、その結末やいかに…。 表題、装丁は誠秀逸。表紙など、絶妙なジャケ写も賞賛された BLUR「PARK LIFE」を彷彿、故に触手を伸ばした次第。 犬物語と思うなかれ。涙愛情感動頂戴な類との先入観、痛い目に遭う。 只、体言止、散文的、硬派な文体の多用には少々辟易。 以上を鑑みた読了評価は…。 読むに損はなし。犬と戦争と舞台の相関図を自筆すれば得策か…。 果たして。ベルカは、吠えたのか? 「うぉん」 | ||||
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軍用犬の歴史を二十世紀、戦争の歴史・世界の戦後史に沿って描いた超スタイリッシュでハードボイルドな小説です。 僕は高校の時日本史を選択していたせいか世界史には非常に疎かったのですが、この本のお陰で数々の戦争(例えばベトナム戦争やアフガン戦争や冷戦、諸国における内紛など)の背景や世界情勢に少しは詳しくなれたような気がします。軍用犬の歴史を語るに至るためには戦争の歴史を語ることが不可欠となるため、その記述が延々と記されていることによって「冗長だ・説明的だ」と感じるひともいるかもしれません。僕は少し脱落しかけましたが何とか読めました。しかしその記述があることによってこそ軍用犬「それぞれの人生」が際立って読者に迫ります。 少し難しい作品だったので、これを「面白い!」と賞賛できる人間には憧れます。作者さんの力量は素晴らしいです。書ききった!と言う感じがします。終焉へ向かう数ページなどはまさに映画を見ているようでした。非常に質の高い作品です。 | ||||
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神の視点でつづられる、壮大な犬の歴史物語。4頭の軍用犬から派生する様々な物語が語られます。あるものは狼と交配し、あるものは純潔を保ち美を極める。またあるもの麻薬探知犬となり、戦闘を極める犬もいる。さらには宇宙へ飛び出し、伝説となる犬もいる。独特の筆致で描かれる多種多様な犬達の人生は非常に興味深く、読者は血統という壮大な歴史を一瞬のうちに追体験するのです。果てしなく続く血の物語はどれも感動的で、類似の作品は読んだ事がありません。貴重な体験でした。 | ||||
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読了後、犬たちには名前があるのに、人間たちには人称代名詞しか与えられていないことに気づく。そう、これは犬たちが主人公の壮絶な物語なのだ。彼らは軍用犬である。よって人間界の政治や戦争などに大きく翻弄される。はじまりは、太平洋戦争の片隅、北極圏に近いアリーシャン列島のある島で日本軍に置き去りにされた4頭の犬たちだ。彼らは数奇な運命を辿り、「系統樹/子孫」を世界中に残すことになった。冷戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、ソ連崩壊・・・様々な歴史の舞台に犬たちは、いる。そのとき、彼らはどこにいるのか? 何をしているのか? 独特な熱い文体、抑制された擬人化で描き出される。そこには大きな運命の円環があった。途方も無い小説だ。 | ||||
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第二次世界大戦から東西冷戦を経由し、ソ連邦の崩壊とその後の混乱で閉じたあの戦争の世紀を、「近代兵器」として運命を翻弄されたイヌたちに焦点を当て、ありうべきもうひとつの20世紀史として描き出した傑作。物語は1990年代のとある冬の日、シベリアの森の中で、防寒具に全身を固めた若い男が、人里離れた一件の人家に辿り着くことから始まる。この近過去の物語を横糸に、そして、1943年のアリューシャン列島、キスカ島/神鳴島に日本軍が置き去りにした四頭の軍用犬たちの血統が紡ぐ数奇な運命を縦糸にして、二つの物語が交互に縒られ、USA、ソ連邦/ロシア、アラスカ、日本、韓国、朝鮮、中国、ヴェトナム、メキシコ、ハワイ、サモア、アフガニスタン、等々、舞台を転々としながら、米軍、KGB、ヤクザ、各国のマフィア、ゲリラといった人間たちとイヌたちのそれぞれの流血と生存の戦いが一大絵巻として織りなされていく。後半、二つの物語は一気に収斂し、クライマックスでの沈黙の市街戦と、そこから一転しての殺戮劇(それはさながらパリ・コミューンの顛末をも想起させる)、そして。生き延びた者たちは我知らず、この物語の円環を閉じんとするだろう。それがどのようなものであるのかは、是非一読して確かめて欲しい。「人間」の登場人物たちには徹底した観察者の視点から記述しながらも、イヌたちには「お前」と呼びかける語り手によるナレーション(ときに脱線したかのように、当のイヌたちと物語の中で対話を始めるのはご愛敬か?)が地の文を支え、無駄のない硬質な筆致で進むストーリーは、読者を飽きさせることなく一気に読ませる。内容、タイトルはもちろん、装幀も秀逸。 | ||||
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第二次世界大戦中の三頭の軍用犬から始まったその子孫たちの物語。離れ離れになった犬たちの子孫が世界の果てでまためぐり合ったり別れたり。ベトナム戦争 アフガン そして、ソ連のペレストロイカ・・・宇宙開発・・・愛すべき犬たちと数々の近代戦をよくこんな風にからめられるものだと感心してしまいます。どんどん引き込まれて一気に読んでしまいました。犬好きの方にはちょっと刺激的だけどおすすめです。うぉん! | ||||
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いまだかつて読んだことのない不思議な文章。たたみかけるような表現と、感情を交えずに淡々と綴られる過去と現在。「イヌよ、イヌよ」と呼びかけながら乾いた筆致で20世紀を描き出す。犬が出てくる小説は数々あれど、お涙頂戴にならないのは一風変わったアプローチの結果かも知れない。4頭の軍用犬から始まり、あるものは交雑し、あるものは純血を保ちながら世界中に増えてゆくイヌたち。人との関わりも戦争だけにとどまらず、ドッグショーやマフィアの用心棒などさまざまだ。宇宙船に乗せられた犬「ベルカ」が地球を見下ろした年を「イヌ元年」とすると、それ以降の犬たちも戦争や紛争で多大な犠牲を強いられてきた。それを思うとき、さしずめ21世紀の犬は幸せボケしているのかも知れない。 | ||||
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