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鉤
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鉤の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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このミス2004年 海外5位 週刊文春2003年 海外6位 闘うベストテン2003年 海外8位 スランプに陥ったベストセラー作家プライス・プロクターは、偶然見かけた二十年前の作家仲間ウェイン・プレンティスへ相談を持ちかける。ひとつは、ウェインの買い手が付かない作品をプライスを譲ること、もうひとつは、離婚調停中の妻ルーシーを亡きものにすること。報酬は55万ドル。迷いから抜けきれないウェインだったが、プライスの手引きでルーシーに接近し、発作的に彼女を殺害してしまう。一方、プライスはウェインの作品に手を加え、ベストセラーとして世に出すことに成功するのだった ・・・ 予想されるのは、プライスとウェインが揉め事を起こして、犯罪行為が暴露されるという展開。しかし、ウェストレイクのこの作品は違う。さぁ、ここから二人の確執が始まるぞという数々の場面で、解決策が見出され鎮静化してしまうのだ。この想定を外されるときに感じる苛立たしさが、よい意味でたまらない。 本作品は、いつものウェストレイクらしいユーモアが見られない。登場人物たちの心理描写に重点を置いた、じっくりと読ませるミステリになっている。ヒトの暗い部分の描き方が際立っていて、特に、ルーシーを殺害する場面のウェインの心の動きは秀逸だと思う。 プライスが、除々に狂気に蝕まれていく様は、まさに心理サスペンスの趣。犯行の当事者にもかかわらず、事件を忘れ去っていくウェインとの対比が、壊れていく男の姿の凄まじさに拍車をかける。ウェストレイクもこういう作品も書くのかというのが実感だ。 なお、プライスとウェインの執筆作業を通じて、ウェストレイクのプロットの組み立て方を垣間見ることができる。ちょっとためになるお得な作品でもあったりする。 | ||||
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最初は暗い話だなとちょっといやな気分で読み進めていました。 そうでした。ウェストレイク本はいつもしょぼいジェットコースターのように 最初は、なんだこれ?上るのおそーほんとにこれおもしろいの?と油断していると一気にウェストレイクの世界に引き込まれます。 この話も主人公2人の心が正常と異常、常識と現状打破、体面と生活苦の間で揺れ動きまくり。 良かったですよ。オススメ! | ||||
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『斧』の姉妹編だという宣伝文句に引かれて購入しました。が、違う作品として読んだほうが楽しめるようです。設定も内容もまったく違うし類似点を見つけるほうが難しいです。(あとがきでこの点について弁明してますが、苦しい言い訳だと思います)主人公ふたりの作家の心の動きに重点が置かれているので、ハラハラするような事件が次々に起こるようなことはないです。ジェットコースター的なミステリーを期待する方には物足りないかもしれません。ただ出版業界の裏側や作家の心情が詳しくリアルに描かれていて、小説ができるまでの舞台裏を楽しむことができます。売れなくなった作家は新人としてペンネームを使うとか、ブックツアーの話とか、きっと本当のことなのだろうエピソードが盛りだくさんです。またベストセラー作家への嫉妬や、アイディアが枯れることへの焦りなど、書いてる本人がミステリー界の名匠であることを考慮に入れるとかなり興味深いと思います。文体も堅苦しくもなく哲学的でもなく簡単なところも特徴です。この作家が好きな人、出版業界の内情をのぞきたい人には面白い本だとは思います。 | ||||
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ウエストレイクは泥棒ドートマンダーものとかリチャード・スターク名義の悪党パーカーシリーズで有名だがこの「鉤」はどのシリーズにも含まれないもの。しいて言えば前作の「斧」に近いテイストだろうか。「斧」は失業した男が職を得るために次々とライバル(になるであろう)同業者を殺していく話である。主人公が最初は緻密に計画しているのだが、段々と精神的によれてきて、出口のない迷路に嵌まっていく様子をうまく描いていて、一昨年の「このミス」「週刊文春」ともに海外編4位を獲得している。「鉤」もシチュエーションは違うが、書けなくなったベストセラー作家とゴーストライターを引きうけた上に殺人も犯す売れない作家2人の不思議な関係と顛末をうまく描いていて面白い。もちろん、ウエストレイク独特のユーモアもあるし、米出版業界の裏面を覗く楽しみもある。「斧」にハマった人も、「斧」を読んでない人も必読の面白さである。 | ||||
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