鉤
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先に読んだ『斧』の姉妹編『鉤』を読むことにした。 読み始めてこの先この物語がどのように進むか見当がつかなかった。 この『鉤』は、コージー・ミステリのように思い読み進んでいた。 が、物語を半ばまで読み、これはサイコ・スリラーではないかと思いなおした。 評者の想像通りの結末を迎え、やはりサイコ・スリラーだつたと納得したのです。 書けなくなった作家の心理をこれほどリアルに描写するのは著者自身の体験からだろうと思ってしまった。 ストーリー展開に不自然なところが度々あり『斧』より出来が良くない作品と思いながら読み終えました。 | ||||
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売れない作家と売れている作家がダブル主演のミステリー。小説家についての小説、メタフィクションというジャンルなのだそうだ。本業の人が買いているだけあって業界事情がリアルで興味深い。アメリカの作家には出版社や媒体をブッキングするエージェントがついているという点、印税前払い制度があるという点は日本と大きく違うので、そのあたりを知らないと少し戸惑うかもしれないが、前作の販売部数で次作の評価がおおむね決まるとか、「最近の出版ゲームのやり方では、おれたちは延長最終回の一発勝負から始めるんだ」といったせちがらい業界事情は日本も同じである。それはさておきこの本。(以下ネタバレ注意)スランプ真っただ中の人気作家ブライスが、図書館で古い友人ウェインに出くわす。彼は食つなぐのが精いっぱいの落ちぶれた作家だが腕は確かで、しかもすでに書き上げた作品を持っていた。そこで取引成立。ウェインの作品をブライスの名前で出版し、印税は山分けしようということになる。しかしその前にひとつ片づけなければならない汚れ仕事がある。ブライスと離婚調停中のルーシーを消すことだ。これが物語の序盤。ここまでは悪くないけれど、ウェインがその汚れ役を引き受けてルーシーを殺害してからの展開が一言でいって不自然。最たるものがウェインとの心理と行動だ。殺し屋でも兵士でもない普通の人間がほぼ初対面の人間を直接手にかけて惨殺したあと、まったく以前と変わらない様子で暮らしていけるものだろうか。しかも初めての殺人が完全犯罪とかありえない。ウェインの妻スーザンも慈善団体の傘下組織で理事の仕事をやっている地味な女性でありながら夫が殺人犯になることに対して何の拒否反応も示さない。そして殺した女性の夫(ブライス)と平気な顔をして会うというのも解せない。怨恨や羨望といった感情もなく、快楽目的でもなく、「やったらお金が入ってくる」というだけでそれまで堅実な生活をしていた夫婦が急に冷徹な殺人請負人に豹変するのがあまりに不自然で、そこには何の伏線もなく最後はブライスが不安と罪悪感と好奇心と絶望感でぐちゃぐちゃになっておしまいという。非常に訳しづらい作家だそうだが、訳で意味がわからなくなっているところもあり、なんとか最後まで読み通したけれどあまりその甲斐もなかった。 | ||||
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犯罪者視点で進む。 犯人が捕まるのか捕まらないのかという描写はない。 おそらく捕まるのだろうと解釈できるような書き終わりにはなっているが、謎解き要素はなくいまいち釈然としないので爽快感はない。 殺人に対し誰も罪悪感を覚えないという異常な設定で、 読んでいる最中ずっとこの落とし前をどうやってつけるのだろうというのが気になっていたのだが、最後は十分予見できる終わり方で拍子抜け。 正直言って後味は悪い。主人公の心の葛藤が読みどころなのかもしれないが、自分が巻いた種なうえ、所詮フィクションの悩みじゃ同情も共感も覚えられなかった。 このミスで5位らしいがあまり良いとは思えなかった。 また、業界裏話的な部分はあるが、それをもってこのミステリーが面白いなどと評価するほどの話ではないと思う。 | ||||
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このミス2004年 海外5位 週刊文春2003年 海外6位 闘うベストテン2003年 海外8位 スランプに陥ったベストセラー作家プライス・プロクターは、偶然見かけた二十年前の作家仲間ウェイン・プレンティスへ相談を持ちかける。ひとつは、ウェインの買い手が付かない作品をプライスを譲ること、もうひとつは、離婚調停中の妻ルーシーを亡きものにすること。報酬は55万ドル。迷いから抜けきれないウェインだったが、プライスの手引きでルーシーに接近し、発作的に彼女を殺害してしまう。一方、プライスはウェインの作品に手を加え、ベストセラーとして世に出すことに成功するのだった ・・・ 予想されるのは、プライスとウェインが揉め事を起こして、犯罪行為が暴露されるという展開。しかし、ウェストレイクのこの作品は違う。さぁ、ここから二人の確執が始まるぞという数々の場面で、解決策が見出され鎮静化してしまうのだ。この想定を外されるときに感じる苛立たしさが、よい意味でたまらない。 本作品は、いつものウェストレイクらしいユーモアが見られない。登場人物たちの心理描写に重点を置いた、じっくりと読ませるミステリになっている。ヒトの暗い部分の描き方が際立っていて、特に、ルーシーを殺害する場面のウェインの心の動きは秀逸だと思う。 プライスが、除々に狂気に蝕まれていく様は、まさに心理サスペンスの趣。犯行の当事者にもかかわらず、事件を忘れ去っていくウェインとの対比が、壊れていく男の姿の凄まじさに拍車をかける。ウェストレイクもこういう作品も書くのかというのが実感だ。 なお、プライスとウェインの執筆作業を通じて、ウェストレイクのプロットの組み立て方を垣間見ることができる。ちょっとためになるお得な作品でもあったりする。 | ||||
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ベストセラー作家の内幕をベストセラー作家が書いているので、 非常に興味深いです。 作者自身はさすがに読ませる勘所をよく心得ていて、 ハラハラドキドキの展開ではないのに一気に読めてしまいます。 本人もゴーストライターも(w)これくらいかけていれば安泰です。 ただし、犯罪サスペンスとしての面白さはないので、 星は3つにしました。 | ||||
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