斧
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90年代のアメリカにもグローバル化の波がおしよせ、企業合併からリストラの嵐が吹き荒れた。 ミドルクラスの失業など日常茶飯事のことであったことにヒントを得てドナルド・E・ウェストレイクが書いたのが本書『斧』(1997年)である。 この物語の主人公バーク・デヴォアは、アメリカのコネティカット州で妻と子供2人と4人で暮らす51歳の男である。 25年間勤めていた製紙会社でキャリアーを経て今では生産部長である。 が、企業合併のためあっけなく回顧されてしまった。 専門職のバークのよな失業者は多く、製紙会社の求人に応募してきて2年が過ぎたが未だに採用されない。 これでは永久に職に就くことができないと業を煮やして彼の考えたことはユニークだった。 競争相手を6人にまで選り分けて(この方法もユニークだった)この世から消えてもらうということだ。 素人殺し屋になったバークが出たとこ勝負の殺しを、一人目、二人目とそれぞれ思わぬハプニングに遭遇しながら進めていく。 バークが臨機応変に行動するところや、心理描写などは、さすがウェストレイクだと感心させられた。 ストイックになっていくバークと妻のマージョリーとがカウセリングを受けることもストーリーに色を添えている。 本書の終わり近くでバークが、「今日、われわれの倫理規約は、目的が手段を正当化するという考えの上に成り立っている。目的が手段を正当化するという考えは不適切だと思われていた時代があったが、そういう時代は終わった。」と語っている。(P363) 主人公バーク・デヴォアを、なんとか職につかせようと読者も応援したくなるような気にさせる件であり、読みながら恐ろしくなってきます。 「チャップリンの殺人狂時代」という映画でチャップリンが、「一人殺せば殺人者で百万人殺せば英雄となる」と語るところを思い出してしまった。 家族を養うために殺し屋になったバークは、百万人も殺してはいないが、何人もの人を殺したのだから家族にとつて英雄なんだろうか?と、思いながらサイコパス小説『斧』を読み終えました。 | ||||
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「リストラ」を中心に据えたこの手の本は初めてです。 最初は各氏の書評に惹かれて取り寄せましたが、最後までだらだらと続く ストーリーに眠気がさします。 犯人の「異常性」を描くが、実在感がなく絵空事のよう。 著者はこのテーマでの執筆に熱意をかけたのは間違いないが、 空回りして、「だから何を言いたいのか?」まるで不明。 「異常性」が理解できるから「異常」なのだが、理解不能な主人公の 行動にはリアリティがまるでない。 見知らぬ人を次々に殺害するだけの作文。起承転結自体がないのは驚き。 当方の想像力の欠如ではなく、テーマの意外性に著者も読者も 振り回されるだけで、詰めも甘いし、結局は「こんなんどうどす?」と 勧められた口に合わない郷土料理を食わされた気分。 これが賞を取るくらいだから、貧困な出版業界ですね・・・ | ||||
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週刊文春2001年 海外3位 このミス2001年 海外4位 パーク・デヴォア(50才)は、製紙会社を解雇され、2年間、失業中の身。面接すれども職にありつけない日々を送っていた。バークはついに、再就職のライバルとなる(であろう)ものを選別し、殺害することを決意する。 はっきり言って、気持ちの良い話しではない。が、自身のライバルとなるものを探し出し(この手法は必見)、ミスをリカバリしながら目的を達成していくバークの姿には、興味を惹かれるものがある。悔恨の情は、ままるとしても、あっさりと殺人を犯すバークと、妻や息子に対する思いやりのあるバークの落差が印象的。ヒトの内面にある両極端を、戯画化して描いているということなんだろうか。 ドートマンダーシリーズのような笑いは全くないんだけど、ウェストレイクファンには一読の価値あり。サラリーマンとしては、身につまされることしきりなんだが。 | ||||
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リストラされた男が選んだ就職活動は、ライバルたちを消すことだった。この世から、永遠に。 連続殺人を犯す過程と心理を細かに描いて、場面の単調な繰り返しに陥らない構成に、改めて作家の技を見る。 これ、TVドラマにしたら面白いんじゃないかな。舞台を日本にして。 しかしエンディングは変えた方が良いな。映画ならこのままでもいいけど、TV向きではない。あー、深夜枠ならアリかな。 | ||||
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製紙会社をリストラされた中年男性が、なかなか再就職できないあげく、ライバルの男性を次々殺していくことを考える。 日本の特に都会部では対象となるライバルが多すぎて起こりにくそうな発想だけど、 アメリカのコネティカット州あたりではあり得るのかな、と想像してしまう。 殺人の方法は様々だけど、なぜか「斧」というタイトル通り、黙ったまま斧を振りおろしてる姿が一番似合いそうな恐怖感を覚える。 主人公が淡々と殺害相手を選んで殺人を遂行していく様子が怖い。 なかなかしびれる一冊です。 | ||||
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