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鉤
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鉤の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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先に読んだ『斧』の姉妹編『鉤』を読むことにした。 読み始めてこの先この物語がどのように進むか見当がつかなかった。 この『鉤』は、コージー・ミステリのように思い読み進んでいた。 が、物語を半ばまで読み、これはサイコ・スリラーではないかと思いなおした。 評者の想像通りの結末を迎え、やはりサイコ・スリラーだつたと納得したのです。 書けなくなった作家の心理をこれほどリアルに描写するのは著者自身の体験からだろうと思ってしまった。 ストーリー展開に不自然なところが度々あり『斧』より出来が良くない作品と思いながら読み終えました。 | ||||
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売れない作家と売れている作家がダブル主演のミステリー。小説家についての小説、メタフィクションというジャンルなのだそうだ。本業の人が買いているだけあって業界事情がリアルで興味深い。アメリカの作家には出版社や媒体をブッキングするエージェントがついているという点、印税前払い制度があるという点は日本と大きく違うので、そのあたりを知らないと少し戸惑うかもしれないが、前作の販売部数で次作の評価がおおむね決まるとか、「最近の出版ゲームのやり方では、おれたちは延長最終回の一発勝負から始めるんだ」といったせちがらい業界事情は日本も同じである。それはさておきこの本。(以下ネタバレ注意)スランプ真っただ中の人気作家ブライスが、図書館で古い友人ウェインに出くわす。彼は食つなぐのが精いっぱいの落ちぶれた作家だが腕は確かで、しかもすでに書き上げた作品を持っていた。そこで取引成立。ウェインの作品をブライスの名前で出版し、印税は山分けしようということになる。しかしその前にひとつ片づけなければならない汚れ仕事がある。ブライスと離婚調停中のルーシーを消すことだ。これが物語の序盤。ここまでは悪くないけれど、ウェインがその汚れ役を引き受けてルーシーを殺害してからの展開が一言でいって不自然。最たるものがウェインとの心理と行動だ。殺し屋でも兵士でもない普通の人間がほぼ初対面の人間を直接手にかけて惨殺したあと、まったく以前と変わらない様子で暮らしていけるものだろうか。しかも初めての殺人が完全犯罪とかありえない。ウェインの妻スーザンも慈善団体の傘下組織で理事の仕事をやっている地味な女性でありながら夫が殺人犯になることに対して何の拒否反応も示さない。そして殺した女性の夫(ブライス)と平気な顔をして会うというのも解せない。怨恨や羨望といった感情もなく、快楽目的でもなく、「やったらお金が入ってくる」というだけでそれまで堅実な生活をしていた夫婦が急に冷徹な殺人請負人に豹変するのがあまりに不自然で、そこには何の伏線もなく最後はブライスが不安と罪悪感と好奇心と絶望感でぐちゃぐちゃになっておしまいという。非常に訳しづらい作家だそうだが、訳で意味がわからなくなっているところもあり、なんとか最後まで読み通したけれどあまりその甲斐もなかった。 | ||||
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犯罪者視点で進む。 犯人が捕まるのか捕まらないのかという描写はない。 おそらく捕まるのだろうと解釈できるような書き終わりにはなっているが、謎解き要素はなくいまいち釈然としないので爽快感はない。 殺人に対し誰も罪悪感を覚えないという異常な設定で、 読んでいる最中ずっとこの落とし前をどうやってつけるのだろうというのが気になっていたのだが、最後は十分予見できる終わり方で拍子抜け。 正直言って後味は悪い。主人公の心の葛藤が読みどころなのかもしれないが、自分が巻いた種なうえ、所詮フィクションの悩みじゃ同情も共感も覚えられなかった。 このミスで5位らしいがあまり良いとは思えなかった。 また、業界裏話的な部分はあるが、それをもってこのミステリーが面白いなどと評価するほどの話ではないと思う。 | ||||
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ベストセラー作家の内幕をベストセラー作家が書いているので、 非常に興味深いです。 作者自身はさすがに読ませる勘所をよく心得ていて、 ハラハラドキドキの展開ではないのに一気に読めてしまいます。 本人もゴーストライターも(w)これくらいかけていれば安泰です。 ただし、犯罪サスペンスとしての面白さはないので、 星は3つにしました。 | ||||
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「このミステリーがすごい!」の’03年海外編で第5位にランクインされた作品。同じ作家の『斧』の姉妹編といわれている。 『斧』が厳しいリストラをベースにしたアメリカ雇用事情を痛烈に風刺した小説だったのに対して、本書はアメリカ出版事情をテーマとしているからである。 ブライスはベストセラー作家の地位にありながらスランプに陥っていた。一方ウェインはアイデアを持ちながら本が出せない三文作家だった。ふたりは20年ぶりに偶然出会う。お互いの状況を紹介し合うと、ブライスがこう提案する。「きみの小説をおれの名前で出版しよう。出版の前払い金は山分けで、55万ドルだ。」ふたりの利害は一致するのだがその話にはさらに条件があった。ブライスの離婚調停中の妻を亡き者にしてくれというのである。 読者はそこで、本書は、ウェインがブライスの妻を殺害するために綿密な計画を練り、そして実行に移す一連のプロセスを描く犯罪小説かと思うだろう。 しかし彼は、おっかなびっくりではあるが、半ば突発的に犯行に及んでしまう。ここまでで、まだ物語は3分の1も進んでいない。 ここからブライスの苦悩が始まる。すべてすっきりとして仕事(新作)に打ち込めるはずが、妻殺しを依頼した呪縛にとらわれ、間接的ではあるが殺してしまったことを後悔し、恋人にも去られて、ニューヨークから郊外に転居し、編集者から新作の催促をされるが事態は一向に好転せず、スランプ状態はより深刻になるばかり。彼は次第に正気の淵から足を踏みはずしてゆく。 一方のウェインは対照的に、コトを成した後、雑誌掲載の記事の仕事などがボツボツ入り、妻との家庭生活も安定してゆく。 著者は第一線で活躍するベストセラー作家の名声を維持するために、こんなこと(ゴーストライター、妻殺し)までしなければならず、そのために荒廃してゆく人間・ブライスの内面を描きながら、厳しい出版事情を通して、現代アメリカ社会を痛烈に風刺しているのである。 | ||||
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この人の作品は初めてで、なんの予備知識もなく読んだ。こういうのはミステリというのかな。小説としてはいいかもしれないけどミステリを読むときのスリルもカタルシスもあまりにないまま終わってしまったのはショックだった。描かれている世界に興味ないというのも一因かも。ドキドキしながら謎ときしていく古典的タイプが好きな人には向かないかもしれないと思った。 | ||||
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前作「斧」がまあまあだったため、期待して読んだのだが、私の好みには合わなかった。おそらく、日本にも共通するであろう出版業界の裏話、そして作家の苦悩については興味を持って読むことはできたが、ミステリー・サスペンス(?)としての展開・結末については容易に予測がついてしまった。いい意味で予想を裏切ってほしかったのだが・・・。本文中に「amazon」が登場します。探してみて下さい。本作品は、2004版このミスで5位、2003文春ベスト10で6位だった。 | ||||
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