■スポンサードリンク
トーキョー・プリズン
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
トーキョー・プリズンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦後まもない時代、戦争犯罪人が収容される巣鴨プリズンを主な舞台としたミステリー。 記憶喪失の囚人貴島悟を安楽椅子探偵としたプリズン内の連続服毒死事件の捜査と、ニュージーランド人の私立探偵が貴島悟が犯したとされる戦争捕虜虐待致死等の再調査が並行して描かれる。 戦犯を収監した刑務所の様子や戦争責任論も語られ、ミステリー以外の部分も読み応えあります。ミステリーとしても、すっきりとはいきませんが意外な真相も用意され、良く練られていました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
太平洋戦争後の占領下の日本を舞台に外人探偵の謎解きが面白い。時代背景として、戦争責任とは何かという問題も語られて、登場人物たちの戦中戦後の人生と絡まり合って縦走的。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦後の巣鴨プリズンを舞台にしたミステリー。この作品はミステリーの要素より、主人公のキジマの戦争に対する思想や発言のほうが非常に興味深かった。プリズンで起きる不可解な殺人は必要か?と思うようなラスト50ページの犯人と動機の解明。他の作品も読んでみます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉村昭の『破獄』を読んだばかりなので、読み進めるうちに表紙の彼が、実在の脱獄犯をモデルにしたキャラクターであると気付き、俄然興味が湧いた。その他にも、捕虜達が異国の文化を理解できずにいるところなど、歴史的事実を元にしたと思われる箇所が見受けられ、それらがファンタジーめいたミステリに落とし込まれているのを新鮮な気持ちで読んだ。 もうすっかり白鳥由栄のファンなので、彼をモチーフにした作品が他にもあるなら知りたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦後の巣鴨プリズン、という新鮮な舞台。 そして、主人公がニュージーランド人で、日本人に対する違和感を語るあたりも新鮮。 だが、その魅力が書ききれていないのと、トリックなどに真似が多い。 中盤では結構ワクワク感もあるのに残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単なるドンデン返しがうまいだけでは、作品は薄っぺらくなってしまう。登場人物たちに人間性の深みを与えなくてはいけない。しかし、日常の中で人間は仮面をかぶっており、非日常に置いてやることで、人間性をあぶりだすことが容易になる。終戦時が選ばれたのはそのためだ。口先だけの偽善が許されない時代なのだ。追い詰められた時代の中でそれぞれがそれぞれの本当を探そうとする。単に殺人事件のトリックを解いているだけではないのだ。開戦の謎、日本人の本質にも迫っているのだ。僕たちはいつも間違ってしまう。今も現在進行形だよね。また、間違ってしまうのか?そういうことも考えさせられるので、2重の意味で面白いのだ。作者はそれまで、歴史上の人物たちを主人公にしてそのキャラクターに合わせたファンタジーのような推理物が得意だった。それはそれで十分面白いのだが、この作品はそこから数歩進んでいるように思うのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いつも、ハラハラドキドキ! 柳さんは、本当にカッコいい登場人物を創り上げるのが上手いです。 納得の結末が待ってました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東京裁判中の巣鴨収容所を舞台として、収容所で起こった連続事件及び戦争中だけの記憶を失った収容者のキジマという男の姿を描いた作品。切れ者のキジマは記憶喪失の故に裁判を延期されているという設定。記憶喪失から回復すれば戦争責任を問われ、さもなければ一生収容所暮らしという絶望的状況に置かれている。物語の狂言回しを務めるのはニュージーランドから従弟の行方を調査しにやって来たフェアフィールドという私立探偵。フェアフィールドはキジマの連続事件解決及び記憶回復援助を交換条件として収容所の資料閲覧を許されるという形で事件に係わる。 私が読んだ作者の作品の中では、戦争の悲惨さ・虚しさを描いたという点で「新世界」のモチーフに一番近く、キジマの明晰な頭脳と放つ異彩は後の「ジョーカー・ゲーム」を彷彿とさせた。特に、戦争の悲惨さをこれでもかと描き続ける姿勢に作者の意匠が窺えた。その上で、絶望の先にも光がある事を訴える姿勢は共感を呼ぶものがある。ミステリ的には、収容所内の連続事件に関しては際立ったものがない(むしろ危なっかしい)ものの、キジマの記憶に関しては凝った工夫がなされている。収容所と監獄部屋という二重の密室、キジマの記憶に係わる幾重もの壁というミステリとしての体裁も整っている訳だ。作者の持つ様々な資質を知るという点で一読の価値がある佳作と言って良いのではないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦後まもない、巣鴨拘置所を舞台にした物語は、重層的な謎をはらむ推理小説といえる。表面的な課題、謎解きのほか、いくつもの謎が、謎を呼んでいるというか。なかなか複雑で、しかし、飽きさせない。 そもそも、友人のすすめで、柳の「ジョーカー・ゲーム」http://www.amazon.co.jp/review/R1P6PLWBLUZMBW/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=404382906X&linkCode=&nodeID=&tag= を読んで、この硬質な作風が気に入って、たの作品を探した結果、この本を手に取ったもの。 正直、できとしては「ジョーカー・ゲーム」の方が好きかな。 本作品が、外国人であるニュージーランド人の目を通して、戦後まもない日本と、戦犯裁判を控えるもう一人の(こちらが本当の主人公ともいえる)超頭脳明晰のキジマにまつわる出来事を語るわけだが、どうも「ニュージーランド人の目を通して」しかし、日本語で書かれているところがちょっと気にかかるときがあった。 本来ここらは皆英語で話しているんだよなぁ…と。 外国の作品の翻訳本ではそんな違和感はなかったが、日本の作者が、英語圏の外国人の目を通して日本を見る様を、結局日本語で表現していることが、何だかどうも最後までしっくり行かなかった。 ストーリー展開、登場人物の(特にキジマの)魅力など、なかなか面白い作品だったけど、どっか最後まで、乗り切れない自分がいたなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦争とか、原爆とか、ともかく何もかもがぎっちりつまっており、さらにミステリーでものがたりで歴史がわかる。人とは、かくも弱い存在なのか。柳広司、もう天才です。すごい作家です。 『ジョーカー・ゲーム』シリーズがあまりにも面白かったので、まあ、柳先生の他の作品はボチボチかなあなんて思っていました。とんでもない!戦争を忘れている世代にぜひ読んでほしい。戦地で闇雲に戦うだけが、あの頃の戦争ではなかった・・・そこから、派生したいろいろな人生が。。 これは、多くの人に読んでもらいたいです。 そして、戦争とは何だったのか、考えてもらいたい。 ミステリー仕立てにもなっているので、軽く読めます。読みやすいです。そして、たくさんのことを学べます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
筆致はすごい。ぐいぐい引き込まれる。 作者の作品はすべてキャラがすごく立っておりこれも例外ではない。探偵もそのサブもいろんな登場人物が生き生きとしている。けど肝心のストーリーがイマイチだった。結局記憶喪失とかだと後付け感が出てしまって納得しにくい。 ぐんぐんすごい作品を出してるので、将来ビッグネームになるのは間違いない。習作とまでは言わないけど、今後に期待なんていう必要もないけど、他の作品に比較してちょっと低め。面白いけどね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
だらだら長く、締まりのないストーリー展開である。ジョーカーゲーム、ダブルジョーカーゲームを読んだ後、柳広司の世界にはまり、推薦する星の数が多くてこの本を読み始めた。盛り上がりもなく、長々と話を書いた後の謎解きもつまらない。この作者は短編でしか通用しないのではないかと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
疲労感だけが残る作品だった。期待感を持って読んだのは最初だけ!読み進むにつれもうやめようと何度思ったか。それでも他の人の書評に望みをかけたが、時間の無駄だった。ストーリー展開がバラバラで浅くつまらない。緊迫感もない。だらだらとした物語。絶対に薦められるものではない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなり早い段階から読むのが苦痛でしたが、どうしても「良くない」と言いたくて、なんとか最後まで読み切りました。あまりにもひどい内容です。設定で奇を衒っただけの3流小説です。このミス推薦の作品ですから、この本を手に取る人はミステリ好きが多いと思いますが、そういう方は気を付けるべきです。序盤でキジマがホームズの真似事をするようなところから、すでに?です。身なりやしゃべり方で相手の出身等を言い当てるのですが、まったく意味不明で理論破綻しているし、写真1枚で事件を解決したという件に関してもチープすぎて笑ってしまいます。オマージュすることがダメではないのですが、これでは冒涜です。終戦後まもない東京を舞台にする必要性も感じないし、それを描ききる描写力も作者には無いと感じました。全くと言うほど情景が伝わってこないのは、果たして私の想像力や読解力が足りないだけでしょうか。戦争の悲惨さや、陰を描きたい気持ちは察しますが、これではミステリと共倒れです。とにかくリアルさが全くない。ハードボイルド小説を妙にバカにした感じで、クールな頭脳戦を繰り広げるのかと思いきや、訳の分からない乱闘になったり、途中なんの意味も無い詩的な部分があったり、頭脳でキジマにおいつかない主人公が足で稼ぐ話かと思えば、事件解決のヒントはほとんどラッキーで手に入れるという、ミステリの風上にもおけない作品だと思います。殴られて昏睡して、目が覚めたら事件の最重要人物の家だったなんてそんなバカな話がある訳が無いです。そして最後はなんだかうやむやのまま事件は尻すぼみに解決(というよりは収束)し、全ての謎解きは主人公の想像だけに終わるという、なんだかもう救いようのない小説です。読み終わった後、開放感と怒りとともにゴミ箱に突っ込んでしまいました。絶対にオススメしません。唯一、これをオススメしたこのミスを疑ってかかるようになったので、勉強になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
柳広司が第二次世界大戦の戦犯を収容した巣鴨刑務所での事件を描く。もちろん、彼の作品の登場人物のセリフだから、作者の考えそのままではないのだろうが、かなりラディカルな発言が目につく。鋭いところをついている。特に、この前に読んだ『新世界』や『贋作「坊っちゃん」殺人事件』も含めて、日本の近現代史については、面白い。ただ、本作は、何となく犯人が読めてしまったので、ミステリーとしてはどうかしら? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東京裁判で裁かれる人を収容したトーキョープリズンが舞台の小説。 ただしトーキョープリズンは舞台なだけで、 主人公はNZの探偵。 関わるのも異能の天才。 ということで、歴史ものではなく、探偵ものとしてカウントです。 歴史ものとしては微妙なところもあるのでしょうが、 戦後の日本という不思議な舞台で、NZという「微妙な」関係の国の探偵が 動くということで、事件もなかなか謎が深く、 いつもと少し色の違う探偵小説として、面白く読むことができました。 夜中に読む探偵小説として◎です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こいつはスゴイ! アームチェア・ディテクティブものか?戦犯ものか?謎解きか? すべての要素を兼ね備えつつ、ストーリーは緻密に静かに、計算しつくされた絶望へと進む。 シャーロキアンを喜ばせる随所の仕掛けといい、最後に解き明かされる切ないまでの生への歪んだ希望といい、文化の違いによるコミュニケーションエラーといい、いろいろな意味で出会えて嬉しかった作品。 ハッピーエンド以外は受け付けたくない私だけれど、それでもこの本は、★5つ。好きな芸風なので。 しかしこのミスで、2009年度この作品を抑えて一位だった伊坂孝太郎のゴールデンスランパーとは? これもまた、読まねばなるまい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかく面白かったです。 題材が題材だけに、占領軍による統治の仕方、それを受け入れる日本人の心理等も描かれることになりますが、読者の左〜右翼度に関わらず、広い層にとって納得のいく内容ではないかと思う、というか、みなさんの意見を聞いてみたいです。 読後1週間が経ちましたが、なんかまだ、戦後の空気の中に自分が漂い続けているかのような、不思議な気分。 おすすめ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジョーカーゲームとは一味違う作品 ジョーカーゲームはすんなり読めたが、これはちょっと読みにくい トーキョープリズンの描写がなんとも私たちの知る巣鴨プリズンと どうしても重ならないで 余りにも作りすぎてて、それが許せる人なら良いかもしれない それに囚われてしまい、なかなかページがすすまない | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ジョーカー・ゲーム」で見事このミス二位を獲得し一躍脚光を浴びた柳広司の意欲作「トーキョー・プリズン」は、その東京プリズンで密室変死事件にニュージーランド人の私立探偵エディと戦犯キジマのコンビが挑むミステリー。 これはもー面白かった!!すごい面白かった!!もともと刑務所ものが好きでよく読むんですが戦後の、それも戦犯専用刑務所が舞台のミステリーは新境地。目新しい事実が色々発覚し勉強になりました。 何よりキャラが立ってる!キジマが抜群にかっこいい! 脱獄の常習犯にして頭脳明晰、ニヒルな笑みが似合う日本人にしては整いすぎた容姿の持ち主。戦時中に捕虜を残忍に虐待した容疑で投獄され、「悪魔じみたサディスト」と唾棄されるも、五年間の記憶を失っている。 エディが房に入ってくるなりその出身地・経歴・考えてることを言い当てる洞察力観察力推理力、脱獄の為なら手段を選ばず錆びた釘を十数本とのみこむ強靭な精神力と人を食ったユーモアセンスをあわせもつ特異な人物造形に心を持ってかれます。 しかし一方で記憶喪失故現実と夢の区別がつかず苦悩し、記憶を失った五年間の自分が本当に悪魔のようなサディストだったのか自問し続ける。孤独と高潔と野卑が綯い交ぜとなったキジマに徐徐に関心を持ち始めるエディ、二人の距離の縮まり方がすごくいい……! 戦争問題を扱っていながら固くならず読めるエンターテイメントとしても完成度高いです。 何が悪で善なのか。 キジマは本当に捕虜を虐待したのか。 「捕虜を虐待するのが悪なら女子供の頭の上に爆弾を落とすのは悪じゃないのか?」 「戦時中だから人殺しは許される?そんなことはない、人殺しは許されるか許されないか二択だ」 重い命題。責任の不在。本当に責任をとるべき人間は誰か? 敗戦国の日本人が天皇を変わらず仰ぐ一方マッカーサーに熱狂的な声援を送る心理が鋭く解剖されていて唸らされました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!