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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全262件 181~200 10/14ページ
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春樹さんの小説を何冊か読んでいますが、この本は中でもかなり読みやすいほうだと思います。 ファンタジーや冒険の世界をどっぷりと楽しむことができます。 何かのロールプレイングゲームをやっているかのようなワクワク感がありました。 混乱してしまったら、巻頭についている地図を見ることをオススメします。 | ||||
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2つの物語が交互に進むという、(その他にも、自身に非は無いものの巻き込まれる事や、様々に魅力的なキャラクターたちや、使用される楽曲の選曲の素晴らしさ、時々出てくる固有名詞を交えるのが絶妙な事とか、物語を終えた後の余韻の深さ等の)村上さん作品の特徴を充分に堪能できる私が考える村上さんの最高傑作。 いままでで1番読み返した小説。村上さんのこの作品を読んでしまった為にその後も新作が出るたびに買わずにはいられない。が、この作品の完成度を超えたものには未だに出会えない。 50年経過したとしても色あせないであろう作品。作者自身も公言されているが、他の作品よりもハードルを高く設定した、と。素晴らしい完成度、是非オススメ。出来たら「カラマーゾフの兄弟」の読後がベストか。 視覚的にも思念的にも広がりのある、それでいて現実感も損なわない稀有な作品。 | ||||
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「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」との2つのストーリーが最初は何で交互に出てくるのだろうと思い、その内に何か関係ありそうだと思い、最後に繋がるのだけれども、それが本当にどんな繋がりなのかを読後も考えされられてしまう物凄い作品です。読み終わってから、また上巻の最初に戻って読み始めてしまいました。 どうしてこんなストーリーを考え付くのか想像を絶するものがあり、ハルキストのみならず、文学好きの人にはたまらない作品だと思います。本質は真面目ながら、随所にユーモアがあって(机の上にたくさんクリップがある理由が分かったときは笑ってしまいました)、迫力満点で、読んでいて思考回路がフル回転する気分です。また、絶対映画化出来ないだろうなと思いますし、それぐらい文学のレベルの高さを感じさせてくれます。 それから、太った娘が何でいろんなことを知っているんだろうと不思議な感じでした。そうでないとストーリーが進まないからですかね。星5つでも足りないぐらいです。 | ||||
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「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の2つの世界において 話が交互に展開され、両者が徐々に絡み合っていくという斬新な展開。 人間の脳がキーポイントになるのですが、ここまで複雑な設定を用意して置きながら、 ストーリーがしっかりとまとめられているところが、彼の腕のすごさを感じさせます。 さらにこの小説が優れている点は、結末の巧みさにあると思います。 読み終えたあと、ここまでいろいろと考えさせられる小説はなかなかありません。 私は読後1ヶ月ぐらい、いい意味でこの結末を引きずりました。 読み終えたあとあれこれ想像したくなるというのは、優れた小説の条件なのだなと思います。 | ||||
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実は村上春樹にはあまり関心がなかったのだが、 あるアニメの原作者が本書に影響を受けたらしいことを聞いたので読んでみた。 実際うかつなもので、広く読まれている村上春樹だから周囲に影響があっても不思議じゃない。 が、そうした興味本位を抜きにしてもこれは面白かった。 ただ、本書が日本人の創作活動に何らかの影響を与えているとすると、 初版が昭和63年だから、自分の年齢を考えれば読むのが遅すぎた感は否めない。 「やられた」と思ったのは、参考文献の1つ『動物たちの考古学』が全くの創作らしいこと。 実際ネット古書店などで探しても出てこない。 面白そうだと思ったのに泣きそうだよ(だまされたー)。 これはラヴクラフトの手法だが、実は村上春樹はラヴクラフトの信奉者らしい。 でもそう思うと『ハードボイルド・ワンダーランド』、なぜか納得。 | ||||
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「海辺のカフカ」、「ねじまき鳥クロニクル」・・・というような最近の作品から読んできたためこの作品は私にとってショックなものでした。 「私」と「僕」が見事にクロスしていくさまや、引き込まれ、圧倒される村上氏の独特の世界観など上記の作品と同様完成度の非常に高い作品でした。 しかし、非常に個人的な見解としてはラストの終わり方だけはどうにも納得のいくものではありませんでした。ずいぶんと内向的なものだったように感じました。 このように言いましたがすばらしい作品にはかわりません。とても楽しめ、考えさせられる作品です。多くの人が読まれることを願います。 | ||||
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世界の終わりとハードボイルドワンダーランド。なんとも長ったらしいタイトルですが、村上春樹ファンにも彼の著作をまったく知らない人にもお勧めできる名作です。春樹さんらしい不思議な話で、一読しただけではすべてを把握することは困難だと思いますが、何度読んでも飽きないつくりになっています。この小説だけでも十分に楽しめますが、読後に村上春樹イエローページなどを読まれれば、この作品の持つ底知れなさに驚嘆させられること間違いなしと思います。彼は、多少の議論はありますが、現代日本文学の最高峰に位置づけられている大作家なのでもし興味をもたれた方はぜひ読むことをお勧めします。他に「ねじまき鳥クロニクル」や、「海辺のカフカ」という世界的に有名な小説もありますので、熱烈にお勧めします。もうノーベル賞受賞は決まったようなものなので、同じ日本人としてリアルタイムで彼の作品に触れることができて、本当に幸せに感じます。 | ||||
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カフカ、チャンドラー、ヴォネガットを熟知する人がこの作品を読めば皆 「よくもまあ、棲む世界の全く異なる3人を一冊の本に閉じ込め、ものの 見事に彼等の世界を拝借しちゃって・・・」と驚き、呆れ返ります。 そして一方、上記の3人の作家をあまり知らない人がこの作品を読めば皆 「ひょっとして、村上春樹氏は希有の天才作家なのでは・・・」と、つい 思ってしまうのかもしれません。 そもそも作者みずからそれ(世界拝借)を認めるかのような本書のタイト ルが頂けません。 さらに、それがそれぞれの単なる「模倣の集合体」に 過ぎないとしたら、それはおよそ“創造”とは無縁のものです。 しかしながら・・・ 村上氏が描く世界を私は好きにはなれませんが、上述の件を差し引いても 氏の作品は、圧倒的な哀しみに胸を潰され、無力感に取り憑かれた人々に “新たな「日常の捉え方」”そして“新たな「先への希望の抱き方」”の 一方向を明瞭に指し示しておられると思います。 その意味に於いても、今後は、出来うれば「カタカナの入った題名」でで は無く、また、俗に言われる所の「ネットウヨ」ならび「オタク」の潮流 におもねる事無く、より明確に、より簡潔に、我々日本人に必要な「新し いアイデンティティーの確立」に寄与していかれる事を切に望みます。 | ||||
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何が何だか分からないままに事態に巻き込まれ、振り回されていく「私」の世界と 限りなく穏やかで淡々と過ぎていく「僕」の世界。 最初は全く関係なさそうな二つの世界が、物語が進むにつれて交差していく。 そして最後には。。。 最初から最後まで、息つく暇もないくらい圧倒的な迫力で物語が進み、 先の展開が読めないままにどんどん引き込まれていきます。 対照的な二つの世界が交互に語られるのですが、どちらの世界にも共通して、 なんとも言いようのない哀しさが漂っています。 それぞれの世界の最終章。 とても静かで、穏やかな、それでいて切ない余韻が残ります。 「私」は、そして、「僕」はこれからどうなっていくのだろう。 読み終わってしばらくは、どっぷり物語の世界に浸って現実に戻れないくらいです。 著者のメッセージは難解で、多分十分にはできていないと思うのですが、 それでもおもしろく、何度も読み返してみたくなります。 | ||||
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『世界の終わり』 と 『ハードボイルド・ワンダーランド』という一見何の関わりも無さそうな物語が交互に進行していく。 前半では、『ハードボイルド・・・』 の摩訶不思議な空想科学世界と軽快なテンポのストーリー展開が楽しめるのに対し、『世界の終わり』 は暗く、静かで、退屈であり、読むのが苦痛ですらあった。 ところが一転、後半では 『ハードボイルド・・・』 が最後の一点に向けて収束して行くのに対し、『世界の終わり』 は突如として動き始める。 凍えるような冬の夜の図書館で 「夢読み」 の謎が解き明かされる場面の何と幻想的なことか。 また、門番から逃げるシーンなどは、手に汗握るほどの緊迫感がある。 そして意外な結末に 「なぜ?」 という疑問が残る。 この割り切れなさ、後味の苦さがあとを引き、強く印象に残るのである。 今や 『世界の終わり』 は、私の最もお気に入りの物語となった。 | ||||
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2005年の夏、 フランスのルルドへ行く道中で、読みました。 衝撃を受けました。 面白い、面白い、面白い。 それまで、『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル(途中で挫折)』を読みましたが、友人たちほどには感銘を受けることなく、ただ単に自分には合わないのだと思っていました。 しかし、これは面白かった!! 1988年、20年も前に書かれていたことを知ったときは、 本当にびっくりしました。ぜひ一読してみてください!!!! | ||||
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『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』といった三部作後の長編小説。 私見では、現代小説としての、この作品の価値は、極めて高い。 「世界の終り」という深層世界、「ハードボイルドワンダーランド」という現実世界の、交錯した繋がりを描き出し、ここまで上手く創れている小説は、なかなかに稀有なものである。 外国文学を模倣しすぎだとか言われているが、批判するのは簡単で、寧ろどのような作家であっても、多かれ少なかれ、先人の影響を受けているものである。そういった必然的な影響の下に、このような、現代の東京を舞台にした、エンターテイメント的でもあり、純文学的でもある、独自のパラレルワールドを創造出来てしまうところに、村上春樹の偉大さを感じる。「書くことが無くなった」或いは「小説は終わった」と言われて久しい現代において、まだ書くことはある、書けることはある、という逞しい暗示的宣言を、本作より私は感ずる。 三部作からの飛躍が高く、繰り返し読んでみたい気にさせられる、想い返すと懐かしく哀しい作品。 | ||||
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<世界の終り>と<ハードボイルド・ワンダーランド> 二つの異なるストーリーが交互に描かれて織りなす物語。 この作品のテーマはちょっとありきたりな表現だけど、 「自分探し」もしくは「アイデンティティ」でしょうか。 特に<世界の終り>パートではそれが「影」という形で くっきりと表現されていると思います。 <ハードボイルド・ワンダーランド>の方でも、 意識に回路を埋め込まれるというのは、 「我思う、ゆえに我あり」に始まる近代的自我を 崩壊させることだといえるかもしれません 二つの物語は最後にリンクしていくわけですが、 それはメビウスの輪のようにどちらが表かわからない、 永遠に続くループのように感じました。 村上春樹は好きではないけれど、最後までちゃんと読みました。 力はある作品ですし、読んで損はない。 主人公が「ノルウェイ」や「羊」と少し違うので、 その点で肌にあったのかなと思います。 | ||||
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たまたま、米国でベストセラーとなったスティーブン・ピンカーの「人間の本性を考える」という本を読んだのだが、「世界の終わり・・・」は、この最先端の認知科学により解明された事実を材料に無理して小説を作ったようなところがあって、特に小説の半分のパートでる「世界の終わり」の方に無理がある。個人的には「海辺のカフカ」の方が小説としての完成度が高い。 | ||||
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二つの物語が交互に展開されていきます。世界の終わりでの<僕>ハードボイルド・ワンダーランドの<私>が不可思議な世界へと入り込んでいきます。 村上春樹の小説の一人称ってのは大抵「僕」ですけど、この小説に限っては「私」の方が面白い気がします。村上春樹の小説って大抵の場合、洋楽とか映画とかの曲名だったり俳優の名前が登場します。一見特に意味のなさそうに見えるこれらの引用ですが、不思議と春樹作品には重要な気がします。むしろこの引用がないと話がつまらなくなると思います。今回、こういった引用が多々出てくるのは「私」の方の物語なんですよね。で、「私」の方が大人っぽい。「僕」は「私」に比べると子供っぽいし、上記した引用があまり出てこないのでいまいち面白みに欠けます。 春樹作品ってなかなか一口では語れないんですよね。そこが良い所でもあり悪い所でもあるような気がする。だって意味不明ですからね。完全な自己満小説だと評価する人もいるでしょう。僕はといえば・・・まあ、中立ですかね(笑)春樹作品は物語を楽しむんじゃなくて、物語の中に流れ続ける不思議な空気とか雰囲気などを味わうものだと個人的には思います。('-,_ω-`)プッ | ||||
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交互に話が展開される《世界の終わり》パートと《ハードボイルドワンダーランド》パート。 両者は、一見まるで別の世界の話のようですが、だんだんと読み進めるうちに微妙にどこかがリンクしてきます。 おそらく下巻では、2つの世界がぴったりと重なるようにリンクすることになるでしょう。 一体、この小説がどのようなオチを迎えるになるのかっ! ぐいぐいと引き付けるストーリーは、この先どうなることかとワクワクさせられ、すいすいと読み進められます。 おもしろいっ!エクセレンッ! | ||||
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かなりの長編ですが、一度読み始めたら途中ではやめられないくらいひき込まれる作品です。 全く違う世界の二つの物語がどうこでどう交わるのか。村上作品の中では『海辺のカフカ』に近いものがあります。 大人向けの童話・・・とでも言いましょうか。こういう作品を書かせたら村上さんの右に出るものはいないと思います。 老科学者、一角獣、思考回路に隠された秘密・・・レビューを読んだだけでもうワクワクしてきませんか?!期待通りの内容でした!! | ||||
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2つの物語が展開していき最後につながっていくという異種な 小説です。ですから最初は読むのに戸惑うでしょうが、物語がつ ながっていくうちにだんだん引き込まれていきます。 確立された独特の世界観とSFっぽいストーリー。村上さんの 長編では一番印象が強いです。 | ||||
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さらりと入ってでてこれる、くねくねと気持ちの良い不思議の文体の国。著名なのと、装丁が目を引いたので読んでみた「ノルウェイの森」は、何が言いたいのかさっぱり分からないうっとうしい自己陶酔本にしか思えなかったが、これは面白かった。特に心に残るストーリー内容や人物描写といったものはないが、独特の文体を追っていく過程で、むにゅむにゅくねくねとした材質のストレス解消系トイをいじくっているのに似た、妙な快感が得られる。分量もちょうど良いくらいだし、ゆきとどいたテーマパークのような質の高い娯楽作品であると思う。子供時代に不思議世界を描いたファンタジー絵本が好きだったが、それは今更、かといって重厚な本格ファンタジーを紐解くほどでもないという方向けでは?ただ、「ねじまき鳥」の分厚さとタイトルの<第一部>を見せつけられてからは、げんなりしてしまい、以降村上作品は手にとっていない。いくらむにゅむにゅのオモチャが気持ちいいからといって、何時間もずっといじっていられるわけではない。 | ||||
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操り人形。今の自分がそれだ。 現実感で囲われた「ハードボイルドワンダーランド」。平板彫刻に例えれば、それは掘り進められた部分だ。光のもとで、しっかりとした影の調子をつくる。逆にそれがしっかりしているからこそ、幻想に包まれた「世界の終わり」は、薄らいだ平面から、そっと浮き上がってみえる。 生暖かい微風が漂う「世界の終わり」で、<僕>は最終的に意外な行動を取る。その意外な行動に、読者は困惑し、村上が載せたメッセージを探ろうとする。 物語で最後の驚きを創れる作家はたくさんいる。しかし、たいてい読者が感じるのは驚きだけだ。本を読み終えて一息ついた後に、物語について深く考えるような行動をとることはなかなかない。 作品を読み終えた読者は、気がつつけば、隠されたメッセージを捜そうと、主体的に行動をしている。こんなふうに読者を動かすことが出来るストーリーをつくれるのは、彼の魔力の一つだと思う。 あの<僕>の行動はなんなのか。どうして最後にそうしたのか。 必死にメッセージを探ろうとする自分は、この時点で村上の操り人形となっている。 巧妙な文章や、奇抜な構成も楽しめる良作。隠されたメッセージを探ろうと、もう一度読みたくなる素晴らしい作品。 | ||||
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