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忌館 ホラー作家の棲む家
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忌館 ホラー作家の棲む家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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刀城言耶シリーズから読み始めた身としては、残念ながら合いませんでした。 先に、蛇棺葬、百蛇堂を読んでしまったため、穿った見方となり、読む順番を間違えたのもあるかと思います。 ただし、上記2作品よりはデビュー作のこちらの方が精度が高いと感じました。 他の方も書いてますが、編集者ならではの忙しい業界の話、他の作家の作品の話やホラー映画の話など興味のある人には面白い蘊蓄が多い。 そのため、ひたすら物語のみを追っていきたい人としては主筋から外れてしまう部分は読むのが辛くなるのでは?と思いました。 蘊蓄にお腹いっぱいで、自分はそういった部分は飛ばし読みしてしまいました。 作者自身の名前や体験などで物語が進む、という興味深い設定であるのに、その作者の蘊蓄が多いため別口で司馬遼太郎さんのようにエッセイを書いたほうがいいのでは?とも感じました。 怖さで言ったら【のぞきめ】、秀逸さで言ったら【水魑の如き沈むもの】の2冊が好きな自分としては、蛇棺葬、百蛇堂と同じく再読はしませんが、三津田ファンで未読の方は、デビュー作品ですので一度は読んでもいいと思います。 | ||||
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今年の春、ホラー映画「のぞきめ」の公開に際して某所に全あらすじを書くことになったので、予習のために図書館で原作を借りて読んだ。 映画の方の評価は・・・まぁ置いとくとして、小説「のぞきめ」は思いのほか面白かった。 味をしめて図書館でこの作家の本を次々に借りまくり、刀城言耶シリーズや死相学探偵シリーズ、家三部作やその他の単発作品などを読破した。 (自分も長年大ファンである映画監督ダリオ・アルジェントが好きというのも嬉しく、またある作品の中で「間違っても観てはいけない」と紹介されていたB級ホラー「パジャマパーティー・マサカー 血の春休み」を試しに観てみたら妙にテイストがツボに入ってしまったりと、作家本人の人柄や趣味には個人的に好感を覚えた) ところが、デビュー作の本書だけはなぜか図書館になかった。 これだけ作品を読めば、自分ももう一応ファンと言っていいかもしれないし、そろそろ購読しないと悪いような気がして、電子書籍でこの「忌館 ホラー作家の棲む家」を買って読んだのだが・・・今、軽く後悔している。 まず、一番残念というかイラっとしたのが、ほとんど全ての各章の最後が、盛り上がったところで尻切れトンボのように終わっていること。 これはバラエティ番組の“山場CM”や海外連続TVドラマシリーズの“クリフハンガー”など昔からTVでよく使われる手法で、何も目新しいものではないしこの作家の他の作品でもよく見かけたのだが(もちろん今までもその度にイラっとしていた)、小説という形態で、しかもここまで多用するのは芸がないというか、品がない。 デビュー作ということを差し引いても、やはりうんざりしてしまう。 そして改めて認識したのは、「この作家の作品は小説というより論文かエッセイに近い」ということだった。 この作家の一番の特徴である“ミステリとホラーの融合”という性質上、多くの作品では最後の最後まで犯人や動機が一般的なミステリ小説のようにスッキリと無駄やブレがないように解明されることはない。 全ての可能性を考慮していくつかの仮説が提示されたのち、もっとも“それらしい”説が浮かび上がるのだが、それでも腑に落ちない点が残るという結末がほとんどだ。 それに加えて、途中で作者が興味の赴くままに蘊蓄を語りに語るため、読んでる時は面白いのだが、読み終わってみると結局何が書かれていたのか記憶に残らない。 コリン・デクスターの「モース警部シリーズ」も読後の印象はこんな感じだが、モース警部の方は何度も読み返したくなるのに比べて、こちらは「一度読めばお腹いっぱい」なのが違うところだ。 (今まで読んだ作品でもう一度読み返したいのは「のぞきめ」と「水魑の如き沈むもの」) あと気になるのは、登場人物のネーミング・センスが駄洒落すぎて脱力なのと、恐怖を感じるポイント。 人が何に対して恐怖という感情を抱くのかは、個々人の性格や経験、嗜好などに大きく影響される -そんな当たり前のことを、本作を読んで再認識させられた。 正直言って、今まで読んだ三津田作品に恐怖を感じたことはない。 主人公が作中でビビりまくって膝をガクガクさせているシーンの描写は、退屈なのでつい走り読みしてしまう。 全然怖くないのにとても面白いホラー作品、というのもある意味大変貴重な存在なのかもしれない。 | ||||
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デビュー作としては、よく出来ている。 新人時代に書いた文章とは思えない。 その構成、表現力、非凡な才覚があると思う。 内容は、三津田信三氏と、作中の主人公作家を、交錯させ、 作中の主人公作家が書いた小説世界(=作中作)と、作中の世界を、交錯させる。 この交錯の連鎖が、読者及び三津田信三氏の居る世界と、作中の主人公が居る世界と、 そして、作中の主人公が書いた小説の世界、三つの世界を、交錯させる。 非常に緻密に考えられたものだという印象だった。 ただ、なにか決め手に欠けるような感じもした。 だらだら読んで、何となく終わった、とでもいうべきか。 「本格ミステリーとホラーの融合」ということらしいが、 特にミステリー要素は感じなかった。 というか、ミステリー要素は、無いのではないかと思う。 ホラー要素は、あるにはあるが、恐ろしいという程のものでもなく、 ちょっと怖いかなあ、というものだった。 | ||||
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デビュー作としては、よく出来ている。 新人時代に書いた文章とは思えない。 その構成、表現力、非凡な才覚があると思う。 内容は、三津田信三氏と、作中の主人公作家を、交錯させ、 作中の主人公作家が書いた小説世界(=作中作)と、作中の世界を、交錯させる。 この交錯の連鎖が、読者及び三津田信三氏の居る世界と、作中の主人公が居る世界と、 そして、作中の主人公が書いた小説の世界、三つの世界を、交錯させる。 非常に緻密に考えられたものだという印象だった。 ただ、なにか決め手に欠けるような感じもした。 だらだら読んで、何となく終わった、とでもいうべきか。 「本格ミステリーとホラーの融合」ということらしいが、 特にミステリー要素は感じなかった。 というか、ミステリー要素は、無いのではないかと思う。 ホラー要素は、あるにはあるが、恐ろしいという程のものでもなく、 ちょっと怖いかなあ、というものだった。 | ||||
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三津田氏のデビュー作で自身の身に覚えのない投稿小説が事件の発端となる、折原一のミステリーでよくあるような設定のホラー作品。 著者自身が主人公で劇中作ネタなどメタ趣向がなかなか凝っているが、それがいまいち終盤の向けて恐怖感が盛り上がるような構成になっておらず、最後まで読んでも恐怖感が殆ど感じられない。 ホラー作品としては本格推理的な謎解き要素もあり、ミステリーの蘊蓄ネタなども含まれていて、退屈せずに読めるが、読後はイマイチ印象に残らないような。 | ||||
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三津田さんの作品は、じめっとした暗さが好きで短編が特に大好き。 短編を読んでたので、こちらを購入しましたが、もっとこう・・・じめっとした怖さが欲しかったかなあ。 | ||||
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怪奇、オカルト、ミステリが好き、乱歩が好き〜、っていう人には、著者と文学談義をする気分で楽しめる小説です。 しかし、物語としてはイマイチなんだなあ。 ものすごく斬新でもないし、突っ込みたいとこもいろいろあるし。 特に後半は現実と作中作がごちゃごちゃになって進んでいく展開なんですが、最後のほうは「もうどっちでもええんちゃう?』っていう気分になってきて、私はついていけませんでした。 ついていけないというのは、つまり私の想像力が、著者の書こうとしている恐怖に追いついていないということで、要するに、これは好みの問題なのかもです。 私はむしろ、これを読んで、やはり連城三紀彦はすごい作家なのだということを改めて知り、そのほうが収穫でした。 (本文中に、連城作品に関する講釈があります) | ||||
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民俗学的伝奇ホラーと本格との融合で知られる作者のデビュー作。本作を読むと、当初は乱歩風の怪奇幻想味を嗜好していた事が窺える。H.ヘイクラフト「娯楽としての殺人」の名称を自作名として扱ったり、初歩のミステリ論を熱く展開したりと、遊びとも気負いとも取れる試みが微笑ましい。本作の趣向は英国風ゴシック・ホラー、そして一人称と同人誌連載の小説のカットバックで描かれる叙述形式。 <私・三津田信三>は雑誌編集を続けながら、作家としてデビューもしている。発端は、友人からの連絡。<三津田信三>を一人称の主人公とする作品をペンネーム津口と言う者が、ある賞に応募していると言う。住所も本物と同じだが、私には覚えがない。そして、ここから私がある西洋館(人形荘)に住み始める経緯が語られる。それに加え、同人誌に連載する事になった小説(作中作)の内容がカットバックで入る。私の体験と、人形荘をモデルにした作中作から、その館が英国から移築したもので、「忌まわしい」雰囲気を漂わせている事が強調される。「英国幽霊屋敷」本中の具体例も紹介される。作中作では四人家族と言う設定だが、これは上述の具体例の一つと同一。そして、人形荘に"津口"が訪れる。この作中作の意図は何なのか ? 更に、津口から私の元に天井裏に続く秘密の扉の鍵が届く...。そして、私のファンと言う若い女性綾子が登場して人形荘を訪れる。素直に捉えれば「綾子=津口」であり、館の元所有者であると共に幽霊であり、(霊力で)作中作を書かせた、との想像が浮かぶ。正統派幽霊小説なら、こうなる所だが...。 作中作の意図も説明され、ドールハウスを中心とするホラー味との間で融合が図られるが、後年の「...の如き...もの」シリーズと比べると、今一つ冴えない。怪異現象が主に作中作で起こりインパクトが弱い点と、作者の趣味の押し付けが強過ぎる点が原因だろう。 | ||||
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作者不詳のほうは幻想系ミステリとして楽しんで読めたのだが、これはこけおどし。まったく盛り上がらない序盤の展開があまりにもひどく、後半も非常にスタンダードな展開が続く。 正統派ホラーだとわざわざ銘打ってるからには仕方ないんだけど、ひねくれた作品を好む人は手を出さないほうがいいかもしれません。 | ||||
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