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リアルワールド



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【この小説が収録されている参考書籍】
リアルワールド
リアルワールド (集英社文庫(日本))

リアルワールドの評価: 3.63/5点 レビュー 59件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 41~59 3/3ページ
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No.19:
(4pt)

結界のなかの少女たち

少女たちの生々しい自意識と強烈な競争意識が印象深かった『グロテスク』同様、ふたたび同級生の女子高生4人が主人公に据えられる。少女たちはより聡明かつクールになり、そうでなければ殺伐とした当世を生きていくことは不可能なのだと全身で訴えている。「ホリニンナ」という仮名を使い世間と距離をおく十四子、セクシャリティに悩むユウザン、恋に傷つく美少女キラリン、「年若い超哲学的人間」のテラウチ──4人が親しいという事実と、自分だけの“結界”に踏みこまれまいと懸命になっている事実は矛盾しない。ぎりぎりの均衡が、同い年の少年が起こした殺人事件を機に崩れる。逃走する少年との関わり方が際立たせる少女たちの個性と、内面の暗やみ。嫉妬や猜疑が次々と露になるなかで、それでも親友への思いを捨てない。しかしその強さが、結界を守ることへの少女らしい頑な意志と、冷徹なまでの観察眼に裏付けられていることにうそ寒い思いを禁じえないのである。
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No.18:
(5pt)

面白かったです。

犯人に対しての少女達の思いと行動が、それぞれの少女達の性格や過去を表していて、とても面白かったです。思いもよらない結末に驚きました。ぜひ買ってみてください。お勧めです。
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No.17:
(4pt)

大人とは何か。

母親を殺害した男子高校生と4人の女子高生がどのような過程を経て、関っていくかについて、それぞれが語る形式で、1つの物語が形成されている。仲良し4人組にさえ打ち明けられない心の内と犯罪者と知りつつ少年への関心を拭えない心理が見事に描かれ、読む者をひきつける。
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No.16:
(5pt)

待望の文庫本化

久しぶりに読み直しました。
やっぱり最高です。
自分のものとしてもっておきたかった本なので
文庫版化はうれしいです。
ハードカバーのが表紙のデザインはきれいでした。
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No.15:
(3pt)

自分の過去を振り返りつつ。

友人との関係。それは太宰治も指摘したよう懐にナイフを隠した危ういガラスの関係性のようなものだろう。無論本書はフィクションのデフォルメなのだが、個々人の内奥の「決して理解しあえない断絶」のようなものは私自身の中学・高校時代を振り返っても確実にあったし、きっと今でも形をかえつつも存在する。生きるとは確かにやっかいな事だ。やれやれ。~しかし、5年前連載時点で著者は既に50歳。10代の心理を描くには少し解離ある年齢ではないか、と感じられる「観念的に構築した人物像」といった印象も否めず、かつ、母を殺すミミズという少年が殺人後、超人的変貌を遂げるあたりが村上龍氏の人物造形に類似した思考・行動特性が目につき、今ひとつ「桐野節」への仕上がりが甘い印象もある。内奥と暗澹とした情念、断絶を描くに関しては充分著者のエッセンスが含まれているが、これまで「大人」を描いてきた著者の新たな切り口としてはまだ、習作レベルではないか。もう数本、この年代を主人公とした作品で完成度をあげたものを読んで見たい気が残ったのが残念だった。
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No.14:
(3pt)

真のリアルワールドは?

何だかあり得なさそうな話で、あり得る話かもしれない。平然と自分の母親を殴り殺して逃亡を続けるミミズ。それを興味津々で見つめる女の子たち。いまどきの女の子ってこんな感じなのだろうか。自分自身に直接関係のないことなら、一歩下がってクールに見つめる。時には楽しみながら。だが、好き勝手なことをしているように見えるが、実は彼女たちも所詮は、大人たちが作り上げた社会でしか生きることが出来ないのだ。彼女たちがリアルだと思っていた世界は、真のリアルワールドとは呼べなかった。
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No.13:
(3pt)

微妙リアル

「リアルワールド」の住人達には、私の過ごした高校生という時間には微妙になかった価値観が存在している。時代が人を変えるのか、人が時代を変えていくのか、未だもって流されている私には判らないが、共通している部分は多分きっと変わらない。
人との繋がりは、どの世代にもある。その表現方法が違うだけで、誰かを思ったり、疎ましく感じたり、孤独をおぼえたり...感じる心はみな同じだと思う。
だけどきっと鎧はどんどん強化されている気がする。無防備に人と接せられないという強迫観念を、物心付く前から与えられて育つ時代は苦しいですね。
こんなのあり得ない、でももしかして...そんな風に感じた一冊。自分とは違う、だから受け入れないではなく、こんな表し方もあるんだなぁと、自分と友人との関係を振り返ってみたりもした。
だけど、自分を細かく分析された上での友情ってのは、物悲しくもある次第です。
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No.12:
(3pt)

高校生が皆夏休みこんな経験せんやろうけど

高3の夏休みという設定旨いですね母親を殺して逃げる隣家の男の子っていうのも現実っぽい確実に学生という隠れ蓑が終わろうとする高3の夏休み(学生でも大学生とは違う)自分が高3の時も何かが終わろうとしてるのを漠然と感じてました人が心の中に持つ人との疎外感は、誰しも人生で自分探しと切り離せないから持ってゆくしかないけど、この小説の登場人物は高校生でそんな自分達をまだ受け入れることが出来ないその高校生の脆さが旨く描けていると思います失ってしまった時間に対する後悔を持つことで、人は大人に近ずいていく大人になろうとする高校生の、脆くはかなげな夏休みでした
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No.11:
(4pt)

読んでいて、痛かったです・・・。

この作品は年代によって見方・読み方が違うのでしょう・・・。私現在25歳ですが、私の視点は高校生でした。彼女達の大人には理解できない行動や考え方は、私にとっては痛く、懐かしく、まさに「リアルワールド」。しかし両親はこの作品を読んで「理解できない」との返答でした。両親にしてみたら、親の立場になるのでしょうか?現実にはありえない異次元ワールドのようです。やはり生きてきた『時代』によって感じ方は変わるのでしょう。しかし私自身「リアルワールド」の世界はまさに自分が生きてきた世界であり現実のもので、未だ残る心の傷が疼く作品でした。
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No.10:
(2pt)

「OUT」のお気楽女子高生版という感じ

高校3年の夏休み、トシちゃんが隣の男子通称ミミズの親殺しを見過ごしたために、彼女のグループは思いがけない事件に巻き込まれていくという物語。ものの弾みで起きた「キレちゃった殺人」をきっかけに女達が自分の本性に目覚め変化していくという筋立ては「OUT」と同系列、物語が登場人物それぞれの独白で語られる手法、「グロテスク」と同系列、だけど、登場人物がすべて生活に責任の無い子供たち=高校生であることからお話は単純で当然のことながら実に青臭い。ガキの戯言がだらだら続く前半では「一体何が言いたいのよ!」とこっちがキレそうになった。後半に入ると子供たちの心のかげりが見えてきて「あら、そうだったの」と一瞬同情したりもした。でも、この結末は「あだー」ではないだろうか。中高生(およびその同類)なら感情移入できるのかもしれないが、普通の大人にそれを求められてもちょっと困る。そして、子供たちの異常な自意識の強さ、「自分おたく」ぶりにうんざりさせられる。無駄なこととは知りながら「こんなにセルフ精神分析して他人と自分と比較する暇があるのなら、もう少し違うことを考えれば?」とつっこみたくもなる。作者は中高生が読んでもわかる小説をお試しになったということだろうか。その「なりきり度」には感心したが、対象外の読者には「面白い」とは思えず、殺伐とした感じだけが強く残った。
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No.9:
(3pt)

「OUT」と同じ手法・・・

ストーリーはもちろã‚"ぜã‚"ぜã‚"違うのですが、手法は「OUT」の使いまわã-?という感が否めませã‚"。「OUT」は、バラバラ死ä½"の一部ã‚'いい加減な女、邦子が不注意にもå...¬åœ'に棄てたとã"ろから、話が思わぬæ-¹å'に進み、終わってみるととã‚"でもないã"とになっていますが、「リアルワールド」も、隣のç"·å­é«˜æ ¡ç"ŸãŒæ¯è¦ªæ®ºã-ã‚'ã-たらã-い物音ã‚'聞いていたはずのトシが、なã‚"となく警察にそれã‚'隠ã-て友é"に教えたã"とから、話が思わぬæ-¹å'に進ã‚"で、最終的には、トシの友é"がï¼'人も死ぬã"とになります。あと、最è¿'の高校ç"Ÿã¯ã"ã‚"なにç '壊的なのか?と思うと同時に読ã‚"だあとに心に残るものがあまりなく、桐野作å"ã®ä¸­ã§ã¯ã¡ã‚‡ã£ã¨ãŒã£ã‹ã‚Šã-まã-た。ひとつフォローするなら、話が登å '人物のï¼'人称で語り継がれã!¦ã„くって言うのが興å'³æ·±ãã¦é¢ç™½ã‹ã£ãŸã§ã™ã€‚
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No.8:
(2pt)

オチがあるのか

前半の巻き込まれ型の話の展開は面白いが、後半になると現実感の乏しい破滅へと突き進む。「OUT」と同じ流れでの、女たちの心情を描く著者の一連の作品。ただ、オチがあるのかどうかよくわからない。「柔らかな頬」と同じ趣向なのか。しかし、むしろ石原慎太郎の「太陽の季節」と同じ読後感だったのは不思議な感じがした。どちらも今どきの若者を描いたはずなのに、時代を経ると違和感すら残らないようになるのだから。
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No.7:
(3pt)

角川映画で、観たいかんじ。

ハナシは、展開も構成も、分かりやすくてエンターテイメントとして優れた作品だと感じた。夏休み目掛けて公開する角川映画な雰囲気。登場してくる女子高生達は、みんな頭がいいね。私なんか高校生のころ、あんな風に社会や世間というものを見ていなかったなぁ。そこを考えると、著者が「こんな世の中だけど高校生はこうあってほしい」みたいな理想像が描かれているのかな。とにかく「現代」の青春、角川映画になるとすると、主人公はどの女優さんがいいんだろ?とか考えるのも、楽しいかも。
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No.6:
(5pt)

一人の高校生として

私も私立女子高に通っている女子高生です。この本を読んだのは受験が終わった頃でした。今の世の中単純に高校生というだけでレッテルをはられてしまうことがよくあると思うし、決めつけられている部分もあると思う。この本に登場する高校生達はリアルな世界というのを探していて、求めて止まない。一人一人がテーマみたいなのを持っていて、その形がどうであれいろいろ考えさせられるんです。この本は。そして、とても共感する部分もあります。五人五様の考え方もおもしろくて、これからどうなるんだろう?って読みだすと止まらない!!       今現役の高校生にもぜひ読んでほしいし、今の社会人にも読んでほしいです。そして、考えさせられてほしいと思うんです。 
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No.5:
(4pt)

スピードにのって崩壊へ。

母親殺しからはじまった事件は、自己完結した4人+1人の自意識と関わりあってさらにとんでもない方向に向かっちゃいます。ものすごいスピード感は若さを表現しているのか。それにしても、ミミズを含めた男どもの情けなさよ。
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No.4:
(3pt)

あたしの傷は誰にもわからない

ださいと思っていた隣家の少年ミミズが母親を撲殺し、あたし=トシとテラウチ、ユウザン、キラリンは事件に巻き込まれていく。登場人物5人の一人称で語られるこの物語は、一見とても意欲的だ。好きあらばカモろうとする「今」の世の中を、ある者はハンドルネームを名乗り、ある者はバカなふりをしヨロイをまとって生きている。あたしの傷(瑕)は誰にもわからない、と自意識の壁を張りめぐらせ、その孤立感からミミズに共感もしくは反感を抱き、思わぬ歯車を回してしまう。しかしその実、語られているのは「ホントの自分」と「人の目に写る自分」との乖離から生じる葛藤であり、その克服という不変的なテーマである。誰にも秘密と思っていた「ホント」が、実は仲間に受けとめられていたというのは、温かくも悲しい逆説だ。とはいえ、男性の登場人物があまりにも情けない。歯車の核だったはずのミミズは途中から形骸化し、携帯と手紙でのみ登場するワタルはとってつけたように悟っている。唯一魅力的だったのはテルだが・・・。テンポよく読めおもしろいが、次作はもう一味の熟成を期待します。
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No.3:
(4pt)

お父さんの認識を変える一冊

今読んでいる『ダーク』といい、『OUT』や『柔らかな頬』など、著者独特の冷徹な視点から、女性の奥底に潜む見てはいけないような恐ろしいまでの心理を描く作品に、改めて凄いと思わざるを得ない。これもまさにそんな作品。いまどきの女子高生を描いてるだけと思ったら大間違い、どんどん深みにはまっていくのを感じる。登場する4人の女子高生の個性や主張をしっかりと受け止めることで、女子高生=いまどき=浮ついた…というような連想ゲームは氷解するのではないだろうか。世のお父ーさん、スケベな中年男性、そして僕も含めて、世間に惑わされて根付いてしまった女子高性に対する偏ったイメージや認識を、そろそろを変えなきゃいけない時期にきてることに、きっと気づくはずだ。
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No.2:
(3pt)

野心作、でもこんなに破壊的だとは

この小説は、少女たちの自己形成を描くのではなく、今その瞬間の心の動きをスナップショット風に切り取って見せるという、困難な主題に取り組んでいる。章ごとに話者が代わる一人称で綴られる構成で、四人の女子高生を心象描写で書き分けるテクニックは見事。一方、少年の描写は食い足りず、興醒めの感もなくはない。おもしろいのは、仲良し四人組のそれぞれが、お互いのことをどういう風に見ているかという対人感情が浮き彫りになるところだ。友人から見た人格と、自分自身で認識している人格の微妙なギャップは興味深い。それにしても、思春期の自意識は、なぜこうもうっとうしいのだろう。いずれにしても、これが今どきの女子高生の姿だなどと結論付けたいとは思わない。ただ人の心はわからな!い、一人一人の人は違う、ということだけははっきりと感じ取ることができた。
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4087746194
No.1:
(5pt)

サスペンスというジャンルを越えて

桐野夏ç"ŸãŒæ›¸ãã‚µã‚¹ãƒšãƒ³ã‚¹ã¯æ‰€è¬‚サスペンスの領域ã‚'はるかに越えていると思う。松浦理英子が『OUT』の解説で書いているように、桐野は社会の底辺にいる女たちã‚'描いているからだ、と最初はそう思ったã-、それは確かにそうだ。犯罪è€...の特殊なç'°å¢ƒã‚„特殊な心理というより、それが社会構造に深くé-¢ã‚ã£ã¦ã„るのが桐野の小説の独自性だと思う。とã"ろが『リアルワールド』ã‚'読ã‚"で、いや、ã"の作家にはもっと野心があると思った。野心、というのは適切ではないかもã-れないã'れど、もっと読è€...に対する期å¾...とæŒ'発があると感じた。それは、私にトニ・モリスンã‚'想起させた。考えてみたらトニ・モリスンの小説もサスペンスではないか。いや、サスペンスというジャンルはもはやç-'わã-い。ジョーの愛人殺ã-、å¥'隷でã!‚!!った母の子殺ã-...そうã-た出来事の背景が複é›'な個人史、あるいはその両親の個人史ã‚'も含ã‚"で展é-‹ã™ã‚‹ã€‚それが桐野のä¸-界でもあるのだ。本人にもわからないような心のé-‡ãŒã€ã‚らゆるè§'度からã-かも緻密に描かれていく。ã-かも読è€...にそれがどã"まで読みã"めるかというæŒ'発がある。それは、つまり、そのé-‡ã‚'読è€...自身がどã"まで自らのうちに抱え込むã"とができるか、というã"とと思われる。ちょうど、『リアルワールド』のテラウチがトシちゃã‚"に最期の手ç'™ã‚'残ã-たように。
リアルワールドAmazon書評・レビュー:リアルワールドより
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