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リアルワールド



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【この小説が収録されている参考書籍】
リアルワールド
リアルワールド (集英社文庫(日本))

リアルワールドの評価: 3.63/5点 レビュー 59件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 1~20 1/2ページ
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No.36:
(5pt)

絶版の商品が手に入った。

書店で注文したが、絶版で手に入らなかった本がAmazonで手に入れられた。梱包も丁寧で大変良かったです。内容も面白かった。
リアルワールド (集英社文庫(日本))Amazon書評・レビュー:リアルワールド (集英社文庫(日本))より
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No.35:
(4pt)

さすがの桐野夏生

この人のものはどうしてこんなに魅力的なんだろう。
どうなってしまうのか、先が気になってたまらない気持ちが最後まで続きました
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No.34:
(4pt)

ココロノヤミを覗く

主人公の四人の少女たちは皆、人間関係や社会に不安を感じ、あるいは苛立っています。そんな自分を守るため、秘密という繭の中に身を浸し、リアルから遠ざかる

幼稚な友人たちの秘密は私にはお見通し。でも、私の秘密だけは誰にも話さない。友人たちには理解できないだろうから。
実際は、他者から見たら、バレバレで、それぞれの自意識の強さが痛々しい。とても良い感じです

グループの中の三人まではミミズにある種のシンパシーを感じて、多かれ少なかれ手助けします
残りの一人、「超哲学少女」なんて、恥ずかしい自称をし、ロジックの中で満悦しているテラウチだけは、ミミズに反発を覚える
正しい行動をしない自身を合理化している彼女には、「単純すぎる」というのが、その理由ですが、自分がやれないことをやってしまったミミズに八つ当たりをするという、よほど短絡な行動に出てしまい、結果、彼女は最悪の結果を迎える

作者はテラウチみたいな人間が嫌いなのではでしょうか
彼女が必死になって防御すればするほど彼女の恥部があらわになってくる
それが心地よかった

見つからないように縮こまっている亀の甲羅を引っ剥がして衆目に晒すような
そんなどす黒い俗物根性が桐野作品の核にはあり、それは本作でも遺憾なく発揮され、物見高い我々の心を癒やしてくれるのです
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No.33:
(5pt)

「OUT」の10代版

隣に住んでいた一家の1人息子が母親を殺して逃走した。なんとなく気持ちが悪くて暗い受験生の男子を勝手にミミズと名づけいたトシだが、どうやらそいつが自分が偶然落としたスマホを拾い、自転車まで盗って逃走したことがわかる。スマホを返してと電話したところから妙な縁ができてしまい、しかもついそのことを話した友達のユウザンが、ミミズに会ってスマホと自転車を取り返してくれたはいいが、自分自身の自転車と、新しいスマホをやって逃亡を助けたと聞いて愕然とする。他にも、仲良し4人組だった優等生でクールビューティのテラウチやかわいいキラリンまでからんできて・・・事態は思わぬ方向へところがっていく・・・というストーリーです。

ミミズが母親を殺すに至った経緯は、独白を聞いていればなんとなく納得がいかないでもない、若さ独特の短絡的さはあるけれど、それなりに説得力があります。普通なら、自分の将来や社会で置かれた立場というものを考えてストップがかかるのですが、若くて、ある意味純粋、もう一方では未熟で愚かなゆえに殺人を犯してしまった、逃げてどうなるものでもないと自分でもわかっている、なんで逃げているのか自分でもよくわからない、けれどただ逃げるしかない・・・いう状態です。
そして、たまたま女子高生4人ともがそれぞれの内面的な悩みを抱え、それと事件がシンクロしてしまった、彼らの誰もがミミズを本当に心配していたとか共感していたとは思えません。自分の中の何かを重ね合わせただけなのでしょう。自分がレズだと自覚してしまい悩んでいるユウザン、母親が本気の浮気をしていて家族がバラバラなテラウチ、この中では一番普通の子トシ、まじめな友達と派手な遊び人ばかりの友達と、自分自身も両面を持ってかけもちでつきあっているキラリン。ミミズだけでなく、みんなが若くて純粋で未熟ゆえに暴走する・・・ラストは桐野さんらしく、穏やかに収まるはずがありません。

自分は結婚もしていず子供もいないせいか、小説などを読むといつまでたっても親よりも子供の側に思い入れしてしまう傾向があります。ここに登場する4人の女の子たちの思春期独特のひりひりするような痛さをまざまざと思い出しました。桐野さんも、ここまで10代の心理を深く描けるというのはすごいと思います。「OUT」の10代版といってもいいでしょうか。おもしろさに一気読みしてしまいましたが、興味深い小説でした。
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No.32:
(5pt)

子ども側と社会側の二つのリアルワールド

都会でまさに女子高生をやってた自分としては共感できるポイントがたくさんあった。自分自身はここに出てくる女子高生たちほど繊細ではなかったので、感じるものの大小はあれども、それは大小の違いとか、自覚してるかどうかの違いはあれども、こんなものではないかと思ってしまう。

大人なのに大人(人間?)のエゴを大人のエゴとして描けてしまうあたりに桐野氏の凄さを感じる。どんな女子高生だったのだろうと思わざるを得ない。前半はそんな子ども・若者側のリアルが繊細に描かれている。(ボリュームが少ないため、いつもの桐野氏よりは繊細じゃないかも)

そして子どもなりのその大人のエゴや社会への反発に共感するも、その先に待ち受けてるきびしい現実、今度は大人世界、すなわち、社会のリアルにぶつかる。
この二つの交差する、だけど、両方とも真実な、二つの現実世界。それに「リアルワールド」というタイトルの意図も感じた(違うかもだけど)。途中から昔を思い出しながら、主人公たちに共感し、いつの間に応援者側に回ってた自分にはとても残酷なものだった。

そんなふわふわとした夢や、どこかにあるかもしれない希望は見せず、現実だけを突きつけてくる桐野氏の一貫性がますます気に入り、また新しい本を読みたいと思ってしまう。ここでいう現実は、わたしは絶望とイコールといいたいわけではない。ものごとには、希望だけではなくリスク、闇といった両面性があり、フワフワとしていないという意味での現実だ。

桐野氏の作品は全体的に男性には共感しづらい本なのではないかと思うけど、その中ではまだ男性でも理解しやすい方ではないかと思う。
なぜなら男女の感受性の違いと、大人と子どもの感受性の違いが入り混じっており、高校生をテーマにしていることもあって後者により焦点をあてたる気がするからだ。
グロテスクの方は同じ若者の話でも、かなり女子的な繊細さが描かれてるので、男性からみたら「うそでしょ?」「めんどくさい」ってなる気がする。
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No.31:
(4pt)

桐野が描く「リアルワールド」の恐ろしさ

4人の「普通の」女子高生。その一人「ホリニンナ」の隣に住む高校生が母親を殺害して逃走する。たまたま、そのホリニンナの
携帯を拾ったその高校生は、ホリニンナだけでなく、携帯に登録された他の3人の女子高生、「ユウザン」「テラウチ」「キラリン」に
接触する。それぞれ、「リアルワールド」を持ったその3人は一種のゲーム感覚でその犯人との接触を楽しむ。もともと、この
4人にとって一種の英雄的存在とも一時期思えたこの高校生「ミミズ」も、キラリンとの接触により見せてくる極めて浅薄な
考え方と行動パターン。挙句の果てはミミズとキラリンはタクシー強盗を働き、キラリンは事故死、ミミズも大怪我を負う。さらに、二人の
居所を警察にチクった、テラウチも自殺してしまう。現代の高校生がもつ危うさと浅薄さ、それがリアルワールドなら、一体、今の
日本はどうなってしまったのだろう。それぞれの4人の女子高生とミミズがリアルワールドを持つ人生経験が語られるが、
果たして、これぐらいの経験でこのようなリアルワールドの閉じこもってしまうものか。恐い世界になってきたと嘆くのは
やはり年齢を食ってきたせいか。
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No.30:
(5pt)

これぞ究極のファインプレイ!

よくぞまあ一人称のオムニバスで
ここまで完全無欠の構成を組めたものです。

しかもこれが連載小説だったと知って驚愕!
奇跡の結晶体です。

私が思春期の頃に読み、
とっくに社会人となった2012年現在に読み、
しかし何も色褪せていない!

10年ほど経った現在でも、この若者感覚が普遍的なのが恐ろしい(半世紀経ったらわかりませんが……)。

桐野夏生さんは、<他人に成りきれる作家>。賞賛に値します。
これぞ小説家が小説家たる真髄!

他には、「これは失敗か……」と思う作品がちらほらな作家さんですが、
「リアルワールド」だけ(OUTも)は、歴史的名著と言っていいと思います。
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No.29:
(4pt)

春樹村上との対比論

ワタシはこの小説でまたも毒舌罵倒描写にシビレ顔が底意地悪くニヤける事数十回。
カフェにての読書。漫画本ならまだしも、活字本でワタシが一人ニヤケていたら、周りの人々には不気味に映るのかな?
しかし、漫画でなく、ただのどこにでもある日常の活字でここまでそんな表情にさせる桐野節、あっぱれ。

しかし4名の基本的ベースの登場人物の複雑な関係小説。

ワタシはミミズの妄想世界のあの章が一番脳裏に焼き付く。

しかし、タイトルに書いた、村上春樹との対比。

何かある。

ワタシは頭が悪いから何かわからない。

昔のボクシングで、鬼塚と辰吉との陰と陽。

しかし今現在、よくよくみると対極にみえて実は互いにとても似ている。とワタシは最近思いました。

だから、この村上春樹と桐野夏生のワタシは対極とみているが、実はとても似ている・・・と。

それが何なのかは、まだわかりません。

明日ふとわかるかもしれないし、何十年後、ふと思うかも。。。

それともこれは勘違い???

ようわからん。今は・・・
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No.28:
(5pt)

桐野夏生らしい作品です

高3の夏休みに受験ノイローゼで親を殺してしまった男子高校生と、クラスメートの女子4人の物語です。
女子4人の視点を中心に語られていますが、それぞれドライで無関心であったり事件の重大性に比して真剣味の欠ける反応だったりと、普通の若者らしいのか異常なのか、全体的にはそういう犯罪をしてしまった少年を小馬鹿にしていて2ちゃんねる世代らしいとは思います。

桐野夏生は子供の気持ち悪さを描くのが上手いですね。
女子は各々が曲者で、頭が良いのに馬鹿のフリをしていたり真面目そうで乱れていたり隠し事をしていたりと色々な葛藤を抱えつつもある意味では相当に達観しててまた高校3年生という微妙な世代の置かれている歪なリアリティを考えさせられます。少しでも油断すれば大人社会は容易に彼女らを毒牙にかける。だから受け流していくしかないのです。

一方そのリアリティを受け流す器量の無かった少年は社会の敵になって孤独な戦争ごっこを始める訳ですが、中2病にとりつかれてしまった犯行スタイルが実に痛々しい。これもありふれた無意味な少年犯罪なのでしょうか。何かに取り憑かれてしまった少年。それを冷ややかに傍観する女子たち。
それぞれが自分のリアルワールドを抱えています。
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No.27:
(5pt)

思春期特有の青臭い感情

自分が女子高生だった頃に考えていたことがそのまま文章になっているようで、
初めて読んだときは呆然としました。

これを書いたとき桐野夏生は50歳前後だったはずなのに、
なぜこんなにも現代の女子高生の気持ちがわかるんだろうと不思議でならなかった。
これが小説家の想像力か…。

それに比べて当時芥川賞を受賞した『蹴りたい背中』と『蛇にピアス』には、女子高生のリアリティが1ミリも感じられなかった。
おじさん達の求める女子高生像を「こういうのが見たいんでしょ?」と演じてみせているかんじ。
あれ全然違いますから、勘違いして喜ばないでくださいね、おじさん達。

やっぱり桐野夏生は本物の小説家。
一生ついてきます。
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No.26:
(5pt)

1番好きかも

 各章が主要人物五人の視点から描かれる。各人の細かいニュアンスが感じられるし、それぞれが友人たちをどう見てるのか、その違いに驚かされたりとても興味深い。事件に関しても心理的には現実よりもリアルかもしれない。
 桐野作品は大分読んでみたが、私は今のところこれが一番好きだな。
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No.25:
(4pt)

今の女子高生って。。。

物語としては、面白い。構成も面白い。作品としては、素晴らしいと思います。他人からしたら、羨ましいくらい魅力的な4人の女子高生がそれぞれに問題を抱えている。本人一人称では、気楽に生きている他のメンツとは違うんだ!! と思い切り熱く語っています。自分を守ろうとするキャラ,カラに閉じこもるキャラ,生まれ変わろうとするキャラ。そこに母親殺人の少年が投げ込まれる。とても、刺激的なシュチュエーションでした。しかし、実際問題として、現役の女子高生がここまで考察できているか、こんなに単語を知っているか、ここまで行動できるかということに関して言えば「???』です。言葉にできないナマの感受性と、それを言葉にできる成熟した作者の知性が作品として結実しています。それゆえ、あくまで虚構の世界でのできごとなんだなあ。。。と、感情移入はしきれませんでした。
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No.24:
(4pt)

全然リアルっぽくないものが

あいかわらず、桐野さんは怖い小説を書くなぁ。
ストーリーは、題名とは裏腹に、全然リアルっぽくなく、まさに
オハナシとして進みます。
んなわけないじゃん、みたいな。
でも、現役女子高生の意見を聞きたいな。本当はこんな感じで、
それをリアルに思えないのは私らオヂさんだからなんではないか
しら。と、思い出すと、まさにこれは現役女子高生たちのとって
もリアルな会話、リアルな心情、そしてリアルな生活に思えてき
た。
ストリーは、彼女たちの周囲に起こったリアルな事件を、彼女達
は全然リアルに感じず、取り扱わない。
まるで、ごくそこで起こったことなのに、テレビのなかのドラマ
か、遠い外国で起こっている関係ないようなことのようにして、
遊んでいるような感覚でいるうちに、実はもちろん本当の事件で
あり、生身の人間が関係していることだもん、事件は事件として
発展していってしまう。
ストリーの運び方の妙、高校生とはいえ一人一人が当たり前なん
だけど、それぞれの人生をしょっていることの露呈。
とっても巧みで、面白い、そして怖い小説でした。
なお、精神科医で評論家の斉藤環の巻末解説は、秀逸です。
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No.23:
(4pt)

それぞれの想いが交錯する傑作

殺人事件をきっかけに4人の女子高生グループの
人間関係が変容していく様を、
それぞれの視点で描いた実に興味深い作品。
自分と相手の微妙な距離感。
自分だけがという勝手な優越感や劣等感。
そんな中で友達関係を築きながら、
この事件によってその友人関係および自分とはどんな人間なのか
くっきりとわかってきて、
それぞれの結末を迎えることになる。
ほんとおもしろい作品。
自己と他者を知るのによい作品です。
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No.22:
(5pt)

救いがたい読後感は、やはり書き手の掌中にはまったと思うべきか・・。

来年は五十歳にもなろうという小生が読むにはいささか抵抗あり・・かとおもったけど、そんな想いは杞憂であった。
あてもなく、不安定な精神をかかえながら放浪する青春(死語www)ものという視点からとらえると「ライ麦畑で捕まえて」や「赤頭巾ちゃん気をつけて」のグロテスクな継承と思えなくもない。
しかし大昔のサリンジャーが、イノセントにこだわる甘ちゃんな男子目線であるのにくらべて、現代のジョシ目線は身も蓋もなくあられもない姿でココロの中まで刺さってくる。
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No.21:
(4pt)

自分だけは人より特別だ、という季節

小説は四人の少女と、一人の少年の独白形式で話が進む。少年は母親を殺して逃走した。少女たちは興味半分に少年の逃走を助けてしまう。ケータイで結ばれる彼女たち。自分だけは、「特別な自分」を見事に「友達」の少女たちに隠しとおせると思っている彼女たち。その一方で、「本当の自分」を分かってくれる「誰か」を探している。桐野作品だから当然のように物語は悲劇に向って進んでいく。
いまどきの若者の覗き見はそれなりにスリルがあって楽しい。でも「柔らかな頬」(上)(下)「OUT」や「玉蘭」のように、私の心は引き裂かれない。若者たちの悩みはすでに私からはあまりにも遠いところにある。けれども、自分だけは人より特別だ、自分のことだけを誰か知っておいて欲しい、という欲望だけは今も健在だ。この高校生たちはバカだ、と笑いきれないのもそこら辺りにある。
高校生を持つ親なら、この五人の独白小説を読んで背筋が寒くなるだろうと思う。
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No.20:
(4pt)

ABCDE

母親殺しの少年に興味を抱いたばっかりに、絶望へのスパイラルをかけおちる事となってしまった4人の女子高校生の物語。章が変わるたびに描写する主体(目線)を移しているため、友人同士の認識のズレが表れている点が面白かった。
また、何気ない各々の選択が次の展開を呼び、ラストの悲劇に連鎖していく過程が興味深い。ちょっと現実で起きたら怖いけど、このような人物達が現実にいるとは考えにくく、あくまで組み立てられた虚構内でのやり取り・駆け引きを味わう物語である。
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No.19:
(4pt)

現実か?

現実世界って堅いようで脆いのかもしれない。そんな趣のある小説。
時間は地繋がりで広がっているのに、
一歩横に逸れるとそこは違う世界。
高校生たちが経験する不思議な時間。
リアルワールドAmazon書評・レビュー:リアルワールドより
4087746194
No.18:
(4pt)

衝撃的なラスト

隣家の少年が母親を撲殺して逃亡してしまう。少年の逃亡に係わる4人の女子高生たち。 最初はただのゲーム感覚だったのが最後に取り返しのつかないことになってしまう・・・ おもしろい作品です。各章が登場人物の視点で書かれているのが、よかったです。
リアルワールドAmazon書評・レビュー:リアルワールドより
4087746194
No.17:
(4pt)

少女たちが犯罪へ踏み込んでいく

『グロテスク』よりはずっと「普通にいるであろう」少女たちが主人公で、
彼女らの思考回路も「そういうこともあるだろう」と思えて、読みやすかった。
そして『OUT』よりも、さらりとしているとはいえ、
普通に生活している少女たちが、犯罪に踏み込む、
そのあたりの描写が上手い。そして怖い。
『OUT』では主人公たちの境遇はけっこう厳しくて、先が見えない感じがあった。
この小説に出てくる少女たちは、それなりに恵まれた境遇にある。
だから全体的にライトな感じがしていて、結末は明るいのかと思ったけれど、
やはりこの作者なので、想像以上に悲惨な方向へ行った。
ラストは一応、ソフトに仕上げているとも言えるが、それでも読後感はちょっと重め。
リアルワールド (集英社文庫(日本))Amazon書評・レビュー:リアルワールド (集英社文庫(日本))より
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