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リアルワールド
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リアルワールドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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実家にあったのでふと読んでみました。桐野さんらしい人間の内面と外面のギャップに切り込んだ点はさすがのおもしろさ。ただ、登場人物の造形が「大人」からみた「高校生」感が抜けないというか、キャラクターがリアルなようでリアルではない。高校生というより中学生っぽいと思うような言動もちらほら。そのあたりに作品としてのおさまりの悪さを感じました。 | ||||
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☆3、5 高校生女子の仲良しグループ4人組み。 その中の女子の隣家の、同い年の少年が母親を撲殺した! 彼が女子の携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子高生は事件に巻き込まれてしまう。 警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女たち。 事件をイベントのように捉えて殺人犯と関われる事を楽しく思いつつ、逃亡に巻き込まれていく彼女たちの運命は? 以上、そんな内容のサスペンス作品で、高校の中のヒエラルキーで普通に属す4人の女子たちが秘密を抱えながら殺人犯と関わる事で変わっていったり、 危険を正しく認識出来ずに巻き込まれていく様が、恐ろしくもスリリングで楽しめました! ただ終盤に関しては、桐野さんならもっとエグい毒があるのだろうと予想してたのに案外普通の展開だったのが残念……と思いましたが、出版が2003年と知り、その時代の作品なら充分エグいなぁと考え直した次第です。 普通の人たちが犯罪者にうっかり巻き込まれるケースも状況次第では有り得るので、好奇心の恐ろしさを考えさせられるという意味では一読の価値ある良い作品でした! | ||||
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直木賞作家、桐野夏生が描く女子高生小説。 自らを「ホリニンナ」と称する山中十四子は、母親を殺害して逃げ出した隣の家の少年「ミミズ」とひょんなことから携帯で連絡を取り合うことになる。やがて、ホリニンナと仲のよかったテラウチ、ユウザン、キラリンもこの関係に加わり、図らずも少女たちはミミズの逃亡を助けることになるのだが……。 登場人物それぞれの一人称で「事実」に迫る、という桐野夏生得意の手法が光っている作品です。 よくわかっているようで、じつはよく知らないという女子高生同士の友だち関係、それはじつは女子高生に限ったことではありません。 友だちがどういう奴かなんて、所詮は思い込みでしか知らないわけで、それを突きつけてくるところに、この作家の凄みというか醍醐味があるんだろうなぁと感じます。 また、青春小説と捉えられなくもないところも面白いと思いました。事件自体は身近にはあり得ないことかもしれいけれど、ここで描かれているような思いは、たぶん、この頃の年代には当たり前のことなんだと思います。 女子高生好きなおっさんは目を覚ますためにも読まなきゃだめです。 | ||||
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夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。その”母親殺し”に関わるにつれて、高校生4人組のそれなりに平和で安定していた関係はかき乱される。そして、次々と仮面が剥がれてゆく。章ごとに視点が変わる一人称の物語。まあ、ストーリーは可もなく不可もなく。高校生のときの「こいつらなにもわかってない」という苛立や、人を見下して自分の世界を確立している感じがよく出ていると思った。割と若い世代が読むと、共感できる部分が多いと思う。物語全体というよりも、細部にちょっと響くものがありました。 | ||||
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桐野さんの著書は人の心の醜いところを、気持ちの良いくらい鮮やかに 描いてくれていて、特に「OUT」「グロテスク」は醜くも華々しく美しい 強烈な作品で、作品からほとばしるエネルギーに読後しばらく打ちのめされてしまった。 しかし、この「リアルワールド」については、テイストは桐野さんの世界が 全開でエネルギーを感じたが、登場人物の心理が全くといっていいほど 理解できなかった。登場人物の高校生たちのふわふわと浮かんだ心模様が、 そのまま着地せずにどっかに飛んでいったまま読了してしまったようで、 しっかりと感じることができなかった。 これは即ち、もはや自分がおじさんになってしまったということなのか。 | ||||
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まるで毎週サスペンスドラマを放送するように次々と新たな殺人事件のニュースを見聞きする。 実際におきた悲惨な事件なのだけど、「怖いわね」「可哀想ね」 などと話してもどこかドラマと同じ感覚で別世界の出来事と思ってしまう。 しかし、事件のおきた地域がものすごく近所だったり知っている場所だと ニュースがとても恐ろしいものに感じてしまう。 どんなに凶悪な世界的殺人テロよりも、知っている場所でおきた事件は 頭にこびりついて容易にはなれない。現実世界のものだと痛感してしまうのだ。 遠いところで起きた事件はあれこれ事件について推測し、客観的に見るが 身近な場所のニュースは「自分が被害者ならこうした」 「自分が加害者の立場ならあのときこう考えるはずだ」と自分自身について考える。 この本でも、身近に起きた事件を通じて少女達は「自分は・・・」と考えている。 | ||||
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柔らかな頬,OUT で桐野作品に入った私としては、主人公のホリニンナに最後まで共感できない(っていうかこんな人物いるのか実際!?)っていうのが最後まで抜けきらなかった。つまり共感できない。だからなんなのといった感じ。 だけど「柔らかな・・・」は直木賞では傑作です。 応援してます。 | ||||
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友人との関係。それは太宰治も指摘したよう懐にナイフを隠した危ういガラスの関係性のようなものだろう。無論本書はフィクションのデフォルメなのだが、個々人の内奥の「決して理解しあえない断絶」のようなものは私自身の中学・高校時代を振り返っても確実にあったし、きっと今でも形をかえつつも存在する。生きるとは確かにやっかいな事だ。やれやれ。~しかし、5年前連載時点で著者は既に50歳。10代の心理を描くには少し解離ある年齢ではないか、と感じられる「観念的に構築した人物像」といった印象も否めず、かつ、母を殺すミミズという少年が殺人後、超人的変貌を遂げるあたりが村上龍氏の人物造形に類似した思考・行動特性が目につき、今ひとつ「桐野節」への仕上がりが甘い印象もある。内奥と暗澹とした情念、断絶を描くに関しては充分著者のエッセンスが含まれているが、これまで「大人」を描いてきた著者の新たな切り口としてはまだ、習作レベルではないか。もう数本、この年代を主人公とした作品で完成度をあげたものを読んで見たい気が残ったのが残念だった。 | ||||
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何だかあり得なさそうな話で、あり得る話かもしれない。平然と自分の母親を殴り殺して逃亡を続けるミミズ。それを興味津々で見つめる女の子たち。いまどきの女の子ってこんな感じなのだろうか。自分自身に直接関係のないことなら、一歩下がってクールに見つめる。時には楽しみながら。だが、好き勝手なことをしているように見えるが、実は彼女たちも所詮は、大人たちが作り上げた社会でしか生きることが出来ないのだ。彼女たちがリアルだと思っていた世界は、真のリアルワールドとは呼べなかった。 | ||||
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「リアルワールド」の住人達には、私の過ごした高校生という時間には微妙になかった価値観が存在している。時代が人を変えるのか、人が時代を変えていくのか、未だもって流されている私には判らないが、共通している部分は多分きっと変わらない。 人との繋がりは、どの世代にもある。その表現方法が違うだけで、誰かを思ったり、疎ましく感じたり、孤独をおぼえたり...感じる心はみな同じだと思う。 だけどきっと鎧はどんどん強化されている気がする。無防備に人と接せられないという強迫観念を、物心付く前から与えられて育つ時代は苦しいですね。 こんなのあり得ない、でももしかして...そんな風に感じた一冊。自分とは違う、だから受け入れないではなく、こんな表し方もあるんだなぁと、自分と友人との関係を振り返ってみたりもした。 だけど、自分を細かく分析された上での友情ってのは、物悲しくもある次第です。 | ||||
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高3の夏休みという設定旨いですね母親を殺して逃げる隣家の男の子っていうのも現実っぽい確実に学生という隠れ蓑が終わろうとする高3の夏休み(学生でも大学生とは違う)自分が高3の時も何かが終わろうとしてるのを漠然と感じてました人が心の中に持つ人との疎外感は、誰しも人生で自分探しと切り離せないから持ってゆくしかないけど、この小説の登場人物は高校生でそんな自分達をまだ受け入れることが出来ないその高校生の脆さが旨く描けていると思います失ってしまった時間に対する後悔を持つことで、人は大人に近ずいていく大人になろうとする高校生の、脆くはかなげな夏休みでした | ||||
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ハナシは、展開も構成も、分かりやすくてエンターテイメントとして優れた作品だと感じた。夏休み目掛けて公開する角川映画な雰囲気。登場してくる女子高生達は、みんな頭がいいね。私なんか高校生のころ、あんな風に社会や世間というものを見ていなかったなぁ。そこを考えると、著者が「こんな世の中だけど高校生はこうあってほしい」みたいな理想像が描かれているのかな。とにかく「現代」の青春、角川映画になるとすると、主人公はどの女優さんがいいんだろ?とか考えるのも、楽しいかも。 | ||||
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ださいと思っていた隣家の少年ミミズが母親を撲殺し、あたし=トシとテラウチ、ユウザン、キラリンは事件に巻き込まれていく。登場人物5人の一人称で語られるこの物語は、一見とても意欲的だ。好きあらばカモろうとする「今」の世の中を、ある者はハンドルネームを名乗り、ある者はバカなふりをしヨロイをまとって生きている。あたしの傷(瑕)は誰にもわからない、と自意識の壁を張りめぐらせ、その孤立感からミミズに共感もしくは反感を抱き、思わぬ歯車を回してしまう。しかしその実、語られているのは「ホントの自分」と「人の目に写る自分」との乖離から生じる葛藤であり、その克服という不変的なテーマである。誰にも秘密と思っていた「ホント」が、実は仲間に受けとめられていたというのは、温かくも悲しい逆説だ。とはいえ、男性の登場人物があまりにも情けない。歯車の核だったはずのミミズは途中から形骸化し、携帯と手紙でのみ登場するワタルはとってつけたように悟っている。唯一魅力的だったのはテルだが・・・。テンポよく読めおもしろいが、次作はもう一味の熟成を期待します。 | ||||
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この小説は、少女たちの自己形成を描くのではなく、今その瞬間の心の動きをスナップショット風に切り取って見せるという、困難な主題に取り組んでいる。章ごとに話者が代わる一人称で綴られる構成で、四人の女子高生を心象描写で書き分けるテクニックは見事。一方、少年の描写は食い足りず、興醒めの感もなくはない。おもしろいのは、仲良し四人組のそれぞれが、お互いのことをどういう風に見ているかという対人感情が浮き彫りになるところだ。友人から見た人格と、自分自身で認識している人格の微妙なギャップは興味深い。それにしても、思春期の自意識は、なぜこうもうっとうしいのだろう。いずれにしても、これが今どきの女子高生の姿だなどと結論付けたいとは思わない。ただ人の心はわからな!い、一人一人の人は違う、ということだけははっきりと感じ取ることができた。 | ||||
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