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リアルワールド
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リアルワールドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 21~40 2/3ページ
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あいかわらず、桐野さんは怖い小説を書くなぁ。 ストーリーは、題名とは裏腹に、全然リアルっぽくなく、まさに オハナシとして進みます。 んなわけないじゃん、みたいな。 でも、現役女子高生の意見を聞きたいな。本当はこんな感じで、 それをリアルに思えないのは私らオヂさんだからなんではないか しら。と、思い出すと、まさにこれは現役女子高生たちのとって もリアルな会話、リアルな心情、そしてリアルな生活に思えてき た。 ストリーは、彼女たちの周囲に起こったリアルな事件を、彼女達 は全然リアルに感じず、取り扱わない。 まるで、ごくそこで起こったことなのに、テレビのなかのドラマ か、遠い外国で起こっている関係ないようなことのようにして、 遊んでいるような感覚でいるうちに、実はもちろん本当の事件で あり、生身の人間が関係していることだもん、事件は事件として 発展していってしまう。 ストリーの運び方の妙、高校生とはいえ一人一人が当たり前なん だけど、それぞれの人生をしょっていることの露呈。 とっても巧みで、面白い、そして怖い小説でした。 なお、精神科医で評論家の斉藤環の巻末解説は、秀逸です。 | ||||
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殺人事件をきっかけに4人の女子高生グループの 人間関係が変容していく様を、 それぞれの視点で描いた実に興味深い作品。 自分と相手の微妙な距離感。 自分だけがという勝手な優越感や劣等感。 そんな中で友達関係を築きながら、 この事件によってその友人関係および自分とはどんな人間なのか くっきりとわかってきて、 それぞれの結末を迎えることになる。 ほんとおもしろい作品。 自己と他者を知るのによい作品です。 | ||||
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来年は五十歳にもなろうという小生が読むにはいささか抵抗あり・・かとおもったけど、そんな想いは杞憂であった。 あてもなく、不安定な精神をかかえながら放浪する青春(死語www)ものという視点からとらえると「ライ麦畑で捕まえて」や「赤頭巾ちゃん気をつけて」のグロテスクな継承と思えなくもない。 しかし大昔のサリンジャーが、イノセントにこだわる甘ちゃんな男子目線であるのにくらべて、現代のジョシ目線は身も蓋もなくあられもない姿でココロの中まで刺さってくる。 | ||||
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小説は四人の少女と、一人の少年の独白形式で話が進む。少年は母親を殺して逃走した。少女たちは興味半分に少年の逃走を助けてしまう。ケータイで結ばれる彼女たち。自分だけは、「特別な自分」を見事に「友達」の少女たちに隠しとおせると思っている彼女たち。その一方で、「本当の自分」を分かってくれる「誰か」を探している。桐野作品だから当然のように物語は悲劇に向って進んでいく。 いまどきの若者の覗き見はそれなりにスリルがあって楽しい。でも「柔らかな頬」(上)(下)「OUT」や「玉蘭」のように、私の心は引き裂かれない。若者たちの悩みはすでに私からはあまりにも遠いところにある。けれども、自分だけは人より特別だ、自分のことだけを誰か知っておいて欲しい、という欲望だけは今も健在だ。この高校生たちはバカだ、と笑いきれないのもそこら辺りにある。 高校生を持つ親なら、この五人の独白小説を読んで背筋が寒くなるだろうと思う。 | ||||
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母親殺しの少年に興味を抱いたばっかりに、絶望へのスパイラルをかけおちる事となってしまった4人の女子高校生の物語。章が変わるたびに描写する主体(目線)を移しているため、友人同士の認識のズレが表れている点が面白かった。 また、何気ない各々の選択が次の展開を呼び、ラストの悲劇に連鎖していく過程が興味深い。ちょっと現実で起きたら怖いけど、このような人物達が現実にいるとは考えにくく、あくまで組み立てられた虚構内でのやり取り・駆け引きを味わう物語である。 | ||||
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現実世界って堅いようで脆いのかもしれない。そんな趣のある小説。 時間は地繋がりで広がっているのに、 一歩横に逸れるとそこは違う世界。 高校生たちが経験する不思議な時間。 | ||||
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隣家の少年が母親を撲殺して逃亡してしまう。少年の逃亡に係わる4人の女子高生たち。 最初はただのゲーム感覚だったのが最後に取り返しのつかないことになってしまう・・・ おもしろい作品です。各章が登場人物の視点で書かれているのが、よかったです。 | ||||
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『グロテスク』よりはずっと「普通にいるであろう」少女たちが主人公で、 彼女らの思考回路も「そういうこともあるだろう」と思えて、読みやすかった。 そして『OUT』よりも、さらりとしているとはいえ、 普通に生活している少女たちが、犯罪に踏み込む、 そのあたりの描写が上手い。そして怖い。 『OUT』では主人公たちの境遇はけっこう厳しくて、先が見えない感じがあった。 この小説に出てくる少女たちは、それなりに恵まれた境遇にある。 だから全体的にライトな感じがしていて、結末は明るいのかと思ったけれど、 やはりこの作者なので、想像以上に悲惨な方向へ行った。 ラストは一応、ソフトに仕上げているとも言えるが、それでも読後感はちょっと重め。 | ||||
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正直、こういう読後感になるとは予想してなかった。当初はもっと軽く考えていた。 読了したあとは、どーんと重いしこりみたいなものが胸の中に残った。そうかあ、取り返しのつかないことってこういうことなのか。しかし、救いのない話だ。事の顛末もそうなら、ここに登場する五人みんなの環境もそうだ。恵まれた家庭に育っていても、多かれ少なかれ悩みというものは存在する。まして、それが円満でない家庭なら、親が感じる以上に子どもは心に傷を負っている。 そういった日常的な負担もあれば、非常にパーソナルな深刻な悩みもある。人は表面的な装飾の下に誰にも見せない本当の自分を隠している。それが浮上してくることはない。心の声は誰にも届かない。誰にも理解されない。そういった悲しみを心に秘めて自分を創りながら人は生きていく。 関係の崩れていない日常に突然訪れた非現実な出来事。様々な思惑が作用して五人それぞれの内面が曝け出される。人間って弱いけどしたたかで、強いけどもろい生き物なのだ。読んでる間は、何がリアルワールドだ、と作者の手の内を見透かしたように思っていたが、読了した時点で亡くなった四人の方の冥福を祈りたい気持ちになっていた。恐るべし桐野ワールドである。 | ||||
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OUTが面白かったので買ったのですが正直、期待はずれ。 意味不明なところが多かった作品だった。 題材としては面白いのに、それを活かしきれていない。 この作者の力量はもっと大きかった筈だが。 | ||||
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女子高生四人と進学校に通う男子高校生一人、計五人の目線からみた世の中と心情を描いています。 テンポよく話が進み一日で一気に読み終えました。 途中までは「ふ〜ん」とか「こういう気持ちになったことあるなぁ」と客観的に読んでいましたが、最後に哲学というか真理みたいなもので上手くまとめてあり、引き込まれ涙しました。 高校生や10代というのは不安定で壊れやすいからこそ、とてつもなく魅力的で、強い存在なんだと教えられる作品です。 彼らを取り巻く大人のあり方も考えさせられました。 | ||||
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キャラ構成がしっかりできていないと思いました。心理描写も曖昧。題名に惹かれて買ったけれどさほど面白くなかったです。 リアルワールドというからにはもっとリアルな内容のほうがよかったです。 一応最後まで読みましたが話の続きが知りたくてたまらないというような熱さはなかったです。 | ||||
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「ホリニンナ」という偽名を使い、現代の消費情報化社会に子供っぽい厭世観を抱きつつ生きている「トシちゃん」と個性ある3人の女友達が隣の家で母親を惨殺した少年の逃避行を興味半分で追いかける、という筋書き。主人公と友達と逃避行中の少年が交互に語る、という形式で物語が進む。最終的に「トシちゃん」がホリニンナ、なんて仮名を使わないでリアルワールドを受け止めて人生に誠実に生きていこうと決意するまでを書く。著者の桐野氏の年代を考えると、21世紀の青少年の心象にここまで迫った書き込みは良い出来だと思うし、場面がどんどん変わるので読みやすいが、著者の他作品と比べてしまうと(グロテスク等)少し成熟した大人の葛藤に欠けるかなと思う作品。桐野氏の作品のライトなテイストが好きならおすすめ。 | ||||
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テラウチは、テラウチ自身が母親に対する思いを何らかの形で表現せず(最後に一言表現することになりますが。)、ずっと心の内に封印することが、ミミズが母親を殺してしまうことよりも「取り返しのつかないこと。」としています。 解説にもありますが、人間関係の本質は「相手の欲求を想像する」ことにあります。テラウチに置き換えてみれば、テラウチの母親に対する思い、つまり母親が何を一番求めているのかを想像することです。 当然ここで、相手の欲求と自分の欲求が一致すれば、そこには愛、信頼といった関係が生まれるのですが、相手の欲求が自分のそれとかけ離れたところにある時、さらにそれを知ってしまってもそのことについて考えてしまう時、それは取り返しのつかないことになります。もっとわかりやすく言えば、そのことについて悩むことをやめられず、相手に伝えることもできず我慢することです。例えば夫婦関係。どちらかがどちらかの不倫に気づいてもそこに会話のない状態、どちらかが我慢している状態。これは取り返しのつかないことになります。逆にそのことに触れ、お互いが別々の人生を歩むと決めて離婚を決意すれば取り返しのつくことになります。 登場人物は取り返しがつかないことをしたのでしょうか? キラリンの元彼はキラリンに対して、十四子はテラウチに対して、それぞれ愛情、友情といった形で取り返しのつかないことをしました。というより取り返しをつけたくてもつけられない状態にあります。ですが、キラリンの元彼が手紙中で「僕たちは負い目とともに生きるしかないのだと思います。」と記していること、十四子の「受け止めたよ」と十四子と正直に名乗ると決めた瞬間に、二人の取り返しのつかないことをしたという自覚、さらにそれを背負って生きていくという覚悟が読み取れると思います。 | ||||
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なんとなく岡山バット事件を彷彿とさせますが、後輩は殴り殺してません。母親をバットで殴り殺した後、自転車で逃亡、という流れに連想しただけで、実際はあんまり関係ないと思います。 犯人の少年ミミズ(あだ名)と、彼の隣家にすむ少女ホリニンナ(偽名)と、彼女のナカヨシグループの3少女のそれぞれと、視点が移り変わります。オムニバス…でもないのかな。 思春期の少年少女が胸内に飼う一種の化け物じみた部分がすごかったのですよ。それが、客観的には意外に見え透いていて、言葉にしちゃうとうすっぺらいところが、むしろリアルな感じでした。彼も彼女もアナーキーでバランス悪くて、だけどものすごくありふれている。ありふれていることを自ら気付かずにいる、というのが面白かったです。 | ||||
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誰でも少なからず感じる不安や絶望,混沌。言葉には出来ない衝動。結局は自分と世界の事。人間ならばみんな当てはまる。 答えを求めても堂々巡りするばかり。 たしかにリアル。 僕は読んで腹が立った。 くやしいし悲しいと思うが,僕はこんな考え方嫌いだ。 とても痛いけれど,作品としては素晴らしいのだ。読むべき本。 | ||||
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この話は、どこで盛り上がって、何が言いたいのか、全く共感もできない。 セリフも、大人が女子高生の話し方を書いたって感じがすごいしてます。 違和感があります。 | ||||
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柔らかな頬,OUT で桐野作品に入った私としては、主人公のホリニンナに最後まで共感できない(っていうかこんな人物いるのか実際!?)っていうのが最後まで抜けきらなかった。つまり共感できない。だからなんなのといった感じ。 だけど「柔らかな・・・」は直木賞では傑作です。 応援してます。 | ||||
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最後のほうゎいっきに読んじゃいました!4人の少女の関係や心の奥にあるホントの気持ちがすごく鮮明に書かれていたと思います。ミミズの存在によって大きく動いていく4人の運命や「取り返しのつかないこと」のキーワードなど。。☆ホントにお勧めです。 | ||||
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この作品は面白い! 女子高生4人それぞれの、心情が書き込まれていて飲み込まれた中で 1日で読みきってしまいました(途中でとめられなかった) 人間って、いろいろ心の中に「闇」というか、深く考え込んでしまうところがあると思います。 後半はすごくハラハラ! 結末はちょっと切ないです。 したたかそうで、けど繊細な若い子の心情がすごくよかったです。 | ||||
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