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OUT
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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 201~220 11/12ページ
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あまりにもおもしろくて、数時間で一気に読んでしまった。 低学歴の持ち主はかなり努力しないと上昇できない階級社会としての現代日本、そこで突破口を求めてあえぐ人々にスポットを当てているという意味では、高村薫の傑作、「レディジョーカー」を思わせる。 しかしこの作品の主人公は、男ばかり活躍する高村小説と異なり、夜間に弁当仕出し工場で働くパートのおばさん四人。彼女らがバラバラ殺人事件に手を染めていくまで過程、それぞれの生活の背景と心理的動機付けが、舌を巻くような力強い筆致で描かれている。 この小説の特徴となっているもう一つの軸は、主婦たちの犯罪の結果、誤って容疑者に上げられてしまうバカラ博打場のオーナー佐竹と、彼のほとんど求道的ともいえる性的歪みだ。佐竹は以前に女を拷問の上に殺して以来、正常な性交渉は営めなくなっている。自分に無関係な犯罪に巻き込まれ、築き上げたものをすべて失った彼の視線は、当然ながら主婦たちへの復讐に向かう。しかし、彼が真に望むのは、自分が以前に殺した女に酷似した主婦の雅子を強姦しながら切り刻むこと、快楽の中で彼女の死を共有すること。この辺りは一見、強引で難しい展開と思われるが、人物描写の見事さと、佐竹の深層心理のおもしろさで一気に読ませてしまう。 また、やはり弁当屋で働く日系ブラジル人宮森の孤独など、現代日本の暗い側面にスポットを当てているので、主人公雅子が最後にすべてを捨てて脱出【OUT】に成功するエンディングにも関わらず、読後感は重い。しかしすばらしく緻密な小説を堪能できた充実感は残る。 最後になるが、桐野夏生は、自分の頭で考え、足で立とうとあがくふつうの女を、尊厳ある存在としてかっこよく描く、ほとんど唯一の日本人作家のような気がする。同じ女として、拍手喝采を送らずにはいられない。 | ||||
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あまりにもおもしろくて、数時間で一気に読んでしまった。低学歴の持ち主はかなり努力しないと上昇できない階級社会としての現代日本、そこで突破口を求めてあえぐ人々にスポットを当てているという意味では、高村薫の傑作、「レディジョーカー」を思わせる。しかしこの作品の主人公は、男ばかり活躍する高村小説と異なり、夜間に弁当仕出し工場で働くパートのおばさん四人。彼女らがバラバラ殺人事件に手を染めていくまで過程、それぞれの生活の背景と心理的動機付けが、舌を巻くような力強い筆致で描かれている。この小説の特徴となっているもう一つの軸は、主婦たちの犯罪の結果、誤って容疑者に上げられてしまうバカラ博打場のオーナー佐竹と、彼のほとんど求道的ともいえる性的歪みだ。佐竹は以前に女を拷問の上に殺して以来、正常な性交渉は営めなくなっている。自分に無関係な犯罪に巻き込まれ、築き上げたものをすべて失った彼の視線は、当然ながら主婦たちへの復讐に向かう。しかし、彼が真に望むのは、自分が以前に殺した女に酷似した主婦の雅子を強姦しながら切り刻むこと、快楽の中で彼女の死を共有すること。この辺りは一見、強引で難しい展開と思われるが、人物描写の見事さと、佐竹の深層心理のおもしろさで一気に読ませてしまう。また、やはり弁当屋で働く日系ブラジル人宮森の孤独など、現代日本の暗い側面にスポットを当てているので、主人公雅子が最後にすべてを捨てて脱出【OUT】に成功するエンディングにも関わらず、読後感は重い。しかしすばらしく緻密な小説を堪能できた充実感は残る。最後になるが、桐野夏生は、自分の頭で考え、足で立とうとあがくふつうの女を、尊厳ある存在としてかっこよく描く、ほとんど唯一の日本人作家のような気がする。同じ女として、拍手喝采を送らずにはいられない。 | ||||
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上・下巻とも夢中になって読めるし面白い。どこにでもありそうな主婦の描写がとても上手いしそれに纏わる背景もとても現実味を帯びている。ラストは多少“?”とも思うけど、どんどん引き込まれる内容にハラハラするしお勧めです。 | ||||
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上・下巻とも夢中になって読めるし面白い。 どこにでもありそうな主婦の描写がとても上手いし それに纏わる背景もとても現実味を帯びている。 ラストは多少“?”とも思うけど、どんどん引き込まれる 内容にハラハラするしお勧めです。 | ||||
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この本は、リアルで怖い。死体の解体なんかの場面は、想像するとゾッとする。 ただ、読みはじめると止まらなくなるようなところがあり、私も取り憑かれたかのように読んだ。描写も分かりやすく想像をしながら読んでしまう。自分も主人公の誰かに同化しているような気になる。 ただの主婦達が、ある事件を機にどんどん人生が変わらざるを得ないところや、人間って本当に追い詰められたらなんでもできちゃうのかな?できるのかもしれないな?と考えさせられるような、また、わたしだったらどうするだろう?と心がゆさぶられる。 とにかく、おすすめ。どんどん、先が知りたくてたまらなくなる。 寝不足覚悟で読むべし!! | ||||
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著者の本は初めて読んだ。 印象を一言で言うと、すこぶる妄想癖の強い作家と言ったところか。 やや文体に、硬さや、わざとらしさも感じなくはないが、 本来、映像の方が、より印象的に表現できそうなシーンたちを、 それに勝る表現力で描いているのは大したもの。 ドラマや映画などのメディア化がされなくても、 十分に、ドラマが浮かび上がるのも巧みだと思う。 そのせいで、時折、脚本を読んでいるような錯覚に陥るのは、 どうかとも思ったが。 | ||||
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著者の本は初めて読んだ。印象を一言で言うと、すこぶる妄想癖の強い作家と言ったところか。やや文体に、硬さや、わざとらしさも感じなくはないが、本来、映像の方が、より印象的に表現できそうなシーンたちを、それに勝る表現力で描いているのは大したもの。ドラマや映画などのメディア化がされなくても、十分に、ドラマが浮かび上がるのも巧みだと思う。そのせいで、時折、脚本を読んでいるような錯覚に陥るのは、どうかとも思ったが。 | ||||
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映画の「OUT」を観る前に原作を読んでおこうと思ったのがきっかけで読んだ。映画の他にも田中美佐子主演のTVドラマも観たが、小説、映画、ドラマ、全て結末が違う。 やはり小説の結末が一番しっくりくる。雅子と佐竹の特殊な関係を映画、ドラマでは描いてないのが気に入らない。 雅子が新しい一歩を踏み出すのに佐竹との生死をかけた対決を避けては通れない。なぜ映画、ドラマはそれを描かなかったのだろうか? 痛みがなくては何も手に入らない! 映画、ドラマは嫌な現実から楽にOUTし過ぎているのが納得できない。 | ||||
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映画の「OUT」を観る前に原作を読んでおこうと思ったのがきっかけで読んだ。映画の他にも田中美佐子主演のTVドラマも観たが、小説、映画、ドラマ、全て結末が違う。やはり小説の結末が一番しっくりくる。雅子と佐竹の特殊な関係を映画、ドラマでは描いてないのが気に入らない。雅子が新しい一歩を踏み出すのに佐竹との生死をかけた対決を避けては通れない。なぜ映画、ドラマはそれを描かなかったのだろうか?痛みがなくては何も手に入らない!映画、ドラマは嫌な現実から楽にOUTし過ぎているのが納得できない。 | ||||
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深夜の弁当工場で働く4人の家庭を抱える女性達。弁当工場というのは、オートメーション化されていて、楽な仕事ではない。深夜に働く女性には、何らかの理由がある。時給の高さ、昼の勤めが出来ない等。求めて職を得ているのではなく、深夜に働かなくてはならない事情が優先している。4人の幸せとはいえない家庭のうち、一つが暴発し、殺人事件が起きる。その時、仲間達は思いもよらない方法で事件を納めようとし、そのことが別の事件を呼び起こしてゆく。4人のそれぞれの家庭。そして4人が働く弁当工場。家庭と職場での微妙なズレや食い違いを丹念に描いて、4本の色違いの糸が縺れ合ったり、解けたりしながら物語が進んでゆく。非常に構成のしっかりしたドラマだと思う。弁当工場、登場人物のリアリティーが圧倒的で、ぐいぐいと引き込まれてしまった。非常に面白い(?)・・・怖い! | ||||
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深夜の弁当工場で働く4人の家庭を抱える女性達。弁当工場というのは、オートメーション化されていて、楽な仕事ではない。深夜に働く女性には、何らかの理由がある。時給の高さ、昼の勤めが出来ない等。求めて職を得ているのではなく、深夜に働かなくてはならない事情が優先している。 4人の幸せとはいえない家庭のうち、一つが暴発し、殺人事件が起きる。その時、仲間達は思いもよらない方法で事件を納めようとし、そのことが別の事件を呼び起こしてゆく。 4人のそれぞれの家庭。そして4人が働く弁当工場。家庭と職場での微妙なズレや食い違いを丹念に描いて、4本の色違いの糸が縺れ合ったり、解けたりしながら物語が進んでゆく。 非常に構成のしっかりしたドラマだと思う。弁当工場、登場人物のリアリティーが圧倒的で、ぐいぐいと引き込まれてしまった。 非常に面白い(?)・・・怖い! | ||||
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正直、上巻を読み終えた段階では、下巻の展開を予想もしていませんでした。 全く意外な展開、そして呆然とするようなクライマックス。 読み終わるまで、手が離せなくなってしまいました。 4人の弁当工場の女性達には、全く違った運命が待っていました。 自分自身を償うことになった、位にしか申し上げられませんが、上巻を読まれた方は、何の躊躇もなく、下巻を読まれると思いますし、一気に上下読まれることをお勧めいたします。 | ||||
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この作品の魅力は先ず圧倒的な取材力だろう。普通のパートよりも実入りの良い、けれども夜勤で辛い弁当工場の仕事を四人女性たちは何故辞めることが出来ないのか。そこには、暴力的な夫の収入を当てに出来なかったり、ローン地獄にはまっていたり、姑の介護と娘の学費で毎日ギリギリのところで生活して居たり、息子と夫と自分がそれぞれ鬱屈を抱えて支えあえることが出来なくなってしまった家族の姿があったりするのだ。それぞれの生活を身近に観てきたように描写していく導入部。 そして彼女達は、「はずみ」で殺された一人の女性の夫の死体を「はずみ」でバラバラにして処理することになる。「はずみ」で殺すのは分かる。しかし何故「はずみ」で死体を処理することになるのか。ひとつは金のためであるがそれは分かる。最大の謎は雅子だ。何故彼女は最初に死体処理を決意したのか。それがこの物語のカギになるだろう。 上巻はひとつの事件のあらましと登場人物達の説明に終始するだろう。しかし無限に続くかのような「生活」という地獄の日常に彼女達は新しい「仕事」を持ちこんだ。それは「生活」が否応なしに変わるという事を意味する。早く早くと次を読ませる物語に久しぶりに出会った。 | ||||
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深夜の弁当工場に働く4人の女性達は鬱積した思いを一人一人抱えていた。4人の内の一人弥生が旦那を殺してしまう事から、思わぬ方向に進展してしまう。雅子はどうして弥生の旦那をバラバラにしたのか?雅子は心の奥に何を探しているのだろうか?17年前の封印を雅子が開けてしまうが… 私から見れば雅子は強い人だと感じたが、とても孤独で寂しい人だとも感じた。 | ||||
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深夜の弁当工場に働く4人の女性達は鬱積した思いを一人一人抱えていた。4人の内の一人弥生が旦那を殺してしまう事から、思わぬ方向に進展してしまう。雅子はどうして弥生の旦那をバラバラにしたのか?雅子は心の奥に何を探しているのだろうか?17年前の封印を雅子が開けてしまうが… 私から見れば雅子は強い人だと感じたが、とても孤独で寂しい人だとも感じた。 | ||||
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時給800円。深夜労働での弁当つくり。コンビニででも売られるのであろう 弁当を夜中、立ったままの仕事で作る人々。深夜の労働であるから睡眠を削 り、家庭にしわ寄せが行く仕事。流れ作業なので、トイレにも自由に行くこ とはできない。そんな仕事につくのには、それぞれがそれぞれの背景と悩み をもっているからである。そんな四人の現状からの脱出「OUT」を試みる。 この本は、その物語を、一気に迫力を持って、読ませる。 怖い物語である。バラバラ殺人をテーマにしているから怖いのではない。 そのコンビニ弁当を作る四人の人生が怖いのである。それを書き込む作者の 筆力はすごい。当分の間、コンビニのお弁当はだべられそうもない。 特に、肉の入ったものは・・・。 | ||||
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時給800円。深夜労働での弁当つくり。コンビニででも売られるのであろう弁当を夜中、立ったままの仕事で作る人々。深夜の労働であるから睡眠を削り、家庭にしわ寄せが行く仕事。流れ作業なので、トイレにも自由に行くことはできない。そんな仕事につくのには、それぞれがそれぞれの背景と悩みをもっているからである。そんな四人の現状からの脱出「OUT」を試みる。この本は、その物語を、一気に迫力を持って、読ませる。怖い物語である。バラバラ殺人をテーマにしているから怖いのではない。そのコンビニ弁当を作る四人の人生が怖いのである。それを書き込む作者の筆力はすごい。当分の間、コンビニのお弁当はだべられそうもない。特に、肉の入ったものは・・・。 | ||||
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人は、何かに深く絶望した時に、渡ってしまう橋があるのかもしれない。この小説のテーマは、絶望、それとも闇なのか。弁当工場で働く主婦仲間のひとりが、暴力夫を殺害するところから物語は展開していく。主婦たちが、血なまぐさい犯行隠蔽の共犯へと駆り立てられたのは、単なる同情からではないこと、それを読み取らせるために書かれた小説のようにさえ思えてくる。 ドラマ化されてビデオにもなった。 田中美佐子主演の女版ハードボイルドは、鬼気迫る、時にはゾクゾクするほど格好良かった。 | ||||
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