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古書収集十番勝負(魔術的な急斜面)



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古書収集十番勝負(魔術的な急斜面)の評価: 3.58/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

面白いのは面白いのだが・・

普段あまりなじみのない古書の世界をうまく垣間見せてくれて楽しめる作品ではあるのだが、どうも、物語の芯になる部分がよくわからない。
だから、どうなんだ、と感じる部分も多い。あまり深く考えずに素直に読んでいくほうがいいのかも
古書収集十番勝負 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:古書収集十番勝負 (創元推理文庫)より
4488406041
No.2:
(3pt)

神保町古書店街よ永遠に!

おもしろく読了しました。90年代初頭、バブルのとば口に差しかかった古書店街の住人たちの意地と欲の絡み合いが、生き生きと描き出されています。私は読書という実用的見地から古書を愛好し「神田神保町古書店街」という世界にも類のない空間の永続を願う者(ユネスコは本当ならこうした空間を「世界遺産」として認定すべきだ)に過ぎません。その点この小説の中で狂態を繰り広げる書痴の世界からは一線を画しています。しかし「安政大地震の見聞録がある。ディケンズの初版本がある。漱石や夢二の初版本がある。仮にそうした存在感のある書物が一冊でも本棚にあれば、十坪の店内に−例えば1836年現在の空気が瀰漫するのだ」という本書の一節が語る「本の魅力」にはしみじみ共感します。本は単にそこに盛られた情報だけではなく紙質や紙の匂い、活字の字体や挿絵そして装幀、さらにはそのときそのとき自分が書き加えた書き込みなど、その有するモノ性の全てによって私に語りかけ、そのときそのときの私の情念を受け止め、再読の際にはその全てを私に送り返してくれる存在です。読む私との関わりの中で本は成長していきます。「読書の危機」とは「本」をそして本の彼方にいる「作者」を自分と対等の対話者と見ず、自分に従属し奉仕する道具や召使いと見ることにより、読書を媒介とした自己=趣味の形成が失われてしまうことのような気がします。その点この小説に出てくる書痴たちも古書店主たちも、皆それぞれに「モノ」としての本に関わってしまったことにより、個性=趣味をくっきりと持たされてしまっています。それは一見一番世俗的とも観じられる大阪人・蜷川ですらそうです。だからこそそこに、個性と個性の丁々発止のやりとりが浮かび上がってくるのです。それが金という物差しで測定されるのは、それがバブルという時代だからでもありますが、むしろこうした個と個のぶつかり合いが自然に金のやりとりに転化せざるを得ないところに、金の持つ力の不思議を見てもよいのかもしれません。私にとって近くて遠かった「神田神保町古書店街」の奥の院に、少し近づくことができたのは収穫でした。ただゲームの参加者たちが10冊の本にたどり着くまでの経緯が少し安直ですし、本書の陰の主人公ともいえる「洗足池の怪人」の正体は、他の評者の方も指摘するように少し強引すぎる気がします。もっともそれらの欠点はそう設定しないと、本書が途方もなく長い物語になりかねない危険性故避けられなかった欠点でしょう。現在の居住地「金沢」から上京の度ごと「神田神保町古書店街」に通い詰めている私にとって本書は、ミステリーとしての欠点にもかかわらず、この不思議な街に対する愛とエールの詰まった佳作として、今後も珍玩すべき書の一つとなりました。「神田神保町古書店街」よ永遠に!
古書収集十番勝負 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:古書収集十番勝負 (創元推理文庫)より
4488406041
No.1:
(3pt)

古本十番勝負

「魔術的な急斜面」の改題作。
意外性はありましたが、最後たたみかけるように話が終わってしまったので、読後感は「満足!」という感じではありませんでした。
ただ、とても読み易かったのと、古書界事情たるものを垣間見る事ができたのが良かったです。古書についての知識が全くなくても話が楽しめる点も良かったです。が、やはり少々消化不良気味だったので、評価は星三つで。。。面白い作品で、軽快に読み進められてた分、終わり方が残念でした。
古書店の後継ぎ争いが思わぬ展開を見せる。古本十番勝負!
徳永直『赤い恋以上』・湯浅良幸『日本史阿波史年表』・福永武彦『ある青春』・鈴木正『狩野享吉の研究』・川上澄生『ゑげれすいろは静物』『有朋堂対訳詳解漢文叢書』・菊池寛『真珠夫人』川口松太郎『鶴八鶴次郎』・夢野久作『白髪小僧』・海野十三『十八時の音楽浴』―この十冊を巡って繰り広げられる、壮絶極まりない稀書収集合戦の行方は。。。
古書収集十番勝負 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:古書収集十番勝負 (創元推理文庫)より
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