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閉鎖病棟



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【この小説が収録されている参考書籍】
閉鎖病棟―Closed Ward
閉鎖病棟 (新潮文庫)

閉鎖病棟の評価: 4.32/5点 レビュー 133件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全133件 101~120 6/7ページ
No.33:
(4pt)

無垢な人々の優しさと切なさが

もう発売されたの14年も前ですが、本屋の店員さんオススメコーナーにあったので(^^;)
私、店員さんの書くポップとかに弱いんです・・・
原作者さんは今はどうか知りませんが現役の精神科医だそうです。
そしてこの小説の舞台も題名でも分かるように精神科病棟です。
最初はミステリーかと思って読み始めたのですが、病院に入院する人々や通院する人々の半生を描く群像劇でもあるしサスペンス的要素もありますが、全体的に無垢な人々の優しさと切なさが出ていて、胸を打たれるものがありました。
実際の現場はどんなものか分からないのだけど、一言に精神病といっても色々なものがあって、ほとんどが無垢な人々ではないかと思いました。
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
4101288070
No.32:
(5pt)

温かな人間ドラマ

とても丹念に描かれた「人間」ドラマです。
精神科病棟に入院する患者たち、その家族など周りの人間たちの過去や日常が、
ある意味とても素直に、偏見なく描かれています。
著者が精神科医ということもあるのでしょう。
この手のテーマの場合、患者に対して過剰に同情的になってしまったり、
必要以上に悲劇的に描き、センセーショナルにしてしまう傾向を感じたりするのですが、過剰さのない、淡々とした静かな展開に、
著者の人間を見る目の温かさを感じました。
もちろんもっと厳しい現実があるのかも知れませんが、
登場人物たちのそれぞれに降りかかる困難から逃げない力強さに、勇気づけられもしました。
読後、心に温かいものが残った気がします。
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
4101288070
No.31:
(5pt)

登場人物が使い捨てられてない!

どうしてこんなにやわらかい読後感が生じたのか、考えてみた。
得られた結論は、
「登場人物が多いのに、一人として、使い捨てられていないから」
というものだった。
登場人物が筋を進行させるためのロボットのように扱われている作品を読むと、読後感がすっきりしないときがある。えっ、このヒトの出番これだけ?このヒトにも自身のもっている過去や趣味嗜好、社会的地位や立場など、何かしらあるはずなのに。
この小説ではいっさいそれがなかった。登場する人には全員に何かしらの役割が与えられており、それが著者の、ひとりひとりの患者を大事に扱っている医師としての面を垣間見せる感じがして、じんわりと幸せな気分になった。
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4101288070
No.30:
(5pt)

人間への公正な慈しみ

作者の優しい眼差しが至るところに現れています。もちろんそれは、弱者に対する無条件の甘い感傷ではなく、人間への公正な慈しみです。
慌しいストーリー、声高に叫ばれるメッセージ、そういうエンターテインメントではありません。作者の思いが、登場人物の日々の生活の中で暖かく描かれている、大変上質な大人の小説でした。だからこそ、かえって作者の思いが、じんわりと重く響いてきます。
・自ら精神科医であるからこそ抱ける問題意識の確かさ
・それを小説的表現とストーリーの中にくるみこむことの出来る作家としての力量
・人間を見る目の深さ、暖かさ
三拍子そろったすばらしい小説でした。
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4101288070
No.29:
(5pt)

痛々しく優しい

タイトルから『白い巨塔』のようなドロドロの院内愛憎劇か『チーム・バチスタの栄光』のような医療サスペンスを想像し、裏表紙のあらすじを読んでなおその第一印象をガンコに抱いたまま、半ばそういうものを期待しつつ、読んだ。
最高の形で裏切られた。勝手な想像とは全く別物の、安易な想像をしてゴメンナサイと謝りたくなるような品位ある作品だった。奥付を見れば初版は平成9年、つまり11年間もこの名作を、存在を知りながら読まずにいたことになる。悔しすぎる。
主たる登場人物たちは皆「患者」であり、それぞれがそれぞれの物語を抱えながらも、「今」現在を生きている。その「今」は季節の移ろいや奇妙な生活習慣の中でやわらかい光と共に描かれている印象だ。もちろん問題や不安要素がないわけではない。光の中に、時にじわりと過去の影や、病気の闇、病院の抱える歪みが黒々と滲み出す。
患者たちは世間に見捨てられ、病院に押し込められたのだが、一方で患者自身が病院から外へ出ることを恐れてもいる。一歩病院を出れば、そこは彼らにとって光ある世界ではない。
事件は少女を救ったと同時に、チュウさんが自身で作り出した心の中の閉鎖病棟を開け放つ後押しをすることにもなる。
裁判の最後でチュウさんが秀丸さんに向かって叫ぶ言葉が胸に迫る。
魂と魂が触れ合うような、痛々しく、だが希望に満ちた優しい小説だ。
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No.28:
(5pt)

現実はもっと厳しいのでしょうが・・・

読者の皆さんは、精神科の病院は現実にはもっと厳しい環境と思っていることは、私も同じです。しかし、作者が伝えたいのはこんな今の世の中、人を人とも思わない殺人事件、老人や子供を弱者と考えない世の中。そんな荒んだ現代人への警鐘のような気がしました。「閉鎖病棟」それは「現代社会」。そんな荒廃した現代社会から「退院したんよ!」それが、作者の本当のメッセージのような気がします。
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No.27:
(5pt)

このメッセージを聞け!

この作品の序盤では、作品の舞台である精神病院へ、登場人物である患者たちが送られるきっかけになった事件が語られます。まず、ここで私は衝撃を受けました。
戦争体験のトラウマや、悲惨なレイプ体験、あるいは突発的な放火…
この本からは、精神科医である著者のあまりにもリアルな、精神病患者とそれをとりまく実態が語られています。
ただ、そのリアルさゆえ、展開の遅さや中盤の日常的なシーンには若干退屈される方もいるかもしれません。しかし、やはりこの本はできるだけ多くの人に読んでもらいたい!そう思えるだけのメッセージ性がありました。主人公であり、精神病患者でもあるチュウさんのラストでのあの言葉は、「俺、人として認められたよ」という魂の叫びのようにも聞こえ、泣けました。
この作品を読んで、今の精神病患者に対する国や個人の扱い方について改めて考えてみるのもいいと思います。自分ならどうするんだ、どうしたいんだと自問自答したときに、この問題の深刻さがわかります。
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No.26:
(4pt)

ぐぐっときました。

とにかく最後には泣きそうになるぐらい感動する作品です。
表紙を見て購入したのですが、そのときはミステリ的な要素の強い作品だと思っていました。
しかし、実際にはそのような作品ではなくいい意味で意表をつかれました。
内容的にはあまり山場のある話ではなく、終盤以外は終始落ち着いた雰囲気になってます。
精神科病棟の話ですが、あまり病的なキャラクターは登場しません。
終盤は感動する内容になっています。
また、かなり考えさせられる内容でもあります。
派手ではなく落ち着いた作品を読みたい方にはお勧めの一冊です。
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No.25:
(5pt)

爽やかな読後、感動しました

何年かに1〜2作品、爽やかに涙がでてしまう小説があります。
3年程前に浅田次郎氏の「蒼穹の昴」のラストで、主人公の妹が
兄から貧しかった時の古銭を受け取り、泣くまいと歯を食いしば
る場面で思わず感涙しましたが、それ以来の感動でした。
最初はミステリーと思って読み始めました。おそらく事件に絡む
であろう3人の物語から始まり、舞台は精神科病棟に移ります。
この人物が主人公かと分かり、創作劇のあたりからこの小説の世
界にはまっていきます。
最後は一生懸命生きている人達の心からの叫びに胸をうたれます。
読後に心が洗われる爽やかな物語です。
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No.24:
(4pt)

上手い…

久々に上手い小説を読んだ…と思いました。
読み始めはちょっとこれは古い本かな、と思いましたが読んでいるうちに、
深くのめりこんでいきました。一人一人の人生が、泥臭くてとてもいとおしい。
風景描写も多いのに、すんなりと頭に入ってきて像を結びます。
登場人物の視点から書いている?からでしょうか。
後半、殺人事件などなくても、
人々の人生を追いかけて読んでいるだけでも個人的には満足でした。
全体通して、灰谷健次郎氏に通じるような視線の優しさを感じました。
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No.23:
(4pt)

陽のあたる場所へ

冒頭でばらばらに紹介された人々が、そこに集まってきていた。入院してから三十年を刻む人もいる。昔ながらの精神病院が舞台だ。
淡々とした筆致は読みやすく、小説だということを忘れる。作者の文章力も高いのだと思うが、作者をインスパイアした、実際の数々の患者達の人生に重みを感じた。登場する患者の親達の描写に胸を打たれた。
世代交代が進む中、戦争を経験した人は少なくなってきていると思うし、このような病院の景色もいずれやがては失われ行く景色の一つであってほしい。病院を終の棲家とすることも、一種の治外法権となることも。
主人公格のチュウさんに、若い女医が語る場面に、時代の変化は如実に表れている。薬物療法の進化と法制面の整備など、いささか偽善的であったとしても。
精神科の病気の治るとはどういうことか。秀丸さんの手紙には、作者の理想や希望が託されているのだろう。
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No.22:
(4pt)

人間模様しみじみ

精神病院を舞台に、そこに生きる患者の様々な人間模様を描く小説。月並みな言葉だが、人間の人生は色々なものがあるとしみじみ考えさせられる。
特に感心するのは、作者が大勢の登場人物の一人一人にその人生を細やかに描いていること、そして、淡々とした語り口のストーリー展開と各人物の感情描写が実に自然に感じられることである。
この小説の出だしは実に暗い。が、読み進めるうちに何か暖かいものが感じられる。終末の展開は心が救われた思いになり、「この小説読んで良かったな」との気持ちがじわっと湧いてくる。
この小説は大変素晴らしい作品。僕の場合、「人間模様」のジャンルは本来あまり好みでないため、評価を星4としたが、実はこの作品これで2回読んだ。
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4101288070
No.21:
(5pt)

人間の真髄・社会の本質を垣間見た

一度読み、途中で重くなり本を閉じた。そして数ヶ月後、改めて読破!!
やはり内容が深いため軽々しくは読めないが、読み応えが十分ありました。
読み終えた感想は一言で言うと、じわじわと深い感動☆
主人公達の人間模様が手に取るように分かり、感情移入が出来ました。
作品からは“人間の真髄”を感じることができ、
閉ざされた空間中から”社会の本質”を垣間見ることができる生きた作品でした。
一年後の目標をもつことを知らず、未来を描けない生活をしている患者。
社会的への行き場がなく入院をしている患者。
特殊な世界の中でも、やはり人間の繋がり、友情があるということ。
色々なことを感じました。
ぜひ一度この世界を味わってほしい。
人間の見方、社会の見方が広がると思います。
私はまた暫くたってから読んでみたいと思っています。
また今とは違った感覚をもつかもしれないから。
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No.20:
(3pt)

ストレートに

精神病者目線の話。
患者の日常をメインにストーリーは進む。
精神医療や生について考えさせる、良作ではあるとは思うのだが…
「死」や「殺人」をやや軽々しく扱っているように感じるのは私だけだろうか。
ネタバレになるため詳細は避けるが、その点が気になってか私は感動できなかった。
また、問題提起に重きを置いてる作品のようで、ミステリー的なストーリのひねりとかはあまりありません。
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
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No.19:
(4pt)

大変勉強になる一冊

心理学、精神医学を学ぶ人はもちろんのこと、学生やふとタイトルが目に留まっただけの人にも是非読んでほしい一冊。 専門的な知識がわかりやすくちりばめられており、読者は小説を楽しみながら近代の精神科事情に触れることが出来るだろう。作中では「精神分裂病」という言葉が用いられているが、現在では名称が「統合失調症」に改められている。しかしそんな言葉狩りがいかに無意味か、この作品を読むことで伝わってくるのではないかと思う。重い(とされている)テーマのわりには読みやすく、読後感も悪くない。ただ他のレビューで言われているような「泣ける」作品ではないと感じた。冒頭から手術シーンが入るため、手に取って数文読んだだけでは棚に戻したくなるような重さを感じさせる。内容が良いだけに、この冒頭だけが少し気にかかった。
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No.18:
(5pt)

現実の「精神科病院」内部の実態は言葉に言い表せないむごい状態であることそ忘れないでく

精神病院を「精神科病院]と読み方をかえたら、世間の人の見方は変わるであろうと考え、実行した「精神医療関係者諸氏」が存在していることを知ってこの本を読んでください。
『精神病院』の内実変わらず。このことを決して忘れないでください。
そして、この作品を夢物語として楽しく読みましょう。この中で、描かれている様々な内容は、すべてありうることです。しかし、九州のこの病院は患者さんがしっかりしていて、生きるすべを知っている。おのれの生き方を生きてゆくために、病者と言われながらも生きていく。仲間意識の強さ。この迫力。さすがハハキギ氏です。
最後は、明るく締めくくる、甘すぎる結論。ここから希望が見えるようですが、現実の日本の精神病患者対策は日々、きびしくなり、精神障害者差別は厳しくなっている、それが現実です。
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No.17:
(5pt)

いろいろな人生を『感じて』ください。

医師が質問する…『あなたはどのような病気なのですか?』
…答えられずに、うつむく…
医師が言う…『それでいいんです』
この描写、すごいですね。
これだけのやりとりの中で医師の力量と寛解状態の患者さんをみごとに表現しています。
自分に起こることに精一杯になっている日常では ついつい忘れてしまっているのですが、 
この作品の登場人物の描写を追いかけると 人の数だけいろいろな人生があるのだ/
ひとりの人間の人生にもいろいろあるのだ、とあらためて思い起こさせてくれます。
いろいろな人生を『感じて』ください。
私たちの間に『壁』はありません。
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4101288070
No.16:
(5pt)

名作

ストーリー、文章力、緻密で繊細な描写、よく練られた人物像、小説の魅力を余すところなく捉えているすばらしい作品だと思います。
この作品は精神病院という狭い空間を舞台としていながら、それが社会や私たちの意識に投げかける問題はとても広い。精神医療をめぐる不条理な現実、多様性を秘めた人格でありながら「精神病者」というレッテルで一くくりにされ、それ以外の存在であることを許されない患者たちの悲しさ、彼らに対する世人の偏見、そして人と人のつながりとは何なのか、人が人を想うとは何なのか、こうした事柄を深く、強く、考え、胸に刻み込まずにはいられない作品です。
著者は、大げさな誇張や過度に哀れむような表現を用いず、静かな筆致で等身大の患者たちを描き出そうとしたのでしょう。それでいてその心底には限りなくやさしいヒューマニズムの精神がある。「感動」という安っぽい言葉で飾りたくないほど深く胸をうつ作品です。
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
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No.15:
(3pt)

どこで泣けばいいの?

本屋さんで号泣できる本とあったので読んでみたんだけど、いったいどこで泣けばいいんだろう?登場人物の精神病棟の患者らが何だか汚い人達のように思えて、胸がムカムカすることもありました。 正直、本当にそう感じながら読んでいて、それほど感動もできなかった自分こそ精神を病んでいるのかなと少し悩んでしまいました。
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
4101288070
No.14:
(2pt)

理解できない

 話はいい。確かに感動的かもしれない。 ただ、エンターテイメントとして登場人物が陰鬱(すぎ)なおっさんばかりなのはどうなの? きついよ、正直
閉鎖病棟 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:閉鎖病棟 (新潮文庫)より
4101288070

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