襲来
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日蓮の耳目となって、モンゴル軍により壊滅した対馬の様子を伝えていた下人の生涯を描く小説。最後に心打たれる結末を迎えたが、本人は幸せだったろうと想像した。 | ||||
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襲来、という題名からは蒙古襲来の様相や戦いが連想されるが、本書のメインテーマはそこにはなく、日蓮を信じる市井の青年の成長物語である。蒙古襲来の記述は全編の1割程度なので、戦争物語を期待すると、がっかりするかもしれない。日蓮の考えや教えも多く記述されるので、宗教が嫌いな人は辟易するかもしれない、が、しかし、一つの物語として読むのなら、実に面白く感動できる。 | ||||
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元寇のあった当時の中央政府と対馬、壱岐の現場の状況を、日蓮上人と彼に使えた一青年(主人公)の目を通して描いた歴史小説。奈良時代を描いた同人の小説である国銅とパターンはそっくりだが、それでも素晴らしいと思える内容。厳しい時代の中で信念をもって生きる姿勢の大切さを再認識できる。 | ||||
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日蓮という宗教家については、どうも今一つ共感できなかったのですが、本書は小説といっても、日蓮の人間的魅力を見事に伝えていると思う。ある種、ハルマゲドン思想的な末法思想を抱いてはいるんだけど、それと同時に、現実社会での矛盾と、そこで犠牲になる名もなき人々への深い愛情の双方を強烈に持っていた人で、仮名がかろうじて読める主人公に送り続ける手紙には、日蓮の温かい心情が込められている。 そして、法華経や宗教思想の難しいことはわからなくても、ただ、日蓮という人物をはじめ、孤児だった自分を親切に守り育て、成長させてくれた周囲の人たち全てに純粋な尊敬の心を持ち、日蓮のために生涯を捧げることをひたすら幸せに思った主人公、見助の美しい精神が読者の心を打つ。蒙古襲来の実態をその目で見て、日蓮に報告するために彼は鎌倉から対馬まで赴くが、その過程の道々での出会いや風景が、短くはあるが印象的に語られ、まるで一緒に旅をしているような気持になる(しかも文章のテンポがいいので全然だれない)。 主人公見助は、自分が見た風景をただ日蓮に伝え、元寇における対馬の悲劇を伝える。本土は守れたが対馬、壱岐の人々が犠牲になったことを、日蓮が見助の手紙で知り、同じ日本の同胞なのになぜ見捨てるのか、と憤る文章からは、日蓮のもっとも美しく、ある意味近代的な精神が現れている。そして、元寇をめぐる様々な歴史の悲劇を現場から日蓮に伝えることに生涯をかけた見助の生き方には、ある意味、心から尊敬する人のために、自分の人生のすべてをかけて尽くすこと、それができた人生がいかに幸福だったかを読者に伝えてくれる。 私たちは個性を発揮して生きる、自由に生きる、自分の夢をかなえる、それこそが真の幸福だと思いがちだ。しかし、自分の敬愛する人物のために生涯をささげることのすばらしさを、ちょっと忘れがちなんではないかと思う。 | ||||
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