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閉鎖病棟
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閉鎖病棟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全133件 81~100 5/7ページ
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久しぶりに良い小説を読ませてもらいました。 ミステリーだとかエンターテイメントだと何だとか、そんなつまらない枠組みを超えて、 非常に優れた「文学作品」だと思う。人間への信頼の眼差しが胸を打ちます。 それにしても残念なのは、この「表紙」。おそらく内容を読んでいないイラストレーターの方が、 題名から推して、安直に描かれたものではないか思われますが、あまりにも中身にそぐわない、無機質にして安っぽい絵であり、 この文庫本の価値を著しく損なっているのが、何としても惜しまれます。 装幀は、本の顔なのですから、編集者の方も、もう少し目配りされてはいかがでしょうか。 | ||||
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帚木氏の著作は、「ヒトラーの防具」に続いて二作目として読みました。精神科医の経歴があるため、 登場人物の心理描写や医者の立場からの視点が克明に書かれている所が、心に残りました。今回の本を読 んで、人それぞれ歴史ありで、重い過去ばかりですが、かえって陶芸教室や書道、ソフトボールなど長閑 な風景が印象に残りました。 最近は以前ほどビジネス書を読まなくなりました。小説や歴史ものを読んで、「人としての生き方」を できるだけ多く疑似体験したいと思っています。本当は、自分で直接会ったり目で見たりして経験をした 方がいいのでしょうが、書物から数多くのエッセンスを学ぶこともできると思っています。書籍+リアル 体験で自分の人生を豊かにしたいと思います。 | ||||
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最高ですね!皆さん、お勧めです!世界関が素晴らしいです! | ||||
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深い感動が残る小説でした。 精神病院で暮らす、不器用なあまりに様々な不幸な過去を経てきた人々が、日常に小さな幸福を感じ感謝して生きていく姿が、本当に印象的でした。 彼等の謙虚さに何度も心がハッとし、同時にその不憫さに胸が苦しくなりました。 日常の(私から見れば)些細な出来事に一喜一憂する彼等の様子を丁寧に描写する場面を見るにつけ、筆者の大事に伝えたい部分の1つはそこなのかな、と感じました。 悲しい過去を生きてきた秀丸さんに待つ、折り重なる重苦しい試練。 どうしてこんな試練ばかり乗り越えなければならないのだろう。 自由を手にしたチュウさん、島崎さん、昭八ちゃんも、行く手にはまた多くの困難があると思います。 フィクションとは言え、彼等の未来に少しでも多く、幸せだなと感じる瞬間が訪れるよう、切に願います。 これからの人生を前に、この本に出会えて良かったと思えた数少ない小説の1つでした。 | ||||
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「人間」の本質に迫った好著。精神科医ならではの作品である。 物語を表層的に言うと、精神障害者が集う病棟内における人間ドラマといえようか。 ただし、その根底には非常に深いテーマが横たわっている。 色々な言い方ができると思うが、それは「人間が人間でいられる理由」であると思う。 少なくとも私はそう読んだ。 優れた文学作品がいずれも「人間」の本質をえぐり出しているように、 この『閉鎖病棟』にもドキリとさせられるシーンがたびたび出てくる。 何が「正常」で何が「異常」なのか、考えさせられた。 圧巻は、チュウさんの退院をめぐるシーンである。 具体的には、退院を希望する患者とそれを認める病院側とそれに反対する親族側の対立である。 一般的に言うと、親族側が「正常」な人間である。 だから、障害者との関わりを押し付けられる親族側に肩入れしそうになる。 しかし、それまで病院内の「正常」なチュウさんを目撃してきた読者は、 いわゆる「正常」な世界からの攻撃に対して疑問を持たざるを得なくなる。 主治医と親族との攻防戦に痺れを切らして主任が割り込むシーンは感動的である。 人間を幻想から覚醒に導く過程を象徴する芸術的筆致である。 と同時に、「人間が人間でいられる理由」を問うているように感じた。 我々の大半は自分たちを「正常」だと思っている。 そうやって自我を育み生きてきた。 ただ、その「正常」の根拠は他に「異常」を発見し、決めつけ差別することで成り立っている。 つまり、「正常」の根拠はぜい弱なのである。 だから、「異常」が実は「正常」であるかもしれないことを認めることはできない。 なぜなら、そうでなければ自我が成り立たなくなってしまうからである。 だから、「正常」を保つために、あるいは自我を守るために、相手に攻撃を仕掛ける。 「異常」は「異常」でなければならないのである。 それが、丸一と新川医師のやり取りである。 この果てしのない議論を喝破するのが主任の役割であり、読者はそこに一番の感動を覚えるだろう。 この本のよさはここにある。 | ||||
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現在、精神科ローテート中の研修医。日々さまざまな人が外来に訪れるが、その人たちの社会的背景の悲惨さに心を痛める。自分勝手な人間のなんと多く、それにより生みだされる悲劇のなんと多いことかと。特に、最近の若い親たちの精神的未熟さに、やりようのない怒りを覚える。健診に来ない妊婦、非常識、育児放棄、子への無関心。それらの一つ一つが、どれほど子どもを傷つけるか考えもないままに、自分勝手な快楽に身を任せて子どもを設ける。それこそ立派な犯罪ではないか?あのような親達の子どもが大人になりかけたとき、悲劇は顕在化するのだろう。うつ病にせよ、統合失調症にせよ、病前の性格はいたって真面目、几帳面、他人本位で純粋な人が多い。一生懸命に生きてきたのに、その純粋さ・不器用さゆえ社会の歪みに打ちのめされ、追い詰められた人たちがやがて精神疾患を発症する(それがすべてではないが)。言い換えれば、我々、正常と考えられている人間は、弱い人間を犠牲にすることで自分の心を守ることができた、より邪悪で利己的な人間なのだと思う。そもそも我々は、誰でも純粋さ・邪悪さを持ち合わせて生まれるが、親や周囲の人間に愛情を注がれることで自信を養い、安定した精神状態、困難に立ち向かう勇気や根性を身につける。しいては内なる邪悪さを抑え、他人に優しくできるようになり、幸せを得る。はじめから他人を傷つけたいと思って生まれてくる人などいない。ずっと求め続けた愛情をついに得られず、自分の存在意義を見いだせなかったとき、周りに対する怒り・憎しみが増幅され、犯罪や発病という結果を生むのだと思う。精神病患者にせよ、犯罪者にせよ、社会で生きていくために必要不可欠なものが与えられなかった、社会の犠牲者ではないか。殺人などの犯罪のニュースを聞くと、自分はどちらかというと犯人に同情してしまうことがある。それまでのその人の人生がいかに悲惨で、どれほどその人が苦しんできたか計り知れないから。同時に、そのような結果を招いた犯罪者の親や周囲の環境に対し、強い憤りを覚える。これは、貧困とか社会的地位とは別問題。重要なのは1点だけ、ただ無条件の愛だ。それさえあれば救われたのに、与えられなかった人たちの、その後の数十年の人生は地獄より悲惨なものではなかったか。本作品に登場する患者たちもまた、親や周囲の人々の利己心、他人の痛みを理解しない貧しい心、偏見などにより追い詰められた挙句、精神病院へ辿り着いた。つまるところ、人間のエゴイズムがすべての悲劇を生み出している。閉鎖病棟の患者達は、決して消えることのない罪の意識にさいなまれながら生きている。罪滅ぼしの意識も助かって、患者たちは他人のために生きるという精神を見出した。「自らの命を捨てるものは返ってこれを得る」キリストの有名な言葉だが、この言葉の意味・深さを今一度考えさせられた。「無知は罪」これは、愚かな親によって人生を台無しにされた兄を持つ、自分が辿り着いた真理。人は一生、自ら学び続けなければならない。そうしなければ罪を犯し続けることになるからだ。 | ||||
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箒木氏の作品は、安心感があります。 タイトルにもドキドキさせられますが、決してそれを裏切らない(いい意味で内容が思っていなかったものだったりということもありますが)安定感があります。 そして、くじけても立ち上がる人が必ずと言っていいほど出てきます。 今回に関して言えば、少女を大事に思う人たちの心です。 病院ものでは、とても辛いものが多いのですが、ジャンル分けができないところにまで踏み込んでの作品に、圧巻でした。 30冊でやめるなどとは言わずに(もう超えていますよきっと〜)どんどん書いて頂きたい! 箒木さんの作品の初心者さんにはガツンときてくれるであろうお勧めの一冊です。 | ||||
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題名とは裏腹に、わりと明るい小説です。 差別と人間の尊厳について考えさせられました。 それでも人間は生きていく、力強さを感じる一冊です。 | ||||
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この客観とも主観とも寄り切らない透明な視線はなんだろう。決して深く立ち入らない位置からの眺めで、例え短いエピソードの登場人物であっても彼らの心情がこうまでストレートに入ってくるのは何故だろう。 題名と文庫表紙絵にある灰色の高層建築物から想像されるほどの重苦しさ、閉塞感は作品内世界には物理的にはなく、主要登場人物達は外出等も許され、外の人々との触れ合いなども描かれる。いわゆる「犯罪」も起こるが、それに関わる主な登場人物達の心に真の邪悪はほとんどなかった。そこに物足りなさや善に偏る志向を感じる向きもあるかもしれないが、読後の心洗われたかのような感慨はだからこそ、とも思う。これまで読書に人の暗部ばかりを求めていた自分の偏りを、改めて実感させられた気がした。 清々しい気分ばかりでなく、登場人物達の至極まっとうな思考や行動に意外さを覚えたことで、普段そうでないつもりでも精神疾患を持つ人々をやはりどこかで“異物”として捉えている自分が明らかにされ、苦い気持ちになったことも付け加えておく。絶妙な距離からの人物描写、そして構成が素晴らしい。 | ||||
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1度書店で見かけた時にぱらっと読んだのですが 「ちょっと重いかな・・・」と思い購入しないでいました。 後日立ち読みした後のストーリーがどうしても気になり、購入して一気に読んでしまいました。 ホントに何度も涙しました。でも悲しい涙ではありません。感動の涙です。 読み終えてすっきりしました。希望が沸いてきました。 とても素晴らしい作品でした。 | ||||
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私は施設に勤めているのですが、登場人物たちのこだわりや(人の処方した薬な飲まない、荷物を肌身離せないなど)性格、言動など、どこをとっても人間くさく、その生々しさに驚きながら読みました。 想像力をもって描かれているのであれば、ただただ感服です。素晴らしい。 どうしてそんなに彼らの気持ちが分かるんだろうと本当に驚きました。 彼らは自分のしたいことをちゃんと知っていて、自分に対して嘘偽りなく生活していました。生活するということは、つまり生きていくということはいたってシンプルなことだと思えました。 前半の彼らの生い立ちが丁寧に描かれている部分では、どう繋がっていくのかが分からず、読み進めるのがしんどいなぁと感じましたが、後半は一気に読み終え、深く感動しました。 演芸会での劇のシーンが大好きです。 | ||||
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まだ牧歌的雰囲気の漂う頃の精神科病院の様子が過不足なく伝わってきます。平成6年刊行の作品。精神科医療業界がめまぐるしく変遷していく今だからこそ、残しておきたい貴重な一冊。 | ||||
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半年以上前に読んだ作品です。今でも思い返します。登場人物一人一人、しっかり際立っています。主人公の男性(名前を忘れてしまいました)には精神障害はまるでないような錯覚になりますが、やっぱり精神に障害があるのか。と納得しながら読んでいました。小説なのに登場人物の「顔」までわかるようです。山本周五郎賞をいただいた作品である以上、ぜひ読んでほしいと思います。レビューのタイトルどおり、作者は現役の精神科医。今まで医師作家の作品を数作品読みましたが、ハハキギさんの作品は医療関係者でなくても、誰でも読みやすいと思います。他作品の解説でも書かれるハハキギ作品の「すがすがしさ」ぜひ、感じてみていただけたらと思います。 | ||||
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単行本が出たのが'94年、文庫本が'97年、オレが読んだのが'09年。 なんで今まで読んでなかったんだろう……そう思う作品や。 タイトルを見て「暗そう」って思ったから、これまで読まへんかったけど、ぜ〜んぜん暗くなかった。 簡単に言うたら精神病院の精神病患者の話。なのに暗くないし、半端な明るさも無い。 ただ淡々と、日常を過ごし、結末に向かっていく。 視点は、Iでもなく、youでもなく、第三者なんだけど、まるで私小説のように登場人物に感情移入してしまう。 語ってしまうと、内容が分かってしまいそうなので言わないけど、とりあえず、借りてでも良いから読んでみて! ホンマにエエ話しやから。 恥ずかしながら、オレはウルウルしちゃいました。 | ||||
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お話の展開、舞台となる設定等は、他の方のレビューにもありますし、あらすじを書く愚は避けたいと思いますが、ある精神科病棟のそれぞれの患者の、年代も、背負った過去も、視点も、その結果の今の自分も、あまりにもかけ離れた人たちが、他にどこへも逃避もできない環境の中で、繰り返し接し続けなければいけない中では、それぞれが、どのように抑制し、忌避し、自らも欺いたりしていくか。という捉え方をした時、それは、彼らだけの特異な問題ではなく、今、健常者として普通の暮らしをしている我々自身にも、まったく当てはまることの多さを痛感しました。この作品は、社会においては、とりあえず異端者ではなく異常者でもない健常者とされる我々に対しての示唆の多さを感じます。人間にとって、本当に小さな思い出や、ささやかな幸せが、どれほど尊いものか・。とても含蓄のある作品であると絶賛したい読後感でした。 | ||||
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作者は精神科医らしい。物語もある精神科病棟の中の出来事。最初はそこの入院患者が一般の世間でどのような事件を起こしてその病院に収監?されるに至ったかなどの描写があり、後半はその病院の中で繰り広げられる色々な出来事、そしてまさかと思ったが殺人事件、その裁判までの話しが描かれている。 この本の評論はとても難しい。どのように感じるかも人それぞれだと思う。 何か犯罪が起こっても精神病院の履歴があるという事で、実名報道がされなくなったり、かと思ったらこの前の幼児殺人事件の犯人は履歴があるにもかかわらず顔まで何度も写されていたし、先日捕まった浮浪者殺しの容疑者も報道は慎重。この差は何なのだろう。そもそも誰が線を引いているのか? あと「だから精神病患者は隔離せよ」などの極端な意見の差別論者のコメンテーターもいるか、たまたま朝日新聞の社員が痴漢で捕まったら、朝日新聞の社員はすべて痴漢だと言っている様な者で、それこそ個人差があってしかるべき。 そのような人たちすべてが安心して暮らせる社会を作るのが政治だろう。しかし今の政治は、官僚の利益確保にしか目が行かない…。 だからやはり一度政権交代をしなければならないと思う。 全然違う方向にまとめてしまいましたが(笑)、それくらい考えさせられるテーマであり本です。 | ||||
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文庫になって版を重ねるロングセラーであるとともに、最近では大手書店の三省堂がキャンペーンを張り、注目を浴びた山本周五郎賞受賞作である。 本書は、精神科の病院を舞台にした群像ドラマであり、そこで暮らす患者たちの日常を、患者目線で淡々とドキュメンタリータッチで描いている。 歌を詠むチュウさん。それを清書する秀丸さん。外来で通ってくる女子中学生の島崎さん。耳が聞こえない昭八ちゃん。昭八ちゃんの甥の敬吾くん。そこには、健常者と何ら変わらない個性のある人びとがいる。しかし、彼らは何らかの理由によって外の世界では生きられない精神病患者なのである。ここにいるだけの理由が、それぞれにある。 作者は本書で、あえて精神科医であるという自らの専門分野を題材に取り、「閉鎖病棟」を管理化された私たちの社会全体の象徴としてとらえている。物語の後半で起こる殺人事件も含めて、そこで起こるさまざまな出来事は、私たち一般社会の縮図なのである。そうであるがゆえに、読者は共感し、本書からなんとも言いようのない感動をおぼえるのである。 | ||||
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精神病患者達を割と軽快なタッチで描いており、「閉鎖病棟」というタイトルからイメージされる重厚感や悲壮感はあまり感じられない(悲惨で不幸なシーンが随所にあるものの)。それほど感動する話ではないしインパクトにも欠けるが、社会的なハンディを負った登場人物達が前向きに逞しく生きていく様には勇気づけられた。 | ||||
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精神的障害を持っている人に対する我々のイメージは「怖い」「危ない」等のマイナスの部分が圧倒的にあります。当然、精神に障害があるために健常者には考えられない行動を起こしたりするのですが、彼らが常時そのような精神状態ではないこと、そして精神病は治療によってある程度抑える事が出来るということを本書により知りました。また先天的な障害者と後天的な障害者とでは大きく違いますし、我々も外的なプレッシャーや肉体的恥辱を与えられる事でいつ何時そのような精神状態に陥るか分からないのかもしれないと感じました。本書にはそのような精神病患者の日常が描かれています。それはもしかしたら健常者の社会よりも純粋でより人間らしい人間の集まりであるように感じます。自分の精神状態に負い目があり、自分の起こした過去の間違った行動に対し後悔があるからこそ、彼らはより人間らしい精神状態を保つことが出来るのかもしれません。彼らの日常はこのような小説を通してでないと知ることが出来ません。その意味でも本書の役割は非常に大きいと思われます。 | ||||
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本屋さんでずっと気になっていました。タイトルからして暗いのかなと躊躇しておりましたが、手にとって読んでよかったです。 精神を病んだ患者さんの歩んできた様々な人生、病棟での仲間、病院関係者の人間関係が大変良く描かれていると思います。内容はとても重くなりがちなのですが何故かそんな感じは見受けられず、人間の持つ純粋さ、優しさの表現が素直に入ってきました。不思議と嫌な気持ちにならない文章はなんなのだろうかと。難しいことは分かりませんがこういう描き方ってあるんだと著者の作品初めて読ませていただき感動いたしました。 最近多発する、通り魔事件。ある人がおっしゃってました。「以前は皆、仲間意識、集団意識で助け合って人と係ってきた、それが今失われつつある。」と。 この本を読んで改めて人間というのは人と係って、寄りかかりあいながら、生きていかなくてはならないし、生きていけるのだと思いました。後半は涙が溢れて電車内、困ってしまいました。人間の嫌な部分も出てきますけれど、ちゃんと救われるくだりがあり、ほっとしたり。。ほんの少しでも心が温かくなります。。是非読んでみてください。 これを機に他の作品もどんどん読んでいくつもりです。 | ||||
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