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生首に聞いてみろ
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生首に聞いてみろの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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500ページ近い長編だが、最初から最後まで読者を飽きさせない内容だった。一人一人の人物描写もていねいで、それぞれの個性がよく分かり、作品を厚みのあるものにしている。複雑に絡み合った人間関係。「犯人は誰か?」ラストまでの構成力もすぐれていると思う。ただネタばれになると困るので詳しくは書けないが、川島家の過去のいきさつなどについて不自然さを感じるところがあり、ちょっと残念だった。全体としては、面白い仕上がりの作品だと思う。 | ||||
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表紙とタイトルが不気味なので、オドロオドロシイ内容を予想してしまいますが、真正面、ど真ん中直球の、本格ミステリーです。タイトルと表紙のような、雰囲気は、中身にはあまりありません。 もっといいタイトル(と表紙)もあったのかな、と思うのですが、中身がおもしろいので、そんなことは気にしないで読めました。 著者と同姓同名同業の主人公探偵に、警視の父親、情報屋代わりのカメラマンの田代は、私はこの本で初めて読んだので、わかりませんが、シリーズおなじみの登場人物でしょうか。 ありがちな設定ですが、設定以上に魅力的な事件(変な表現ですが)、ミステリー、謎解きで、一気に読ませるおもしろさがありました。 被害者の母親の再婚相手の母親が、電動ウォーカーに乗りながら話している場面で、セリフの中に、(スッスッ、ハッハッ)という記述がいちいち入っているのですが、このあたりはリズム感があって、ユーモラスです。 でも、事件の真相、被害者のことを思うと、読後感は、『悲しい』でした。 | ||||
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帯に「このネタを他の作家が使ってもこれほど衝撃的にはならないだろう」というような(うろ覚え)コメントがあってかなり期待したのですが、ちょっと肩すかし。本筋は日常的な事件で、首切り殺人というような大仰な仕掛けはちょっと座りが悪いような気がしました。ネタばれなしに本書を評するのはものすごく難しいですね。上記の帯で触れていたのは「**トリック」の部分だと思います。実は「**」が「**」であり「**」が「**」だったということ、それ自体はあまり目新しいトリックではないと思います。その証拠が「**である**」であり、真相に気づいた**が**した結果「**が**された」という事件が発生したが、結局**は**によって**されたということになります。このように、真相から逆向きに考えると確かに理屈が通っているのに、「**が**された」という部分を発端にすると何が何だかさっぱりわからない、というのがパズラーの面目躍如というところです。トリック自体はものすごい大業というわけではなく、個人的には短編で読みたいと思いました。「法月綸太郎の功績」に納められていた短編が唖然とするくらいものすごい作品群だっただけに、同じような切れ味でこのトリックが使われていたら衝撃はずっと大きかったのではないでしょうか。 | ||||
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やっと読めました。十分に満足できる作品です。 作者はかなり寡作なかたで、何年待たせることか。。。新本格ミステリー好きには、欠かせない作家さんです。 初めて読まれる方は、いろいろ細かい所でツッコミたくなります(人物描写など)が、 クイーンばりのロジックの展開は圧巻です。 前半でしくまれた伏線が、後半で見事に絡み合う。 (ミステリーなので当然ですが、かなりのパズラーです) 設定もクイーンそっくりですし、読んでみる価値ありです。 次も期待して待つのですが、次は何年先でしょうか? | ||||
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2004年9月30日発表。法月綸太郎シリーズの前作『ふたたび赤い悪夢』が1992年4月発表だから、なんと12年間もスパンがあったことになる。ご存知の通り2005年度『このミス』第一位、『週刊文春ミステリーベスト10』第二位と玄人筋には高い評価を得ている。 法月綸太郎の作品はいずれも組み上げられた複雑なパズルのパーツをひとつひとつ論理で組み上げていくタイプの作品だ。パズルのパーツは1つそして1つと読者に手渡され、そのたびに読者はそのパーツに秘められた論理の可能性を頭の中で拡散させて行く。ラストに達する頃には、渡されたパーツの拡散するようなイマジネーションの塊が読者の頭脳に出来上がる。そこが法月綸太郎シリーズの醍醐味だろう。 本作もその例に漏れず、パズル・パーツの可能性の積みあげが見事だ。ただ今一つと思わせるのはその構築されたパズル世界を表現する筆力が若干不足気味なのだと思う。ただそれでも充分なレベルの作品でミステリー好きを唸らせる仕掛けが随所に伏線として用意されている。 閑話休題。法月綸太郎の実力を多くのミステリー・ファンに知ってもらえるきっかけとなるだけでも、2005年度『このミス』第一位、『週刊文春ミステリーベスト10』第二位は意味のあることなのだろう。及第点だが。 | ||||
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なぜか綸太郎のイメージが名探偵コナンなのです。中盤までは言い回しがしつこくてイマイチ好きになれなかったのですが「死」が具体的なカタチで表れてから一気にターボチャージしたみたいに面白みが加速昨夜、AM3時に読破しました。私のコナン=綸太郎さんで他にオススメがあればぜひ読みたいです。 | ||||
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読み応えのある作品。昨今の大長編至上主義には少し辟易しているところではあるが、この作品は長すぎず短すぎず。テーマ、ストーリィとプロット、ロジックを展開するのに必要十分な量ではないかと思う。【人体石膏像の首が切断され紛失 → そのモデルとなった人物の首が切断される】という「犯罪予告と猟奇殺人」の図式から、全ての推理が始まる。読者を驚かせるための仕掛けはなく、探偵と同じ立場で純粋に推理に没頭する事が出来る。探偵役の法月綸太郎が、相変わらず自らの立場に苦悩している姿はもはや滑稽ですらあるが、クィーン以来、未だに解決できないテーマであるという事も、一方で事実だろう。 | ||||
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「このミステリーがすごい!」第一位だったので、読んでみました。これまで、社会背景とか、人物の心理描写が書き込まれたミステリーばかりを読んでいたので、ロジック重視の作品は新鮮な感じがしました。しかし、作品にのめり込むようなことはなく、あくまで謎解きが出来てよかったね、というのが読後感です。文章やストーリーの完成度は確かに高いと思います。 | ||||
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九七年に刊行予定という告知があって七年目にしてようやく刊行された法月シリーズの最新作は、正直いって本格としてのロジックには酔えなかった。本書を全体的に包んでいるのはロス・マク風血の悲劇なのだ。「頼子のために」で作者自らが主張していたこの魅力ある主題が、本作では前面に押し出されおり、かといって陰鬱なトーンには陥らず、全体的にはロス・マクよりも軽快だった。そして、クィーンを踏襲しての苦悩する、あるいは挫折する探偵像。久しぶりの新作は、安定した良質のミステリに仕上がっている。待った甲斐があったというものだ。 | ||||
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動機、隠蔽工作は少々無理してますが、物語はおもしろい。前半の謎、伏線が後半の展開で寸分違わず当てはまっていく様は感動物。希望を言わせてもらえば、生首の人物描写がもっと欲しい、生首の遺族の悲哀をもっと盛り上げて欲しい。 ※読後「頼子のために」を購入しました。 | ||||
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個人的にはパズラー志向のため、物足りない部分がありましたが、物語としてしっかりした作品だと思いました。内容が内容なので、多くは書けませんが、全体的に重く、もう少しシェイプアップできたのではないか、と素人的な感想として付け加えます。 | ||||
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本来は書き下ろし長編として準備しながら、200枚の原稿を破棄して構想を練り直し、何とか雑誌に連載したが、かなり加筆修正が必要だった…という経緯は作者自身が公表していました。それだけに期待して読みましたが、期待通りの仕上がりと満足しました。犯人の意外性に欠けると感じる方もおられるでしょうが、おそらく作者の意図は、意外性ではないのです。錯綜した人間関係の中での殺人事件であっても、起こるべくして起こった悲劇ではなく、防ぎ得たかもしれない悲劇として描くこと。その「神話的悲劇」の前には、真相にたどり着いても勝利感は得られず、探偵も癒しを求めるしかない(真相を語る前に、綸太郎が儚い期待感を抱く場面があるのは、彼が能天気だからではない)こと。そこに作者なりの「新本格の真髄」があるのだと思います。その「真髄」ゆえに星5つ。 | ||||
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川島伊作の死をきっかけに、事件が悲劇の色を濃くしていく前半から、作品としての手応えを感じた。始まりの事件そのものに、それほどインパクトがある訳ではない。しかし、事件関係者間の葛藤やきしみが、法月綸太郎の目を通して徐々に明らかになっていく展開が読ませる。なかなか魅力的なダミー解が提示されるなか、綸太郎が真実の頂点に向けて推理をめぐらせていく様子がスリリング。 話が二転三転して訳が分からなくなってくる中盤では、正直、いらいらすることもあった。綸太郎や父親の法月警視が、適当なところで、現在までの状況を要領よく説明してくれているにも関わらず。その時は自分の頭の回転の遅さを呪いたくもなったけれど、ラストで「ああ、あれはそういうことだったのか」と腑に落ちたということは……ん? 作者が仕掛けた術中に知らずにはまっていたのかもしれない。タイトルの「生首に聞いてみろ」というのは、何か先行作品を意識して付けたのだろうか。ひょっとして、都筑道夫の『なめくじに聞いてみろ』をもじったのか。 このタイトルよりはむしろ、表紙カバーに小さく印字された「THE GORGON'S LOOK」という英語のタイトルのほうがいいと思った。ちょっと気になって、ロス・マクドナルドの作品リストにあたってみたら、「THE GOODBYE LOOK」(邦題『別れの顔』)というのを見つけた。関係があるかどうかは分からないのだけれど。 | ||||
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