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生首に聞いてみろ
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生首に聞いてみろの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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練りに練られたプロットとトリック、怒涛のロジックで物語は二転三転し、意外な真相に迫っていきますが、論理の積み重ねですっきりとエレガントに収束するかと言えば、凝りすぎていてかえってそれが足枷になっているというかなんというか。一気に読ませる勢いはさすがですが、本格ミステリとしてはいまひとつカタルシスが得られず、作者自身ロジックにこだわりすぎてややこしくなってしまっているのでは?と思わずにはいられませんでした。あとこれに限らずですが、個人的には法月親子(もちろん劇中のキャラクターであって作者のことじゃないです)はどうも好きになれません。 | ||||
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出来不出来の差が激しいように感じられる法月綸太郎作品としては堅実だけれど凡作より。 このミスで一位をとったのでハードルが跳ね上がってしまった感があるが、 リアリズムの事件に現代的な要素と新本格的なケレン味を組み込んだ作風は既に確立されていて、作品の世界観は感じられる。 過去作なら「誰彼」に類する作品と言えると思うが、意外な真相、意外な犯人とその推理のロジックの濃いめを望むなら、 同じく探偵法月綸太郎シリーズの傑作短編集「探偵ホロスコープⅡ 一人の女王の問題」が良い。 飛び道具強めなら「法月綸太郎の冒険」がおすすめ。 | ||||
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構成は流石ですし、話は勿論面白いのですが、冒頭部分で作中の法月綸太郎がただのスケベおやじに感じてしまい、気持ち悪く感じました。 | ||||
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2005年度本格ミステリ大賞受賞作。 ではあるが、本作受賞前からいろいろ問題点も指摘されていた。 当時最も指摘が多かったのが、書評家豊崎由美氏らによる「そんな簡単に妊娠するかよ」という批評だが、初出からほぼ10年となることからもう1点、本作で根本的におかしいと思える点を指摘しておく。 具体的には「伊作が各務順一に騙されて、(ありもしない)妻の不義を確信するに至る過程がありえない」という点である。 本作では伊作が律子に対して「義理の弟の子供を身ごもってしまったというのは本当か」といって問いただし、それに対して律子も明確な否定が出来ぬまま「取り返しのつかない誤解」により、伊作が妻の殺害に加担したことになっている。(文庫版534ページ) この部分はもともとミステリのトリックとしても「義理の弟」が表す人物を誤解させる、という、うまく使えばなかなか良いトリックと推察されるが、こんな使い方ではせっかくのトリックも台無しであろう。 なぜなら、伊作から見れば重要なのは「律子は(自分の弟である)川島敦志と不義の関係にあり、一時は妊娠までした」という点であり、こんな(各務にとって)都合よく「義理の弟の子供を身ごもった」などと律子を問いただしてくれる保証はまったくないからである。むしろ「敦志とよろしくやって、妊娠までしたそうだな」などと責め立てる方がよっぽどありそうである。 もしそうなったら「各務にレイプされて妊娠した」律子としては同じような態度が取れるであろうか?むしろそこまでの誤解に対しては徹底的に否定して事実をぶちまける可能性が高いのではないだろうか。答えないにしても何らかの否定的なニュアンスは伊作としても感じるに違いない。そうなったら各務にとって目も当てられない。犯罪計画どころか、その時点で社会的生命は終わる。 つまるところ、どのように伊作が律子を問いただすかが予測できない以上、各務からすれば「伊作本人が律子を問いただすこと自体が絶対にあってはならない」ことであり、そうならないようにするところ(言い換えれば別の手段により伊作を納得させる手段を準備すること)までが犯罪計画に含まれている必要があるが、そういう点が全く考慮されていないことはかなり致命的な欠陥と言えると思う。 なお、作者の立場で考えれば、やり方はいくらでもあっただろうと思われる。 ・伊作の目の前で律子あての書簡を作成し、その中で「お前が義理の弟の子を身ごもったことをばらされたくなければ指定する場所に来い」と脅迫する内容を記載して投函する。あとから指定場所に律子がやってくるのを二人で離れた場所から確認し、脅迫内容が事実であると遺作に誤認させる ・伊作同席の上、声を変えた電話で上記と同じ内容を一方的に通告する 等々。 ついでに言っておくと、冒頭にあげたもうひとつの欠陥、妊娠確率を高めるようなやり方もないではない。これは簡単で、「結子に生理周期を聞いてもらう」だけでよい。姉妹間で生理についての話題は特に珍しいことではないだろうし「最近生理不順で困っちゃって」などともちかければ、相手の生理周期やら、どのくらいの狂いがあるかなどもあらかじめ確認できるであろう。それだけで(もちろん確実ではないが)妊娠確率は10倍くらい(または否定的な批評をなんとか封じ込められる程度には)高まるはずである。 冒頭に述べたとおり、本格ミステリ大賞受賞作かつこのミス等各種ベストの1位獲得作品でもあるが、現状で必ずしも法月綸太郎の代表作とは目されていないところを見るに、やはりこういった細部がなんとなく雑な点が原因ではないかと考えるのは穿ち過ぎであろうか? | ||||
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毎回感じることですが、この作者の作品は文が硬いですね。 一番読みやすかったのがデビュー作の 「 密閉教室 」 で、2作目以降は読みづらいと常々感じています。 それでも宗教が絡んだ 「 誰彼 」 は先が気になるものでしたが、本作はうーん …… 。 真相そのものは割合とよくあるパターン ( 小説では ) なのに、無駄にややこしくしているというか …… 。 展開が 「 起承転結 」 ではなく、 「 起承承結 」 という気がします。 また、最後の方で過去の事件について 「 リスクの大きい計画だったことは否めない 」 とあり、 ちょっと無理矢理感を覚え、いまひとつリアリティを感じません。 2時間サスペンスドラマなら許容範囲という気もしますが、536ページは長すぎます。 美術を題材にすることで説明が多くなったとしても、もう少し何とかならなかったものでしょうか。 探偵役の男が事件のあらましを語る最後の40ページは苦痛でした。 〔 この男に魅力をあまり感じられない 〕 ところが弱いです。 彫刻家の行動にも納得ができませんし、現実のできごとなら、そのようにはしないのではないかという気がしてなりません。 〔 夫婦間で取り返しのつかない誤解が生じたまま 〕 って、そんなアホな。 推理小説というよりも、事件をもとにして探偵が推理を楽しむだけのゲームというか。 探偵役の男に人間味を感じることができず ( それがこの作者のスタイルなのかもしれませんが ) 、残念でした。 | ||||
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著名な彫刻家が病死し、その遺作である彫刻の首が切り落とされる事件が起ります。彫刻家の弟であり翻訳家であり、さらに法月 綸太郎の友人でも川島から捜査を依頼されたことから、その彫刻家の娘であり、しかも遺作のモデルでもある江知佳の身辺を気をつける法月ですが・・・というのが冒頭です。 まず、普通は事件が起り、探偵や警察を必要とする状況になるのですが、この作品ではそうではありません。その過程が面白く、また様々な伏線が貼られていて、そのどれもが非常に丁寧なため、伏線とわかり難い部分さえ多々見受けられました。が、実際にその伏線が回収されていくカタルシスはちょっと無いくらいのレベルの高さと多さであり、この本のボリュームにも頷けてしまいます。ですが、このボリュームや伏線の多さについて躊躇われる読者もいるのではないか?とは想像しました。 そして、探偵という存在に必要な「事件」を起こしどう関わらせるか?という部分の繊細さが法月さんの真骨頂だと個人的には感じていますので、法月さんらしかったとも言える作品だと思います。 とてもロジカルであることに突き抜けた作品に興味のある方にオススメ致します。 しかし、個人的には、ロジカルな部分は良いのですが、いくらなんでも、という部分も多いと感じましたし、整い過ぎていて余計な感じがしてしまいました。細部に拘って伏線にすることでのカタルシスは十分理解できますけれど、やりすぎると興ざめしてしまいかねないと思うのです。 | ||||
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ミステリ小説としては読みやすく内容も悪くありません。 ただ、読んでる途中「ああそうだったのか!」と思える場所はなかったのですが、読了後思い返すと、「この部分が肝だったのか」と感じた部分があります。普通ほその場所で膝を叩くことになるのですが、スルーしてしまった原因は文字に現れるヴィジュアル描写ではなくそこに暗に含まれるヴィジュアル描写だったわけで、どうしても想像だけでは確実にできない部分にあります。 結局最後まで読むことによりヴィジュアル面での補完が可能になり、色々と納得できるのですが、読んでる最中は必要な情報が足りないため展開は想像の範囲を超えなくともどう転ぶのかわからずに読み進めてました。 ヴィジュアル面でも作者の読者に対する意図的なミスリードがあるとも考えられるのですが、釈然としないものを感じたのも事実です。 どちらかというと、小説より実写で見てみたいと感じる作品ですが、実写にしても並大抵の美術さんやキャスティングでは再現できないとも感じます。 | ||||
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法月シリーズを読むのが初めてだったので、著者名と主人公名が同一な事や父親が刑事である事など細部も楽しむ事が出来ました。 私のような俄かミステリーファンには、設定や背景への違和感、歯切れの悪さが気になってしまい、全体として冗漫な印象が残ります。複線やボリュームは「すごい!」と思いますが、読後の満足感はそこまで大きくはありませんでした。そういった点から、軽いミステリーではなく読者を選ぶのかなと感じました。 | ||||
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病死した彫刻家の遺作は、実の娘をモデルにしたものだったが、死後、何者かの手によって作品の首が切断され、持ち去られる……。 てなお話だが、遺族はこの事件を娘への「殺人予告」と受け取り、素人探偵の主人公に調査を依頼する。そこまではいいのだが、「殺人予告」と考えるなら、ボディー・ガードを雇うとか、尾行をつけるとかして、当の娘を保護しようというのが筋じゃなかろうか? 「名指しの脅迫となると―石膏像の首を切ったのが美術マニアのしわざでないとすれば、江知佳さんに対する殺人予告の可能性が高いということになりますね」 そこまで予想できてるなら、護衛をつけろよ護衛を。 そして最初の予想通り、殺人が起こると、 「面目ない。こういう事態になるとは、予想もできませんでした」 してたじゃん、開巻早々に。 しかも、命を狙われている可能性の高い女性の 行動スケジュールを誰も把握していない。 「一昨日? 江知佳さんは金曜日に、大学へ行ったんですか?」 土日に大学へ行った、というならともかく、 普通、平日は行ってるんじゃないのか? 学校? 行かないのか? 平日は? さらに巻末に作者の対談が掲載されているのだが、その中で― 「僕は昔から事件の概要を知った瞬間にすべてわかっちゃう超人的な 名探偵よりも、『ああでもない、こうでもない』って、 しゅっちゅう間違えるような探偵が好きなんです」 ……それはいいけど、出だしから致命的な失策を犯す探偵って いうのも、どうかと思うぞ。 | ||||
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途中で読むのをやめてしまったので、評価は中間の3つにしました。 本当は☆ゼロの気分です。 表現が幼すぎてまったく読み進むきになれませんでした。今まで読み始めた小説はどんなにおもしろくないと思っても、最後まで読むのが礼儀だと思っていましたが、初めて途中で断念しました。 | ||||
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うーん。。。長い 長くて嬉しい本もあるけど、これは長くて飽きた(笑 あんまり起承転結がなくて、生々しい話のはずなのに、 冗漫な感じ。。。 私としてははずれですが、こういう感じの本が好きな方にはたまらないかと(笑 | ||||
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「生首に聞いてみろ」と言う扇情的な題名とは異なり、骨太な骨格を持つ地道な作品。しかし、題名から「生首」を用いた驚愕の大トリックを期待していた私には肩透かしの形となった。 亡くなった彫刻家が遺作として残した娘の彫像の首が切り取られた事を発端とする事件なのだが、物語の進行は殆ど普通小説のノリで、手堅いと言えば手堅いが、読者を惹き付ける魅惑的な謎もなければ、サスペンス性も感じられない。そして、事件の真相は彫刻家の常軌を逸した思惑(怨念)と周囲の嘘と誤解だけから成り立っており、犯人(=作者)のミステリ的アイデアが奈辺にあるのか理解できない。しかも、その真相が物語の進行と共に自然に割れるとあっては、読む方は何処に楽しみを見い出して良いのか分からない。R.マクドナルドを引用して、家族の悲劇性や「***」というトリックを暗示しているが、本作にそれ程の深みがあるとは思えない。 「ロス・マクに聞いてみろ」と言いたい、不完全燃焼の作品。 | ||||
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■謎部分は充分練ってあって、引き込まれてぐんぐん謎解きまで行くのですが、その後がどうにも物足りなかったです。事件の事だと、あそこまで細かく経過とか状況とか心理を書けるのに、あぁいうざっくり切り取られたようなラストにするかが分からない(謎は解いたぞ、じゃ!って突き離された感じ?)。■登場人物に対するフォロー、というよりここまで一緒に事件を追ってきた読者に対する、謎の解明後のフォローは、必要だと思うのですが。■自分がミステリを読む時、謎解きでなくキャラクターで読むタイプなので余計にそれを求めてしまうのかも知れません。名探偵・法月綸太郎のファンではあるのだけど、何故かこの人の本を手元に置いておけない理由が分かった気がする1冊でした。 | ||||
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小説自体の物語性のおもしろさがもうひとつという印象で、本格ミステリファンならば喜ぶ作品なのでしょうが、一般受けはなかなかむずかしい作品なのでは? もうちょっとエンターテイメント小説としての華やかさが欲しい、というところでしょうか。 | ||||
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最後まで読んで「あぁ、そういう事だったのか」と巧妙に張られた伏線にうならされる。しかしながら、話の流れにメリハリがない。主人公の行動力が決して低いわけではないのだが、スピード感が感じられなかった。質の高さに感心はするが、ワクワクして読み進める作品ではない。 | ||||
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何処が本格なのか?小説としては、大変面白かった。何しろ、一日で読了しましたからね。事件が起こるまでは、どんな事件が起こるのか興味津々でしたが…。猟奇的事件イコール新本格派なのか?むしろ、結局何も事件は起きなかった、と言う物語の方が、小説としては新鮮で良かったのでは、と思いますね。何せ、事件が起こるまでは読ませる作者やなあ、と思っていましたからね。この小説には、少なくとも三つ大きなミスがあるように思います。例え、これがパズルだとしてでもですよ。非論理的で根本を否定するようなミスだと思いますが、読まれた方はどう思いましたか?テーマが良かったので、星3っつです。 | ||||
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私も「2005このミステリーがすごい」で堂々1位に輝いた作品、ということで読み始めました。タイトルだけ見るとホラーっぽいけど、中味は正統派の推理小説。非常に理路整然として乱れがない。作者の頭のよさはすごく感じる。だけど、ぐいぐいとページをめくる推理小説の醍醐味は感じられなかった。中盤、長すぎ!もっと短くコンパクトにまとまればよかったのに。一番秀逸だったのはタイトルかもしれない。 | ||||
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評判に期待しすぎて若干肩透かしを食らいました。かなりのページ数を使って破綻なくまとめていますが、本格としてのサプライズがどこにあるのかわかりませんでした。ストーリーは悪くありませんが、サスペンス不足で盛り上がりに欠ける気も。考え抜いたプロットを丁寧に書き込んでおりますが、面白みには欠けますね。好みがはっきり分かれる作品と思います。 | ||||
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さりげなくちりばめた伏線に彫刻に関する薀蓄で格調高いミステリーになっている。けど何故犯人が生首を送り付けなければならないのか?といった動機の点や容疑者の絞り込み方が今一歩で、違和感あり。ミステリーのためのミステリーになっちゃっているかなと。 | ||||
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フクザツに入り組んだ人間関係と、散りばめられた複線が収束し、パズルが完成されていく様は確かに見事でした。けれども、どうにも釈然としない。登場人物たちの心理を、どうにも納得しきれなかったからです。 どのようなミステリーでも登場人物たちの行為は、その人物達の心理によって選択されます。それら選択の結果が積み重なることで事件が起こるわけですが。ただ、本作では、その選択に、どうにも納得がいかない部分多々あり、といった感を抱きました。実際、作中で謎が解かれるときでも、主人公の言葉は、私にとってひどく頼りないものでした。『だろう……』とか、『きっとそうだ』といった憶測の連続。たとえばたったひとつだけが偶然悪い方向に転がった、というような選択であれば、そこに悲しみを見出すこともあるだろうし、それは作品の味になるのでしょう。けれど、その積み重ねの数が、私には少しばかり多すぎる気がしてしまいました。簡単に言えば、なんでこの人物はあのときああいう行動をしなかったんだろう、という疑問が多すぎたのです。その点について、もっと主人公に説得されたかったです。さすればきっとこんな釈然とした気持ちもなしに楽しめただろうなあと、そんな気がします。 | ||||
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